特集 PR

踊る文化を愛する気持ち DUB STRUCTURE #9インタビュー

踊る文化を愛する気持ち DUB STRUCTURE #9インタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中慎一郎
2013/01/10

一度でも音楽の現場を体験すれば、人は魔法にかかってしまう。ギターを練習してバンドを組む人がいれば、ターンテーブルを買ってきてスクラッチを真似してみる人もいるだろう。最高のサウンドシステムで、最高の仲間と共に音を浴びるという体験は、何物にも代えがたい魅力を持っているのだ。しかし、昨今の風営法の問題に代表されるように、日本における音楽の現場を取り巻く状況は、決していい状況だとは言えないのが実情である。幼馴染で結成され、バンドシーンとクラブシーンを股にかけて活動するDUB STRUCTURE #9は、そんな状況を変えたいと願っているバンドだ。一発録りの生々しい演奏を刻んだ新作『POETICS IN FAST-PULSING ISLAND』には、彼らに衝撃をもたらしたDJに対するリスペクトと、音楽の快楽性がぎっしりと詰め込まれている。そう、踊ることに文句は言わせない。彼らのパーティーは、まだまだ始まったばかり。

それまでDJは「曲を流す」ってイメージだったんですけど、音楽がDJから演奏として出てる感じがあって、すごく衝撃的でした。(Canno)

―みなさん幼馴染なんだそうですね。

Canno(Gt):個別に小学校から知ってて、高校ぐらいでみんなが出会いました。元々バラバラで別のバンドをやってたんですけど、つるんでイベントをやったり、一緒にツアーに行ったりはしてたんです。その後にそれぞれのバンドが解散しちゃって、「どうしよう?」ってみんな暇になっちゃったタイミングで、「やりますか」って。

Canno
Canno

―紙資料には「クラブシーンとロックフィールドを繋ぐ」という言葉もありますが、実際にこれは活動の中で意識している部分なのでしょうか?

Canno:そんなに意識してるつもりはないんです。元々ロックの出身なんですけど、クラブカルチャーに出会ったときに、DJはジャンルに捉われずにロックもかければ四つ打ちもかけるので、その感覚がすごく新鮮だったんです。なので、自分たちもジャンルには捉われずにやりたいっていうのはありました。バンドをやってて「ジャムバンド」っていう括りにされたりもしたんで、そういうのに反抗しようというか、壁を壊したいっていうのもありましたね。

―実際に近年はライブハウスではなく、クラブをメインに活動してるんですよね?

Minami(Vo):ライブハウスはDJのサウンドシステムがよくないことが往々にしてあるじゃないですか? バンドに合わせて作られてるから、DJだとタイムラグがあってできないところもあって、自然と今みたいになって来ましたね。DJも俺らと同じ1人の出演者だから、いい環境をちゃんと選びたいなって。

Minami
Minami

Canno:ライブハウスシーンだと「転換時間のDJ」みたいな立ち位置が多くて、それが嫌だったんです。バンドと同列というか、むしろDJを見に来てるお客さんに、間でライブを見せたいぐらいの感じなんですよね。やっぱり「DJすげえ! 一緒にやりたい!」って思った初期衝動みたいなのが今もあるんです。

―特に印象に残ってるDJというと?

Canno:『SPROUT』っていうイベントが群馬のwarehouse RAISEであって、CMTとかが出てたんですけど、そのときは今までにない感覚を味わいましたね。それまでDJは「曲を流す」ってイメージだったんですけど、音楽がDJから演奏として出てる感じがあって、すごく衝撃的でした。

―DJをやってるメンバーもいるんですか?

Arai(Ba):一応やってるんですけど、まだまだ駆け出しです。なので、自分たちが気兼ねなくDJをやれるイベントをやろうってことで、今年から渋谷のKOARAで毎月1週目の火曜日に『armadillo』っていうパーティーを始めたんです。

―年末に開催される主催イベント『MONK!!』だったり、下北沢でやってる『CLUB MARQUEE』だったり、自分たちから発信しようっていう意識が強いバンドのように見えます。

