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池袋をみんなでジャック!? コンドルズ・近藤良平インタビュー

池袋をみんなでジャック!? コンドルズ・近藤良平インタビュー

インタビュー・テキスト
浦野芳子
撮影:豊島望
2013/10/04

国内最大級の舞台芸術の祭典、『フェスティバル/トーキョー』。世界中から集められた、最先端の現代演劇作品の上演が中心の同フェスティバルだが、昨年からダンサーやアーティストを振付家に起用したフラッシュモブイベント『F/Tモブ』を会期中の毎週末、池袋の街中で実施している。昨年、イデビアン・クルーの井手茂太など5人の振付家、公募で集まった約180人のパフォーマーと飛び入りの参加者が集い、白昼堂々と突発的なパフォーマンスを繰り広げていた姿を見かけた人もいるかもしれない。

今年は、□□□(クチロロ)の三浦康嗣をはじめ、矢内原美邦(Nibroll)、古家優里(プロジェクト大山)など、バラエティーに富んだ振付家の中、『第68回国民体育大会』(『東京国体』)開会式式典演技の演出・振付を手掛けた、大御所コンドルズの近藤良平が参加。現在、参加者はなんと400人に届く勢いという、今年の『F/Tモブ・スペシャル』について、近藤良平に話を伺った。

ルールから解放されることの楽しさが、モブにはすごく含まれているんですよ。何より皆で「同調して動く」ってことがめちゃくちゃ気持ちいい。

―今秋で6回目を迎える『フェスティバル/トーキョー』(以下『F/T』)に、今回初めて近藤さんが参加されることになりました。『F/T』は、これまでずっと近藤さんのホームタウン・池袋を拠点として開催されていますが、『F/T』にはどんな印象をお持ちでしたか?

近藤:現代演劇が中心のフェスティバルですよね。僕、一応ダンスの人だから「近くでやっているなぁ……」と、なんとなく意識はしていました(笑)。去年は、井手ちゃん(イデビアン・クルー)なんかが、池袋西口公園でフラッシュモブをやっているのを、家族が見たって言ってましたよ。

―11月に開催される『F/T13』では、そのモブイベント『F/Tモブ・スペシャル』の振付を担当されるわけですが、フラッシュモブをどんな風に捉えていますか?

近藤:フラッシュモブってちょっと歴史を紐解いてみると、いろんな意味を持っているんですよね。デモみたいに政治的な意図を持っているときもあるし、一方では広告的なパフォーマンスとして使われているのも面白い。

―今回はコンドルズなどの公演と違って、モブの本番には参加されないんですよね。

近藤:そう。僕は振付だけで、そこに参加しているわけじゃないんです。それなのに公共の場でいきなり100人近くの人が、僕が振付けたとおりに動く。それってなんかアブナイ行為みたいな一面もありますよね(笑)。それが、キケンな方向じゃなくて、いい方向に向かうようまとめることができたら面白いなって思ってます。

近藤良平
近藤良平

―ここ数年、ネット上の動画などでも非常に話題になっているフラッシュモブですが、ダンスパフォーマンスとしては、どのように捉えられてますか。

近藤:今のところは、「公共の場で、いきなりパフォーマンスをする」としか定義しようがないかもしれない。もう少ししたら、その役割がはっきり見えてくると思うんですけど……。これまでのストリートパフォーマンスと違って、演じる側と観る側がハッキリ分かれていない、というところに大きな特徴があると思います。モブを見て投げ銭してくれる人とかいるのかな(笑)。そうなったらモブじゃない気もするし、逆にそれはそれで面白いことだとも思う。だから今はまだ実験段階なのかもしれませんね。

―『F/Tモブ』では、池袋西口公園だけでなく、池袋駅構内などもパフォーマンスの舞台になりますが、その環境を活かすとしたらどんなことをするのが面白いでしょう?

近藤:そうですね。街中で行うということは、「都市の在り方と連結する」という意味があるのかなと思います。ほら、この夏話題になった……DJポリス、あれも新しい流れだと思うんですよ。都市の人の動かし方を変えるものが登場した、という感じだったじゃないですか?

―なんか、皆楽しそうに和気あいあいと同調しながら、人の流れを作ってましたよね。

近藤:実はこの間、リバーウォーク北九州っていう商業文化施設の10周年イベントに呼んでいただいて、職員たちがいきなり仕事場で踊り出す、というモブを振付けたんです。で、せっかくだから、僕も軽い気持ちでモブに参加してみたんですけど、いざ自分が経験してみると、やっぱり単純に気持ちいいんですよ(笑)。振付ける側は、動きの意味とかを一生懸命考えるけど、やってる側としては、「日常的な場所でいきなり踊る」ということ自体が、単純に面白かったんです。

―自分にとって日常的だった場所が、いきなり非日常になる面白さ?

近藤:街でいきなり1人で踊りだしたら、アブナイ人に見られるけど、集団で踊れば変な人とは思われないでしょう。ダンスやパフォーマンス云々の楽しさというよりも、ごく当たり前だと思っていたルールから解放されることの楽しさが、モブにはすごく含まれているんですよ。何より皆で「同調して動く」ってことがめちゃくちゃ気持ちいい。集団の力でもあると思う。

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イベント情報

『F/Tモブ・スペシャル』

2013年11月9日(土)〜12月8日(日)毎週土、日曜日
会場:東京都 池袋 東京芸術劇場、池袋西口公園、サンシャインシティほか
参加アーティスト:
近藤良平(コンドルズ)
古家優里(プロジェクト大山)
三浦康嗣(□□□)
矢内原美邦(Nibroll)
料金:無料

『フェスティバル/トーキョー13』

2013年11月9日(土)〜12月8日(日)
会場:
東京都 池袋 東京芸術劇場
東京都 東池袋 あうるすぽっと
東京都 東池袋 シアターグリーン
東京都 西巣鴨 にしすがも創造舎
東京都 池袋 池袋西口公園
※実施プログラムはオフィシャルサイト参照

プロフィール

近藤良平(こんどう りょうへい)

振付家、ダンサー。ペルー、チリ、アルゼンチン育ち。20ヶ国以上で公演、ニューヨークタイムズ紙絶賛、渋谷公会堂公演も即完満員にした男性学ランダンスカンパニー・コンドルズ主宰。第四回朝日舞台芸術賞寺山修司賞受賞。NHK連続TV小説『てっぱん』オープニング振付、NHK総合『サラリーマンNEO』内「サラリーマン体操」、NHK教育『からだであそぼ』内「こんどうさんちのたいそう」、「かもしれないたいそう」に振付出演。三池崇史監督映画『YATTAMAN』振付。TBS系列『情熱大陸』出演。NODA・MAPの『THE BEE』で鮮烈役者デビュー。今秋には、『第68回国民体育大会』(『東京国体』)式典演技総演出を担当する。

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