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「いつも私は圏外な人」 日暮愛葉のエキセントリックな愛情

「いつも私は圏外な人」 日暮愛葉のエキセントリックな愛情

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:豊島望
2014/04/16

SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HER再始動! 1990年代初頭に日暮愛葉を中心に結成されたシーガルは、当時としては珍しく最初から海外での活動を念頭に置き、そのサウンドはもちろん、ライオットガール的な佇まいからして、他の日本のバンドとは一線を画す存在であった。90年代後半には小山田圭吾のレーベルであるトラットリアから作品を発表するようになり、Buffalo DaughterやCIBO MATTOらと共に、海外の空気を含んだ、新しいバンドの文脈を形成。2002年の活動休止以降、日暮はソロ、LOVES.、THE GIRLと様々な名義で活動を続けてきたわけだが、Buffalo DaughterやCIBO MATTOが再び活動を活発化させ、交流の深いdownyも復活した今、シーガルが再始動を果たすというのは、時代がまた一周したということを感じさせる。

さらに今回のシーガル再始動が面白いのは、メンバーが入れ替わり、まったく新しいバンドとして生まれ変わっていること。日暮にとっては近年のパートナーであり、シーガルの再始動を提案した人物でもある中尾憲太郎と、THE GIRLでドラムを務めるおかもとなおこに加え、385などで幅広く活動する蓮尾理之、快速東京の一ノ瀬雄太、お互いにライブ等でも親交のあるMiila and the Greeksのmoeという、非常にフレッシュなメンバーを迎え入れているのだ。これが可能だったのは、やはりシーガル=日暮愛葉なのであり、彼女の奔放な感性こそが、バンドの最大の魅力であることを意味している。デビュー18周年の「アイハイヤー」に発表される初のオールタイムベスト『“18” aiha higurashi cherish my best』を聴いて、5月5日に渋谷WWWで行われる復活ライブに備えるべし。

「シーガルってすごくかっこいいんだよ」っていうのを伝えるには、今しかないなって。

―オフィシャルのインタビューでも話をされていましたが、シーガルの再始動のそもそものきっかけは、(中尾)憲太郎さんからの提案だったそうですね。

日暮:そうですね。憲太郎は自分が関わってるミュージシャンに対して、「この人が何をしたら面白いだろう?」って考えるのが好きみたいで、去年の早い段階でシーガルの再始動を提案されていたんです。最初は「うーん」っていう感じだったんですけど、「(シーガルの曲を)ちょっとやってみようかな?」って思って一人で練習してみると、全部覚えてるんですよ。リハ、ツアー、レコーディングっていうサイクルを10年間ずっとやってたから、体に染みついてるし、やっぱりシーガルが自分の一番ニュートラルなアウトプットなんだなっていうことを、だんだん思い出していきました。

日暮愛葉
日暮愛葉

―ただ、愛葉さんは「以前やっていたバンドの曲はやらない」っていうのがこれまでの基本スタンスだったわけですよね?

日暮:そうですね。というのも、すごく不器用なので、新しいスタートを切るときはそれまでの自分をバッサリ切り捨てて、全部入れ替えてから始めないと、中途半端なものになってしまう気がしてたんです。それに、頑なに「絶対やらない!」って決めたところで、大して意味もないなって。もちろん、当時の自分にとってはすごく意味がある主張だったんだけど、今となっては何でそう思ったのか不思議なくらいで……。こういうことを言うと「日暮愛葉は丸くなった」とか言う人がいるんですけど……まあいいですけどね(笑)。

―だとすると、このタイミングで「シーガルをやろう」と思えたのは、どんな理由があったのでしょうか?

日暮:シーガルをやめてから十数年が経っているから、ぶっちゃけた話をすると、シーガルの存在を知ってる人が減ってきちゃうんですね。もちろん、20代で知ってくれている子も多いけど、リアルタイムで音源を買った人はやっぱり少なくなってきているので、「シーガルってすごくかっこいいんだよ」っていうのを伝えるには、今しかないなって。

―そういう勘が働いたということでしょうか?

日暮:私ってすごく前のめりで、何でも早く決めると思われているかもしれないけど、人から持ちかけられたことに関しては、レスポンスがゆっくりになっちゃうんですよ。ピンとくるまでに時間がかかるというか。でも、自分がピンときたタイミングでやるのが、一番フレッシュだと思うんですよね。

―時代感という意味でいうと、今がまさにタイミングなのかなっていうのは僕も思っていて。というのは、去年Buffalo Daughterが20周年を迎えて、ベスト盤には愛葉さんも参加されていましたし、CIBO MATTOもひさびさのアルバムを出したじゃないですか?

日暮:downyもそうですよね。

―はい、あの時代のバンドが一周回って、また一斉に動き出したような印象があるんです。

日暮:そうですね。シーガル含め、そのあたりのバンドは、若い頃に一度ワーって盛り上がった後にメンバーそれぞれがやりたいことを見つけて、各自活動してきた。それが一通り落ち着いて、また当時のバンドをやってみるのがいいんじゃないかというタイミングが今なんでしょうね。

SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HER
新生SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HER。メンバーは日暮愛葉(Vo,Gt)、中尾憲太郎(Ba,Cho)、おかもとなおこ(Dr)、蓮尾理之(Key)、一ノ瀬雄太(Gt)、moe(Cho)

―他のバンドの動きが刺激になったりもしますか?

日暮:Buffalo DaughterやPixiesが昔の曲をやったりすると、めちゃめちゃ盛り上がるし、そういう心理はみんなが共有できるものですよね。さっきも言ったようにこれまで私はそういうのを嫌がってたタイプだったんですけど、今は「ライブを楽しむ」という意味ではそれも大事だなって思うし、柔軟になりましたね。

―ただ、他のバンドと違うのは、メンバーが新しくなってるというところですよね。

日暮:そこに関しては、憲太郎が「愛葉さんがいてくれればいいので、俺らで当時のシーガルよりかっこいいことやりましょう」って言ってくれて。リユニオンもファンの人からすればたまらないと思うんですけど、今のバンドのメンバーで昔の曲をやるのはすごく新鮮だし、実際にリハをやっていてもすごく楽しいんです。

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イベント情報

『SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HER』

2014年5月5日(月・祝)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京都 渋谷 WWW
料金:前売3,500円 当日4,000円(共にドリンク別)
※来場者特典付き

リリース情報

日暮愛葉<br>
『“18
日暮愛葉
『“18" aiha higurashi cherish my best』(CD)

2014年4月16日(水)発売
価格:2,268円(税込)
felicity cap-198 / PECF-1095

1. Down To Mexico
2. No Star
3. No telephone
4. Sentimental Journey
5. ユメミタイ(cherish my life)
6. What you gonna do babe?
7. accidentally
8. You come to me,and give them back to me
9. Brain Washer
10. Do what you want
11. evolution
12. Silly Girl
13. 風穴
14. A shotgun and me
15. idiots
16. Pink soda
17. NEW LIFE
18. See ya comin' in
19. School lunch
20. Seventeen
21. Angel

プロフィール

日暮愛葉(ひぐらし あいは)

2002年SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HER活動休止後、ソロ活動を開始する。時を同じくしてYUKIのデビュー曲の作詞/作曲/プロデュース等を手がけるなどし活動を本格化させて行く。またソロと平行してLOVES.、そしてTHE GIRLとバンドを結成し活動。2014年、デビュー18(アイハ)周年イヤーの今年、中尾憲太郎をバンマスに新生’SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HER’としメンバーも新たに再始動。5/5@渋谷WWWにてワンマンを行う。

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