幼児退行気味のこの国へ 菊地成孔のアゲインスト

4月3日から6日間にわたって、渋谷Bunkamura オーチャードホールで開催される『JAZZ WEEK TOKYO 2014』。先日の『グラミー賞』で「ベスト・インプロバイズド・ジャズ・ソロ」部門を獲得し、健在ぶりを示したウェイン・ショーターが2年連続で、なおかつ今年はフルラインナップでのウェイン・ショーター・カルテットで来日する他、日本からは綾戸智恵やCharも出演するなど、今年も幅広いラインナップが大きな話題を呼んでいる。

中でも、昨年もペペ・トルメント・アスカラールで出演していた菊地成孔が、何と2006年にアルバムを発表したUAとのコラボレーション、『cure jazz』のリユニオンという形で出演するというニュースは、最大級の驚きを持って伝えられた。8年ぶりの再演ということに加え、現在沖縄で暮らしているUAにとって、これが震災後の東京初ライブとなるのだから、それも当然である。そこで、今回は菊地に『cure jazz』のリユニオンが実現することとなった経緯、および当日のパフォーマンスの展望をじっくりと語ってもらった。長い年月を経て、二人がどんなステージを披露するのかはもちろん、この日菊地が話してくれた「ジャズと加齢の関係性」という意味でも、見逃せない公演であることは間違いない。

今回マスコミ稼働が僕だけなので、いない人のことを盛って喋っちゃうといけないなって思うんですけど……UAさんのモチベーションは非常に高いと思います。

―まずは8年ぶりに『cure jazz』のリユニオンが実現することになった経緯を話していただけますか?

菊地:定期的にUAさんと連絡を取り合っていて、「そろそろやってみたいね」って話をしたわけではなく、ぶっちゃけ言うと、主催者側から「ひさしぶりにやってくれないか?」っていうオファーをいただいたんです。ただ、UAさんがやるわけないと思ったんですよね。ご存じのとおりUAさんは、非常に強いエコロジストで、ベジタリアンでもあって、震災以降は沖縄にいらっしゃるわけです。なので、彼女が東京に出てきて、大々的にライブを、しかも、『cure jazz』のリユニオンをやるっていうのは、二重三重の意味であり得ないと思ってたんです。

菊地成孔
菊地成孔

―当時から、「このプロジェクトは1回限り」っていうこともおっしゃってましたもんね。

菊地:そうですね。アルバムを出して、1回ツアーをやったら、「二度とやりたくない」って考えてました。そう言うと悪く聞こえますけど(笑)、「1回だけにしておくのがいい」という考え方ですね。その後もしばらくは個人的に親しくさせていただいていたんですけど、震災後は連絡も取っていなかったですし。

―菊地さんご自身は、リユニオンのオファーを受けて、何を思いましたか?

菊地:「今どうしても『cure jazz』がやりたいんだ」という強いモチベーションがあったわけではないですけど(笑)、やることはやぶさかではないというか、やれたら嬉しいとは思いました。あのときやったことが、8年経ってどうなるのか興味がありますし。ただ、さっきも言ったように、UAさんがやるわけないと思っていたので、主催者側に「まずはUAさんにオファーを出してください。彼女がオッケーって言ったらやります」とお伝えしたんです。そうしたら、あっさりオッケーが出て(笑)。

―意外にも(笑)。

菊地:まあ、僕が交渉したわけじゃないので、「あっさり」だったかは正直わからないんですけどね(笑)。ただ、いろいろと条件があって、リハーサルは沖縄でやって、沖縄でも公演をやると。なので、僕も一族郎党連れて沖縄に行くんですよ。

―リユニオンについて、菊地さんとUAさんとの間では何かやり取りがあったんですか?

菊地:連絡を取ったのは、やることが決まってからです。今回はマスコミ稼働が僕だけなので、いない人のことを盛って喋っちゃうといけないなって思うんですけど……彼女のモチベーションは非常に高いと思います。もともとラディカルな人だから、思い切ったことをしたい人でもあるんですよね。非常に母性が強いと同時に、娘性も強い人で、守ったり、与えたりする力もあるけど、奪ったり、破壊したりする力もある人。だから、ちょっと東京に行って、バッとやって帰るっていうことを、「やっておきたいな」っていう、そういう衝動が生じたんじゃないかと思うんですよね。

僕と一緒にやる上では、怒ったままでいいし、考えてることも感じてることも全部尊重するけど、それを直接的な形ではなく、ジャズミュージックに昇華して、還元して、それを世に問いたい。

―公演の内容自体に関しては、すでに構想などあるのでしょうか?

