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高橋幸宏インタビュー 原点回帰のフリをして未来へ

高橋幸宏インタビュー 原点回帰のフリをして未来へ

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人
2013/07/17

誰かがTwitterで書いてたみたいですね。「Curly Giraffe、ジェームス・イハ、高橋幸宏が今つながった。これは運命だ!」って。

―アルバムは新バンドのIn Phaseと一緒に作られていますが、このメンバーが集まったのも、やはり偶然であり必然だった?

高橋:そうなんですよ。圭くん(高桑圭 Curly Giraffe)はTHE BEATNIKS(高橋と鈴木慶一のユニット)のライブのサポートに参加してもらって、Curly Giraffeの去年のアルバム(『FLEHMEN』)を聴かせてもらって「いいね」って思ってて。そうしたら、ジェームス・イハもたまたま去年、10数年ぶりのソロ(『LOOK TO THE SKY』)を出して、聴いたらちょっとタッチが似てて。「3人でハモをやったらどうなるかな?」と思って、そこから堀江くんとゴンドウくんも誘って。

―なるほど。でも、ジェームスの参加はちょっとびっくりしました。

高橋:彼もファッションブランドをやってたりするから、『GQ』の僕の連載で対談したことがあったんですよ。それもあって、アルバムを聴いたら、「この感じ、いいじゃん」と思って。あんまりスマパン(The Smashing Pumpkins)の頃の話はしないですけどね(笑)。

―あんまりしたがらないみたいですね(笑)。じゃあ、そのときから交流があったんですね。

高橋:でも僕がジェームスと会ったのはそのとき1回だけ。ただ、圭くんはCharaのプロデュースで一緒にやったりしてて。

―ああ、そっちのつながりがあったんですね。ジェームスと高桑さんはちょっと似た立ち位置というか、それぞれ昔はフロントマンが別にいるバンドをやっていて、途中から自分でも歌い始めたけど、どことなく奥ゆかしさが感じられる。その雰囲気は幸宏さんの作品とも通じるものがあるというか。

高橋:誰かがTwitterで書いてたみたいですね。「Curly Giraffe、ジェームス・イハ、高橋幸宏が今つながった。これは運命だ!」って。そうしたら、「僕もそう思う」って圭くんがちゃんと返してた(笑)。

―(笑)。では、実際にジェームスと作業をしてみた感想はいかがですか?

高橋幸宏

高橋:一緒にやってて思ったのは、プレイヤーというよりは、わりとプロデューサー気質ですね。シンガーっていう感じでもないし、「音を作る作業が好き」みたいなところがあります。ソロアルバムを精力的に出すというよりは、陰で支えるタイプというか。ただ、やっぱりスタジオミュージシャンではないので、練習しないと結構緊張するみたいで(笑)。単純に上手い人だったら日本にもいっぱいいるし、「技術を求めてるわけじゃないんだよ」って一生懸命説明したんだけど、「明日やる曲教えて、ホテルで練習してくる」って(笑)。

―真面目なんですね(笑)。曲作りに関しては、作曲者と幸宏さんを中心に、1曲1曲アレンジしていったわけですか?

高橋:ジェームスの曲は彼が日本に来てからみんなで「せーの」でやりました。他の曲は基本的に作った人が中心になるんですけど、メンバーはいつもスタジオにいましたね。歌入れもできるだけみんな来てくれてたし。ただ、ご存じのように超売れっ子ばっかりなので、最後のミックスぐらいになると、1人消え2人消え、最後はデリコ(LOVE PSYCHEDELICO)のツアーに全員行っちゃってましたけど(笑)。

―「1960〜70年代のアメリカ」っていうアルバム全体のイメージは、最初に共有していたのですか?

高橋:「こういうの作って」って僕からは言わなかったので、みんな探り合いだったみたい。僕とゴンドウくんで最初にプリプロをやってるところに、「どんなの作ってるの?」って覗きに来たりして(笑)。

―あえて言葉で共有しない方が、面白いものが出てくるっていう狙いだったのでしょうか?

高橋:いや、結局やりたいことはわかってたみたいですね。60〜70年代のアメリカっぽいものと、イギリスっぽいもので、コーラスもみんなでやるような感じなんだけど、アナクロにはならないようにっていう、その辺の感覚はもともと合うのでわかってたみたいで。ただ、一番びっくりしたのはゴンドウくんの曲(“Ghost Behind My Back”)で、「え? この曲調、他のと全然違うなあ」って思ったんだけど、ジェームスから1曲それっぽいのが来て、並べたら上手くはまったので良かったですね。

―高桑さんの曲もすごくはまってますよね。フィル・スペクターとかTHE BEACH BOYSみたいな感じっていうのは、今のアメリカの若いバンドとかもやっていて、時代感を感じます。

高橋:THE ASSOCIATIONみたいなのをやりたいんだけど、「あそこまでできないし」って感じで終わっちゃったバンドとか、いますよね。「(バート・)バカラックっぽいのやりたいんだけど」って言いながら、だんだんいなくなっていくバンドとか(笑)。