Okura(Dr):ブッキングで他のバンドとやらせにくいバンドなんですよ(笑)。それだったら自分たちで好きな人とやろうっていう。

Arai:「好きな人たちとやりたい」っていうのが一番大きいですね。

Minami:年末の『MONK!!』に出てくれる人たちは、まさに「ヤバい!」って思わせてくれた人たちばっかりですからね。

Page 1
次へ

リリース情報

DUB STRUCTURE #9『POETICS IN FAST-PULSING ISLAND』(CD)
DUB STRUCTURE #9『POETICS IN FAST-PULSING ISLAND』(CD)

2012年12月12日発売
価格:2,100円(税込)
dive in! disc / JMDID-001

1. NEW FUNCTION
2. POETICS IN FAST-PULSING ISLAND
3. GOLDEN HORSE
4. DO GOOD
5. YOU SO BLUE
6. WHEN THE PARTY BEGIN
7. POETICS IN FAST-PULSING ISLAND(RMX : MR RAOUL K)
8. YOU SO BLUE(RMX : CMT)
9. OKINAWA SUN 9 MIX(RMX : ALTZ)

プロフィール

DUB STRUCTURE #9

2007年東京にて活動を開始。ROCK・DUB・JAZZ・HOUSE・TECHNO・DISCOなど、多種多様な音楽を敬愛/消化し、独自の質感と強烈なグルーヴを進化させている4ピース。 2010年12月、ファーストアルバム『SUGAR MORNING』をリリース。2012年9月、本人たちが敬愛するDJ、ALTZ / CMT(ALTZ、CMT)によるremixをJET SETにて12インチアナログリリースし、ドイツツアーを敢行。そして昨年末12月にはセカンドアルバム『POETICS IN FAST-PULSING ISLAND』をリリースし、彼らがオーガナイズするパーティ「MONK!!!」では年末の西麻布elevenを大いに沸かせた。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

シャムキャッツ“完熟宣言”

<もしも願いが叶うならば はぐれた仲間の分まで 幸せな未来をちょうだい>。円陣を組んでシャムキャッツの4人が歌っている。大切な人との別れ、当たり前だった日常が失われていくことも横目に、ステップは絶えず前に。無邪気に笑顔を振りまく姿に、大人になるのは哀しくも楽しく、なんてことを思う。(山元)

  1. 香取慎吾の日本初個展『BOUM! BOUM! BOUM!』レポ 「僕の全部を見て」 1

    香取慎吾の日本初個展『BOUM! BOUM! BOUM!』レポ 「僕の全部を見て」

  2. 星野源のNHK特番、『POP VIRUS』&ドームツアー回顧&最新ライブ映像も 2

    星野源のNHK特番、『POP VIRUS』&ドームツアー回顧&最新ライブ映像も

  3. 小山田圭吾×大野由美子対談 「音に触れる」空間音響がすごい 3

    小山田圭吾×大野由美子対談 「音に触れる」空間音響がすごい

  4. 箕輪厚介×國光宏尚対談 終わりが見える「SNS社会」の次を語る 4

    箕輪厚介×國光宏尚対談 終わりが見える「SNS社会」の次を語る

  5. 平手友梨奈が真紅のCDGを纏う&市川染五郎と“黒い羊”語る雑誌『SWITCH』 5

    平手友梨奈が真紅のCDGを纏う&市川染五郎と“黒い羊”語る雑誌『SWITCH』

  6. なぜ今ライブハウスを? 吉祥寺NEPOが語るこれからの場所作り 6

    なぜ今ライブハウスを? 吉祥寺NEPOが語るこれからの場所作り

  7. 知英がセクシーな喰種・イトリ役 窪田正孝主演『東京喰種2』に出演 7

    知英がセクシーな喰種・イトリ役 窪田正孝主演『東京喰種2』に出演

  8. フィッシュマンズの歴史が更新された夜。ceroとの時を超えた邂逅 8

    フィッシュマンズの歴史が更新された夜。ceroとの時を超えた邂逅

  9. 上白石萌音が杉野遥亮&横浜流星の間で心揺れる 『L♡DK』新映像3種公開 9

    上白石萌音が杉野遥亮&横浜流星の間で心揺れる 『L♡DK』新映像3種公開

  10. 映像作家・山田智和の時代を切り取る眼差し。映像と表現を語る 10

    映像作家・山田智和の時代を切り取る眼差し。映像と表現を語る