菊地:よくある業界ノリのリユニオンみたいに、「ひさしぶりだね」って感じで、昔の曲をそのままやるっていうのだと、意味がないですよね。8年間でこの国にも我々にもいろんなことがあって、そういうことを経過した上で、どんな風なサウンドにしていくのか考えていきましょうというお話をしました。だから、メンバーこそ一緒ですけど、アルバムの再現ではないので、「あの演目がちゃんと聴けて嬉しい」っていう感じではないです。

―言うまでもなく、この8年間の間には震災があって、「cure」という言葉の響き方も変わったと思うんですよね。おそらくですけど、そういう意味合いもあってのオファーだったのかなって思うんですけど。

菊地:その辺りはある程度リアルなほうがいいと思うので言いますけど、まず主催者にとって大切なのは興業なので、たぶん「cure」の意味合いとかは考えていないと思います。ただ、出るほうはガチなので、客が入ろうと入るまいと、「今UAさんとやりたいことをやるんだ」っていう気持ちですね。僕は彼女のことをすごく尊敬しているんですね。というのも、彼女は震災が起きる前から環境問題についてアクションを起こしていて、震災が起こったからといって、特別それを過剰にしたわけではないんです。

菊地成孔

―そうなんですよね。震災以降その動きがより注目されるようになっただけというか。

菊地:巨視的なビジョンから見れば、震災が起きようが起きまいが、核物質が飛び交おうが飛び交うまいが、地球の環境に問題があることは間違いなくて、そのことに関して彼女はいち早く動いていたんですよね。みなさんのご記憶にも新しいと思うんですけど、震災が起きたばかりのときに、UAさんのナレーションが流れて、それでたくさんの人がcureされたとも思いますし(ACジャパン『こだまでしょうか』のナレーションをUAが担当していた)。

―そもそも2006年当時に、なぜ「cure」という言葉を使ったのか、改めて話していただけますか?

菊地:怪我をして何かを貼ったり、ぶつけたからさすったり、そういう肉体的な処置だけが治癒じゃないというか、日常的に治癒っていうのは存在するわけです。人間が生きていく状況っていうのは、常に傷ついていて、それは人間が動物をやめたときからずっとそうなんですよ。人間の歴史っていうのは治癒の歴史であり、つまり、治癒とは永続的で、基本的なものなんだというのが、僕とUAさん共通の認識なんです。

―では逆に、この8年間で、UAさんの「ここは変わった」という部分はどこだと思いますか? まだリハーサルなどはされていないということなので、難しい質問だとは思うのですが。

菊地:話し合って感じたわけではなく、バイブスみたいなレベルのことですけど、やっぱり怒ってると思うんですよね。彼女は震災前にも、環境団体の人をステージに上げたりして、結構直接的に怒りをぶつけるようなこともしていましたし。一方でジャズっていうのも、もともと差別された黒人の怒りを美的に昇華するっていうものなわけ。だから、僕と一緒にやる上では、怒ったままでいいし、考えてることも感じてることも全部尊重するけど、それを直接的な形ではなく、ジャズミュージックに昇華して、還元して、世に問いたい。『cure jazz』っていうのは、それをやれるユニットだと思うんです。

加齢に対して女性がどう対処するか? っていうことの音楽的な回答を、この国はまだ出せてないと思うんですよ。

―菊地さんは昨年、女性の若手ジャズボーカリストを複数プロデュースされてるじゃないですか? 3月に出るペペ・トルメント・アスカラールの新作も菊地さんがかなり歌っているそうですし、つまりは今菊地さんの音楽的な関心が「歌」に向かっていて、だからこその『cure jazz』だったのかなとも思っていたんです。

菊地:そんなにきれいには繋がってないんだけど、ただ、主観上計画的に繋がってることだけが繋がってることではないので、このタイミングで主催者から話が来たことも含め、個人の意思を超えた流れがあるのかもしれないですね。今回のライブは、アルバムよりもっと僕も歌おうと思ってるんですよ。まあ、女の人に強気で全否定されたら僕はまったく覆せないので、UAさんの言う通りにやるんですけど(笑)。

―菊地さんが「女性に対しては逆らえない」っていうのは、何か背景があるのでしょうか?

