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歌う意味や、生きる意味を考えた ハルカトミユキインタビュー

歌う意味や、生きる意味を考えた ハルカトミユキインタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西田香織

昨年11月にメジャーデビューアルバム『シアノタイプ』を発表し、2月には初の東名阪ワンマンツアーを成功させたハルカトミユキが、ひさびさのEPとなる新作『そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。』を発表する。タイトルが短歌になっていること自体はインディーズ時代に発表した2枚のEPと変わらないが、しかし、その言葉は以前よりも格段にストレートになり、青から赤へというイメージカラーの変化も含め、二人が新たなモードに入ったことを明確に知らせる作品になったと言えよう。メジャーデビューという区切りを迎え、一旦すべてを白紙にし、再構築する中で生まれた、ハルカいわく「究極のラブソング」である1曲目の“その日がきたら”は、自分が歌うことの意味、音を鳴らすことの意味を改めて問い直した、再始動の一曲なのである。

新作には、インタビュー中にも出てくる“その日がきたら”と“赤くぬれ”の他に、ジェイムス・ブレイク好きを公言するミユキのダークなトラックが印象的な“かたくてやわらかい”、以前からある曲だという“385”と“青い夜更け”を収録。口に出せない想いを秘めた“青い夜更け”の主人公の心情が、重いムードから徐々に変化して行く曲調と共に解放されていき、やがて「その日」を迎えるような、作品全体の構成も秀逸である。メジャーデビューから本作への変化について、ハルカに話を訊いた。

粗削りになるかもしれないけど、言葉も音も、もっと二人が生々しく出てるような、そういうものをやりたいと思って。

―今回のEPはいろんな意味で変化を感じさせる作品になっていると思いました。実際、去年メジャーでのファーストアルバムを出して以降、どんな心境の変化がありましたか?

ハルカ:毎回思うことなんですけど、作品を出してみて、その後にわかることっていうのがいっぱいあるんですね。アルバムを出した後で思ったのは、『シアノタイプ』はきれいに作り込んで、アレンジもライブもカチッとやったんですけど、今度は余計なものを削ぎ落としていきたいと思ったんです。粗削りになるかもしれないけど、言葉も音も、もっと二人が生々しく出てるような、そういうものをやりたいと思って。あとはやっぱり、今年の2月に初めて東名阪のワンマンツアーをやったことが大きかったです。聴いてくれる人たちに次はどうやって応えようか、そこからもう1回考え直した部分もありました。

―東京公演(渋谷CLUB QUATTRO)の日はものすごい大雪の日でしたよね。来れなかったお客さんもたくさんいたけど、それでも多くの人が集まった。あの日はどんなことを感じましたか?

ハルカ:あの日はホントに……私だったら行かないかも(笑)って思うくらい、相当な気持ちじゃないと来れない状況だなって思ったので、来てくれたお客さんたちの気持ちが純粋にすごく嬉しかったです。この人たちは絶対に離しちゃいけないっていうことも、改めて思いました。

ハルカトミユキ ワンマンツアー『青写真を描く』の2月8日@渋谷CLUB QUATTRO公演より

ハルカトミユキ ワンマンツアー『青写真を描く』の2月8日@渋谷CLUB QUATTRO公演より
ハルカトミユキ ワンマンツアー『青写真を描く』の2月8日@渋谷CLUB QUATTRO公演より

―さっき言ってくれた「削ぎ落とす」っていうのは、実際に今回の作品から感じられる部分で、言葉がストレートになったのも、やっぱりそれはお客さんとのより密なコミュニケーションを望んだからだと思うんですね。ただその一方では、届く人には届いたけど、届かない部分があったことも同時に感じていて、今度はそこにも届かせるために、より削ぎ落とすというか、自分をさらけ出していく必要も感じたのかなって。

ハルカ:そうですね。ただ、そうやって意識的に考えたっていうより、自然に、自分からもうちょっと開きたくなったし、もうちょっと素直に言いたくなったんです。今までは熱く想っていることや伝えたいことがあっても、フィルターをかけて、あえて淡々と冷たく歌うっていうのがハルカトミユキの表現としてあって、そこがひとつのアイデンティティーでもあったんですけど、そうしなくてもハルカトミユキでいられるなって確信が持てるようになったんです。

―それは『シアノタイプ』を作って、ワンマンツアーを成功させたっていう自信から来たもの?

ハルカ:そうですね。『シアノタイプ』には実験的にいろんな曲を入れて、ワンマンライブのパフォーマンスにしても、ミユキが踊ったり、結構いろんなことをやって、1回無理やりにでも広げたっていう部分があったので、今回はその広がった選択肢の中から何を選ぶかっていうのがスタートでしたね。

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イベント情報

ハルカトミユキ presents
『とびらはあいている』

2014年6月18日(水)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:愛知県 名古屋 ell.FITS ALL
出演:
ハルカトミユキ
GOOD ON THE REEL
料金:前売3,000円(ドリンク別)

イベント情報

ハルカトミユキ 秋の東名阪ワンマンツアー

2014年11月2日(日)OPEN 17:30 / START 18:00
会場:大阪府 umeda AKASO

2014年11月3日(月・祝)OPEN 16:30 / START 17:00
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2014年11月15日(土)OPEN 17:15 / START 18:00
会場:東京都 恵比寿LIQUIDROOM

料金:各公演 前売3,300円(ドリンク別)

リリース情報

ハルカトミユキ<br>
『そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。』(CD)
ハルカトミユキ
『そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。』(CD)

2014年5月28日(水)発売
価格:1,700円(税込)
AICL-2689

1. その日がきたら
2. 赤くぬれ
3. かたくてやわらかい
4. 385
5. 青い夜更け

ハルカトミユキ<br>
『SCHOOL OF LOCK! 音楽室 LIVE SESSION#1- ハルカトミユキ -』(DVD)
ハルカトミユキ
『SCHOOL OF LOCK! 音楽室 LIVE SESSION#1- ハルカトミユキ -』(DVD)

2014年5月28日(水)発売
価格:1,200円(税込)
AIBL-9294

1. マネキン
2. mosaic
3. シアノタイプ
4. ドライアイス
5. Vanilla

プロフィール

ハルカトミユキ

2012年終盤に突如現れた、新生フォークロックユニット、ハルカトミユキ。詩人・ハルカ(Vocal / Guitar)と奇人・ミユキ(keyboard / Chorus)のデュオ。2012年11月、『虚言者が夜明けを告げる。僕達が、いつまでも黙っていると思うな。』(H+M Records)でデビュー。iTunesが選出する2013年ブレイクが期待される新人アーティスト「newARTIST2013」にも選ばれる。2013年3月、2nd e.p.『真夜中の言葉は青い毒になり、鈍る世界にヒヤリと刺さる。』(H+M Records)を発売。2013年11月にメジャー移籍第1弾となる1stフルアルバム『シアノタイプ』を発売。2014年5月28日、新作音源『そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。』とスタジオライブDVD『SCHOOL OF LOCK! 音楽室 LIVE SESSION#1- ハルカトミユキ -』を同時発売。

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