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やらないとわからなかったこと TRIPLANEインタビュー

やらないとわからなかったこと TRIPLANEインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西田香織
2013/01/24

「三翼機」を意味するTRIPLANEの10年にわたるフライトは、決して常に順風満帆というわけではなかった。むしろ、度重なる悪天候の中を、何とか飛び続けてきたと言ってもいいのかもしれない。その悪天候とは、「自分の表現欲求と周りからの要求との溝」であったり、「地元・北海道との遠距離恋愛のような関係性」であったり。TRIPLANEのフロントマンで、作詞・作曲を担当する江畑兵衛は、この10年間の中で「自分のポリシーに反することもいろいろやってきた」と正直に告白し、今も戦いが続いているということを生々しく語ってくれた。そこには表現をすることの喜びと苦しみが同居しているだけでなく、ときに強烈な意地のようなものすら感じられる。初のシングルA面集『SINGLES 04-12』に収録されているのは、そんなフライトの中で産み落とされた、普遍的な美しさを放つ珠玉の15曲。ここから更なる高みを目指して飛び立とうしているTRIPLANEに、10周年の祝福と、心からのエールを送りたい。Cheers To TRIPLANE!

意固地になって「やりたくない」とも言えたけど、実際にやってみて、自分のものにしてきて、引き出しは確実に増えたと思うんです。

―『SINGLES 04-12』の15曲を通して聴いて、頭にまず浮かんだのは「普遍性」というキーワードでした。サウンドや歌詞の変遷はもちろんあったと思うんですけど、核にあるのはいい曲・いいメロディーで、それをずっと作り続けてきたんだなって。

江畑:シングルのA面はホントにそうですね。そこがぶれないようにやってきたし、ぶれそうになったときは、自分で一回冷却期間を作ったりもしたし……。でも、他のメンバーからそこについて言われたのが一番大きくて。やっぱり、曲を作ってるときは一人で戦ってるような意識もあるし、こっちが一生懸命朝まで作業して作った曲をメンバーに聴かせて、「これは違う」って言いづらいと思うんですよ。でも、それを言ってくれたときに、TRIPLANEとしてぶれちゃいけない部分に改めて気づかされたんです。

―具体的には、いつそういう話をしたんですか?

江畑:結構最近の話で、去年の“ドリームメイカー”っていう曲ができる前ですね。2011年に“イチバンボシ”っていう曲でサッポロビールの北海道エリアのCMソングをやらせてもらって、その次の年用の曲を書いてたんですけど、「去年と同じじゃダメだ」って、頭でっかちになってた部分があって。そもそも、「2年連続」で同じCMソングを担当するっていうのはありえないらしいんですけど、コンペがあるのに曲を出さないであきらめるのは嫌だったんですね。なので、「2年連続」っていう異例の事態を引き起こすためには、ただの延長線上にあるものではない何かが必要だと思って、キャッチーというよりはかっこいい、バンドらしいものにしようと思って。

―前年のCM曲だった“イチバンボシ”はストレートな曲で、わりとパッとできた曲だったんですよね。

江畑:そうなんです。なので、もうちょっとアダルトな雰囲気の曲を作って、「よし、これでいこう」って自分の中では納得してメンバーに聴かせたんですけど、そのときに突っぱねられました(笑)。「(江畑の)言ってることもわかるけど、まずこれはサッポロビールのCM曲っぽくない。TRIPLANEの曲としてはかっこいいけど、CMソングらしい爽快感やキャッチーさがない」っていう、根底の部分を言われたんですよね。「CMが決まってからどうこうよりも、まず俺らはCMソングを勝ち取ることが大事なんじゃない?」って言われて、そこでハッとしたんです。

―その後にできたのが、“ドリームメイカー”だったと。

江畑:ぶれちゃいけない軸の部分っていうのは、俺だけが戦って守ってきたものじゃなくて、みんなで守ってきたんだなって、すごく気付かされました。

江畑兵衛
江畑兵衛

―今回のアルバムに収録されている曲には、ほとんどタイアップが付いていますが、「こういう曲を作りたい」っていう表現欲求と、そのタイアップにマッチしたものを作る職業作家的な部分と、そのバランスを取ることはすごく難しいですよね。

江畑:もう、デビューしてからの8年はその戦いだったと思います。歌詞やサウンド面に関しては、常にディレクターやプロデューサーとの打ち合わせがあって、正直に言えば、自分のポリシーに反することもいろいろやってきたし、でも、その中で見えてきた部分もあったんです。

―それは、例えばどんな部分ですか?

