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夢は自家用ジェット機! 少年ナイフ インタビュー

夢は自家用ジェット機! 少年ナイフ インタビュー

インタビュー・テキスト
渡辺裕也
撮影:田中慎一郎
2012/06/08

何せこれだけの長いキャリアを持つバンドなのだ。きっとそれに伴う苦難の時期もあったはずだし、その辺りも含めて、改めてここまでの30年を振り返ってもらおうと今回のインタビューに臨んだのだけど、筆者のそんな狙いは見事なまでに大外れしてしまった。というのも、少年ナイフの3人が口にするのは、どれもこれもこのバンドで活動することの喜びに満ちたものだらけで、それでも食い下がろうとすると「楽しかったことしか覚えてないからなぁ」と困った顔をされてしまうのだから、これにはもう脱帽するしかなかった。同時に少年ナイフというバンドがこの日本で生まれた奇跡を再確認させられるばかりだった。

そして今また彼女たちから届いた新しいアルバム『Pop Tune』を聴くたびに思うのだ。このタイトルそのままの弾けるような歌と演奏に胸が高ぶる感覚は、もはや恋した時とさほど変わらないなと。彼女達の歌うどこまでもシンプルで核心を突いたポップソングに、僕はまたしてもときめいてしまったのだった。

結成30年のバンドが等身大なんて言うのもなんかおかしいですけど(笑)。3人の気持ちがぴったり一致しているというか(りつこ)

―『Pop Tune』は、現在の3人になって初めてのオリジナルアルバムということになりますね。

なおこ
なおこ

なおこ(Vo,Gt):いまのメンバーはまさに最強だと思ってて。えみちゃん(Dr,Vo)が入ってからのこの3年間で、みんなの演奏するフレーズや感覚、すべてが私を含めた少年ナイフのイメージとぴったり合うようになったんです。演奏はもちろん、3人ともボーカルができるから、それぞれの声を重ねてハーモニーも広げられるし、本当にいい状態ですね。そんな中で作ったのが今回のアルバムなんです。


―その、なおこさんの考える理想の少年ナイフ像とは、バンドを結成した頃から変わらないものなんでしょうか。

なおこ:いや、なにも考えてなかったです(笑)。ただ、その時々でやりたいことや思いついたことを音楽にしていったらそうなったというだけのことで。私は目先のことを考えたり、計画を立てて行動することができないし、過去を振り返って反省することもなかったから(笑)。

―そうしたらいつの間にか30年が経っていたと。

なおこ:あっという間でしたねぇ(笑)。自分ではそんなに時間が経ったという感覚もまったくなくて。

―とはいえ、これほど長いキャリアを持つバンドに途中から加入するとなった時は、それなりの覚悟も必要だったのではないでしょうか。

りつこ(Ba,Vo):私はもともとファンから始まっているから、少年ナイフっていう存在がものすごく大きくて。だから、私が加わったことで少年ナイフが変わったと思われたらいやだなっていう気持ちはもちろんありました。少年ナイフでの自分はこうあるべきだよなって、構えていた時期も多少はあったかもしれません。それがここにきてものすごく自然体になれたというか。これが等身大の少年ナイフなんじゃないかなと思ってます。結成30年のバンドが等身大なんて言うのもなんかおかしいですけど(笑)。3人の気持ちがぴったり一致しているというか。

えみ:私もやっぱりファンだったので、少年ナイフっていう大きな看板を背負うことへのプレッシャーはもちろんありました。でも、それ以上にこのバンドに加われたことが嬉しかったし、入ったからには少年ナイフをもっといい状態にしたいという気持ちが最初からあって。

左から:えみ、なおこ、りつこ
左から:えみ、なおこ、りつこ

―バンドがピリピリしたムードになることもなかったんですか。

りつこ:ないですね。ただ、少年ナイフの音楽に対して純粋でありたいとだけ思っていました。自分が入ってバンドが汚れていくのはいやですから(笑)。

なおこ:たとえば売れることを目的としたバンドだったら、大衆に受け入れられるための研究をしたりしなきゃいけないだろうし、見かけを気にして整形手術が必要になることもあると思うんですけど(笑)。少年ナイフの場合は好きな音楽を楽しくやりたいだけだし、それをお客さんにも楽しんでほしいというのが基本だから。

―大衆からの反応を意識したことはこれまで一度もなかったのですか。

なおこ:もちろん売れたらすごく嬉しいですけど、私にはそこまで考えられないというか(笑)。

りつこ:それよりも、たとえば私は自分が加わる前の曲を忠実に表現したいと思うし、なおこさんがここまで作り上げてきた少年ナイフのイメージを大切にしたいんです。それと同時にもっと新しいナイフを見せていきたいとも思っているし。

なおこ:先日、大阪の難波ベアーズで少年ナイフの結成30周年記念ライブを2部構成でやったんです。1部はこれまで出した各アルバムから1曲ずつ、現在から過去に遡っていくような構成で演奏して。最後の方なんか、もう演奏するのが20年以上ぶりの曲もあったんですけど、それをこの3人で演奏したら、ものすごくいいグルーヴが出たんですよ。お客さんからのエネルギーもすごかった。それに、私は過去のことをどんどん忘れていくから、だんだん自分が当事者なのかどうかもわからなくなってきて(笑)。

りつこ:私の方がなおこさんより曲を覚えていたり(笑)。「なおこさん、昔のライブではこういう風にやってましたよ」って(笑)。当時はフロアからなおこさんの姿を見ていましたから。

えみ:でも、ライブで演奏している時はとにかく必死だから、思い出に浸るような感じもなかったですね。

なおこ:で、2部は初期少年ナイフを知る3人の方をゲストに呼んでトークショーをやったんですけど、その準備で昔のビデオや写真、音源なんかをたくさん引っ張り出したんです。そしたらなんか、すごく新しい発見をしたみたいな気持ちになって(笑)。初期は初期で、すごい狂気を感じるものがあったなと。

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リリース情報

少年ナイフ<br>
『Pop Tune』
少年ナイフ
『Pop Tune』

2012年6月6日発売
価格:2,625円(税込)
PCD-25144

1. Welcome To The Rock Club
2. Pop Tune
3. Osaka Rock City
4. All You Can Eat
5. Paper Clip
6. Psychedelic Life
7. Mr.J
8. Ghost Train
9. Sunshine
10. Move On

CINRA.STOREで取扱中の商品

少年ナイフ<br>
『Pop Tune』[MP3]
少年ナイフ
『Pop Tune』[MP3]

価格:1,800円(税込)
もう「ロック=少年ナイフ」ってことにしちゃいましょう!

プロフィール

少年ナイフ

なおこ(Vo/G)を中心に1981年、大阪で結成される。90年代にはニルバーナのカート・コバーンをはじめ、ソニックユース、レッドクロスなどのアーティストから絶大な支持を受け、ワールドワイドな活動を展開。結成以来、ツアーやレコーディングをコンスタントに行いロックシーンに独自のポジションを築く。

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