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人はなぜ踊るのか? !!!(CHK CHK CHK)インタビュー

人はなぜ踊るのか? !!!(CHK CHK CHK)インタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:豊島望
2013/07/22

マイケル・ジャクソンの(ほぼ)同タイトルのアルバムのようなビッグな作品を目指したという最新作『THR!!!ER』を今年の4月に発表した最強&最狂のダンスパンクバンド、!!!(CHK CHK CHK)が先日代官山UNITで来日公演を行った。すでに日本の音楽フェスティバルの常連であり、前作『Strange Weather,Isn’t It?』発表時は、『フジロック』のホワイトステージでヘッドライナーを務めたほどの人気バンドだけに、クラブ規模でのライブはまさにプレミアム。運良くチケットを手に入れたオーディエンスは、彼らの叩き出すサイケデリックかつハードコアなグルーヴに酔いしれ、ニック・オファーの衰えを知らない切れ味十分のダンスを堪能したことだろう。同世代のDAFT PUNKが最新作でルーツに回帰し、実際にマイケル・ジャクソンのアルバムにも関わっていたような往年の名プレイヤーを集め、生演奏の魅力を封じ込めた2013年。!!!の存在意義も、これから改めてクローズアップされていくに違いない。

!!!が注目を浴びるきっかけとなったのは2003年、前ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニが打ち出した「キャバレー営業許可法」を辛辣な言葉で批判した、9分に及ぶサイケデリックジャム“Me and Giuliani Down By the School Yard(A True Story)”だった。「キャバレー営業許可法」とは、ライセンスのないバーやクラブでのダンスを禁止し、多額の年間許可料を課すというものであり、現在風営法が問題となっている日本の現状とリンクするものだと言えるだろう。では、そもそも人はなぜダンスを踊り、権力はそれを規制しようとするのだろうか? そんな大きな命題を掲げて臨んだのが、以下の30分弱に及ぶニック・オファーとの対話である。ライブの翌日、しかもお昼からの取材でありながら、疲れた様子を見せることなく、ときおりユーモアを交えながら、真摯に対応してくれたニックに感謝を。

踊ることによって、自分をもう1段階上のレベルのハイな状態まで持って行くことができるんだ。

―まずは、ストレートにお伺いします。「人はなぜ踊るのか?」という大きな質問に、あなたなら何と答えますか?

ニック:うーん、そうだな……女の子をベッドに連れてくためじゃない?

―あ、なるほど(笑)。

ニック:女の子は踊るのが好きでクラブやライブに行くけど、男の子は踊るのがそんなに好きじゃなくても、女の子をゲットするのが目的で行ったりするだろ? 歴史を振り返ってみても、そもそも踊りは繁殖や繁栄のための儀式に使われるものでもあったわけだしね。ちょっと前に「音楽は脳の中でどう作用するのか?」っていうテーマの本を読んだんだけど、最後の章には「音楽っていうのは、要は繁殖のための叫びだ」って書いてあったよ。

ニック・オファー(!!!)
ニック・オファー(!!!)

―あなた自身、踊りのセクシャルな部分というのを意識していますか?

ニック:よく「セクシーな踊りだね」って言われるけど、僕としてはロックンロールなつもりで踊っているのであって、踊りながらセックスのことを考えてるわけじゃないよ(笑)。まあ、ロックンロールも語源を辿ればセクシーさと関連してるし、踊ることを通じてそういう欲求みたいなものを自然と表現してるのかもしれないけどね。でも、踊るっていうのは、音楽を体で感じて、それを昇華するっていう行為だよね。ただじっとしながら音楽を聴くよりも、もっと純粋な形で音楽を楽しめるんじゃないかな。僕は、踊ることによって、自分をもう1段階上のレベルのハイな状態まで持って行くことができるんだ。

―ダンスをすることの喜びを覚えた原体験はいつでしたか?

ニック:最初は、小さい頃に母親と一緒にダイアナ・ロスの“Upside Down”を聴きながら踊ったこと。もう1つ覚えてるのは、アメリカでは学校でダンスパーティーがあるんだけど、そこに友達のケリーって子とパートナーを組んで行ったんだ。でも、踊り方がよくわからなかったから、「どうしていいのかわかんないよ」って言ったら、ケリーに「エアギターみたいな感じで、見よう見まねでやってみればいいのよ」って言われてさ。それで自然に体を動かしてたらだんだん楽しくなってきて、その夜は一晩中踊ったね(笑)。そのときにかかってたのは、マドンナの“Lucky Star”だったな。

―確かに、最初はどうやって踊ったらいいかわからないですよね。特に、日本人は基本的にシャイだから、踊るのがあんまり得意じゃなかったりします。楽しく踊るためのコツってありますか?

ニック:最初はビデオを見て、鏡の前でロックスターを真似してみたりしてたかな。でも、僕の周りには子どもがいる人が多いんだけど、赤ちゃんが興奮したときに手足をバタバタさせるみたいな、すごく単純で自由な動きでいいと思うんだ。逆に、かっこよく見せようと思うとあんまり上手くいかなかったりするから、とにかく音楽に身を任せて、その音楽から感じられるように体を動かせばいいんだよ。僕の踊りだって、左・右・上・下みたいなホントに単純な感じだしね(笑)。


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リリース情報

{!!!<br>
『THR!!!ER』国内盤(CD)
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『THR!!!ER』国内盤(CD)

2013年4月24日発売
価格:2,111円(税込)
BRC-370

1. Even When The Water's Cold
2. Get That Rhythm Right
3. One Girl / One Boy
4. Fine Fine Fine
5. Slyd
6. Californiyeah
7. Except Death
8. Careful
9. Station (Meet Me At The)
10. Midnight At The Blur [Bonus Track for Japan]

プロフィール

!!!(ちっくちっくちっく)

1996年カリフォルニア州サクラメントで結成。2001年に1stアルバム『!!!』、2004年に2ndアルバム『LOUDEN UP NOW』をリリース。2006年にはレッド・ホット・チリ・ペッパーズのツアーに帯同し、全世界が注目するバンドへと成長した。2007年には大ヒット・アルバム『MYTH TAKES』を、2010年には4thアルバム『Strange Weather, Isn't It?』をリリースし、日本でもフジロックフェスティバルやエレクトラグライドを含め、すべてのライヴで集まったオーディエンスを熱狂させてきた。最新アルバム『THR!!!ER』を引っさげての来日公演を即完売させるなど、快進撃を続けている。

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