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謎の多い5人組 パスピエインタビュー

謎の多い5人組 パスピエインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
2012/11/12
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印象派が何で好きかっていうと、コード感だったり、すごく複雑な音階とか和音が組み合わさってるんだけど、聴いてて心地がいいんですね。それをただ楽曲としてだけじゃなく、ポップロックとして消化できないかと思って。(成田)

―パスピエの音楽的なコンセプトを改めて確認すると、成田くんの好きなドビュッシーに代表される印象派のクラシックを、ポップロックの形式でやろうっていうことなんですよね?

成田:おっしゃる通りで、ポップロックって言っても色々あると思うんですけど、自分にしかできないものというか、自分が今までやってきたことを活かせるとしたら何だろうって考えたときに、やっぱりクラシックと組み合わせることだと思って。中でも、印象派がすごく好きで、何で好きかっていうと、コード感だったり、すごく複雑な音階とか和音が組み合わさってるんだけど、聴いてて心地がいいんですね。それをただ楽曲としてだけじゃなく、歌として、ポップロックとして消化できないかと思って。

―バンドを組もうと思ったきっかけは、ロックフェスだったんですよね?

成田:そうです、大学1年の年末に、友達に誘われて『COUNTDOWN JAPAN』に行ったんです。僕それまで学園祭でコピーバンドをやったことがあったぐらいで、基本的にはずっとクラシック一本でやってて、それこそ将来はピアニストになりたいと思ってたんです。でも、ロックフェスに行って、例えばYOUR SONG IS GOODさんとかすごいじゃないですか?

―特に、どういう部分にびっくりしました?

成田:ピアノの音歪んでるし、「鍵盤担いでるよ!」みたいな(笑)。でも、普通にお客さんが踊ってるし、すごく楽しんでるんですよね。クラシックのリスナーを否定するわけじゃないですけど、正装して座って聴くっていうのがちょっと堅苦しいなっていうか、もっと単純に楽しめるものもやってみたいっていう沸々とした思いもあるにはあって、その思いを爆発させるためにはバンドだと思ったんです。

―昔から並行してクラシックもロックも聴いてたわけではなく、そのタイミングで切り替わったんですね。

成田:高校時代は、それこそ友達が聴いてた流行ってる音楽ぐらいでした。そこからバンドっていうものを掘り下げていくうちに、キーボードとして必然なのかもしれないですけど、YMOにぶつかって、そこから矢野顕子さんにはまって、僕今でも一番のフェイバリットは矢野さんなんです。

―大橋トリオさんが新しいアルバムで矢野さんと1曲共作してるんですけど、取材をした際に、やっぱり矢野さんが一番だって話をされてました。

成田:長年ピアノをやってきましたけど、あの人はやっぱり化けもんだなって思います(笑)。で、そこからその世代のジャパニーズニューウェイブにどっぷりはまって、近田春夫さんのビブラトーンズだったり、ジューシィ・フルーツだったり、あともっとマニアックなおしゃれテレビっていうバンドにもはまって、それにインスパイアされてできた曲が“電波ジャック”(1st『わたし開花したわ』収録)って曲なんです。

―でも、東京藝大の音楽学部ってホントに難関じゃないですか? 入る時点で相当の覚悟も必要としたんじゃないかと思うんですけど。

成田:それまで単純に好きだからピアノをやってたっていう感じだったんですけど、音楽の道ってホントに大変なんだろうとも思っていたので、藝大に入れなかったら音楽は諦めようと思ってました。

―そしたら入れちゃって、更に思いもよらぬ方向に進むことになったと。周りの人はびっくりしたでしょうね。

成田:他の大学だとジャズ科とかポップス科もできたりしてますけど、うちの大学は今もゴリゴリのクラシックの人ばかりなので、そんな中僕がシンセを担いで大学に行って、周りの先生からはすごい睨まれてましたね(笑)。

絵をやったり、文を書いたり、写真を撮ったり、お花をやってみたり、いろいろしてたんですけど、その中でずっと続いて、「これが一番表現しやすいんだろうな」って選んだのが音楽だったっていう感じですかね。(大胡田)

―お二人はどうやって知り合ったんですか?

成田:パスピエの前にひとつバンドを組んでいて、そのときに知り合いになってたんですけど、そのバンドが解散しちゃって、ラストチャンスぐらいの気持ちでもう一度バンドを組みたいと思ったときに、パッと思い浮かんだのが彼女だったんです。それこそ印象派の音楽が好きだったり、絵も好きだって知ってたので、誘ってみようと。

―藝大の試験はパスできても、最初のバンドはなかなか上手く行かなかったと。

成田:そうですね。最初の1、2年は挫折っていうか、やっぱり藝大でクラシックピアノをやってても、ポップスで通用するかっていったら全然違って、ノリ方も違うし、コードも大学入って一から勉強したって感じで。最初にバンドの曲を作ったときは、全部音符で書いてましたから、メンバーに「こんなのわかんないよ」って言われたり(笑)。

―バンド育ちの人からしたら、「タブ譜でお願いします」って感じかも(笑)。

成田:今のメンバーにしても、学校が一緒だったとかじゃないんで、最初は探り探りでした。大胡田も最初に会ったときは危険な感じでしたから(笑)。(着てる服が)とにかく原色で、「黄色・青・赤」みたいな、「信号かよ!」っていう(笑)。

―(笑)。大胡田さんは音楽に関してはいつ頃からやられてたんですか?

大胡田:母親が音楽の先生で、実家が音楽教室をやっていて、そこでピアノを習ってたんですけど、私は「絶対に歌が歌いたい」っていうよりは、小さいながらにかっこつけて、「何か表現する人になりたい」って思ってたんです。それで、絵をやったり、文を書いたり、写真を撮ったり、お花をやってみたり、いろいろしてたんですけど、その中でずっと続いて、「これが一番表現しやすいんだろうな」って選んだのが音楽だったっていう感じですかね。

成田:普通バンドって言ったら、「音楽」って思うじゃないですか? でもたぶん彼女は、そう思ってないんだろうなって。それこそ、ライブをやったら自分の衣装を見せられるし、CDを出したら自分の絵が見せられるし、声が聴かせられるし、詞が見せられる。そういう捉え方なのかなって。

―歌うことも、絵を描くことも、手段が違うだけであって、自分を表現するという意味では一緒だっていう認識なんでしょうね。

大胡田:そういう意識はあります。「歌う」っていうよりも、「自分の声を使って何かする」っていう感覚に近かったり……楽しいですけどね、歌は。

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リリース情報

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2012年6月27日発売
価格:1,800円(税込)
WPCL-11100

1. トロイメライ
2. デモクラシークレット
3. プラスティックガール
4. 脳内戦争
5. 気象予報士の憂鬱
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7. 最終電車
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プロフィール

パスピエ

2009年、東京藝大出身の成田ハネダを中心に結成。20代前半にも関わらず、卓越した音楽理論とテクニック、独自のポップセンスやアートワークが話題に。全くの無名、姿形も不明、ほぼノープロモーションにも関わらず2011年11月に発売した。1stアルバム「わたし開花したわ」がロング・セールスを記録。2012年6月27日2nd アルバム「ONOMIMONO」をリリース。

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