
ダサい自分を認める覚悟 bómiインタビュー
- インタビュー・テキスト
- 金子厚武
- 撮影:田中慎一郎
「(クラスの人気者に)なりたかったけど、見てた」みたいな。だから、(私は)鼻にティッシュ詰めてるぐらいがちょうどいいんです(笑)。
―「キーゼルバッファ」っていうのは鼻の中の毛細血管が集まる部位のことで…よく鼻血が出るんだってね?(笑)
bómi:昨日もインタビュー中に出ちゃって、鼻にティッシュ詰めたまますごい真面目な話をしてました(笑)。でも、それぐらいが落ち着くんですよ。褒められるのとか、カワイイって言われるのって、いつまで経っても慣れなくて。元々「クラスの人気者になりたかった」みたいなタイプなんで(笑)。
―なりたいけど、なれなかった?
bómi:「なりたかったけど、見てた」みたいな。性格よくて、頭もよくて、可愛くて、スポーツもできて、みたいな子ってたまにいるじゃないですか? 「私は絶対あんな人になれないな」っていうコンプレックスがあって、だから、鼻にティッシュ詰めてるぐらいがちょうどいいんです(笑)。
―で、それをアルバムのタイトルにしちゃったと。
bómi:前作を出してから、「次のタイトル何にしようかな?」ってずっと考えてて。例えば、『イルミタイ』。発光物体、イルミネーションと、「一緒にいるみたい」、「私これが要るみたい」とかをかけて。あと「机上の空論」をもじって、『机上のクローン』とか。でも、頭でっかちな感じがし過ぎて、結局何も考えてないのがいいなって。
―アイデアをいろいろ考えるのは好きなの?
bómi:でも、小難しくなるのがホント嫌で、狙ってやってる感じって嫌じゃないですか? だったら、『キーゼルバッファ』でいいやって。タイトルなんて何でもいいと思ってるんですよ。なんか…キャッチーだったらいい(笑)。
―でも、『キーゼルバッファ』はいいタイトルだと思いました。
bómi:ホント? ありがとうございます。CDを作って試聴機に入ってても、聴いてもらわなきゃ意味がないから、タイトルとかジャケットはそのための重要な入口ですよね。
―たしかに今回のジャケットも、面白いですよね(笑)。
bómi『キーゼルバッファ』初回限定盤ジャケット
bómi:ジャケットは2度見するものを作ろうと思って、謎なのができました(笑)。“キューティクル・ガール”のPVは見てくれました?
―見た見た。いろんな意味で振り切ってるよね(笑)。
bómi:振り切った方がいいかなと思って(笑)。何だかんだで目に付く方が、嫌われてなんぼかなって思うのもあるし、それぐらいやんないと好き嫌い分かれないんじゃないかって。ジャケットも相当振り切ってますけど、カワイイとかももうどうでもよくて(笑)。
自分の表現を背負っていく覚悟があるかどうかっていうところだと思うんですよね。
―次はそろそろフルアルバムを聴きたいなって思うけど、今日話したことも踏まえて、現時点での展望はありますか?
bómi:そのときの状況なのか、私の成長度合いなのかに応じて変わっていくとは思うんですけど、自分に近い感じっていうのと、すごく遊んでる感じっていうのが、二極化して両方あっても面白いのかもしれないですね。
―変にバランスをとるんじゃなくて、両方ある?
bómi:上手いバランスで混ぜようとか、美味しいとこ取りみたいなのをしようとすると大体失敗しちゃうから、あんまり何も考えずに、そのとき出てくるものでしかないのかなって思います。
―じゃあ、ライブはどうですか? 最近何か意識の変化はありましたか?