―その点、In Phaseのメンバーは流石の一言だなと。

高橋:きっとみんな好きなんですよ。この40代バンドはね、ジェームス以外はみんな楽器にものすごくこだわる。今回のスタジオは何でも借りられるスタジオだったので、「ギターは何年型の何がいい」とかね。

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イベント情報

『高橋幸宏 with In Phase Live Tour 2013』

出演:高橋幸宏[Dr,Vo]、James Iha[Gt]、高桑圭(Curly Giraffe)[Ba]、堀江博久[Key]、ゴンドウトモヒコ[euphonium]、鈴木俊治[Gt]

2013年9月16日(月・祝)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:大阪府 なんばHATCH
料金:7,500円

2013年9月18日(水)OPEN 18:30/ START 19:00
会場:福岡県 イムズホール
料金:7,500円

2013年9月20日(金)OPEN 18:00/ START 19:00
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
料金6,000円(ドリンク別)

2013年9月21日(土)OPEN 17:00/ START 18:00
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO
料金:6,000円(ドリンク別)

2013年9月23日(月・祝)OPEN 17:00/ START 17:30
会場:東京都 Bunkamuraオーチャードホール
料金:7,500円

リリース情報

『LIFE ANEW』(CD)

2013年7月17日発売
価格:3,150円(税込)
TOCT-29167

1. Looking For Words
2. All That We Know
3. Time To Go
4. Last Summer
5. End Of An Error
6. The Old Friends Cottage
7. Shadow
8. Ghost Behind My Back
9. That's Alright (It Will Be Alright)
10. Signs
11. World In A Maze
12. Follow You Down
※初回生産限定デジパック仕様

高橋幸宏<br>
『One Fine Night 〜60th Anniversary Live〜』(2Blu-ray+3CD)
高橋幸宏
『One Fine Night 〜60th Anniversary Live〜』(2Blu-ray+3CD)

2013年6月26日発売
価格:10,500円(税込)
TOXF-5776

1. 世界中が I love you
2. It's Gonna Work Out
3. Murdered By The Music
4. Radioactivist
5. Drip Dry Eyes
6. Now And Then
7. Stay Close
8. Still Walking To The Beat
9. My Bright Tomorrow
10. Disposable Love
11. 前兆(まえぶれ)
12. The Price To Pay
13. At Dawn
14. Laika
15. 元気ならうれしいね
16. Blue Moon Blue
17. The Words
18. In This Life
19. Chronograph
20. Stella
21. Ekot
22. Inevitable
23. Left Bank
24. ちょっとツラインダ
25. 1%の関係
26. X'mas Day In The Next Life
27. Glass
28. Something In The Air
29. 今日の空
30. Set Sail
31. Prayer Of Gold
32. Sunset
33. Saravah!
※3枚組ライブCD、160ページブックレット付属

高橋幸宏<br>
『One Fine Night 〜60th Anniversary Live〜』(2DVD+3CD)
高橋幸宏
『One Fine Night 〜60th Anniversary Live〜』(2DVD+3CD)

2013年6月26日発売
価格:9,450円(税込)
TOBF-5776

1. 世界中が I love you
2. It's Gonna Work Out
3. Murdered By The Music
4. Radioactivist
5. Drip Dry Eyes
6. Now And Then
7. Stay Close
8. Still Walking To The Beat
9. My Bright Tomorrow
10. Disposable Love
11. 前兆(まえぶれ)
12. The Price To Pay
13. At Dawn
14. Laika
15. 元気ならうれしいね
16. Blue Moon Blue
17. The Words
18. In This Life
19. Chronograph
20. Stella
21. Ekot
22. Inevitable
23. Left Bank
24. ちょっとツラインダ
25. 1%の関係
26. X'mas Day In The Next Life
27. Glass
28. Something In The Air
29. 今日の空
30. Set Sail
31. Prayer Of Gold
32. Sunset
33. Saravah!
※3枚組ライブCD、160ページブックレット付属

プロフィール

高橋幸宏(たかはし ゆきひろ)

1972年、Sadistic Mika Bandに参加。1978年、細野晴臣、坂本龍一とともにYellow Magic Ochestra(Y.M.O.)を結成、国内外に大きな影響を残したが、1983年12月をもって「散開」。ソロ活動と併行して鈴木慶一(ムーンライダーズ)とのTHE BEATNIKSとしても活動。2001年には細野晴臣とSKETCH SHOWを結成。2008年、原田知世、高野寛、高田漣、堀江博久、権藤知彦とバンドpupa(ピューパ)を結成。2008年『WORLD HAPPINESS』を東京・夢の島で開催。以降、毎年10数組のアーティストが参加し、好評を博している。ソロとしては1978年の『Saravah!』以降、コンスタントに作品を発表しており、2013年、新バンドIn Phaseとともに創り上げた23枚目のオリジナル・アルバム『LIFE ANEW』をリリースする。

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