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「あるがまま」を受け入れたリアム BEADY EYEインタビュー

「あるがまま」を受け入れたリアム BEADY EYEインタビュー

テキスト
金子厚武
2013/06/17

「クレイジー(mad)な展開があるときは声は生(bare)じゃなきゃならない。そうしたらクレイジーなものをクレイジーに活かせる」(リアム)

さて、矛盾したことを言うようだが、ここまで書いたように『BE』はこれまでのどの作品とも異なる作品でありながら、それでもあくまでBEADY EYEの作品である。なぜなら、ここにはBEADY EYEをBEADY EYEたらしめる唯一にして絶対の要素、リアム・ギャラガーのボーカルが存在しているからだ。

―『BE』は、あなたたちが新たな扉をまた開いたことがわかる作品になりました。ロックンロールの音はこんな風に現代的にアップデートできるのかということ、それからリアムの今の声が素晴らしく、スロウな曲でもアコースティックな曲でもロックンロールになるということ、この2つに特に驚きました。作りはじめる前に、テーマやコンセプトなどは決めていたんですか?

ゲム:青写真はなかった。

リアム:“Flick of The Finger”をやってるとき、デイブが今あるようなサウンドに変えたんだ。“Soul Love”とか“Second Bite of The Apple”もな。ボーカルの面でいえば、デモをやってるとき、ゲムが“Secon Bite of The Apple”にはエフェクトやリバーブ、スラップはあまり使いたくないって言い出して、できるだけ生(bare)のままにしておくことに決めた。俺がやれるだけな。かなりやれたと思うよ。


アンディ:良かったよ。だって、リアムの声はすごくユニークだから、俺たちは基本、その後ろでなんでもプレイできる。君が言ったとおり、最後には「BEADY EYE」「ROCKN'ROLL」、なんと呼ぼうがそうなる。俺たちのサウンドになるんだ。

ゲム:昨夜、いくつかの曲で全部の楽器を聴いてたんだけど、リアムの声がなかったら、30秒聴いただけではBEADY EYEの曲だってわからないと思う。リアムの声があってよかった。それが魅力なんだ。

リアム:もしこのアルバムでボーカルにたくさんのエフェクトがかかってたら、うまく行かなかったと思う。クレイジーな展開がたくさんあるからな。クレイジー(mad)な展開があるときは声は生(bare)じゃなきゃならない。そうしたらクレイジーなものをクレイジーに活かせる。もし俺のボーカルにたくさん手を加えていたら、台無しになってただろう。

―リアム、あなたの声がより自由になったように感じます。そのことは、制作中に意識していましたか?

リアム:いや。まあ多分、少しは。意識するもんだろ。ただ今回、たくさんのエフェクトは使いたくなかったんだ。家でギターを弾いてるときのような音にしたかった。それ、本当だよな。自分らしくないことをしたら、自分をごまかしてることになる。でも、勉強中みたいなもんだ。2週間後にはドライで生なことに飽きてるかもしれない。

ゲム:今回はそれでよかった。これがデモから浮かんだ唯一のアイデアだった。「ハイ」で「ドライ」っていう。

90年代のUKロックを愛した人であれば、この後僕が書くことはすでに予想できているかもしれない。そう、僕がゲムの発言から連想したのは、90年代に“High and Dry”という名曲を残した、リアムに並ぶ90年代のUKを代表するボーカリスト、RADIOHEADのトム・ヨークだ。RADIOHEADも初期と現在ではサウンドが全く異なるバンドになっているが、それでもトムの声がありさえすれば、それはRADIOHEADになり得る。それとまったく同じことが、リアムにも言えるのだ。

BEADY EYE
BEADY EYE

アルバムタイトル『BE』に込められた意味

どんなサウンドであろうとも、リアムの声があればBEADY EYEになり得る。それはバンドの真理だと言えるが、それでもなお今回のデイブとの共同作業というのは、前述のゲムの発言通り「大きな賭け」であり、昔のリアムだったら、「あんなやつはクソだ」とでも言っていたかもしれない。では、この変化をどう見るか? それは『BE』というシンプルなアルバムタイトルに表されているように思う。

―タイトルについて教えてください。BEADY EYEの頭文字なのか、『Be Here Now』のようなbe動詞なのか。

リアム:「BEADY EYE」であり、「BDI」であり、「Be over there then」であり(注:『Be Here Now』と反対の言葉を並べています)……「BE」はただ……、くだらない。「BE」は「BE」だ。

ゲム:君次第だ。

「君次第」というお許しをいただいたので、僕の解釈を言わせてもらおう。この「BE」とは、「Let It Be」、つまり「あるがまま」を表しているのではないだろうか。デビュー作のタイトル『Different Gear, Still Speeding』は、「OASISからBEADY EYEに変わったけど、まだまだ走り続ける」という明確なステートメントだったが、チャート3位という結果や、UKロックの不振など、今はすべてをあるがままに受け入れる決心を固め、だからこそ、デイブとの作業も受け入れられたのではないか。このある種の開き直りが生んだ、偶然の産物としては出来過ぎな、BEADY EYEのニューモード。それが、『BE』というアルバムなのではないかと思うのだ。そして、今さら言うまでもなく、リアムは“Let It Be”の生みの親、THE BEATLESの大、大、大ファンである。

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リリース情報

BEADY EYE<br>
『BE』国内盤(CD
BEADY EYE
『BE』国内盤(CD)

2013年6月5日発売
価格:2,520円(税込)
SICP-3829

1. Flick of The Finger
2. Soul Love
3. Face The Crowd
4. Second Bite of The Apple
5. Soon Come Tomorrow
6. Iz Rite
7. I'm Just Saying
8. Don't Brother Me
9. Shine A Light
10. Ballroom Figured
11. Start Anew
12. Dreaming of Some Space
13. The World's Not Set in Stone
14. Back After The Break
15. Off At The Next Exit

プロフィール

BEADY EYE(びーでぃ あい)

1991年にイギリスはマンチェスターにて結成された、英国史上ビートルズ以来の最強ロック・グループ「オアシス」のシンガー、リアム・ギャラガー率いる新バンド。アルバム全7作が全英1位&ワールドワイドで5000万枚以上のセールスを記録するなど数々の歴史を塗り替えてきたオアシスが、ノエル・ギャラガー(g,vo)の脱退で惜しまれつつもその軌跡にピリオドをうった09年8月以降、リアムが他オアシス・メンバーと共に心血を注ぐ全世界注目の新バンド「ビーディ・アイ」が、いよいよベールを脱ぐ!

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