菊地:母親がおっかなかったんですよ(笑)。うちは水商売だったので、酔っ払いとか、悪いのが来たら追っ払わないといけないという自警団みたいなところがあったんです。親父は料理人だから奥にいて、母親と女性従業員と一緒に僕も接客していて、母親が急に怒鳴ったりするのを見てたんですね。だから、「女性がキレたら終わりだな」っていう、ホスピタリティーが身についたんでしょうね(笑)。

菊地成孔

―そのホスピタリティーが『cure jazz』でも役立ったと(笑)。

菊地:綿密なリハーサルや、心理的な駆け引きがあるわけじゃなくて、UAさんと一緒だと、UAさんが母になったり娘になったりするから、こちらも息子になったり父になったり、そのロールプレイが上手くはまってるとは思いますね。

―その関係性が8年経ってどう変わってるのかっていうのも楽しみなところですよね。

菊地:そこが去年、若い女性シンガーをプロデュースしたことにも関係していて、こんなことを言ったら失礼ギリギリの話ですけど、やっぱり音楽の世界にも世代交代があるわけじゃないですか? 僕は幸か不幸か鬼っ子というか、変わったタイプのアーティストだから、「若い人に蹴落とされるかもしれない」という心理は働かないんですよ。

―「ポスト菊地成孔」とか、聞いたことないですね(笑)。

菊地:先人も後人もいないから、すごく孤独な代わりに、競争原理もないんです。でも、UAさんの場合は、音楽的にも、思想的にも、信者が山ほどいるわけ。去年プロデュースした「けもの」というバンドの青羊(あめ)さんなんかがまさにそうで。そういう中で、加齢に対して女性がどう対処するか? っていうことの音楽的な回答を、この国はまだ出せてないと思うんですよ。だって、今ってアイドルばっかりでしょ?

―間違いなく、その傾向にありますよね。

菊地:芸能ってもともと神事ですから、芸者さんや舞妓さんと一緒というか、芸能の原点に戻ってるような動きなので、アイドル自体は全然いいんですよ。特に、チームアイドルね。ただ、音楽というのはそれだけではないので、アイドルに共感してハマれるかどうかの二者択一ではないところに、もっと才能ある人がいっぱいいる。それが去年の僕のプロデュース仕事に繋がっているんです。

―では、そういった文脈において、ある意味追われる立場となるUAさんと一緒にやることの意味とは?

菊地:僕は特別フェミニストではないですけど、今の女性が置かれてる状況は、やっぱり苛烈だと思うんです。20世紀の中盤ぐらいは、シャンソンやオペラの人が、加齢への対処を見せていたんですけど、21世紀になって、そこが急速に見えなくなってしまった。だから、そこに対してUAさんが何らかの提示をできるのか、それとも後続に道を譲ったほうがいいのか、どちらの感覚になるのかというところですね。もし後者になったとしても受け止めようと思いますし、そこは1つの事実としてすごく興味があります。

20世紀以降のポップミュージックが若者の音楽であることは避けられないけど、もっと幅広い世代がナチュラルに楽しめるのが、ジャズの可能性だと思ってるんです。

―「ジャズと加齢」っていうのは興味深い話題で、菊地さんは「若い人に、背伸びをすることの楽しさを教えることが、ジャズミュージックの1つの急務」ともおっしゃってますよね。このテーマって、ここまで話していただいたこととも関連してくると思うんです。

菊地:それはジャズ文化自体が北米でそう捉えられてきたってことだから、ドメスティックな話になるとまたちょっと違うとは思うんですけど、ジャズの中には「大人になることはいいことだよ」というメッセージが、ある程度含まれてるんですよ。汚れるのもいいことだし、傷つくのもいいことだよって。でも、今って誰が見ても子ども勢力がすごく強いですよね? 幼児退行していいってことを社会が制度的に認めることだけが救いだというような。(ミシェル・)フーコーが批判していたことまで話が及んでしまうと大げさですけど、そもそも大人なんてあったのか? 本当はみんな子どもで、大人というのは演舞に過ぎないんじゃないか? っていうことは思いますね。

―以前、「今は親も子どもも同じフィギュアやアイドルが好きで、それが普通になっている」っていう話もされていましたよね。

菊地:たとえばTwitterのつぶやきというのも、子どもが親にできごとを報告するような衝動とまったく同じだと思いますしね。でも、その一方では、やっぱり子どもができると人間は変わるし、親になることが大人になるための通過儀礼だという論調も強くなっていて、ポリティカルと言っていいぐらい拮抗してるわけ。それで、アイドルにはロリコン性が含まれるので、アイドル文化が進むということは、ロリコン文化が進むということで、その反動として老け専の人がボンッと出てきたりもする。でもその二極化だけじゃなくて、歌ったり踊ったりする30代や40代もいていいわけですよ。でも、今だと杉本彩さんやMAXの復帰が、例外的に面白い人みたいになっちゃうでしょ?(笑)