江畑:僕ホントはストレートな歌詞ってあんまり好きじゃなくて、例えば、「頑張ろう」っていう気持ちを、「頑張ろう」っていう言葉を使わずに伝えたいと思うんです。でも、実際に「頑張ろう」って言ったときのパワーも、やってみて実感して。意固地になって、「やりたくない」って言うこともできたけど、でもそれを受け入れて、実際にやってみて、かみ砕いて自分のものにしてきて、引き出しは確実に増えたと思うんです。僕はそういうことを、アーティストのわりには受け入れてきたと思うんですけど(笑)、これからはもっと主張していいところは主張したいし、そのバランスがこの8年間でわかってきたなって。

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リリース情報

TRIPLANE『SINGLES 04-12』初回受注限定生産盤(CD+DVD)
TRIPLANE
『SINGLES 04-12』初回受注限定生産盤(CD+DVD)

2013年1月23日発売
価格:4,725円(税込)
NFCD-27344/B

1. ドリームメイカー
2. Cheers To Us feat. ダニエル・パウター & 常田真太郎(スキマスイッチ)
3. モノローグ
4. スピードスター
5. アイコトバ
6. Dear friends
7. 君ドロップス
8. 白い花
9. あの雲を探して
10. イチバンボシ
11. 友よ
12. 夏が終われば
13. Reset
14. 雪のアスタリスク
15. いつものように
[DVD収録内容]
1. スピードスター
2. あの雲を探して
3. Reset
4. Dear friends
5. いつものように
6. 僕らの街
7. モノローグ
8. 夏が終われば
9. 白い花
10. アイコトバ
11. 君ドロップス
12. 友よ
13. 雪のアスタリスク
14. Greendays
15. イチバンボシ
16. パノラマセカイ

TRIPLANE『SINGLES 04-12』通常盤(CD)
TRIPLANE
『SINGLES 04-12』通常盤(CD)

2013年1月23日発売
価格:3,150円(税込)
NFCD-27345

1. ドリームメイカー
2. Cheers To Us feat. ダニエル・パウター & 常田真太郎(スキマスイッチ)
3. モノローグ
4. スピードスター
5. アイコトバ
6. Dear friends
7. 君ドロップス
8. 白い花
9. あの雲を探して
10. イチバンボシ
11. 友よ
12. 夏が終われば
13. Reset
14. 雪のアスタリスク
15. いつものように

イベント情報

『TRIPLANE 10th Anniversary Tour』

2013年1月26日(土)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:大阪府 心斎橋 BIG CAT
料金:前売3,500円 当日4,500円(共にドリンク別)

2013年2月2日(土)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:愛知県 名古屋 CLUB DIAMOND HALL
料金:前売3,500円 当日4,500円(共にドリンク別)

2013年2月10日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:東京都 渋谷 SHIBUYA-AX
料金:1F後方立ち見3,000円(ドリンク別)
※指定席は完売

プロフィール

TRIPLANE

北海道札幌出身の4ピースバンド。小学校の同級生である江畑兵衛(Vo&Gt)、武田和也(Ba)、広田周(Dr)によって結成され、後に川村健司(Gt)が加わり現在のメンバーとなる。音楽業界という大空を大きく羽ばたきたいとの想いから、「三翼機‐TRIPLANE‐」(3枚の翼がある飛行機)と名付ける。これまでに5枚のアルバムをリリースしており、完成度の高いメロディワークと、ヴォーカル江畑による日常を切り取ったリアリティのある歌詞が特長。2013年1月23日に自身初となるシングルA面集「SINGLES 04-12」をリリース。このアルバムにはダニエル・パウター、常田真太郎(スキマスイッチ)とコラボレーションした新曲「Cheers To Us」も収録される。

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