bómi:覚悟できるような曲ができたこともあって、腹の据わり方がちょっと変わってきたっていうのはあります。お客さんにあんまり寄り添おうとせずに、もっと私は空間にデンといていいっていうか。お客さんの心をこっちが開かせるんじゃなくて、開くかどうかを決めるのはやっぱり本人だから、私はデンとして、自分たちが楽しんでる方が、「なんか楽しそう」って、お客さんも寄って来てくれるんですよね。
―なるほどね。
bómi:ライブって一番自分を取り繕いがちだし、反応がないと焦るし、焦るとカバーしようと思って、かさぶたいっぱい重ねちゃうけど(笑)、そうじゃなくて、自分が開いてるかどうか。どんなにいい音楽をやってても、開いてない人のライブは、何か来るものが来ないんですよね。そこが今の自分のいいライブかどうかの基準になりつつあります。
―それって誰かのライブを見て感じたことだったりするのかな?
bómi:誰ってことじゃないんですけど…この間全く人がいないライブハウスにいたんですよ。お客さんが全くいないんだけど、でも演奏してる人はすっごい楽しそうで、自分に入り込んでて、音楽ってここから始まるんだよなって思って。音楽に対する原初的な、駆り立てられる衝動みたいなのを感じて、それってすごく素敵だなって思ったんですよね。
―もちろん、お客さんによって高揚させられる部分もあるけど、まずは自分で自分の出してる音に興奮してないとっていうね。
bómi:そうなんですよね。そこが一番大切だなって、改めて思って。それって、やっぱり覚悟があるかどうか、自分の表現を背負っていく覚悟があるかどうかっていうところだと思うんですよね。
―メジャーデビューのタイミングでそういう覚悟を曲にできたことはすごく大きなことだったと思います。次の作品も楽しみにしてますね。
bómi:はい、頑張ります。ありがとうございました!
イベント情報
- メジャー1stミニアルバム『キーゼルバッファ』RELEASE TOUR
TOWER RECORDS presents『NEW TOWER GENERATION 2012 VOL.2』 -
2012年7月3日(火)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:愛知県 名古屋 池下CLUB UPSET
出演:
bómi
宮埼薫
NOVELS
root13.2012年7月5日(木)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:福岡県 福岡 ROOMS
出演:
bómi
宮埼薫
NOVELS
and more2012年7月9日(月)START 19:00
会場:東京都 タワーレコード渋谷店 B1 STAGE ONE
出演:
bómi
宮埼薫
NOVELS
つづくバンド2012年7月10日(火)START 19:00
会場:東京都 タワーレコード渋谷店 B1 STAGE ONE
出演:
bómi
宮埼薫
NOVELS
root13.※いずれのライブも完全招待制、応募方法など詳細はオフィシャルサイトからご確認ください
リリース情報

- bómi
『キーゼルバッファ』初回限定盤(CD+DVD) -
2012年6月20日発売
価格:2,100円(税込)
COZP-633/41. キューティクル・ガール
2. PANIC☆アルバイター
3. +magnet−
4. オオカミと少女
5. Someday
[DVD収録内容]
1. “キューティクル・ガール”Music Video
2. “KANZEN Wo Ai Nii!!”Music Video
3. “iYo-Yo”Music Video
[特別付録]
・サラちゃんとおしゃまな早着替え対決!〜勝った方が歌いますよ〜
・キューティクル・ガール「MVゆるメイキング」

- bómi
『キーゼルバッファ』通常盤(CD) -
2012年6月20日発売
価格:1,575円(税込)
COCP-373681. キューティクル・ガール
2. PANIC☆アルバイター
3. +magnet−
4. オオカミと少女
5. Someday
プロフィール
- bómi
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1987年7月17日、アメリカ生まれ、大阪育ちのK系ガール。2011年、新鋭プロデューサーwtfと出会い、TOWER RECORDS限定ミニルバム『Gyao!Gyappy!!Gyapping!!!』、『OH MY POOKY!!!』をリリース。キッチュでポップでロックなサウンドに持ち前の歌唱力と、バンド形体で4人の女の子がフロントに並ぶワーキャーで超ハッピーなライブパフォーマンスが話題に。また、そのキュートなビジュアルや独特のセンスでファッション界やサブカル界からも注目を集め、最近ではファッション誌のモデルとしても時たま誌面に登場。2012年6月にMajor First Mini Album『キーゼルバッファ』をリリース。