―確かに、特殊な人ってイメージになりがちですね。

菊地:でも、そこは本来特殊じゃないほうがいいと思う。もちろん、20世紀以降のポップミュージックが若者の音楽であることは避けられないけど、もっと幅広い世代がナチュラルに楽しめるのが、ジャズの可能性だと思っているんです。だから、あらゆる世代の人でジャズボーカルをやることはすごく意味のあることだと思うし、それに対してマーケットがどう動くかもすごく重要。10代だったら適当にやっていてもファンがついて、30歳ぐらいまではおじさんのファンがいるけど、40歳になったら急にいなくなっちゃうとか、上げ下ろしみたいで悲惨じゃない?(笑)

―ホントにそうですよね。

菊地:女性の社会進出なんて古い話ですけど、ジャズやヒップホップはかなりの男社会で、特にジャズはマーケットもおっさん社会なんですよ。「美男子ジャズ」と銘打って、おばさんがアイドルみたいなジャズメンを愛でる動きを提唱した人もいたけど、あれもあまりにバロックなやり方というか、イビツ過ぎて成り立たない。そうじゃなくて、もうちょっと地に足のついた形というのが、UAさんとならできるんじゃないかって思うんです。

菊地成孔

―それこそ菊地さんだったら、アイドルのプロデュースの依頼とかも結構来るんじゃないですか?

菊地:昔、SPANK HAPPYでそういうようなこともやってたし、二言目には「K-POPのプロデュースしろ」とか言われますね。まあ、小銭を稼ぐ分にはやってもいいんですけど、やっぱり誰にも自分の仕事というのがあって、僕の仕事はジャズだから、女性の加齢の問題がもしあるとしたら、それにアゲインストしたり、提言することも、そこに含まれてるんですよね。

―『cure jazz reunion』は非常にたくさんの意味合いを持った公演になりそうですね。改めて、非常に楽しみになりました。ちなみに、男性の加齢に関してはどう思われますか?(笑)

菊地:男性ももちろん重要なんだけど(笑)、さっきも言ったように、もともと女性に囲まれて育ってるので、それが大きいんですよね。男のことはよくわからないです(笑)。

イベント情報
『JAZZ WEEK TOKYO 2014』

『cure jazz reunion』
2014年4月3日(木)START 19:00
会場:東京都 渋谷 Bunkamuraオーチャードホール
出演:UA×菊地成孔
料金:6,500円

『エレクトリックギターの夕べ』
2014年4月4日(金)START 19:00
会場:東京都 渋谷 Bunkamuraオーチャードホール
出演:Char
料金:6,000円

『A.C.ジョビンに捧ぐ』
2014年4月5日(土)START 15:00
会場:東京都 渋谷 Bunkamuraオーチャードホール
出演:
リー・リトナー&デイブ・グルーシン“ブラジル・プロジェクト”
エイブラハム・ラボリエル(Ba)、ダニエル・ジョビン(Pf,Key,Vo)、ルイーザ・ジョビン(Vo)ほか
ゲスト:小野リサ(Gt,Vo)
料金:8,500円

『My Way』
2014年4月6日(日)START 14:00
会場:東京都 渋谷 Bunkamuraオーチャードホール
出演:綾戸智恵 with 前田憲男スペシャル・ビッグバンド
ゲスト:原信夫
料金:7,000円

『80th Anniversary Concert』
2014年4月14日(月)、4月15日(火)START 19:00
出演:ウェイン・ショーター・カルテット feat.ジョン・パティトゥッチ(Ba)、ダニーロ・ペレス(Pf)、ブライアン・ブレイド(Dr)
料金:各公演 9,000円

プロフィール
菊地成孔(きくち なるよし)

ジャズメンとして活動 / 思想の軸足をジャズミュージックに置きながらも、ジャンル横断的な音楽 / 著述活動を旺盛に展開し、ラジオ / テレビ番組でのナビゲーター、選曲家、批評家、ファッションブランドとのコラボレーター、映画 / テレビの音楽監督、プロデューサー、パーティーオーガナイザー等々としても評価が高い。「一個人にその全仕事をフォローするのは不可能」と言われる程の驚異的な多作家でありながら、総ての仕事に一貫する高い実験性と大衆性、独特のエロティシズムと異形のインテリジェンスによって性別、年齢、国籍を越えた高い支持を集めつづけている、現代の東京を代表するディレッタント。2011年、ジャズの名門レーベルimpulse!からDCPRG名義で『Alter War In Tokyo』を発表。主著はエッセイ集『スペインの宇宙食』(小学館)、マイルス・デイヴィスの研究書『M/D~マイルス・デューイ・デイヴィス3世研究』(河出新書 / 大谷能生と共著)、レギュラーはTBSラジオ『菊地成孔の粋な夜電波』など。最新アルバムはJAZZDOMMUNISTERS『BIRTH OF DOMMUNIST~ドミュニストの誕生』(ビュロー菊地)。



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