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インストバンドに人間性は必要か? フェスを賑わすjizueが語る

インストバンドに人間性は必要か? フェスを賑わすjizueが語る

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人
2014/08/05

「売れる」の定義って難しいと思ってて、CDのセールスとかではないと思うんですね。輪が広がるっていう意味で、もっと大きなところでもやりたいから、それが「売れたい」っていう言葉になるのであれば、売れたいですね。(片木)

―今回参加してるゲストの方たちも、以前からつながりのある方たちなんですよね?

粉川:(中嶋)イッキュウちゃんはtricotの前にfauvismっていうバンドをやってて、そのバンドがjizueを好きでいてくれて、彼らの解散ライブにも呼んでくれたりしたつながりもあって。

―今回“fauve”って曲も入ってますよね。もしかして……?

粉川:そう、実はそれも絡んでるんです。

片木:イッキュウちゃんに関しては、tricotの元ドラムのkomaki♂が私の高校の同級生で、イッキュウちゃんがtricotを始めるときに、ドラマーを探してて、粉川が引き合わせたんですよね。イッキュウちゃんとは1年前ぐらいから「一緒に何かやりたいね」っていう話をしてて、それがやっと実現した感じです。

―イッキュウさんをゲストボーカルに迎えた“photograph”は、山田さんの作曲だそうですね。

山田:亡くなった大切な人が夢に出てくるという物語で曲を作ったんですけど、イッキュウちゃんにはその世界観を全部伝えた上で、歌詞を乗せて広げてもらいました。生きてて当たり前のように大切な人がいて……jizueのメンバーもそうですけど(笑)。

片木:なんか、腹立たしい(笑)。

山田:でも、なくしたときにしか気づかないことってすごく多いから、そういう部分を曲にしたいなと思ったんです。

山田剛
山田剛

―そうやって数年も前から同じ京都を中心に活動してきたtricotに対しては、良き友人であり、良きライバルといった感じでしょうか?

片木:今はライバルって言えへんぐらい、すごい次元に上っていってはるからなあ(笑)。特に音楽高校の同級生だったkomaki♂は、クラシックが主な高校の中で、二人だけロックとかブラックミュージックが好きで、みんな音大とかに進む中で、彼だけ武者修行だって言って、いろんなバンドのサポートをやっていて、卒業後の進路も他の人と違ったから、いい意味で個人的にはライバルですけどね。

―さっき「一歩と言わず、もう三歩ステップアップしたい」っていう話もありましたが、tricotが大きくなっていくのを見て、悔しさとかもあったのかなと思うのですが。

片木:『ROCK IN JAPAN FES』とかで4,000~5,000人規模のステージに出て、たくさんの人に伝えられるっていうのは、「すごい! いいなあ!」って思いますね。

―「負けねえぞ!」みたいな気持ちもありますか?

片木:うーん……「売れる」の定義って難しいと思ってて、CDのセールスとかではないと思うんですね。「なんで音楽してるのか?」って、私たち四人それぞれの考えはちょっとずつ違うと思うんですけど、井上くんはよく「四人でずっと面白いことができればいい」って言ってて、私はその楽しさをたくさんの人に伝えられたらいいし、それがいい波動になって、「明日も頑張ろう」みたいな気持ちが広まればいいと思ってて。その輪が広がるっていう意味で、もっと大きなところでもやりたいから、それが「売れたい」っていう言葉になるのであれば、売れたいのかもしれないですね。

昔やってきたことと今やってることが、もっと上手く混ざったら、さらにjizueっていうジャンルが確立していくのかなって思いますね。(井上)

―海外でのライブは、さらに大きく輪を広げられる機会だったのではないかと思いますが、カナダツアーを経て、なにか意識の変化はありましたか?

山田:カナダに行ってから、海外に向ける意識はより強くなりましたね。「こんなに壁がないんや」と思って、変に日本にこだわる必要ないんやなって思ったときに、ちょっと楽になった感覚はありました。

粉川:日本で売れようと思うと、ある程度わかりやすさとかも必要になりますけど、海外だと受け入れられる音楽性の幅も広くて、そういう意味でも、海外はすごく可能性を感じるし、海外でのライブが増えたら、アルバムの方向性も変わってくるんじゃないかと思います。

粉川心
粉川心

―今回のアルバムで「わかりやすさ」を重視したっていうのも、つまりは日本の音楽的な土壌を意識したということでしょうか?

粉川:今回そこは意識しましたね。単純に、変拍子が減ったっていうのも、やっぱり日本だと、変拍子になった途端オーディエンスの動きが止まるんですよ。海外だとそのまま騒ぎ続けるんですけど。

―難しいところですよね。日本にも変拍子のかっこいいバンドは増えてて、音楽ファンの間では変拍子に対する耐性もできてきてると思うんです。とはいえ、おっしゃる通り、そういう人ばかりではなくて、一般的にはやっぱりまだ難しいですもんね。

井上:出るイベントが変わってきたっていうのもでかいと思うんですね。昔はお客さんも踊りに来るより聴きに来るライブが多くて、僕たち自身も踊らせるより圧倒して聴かすというか、「じっくり聴いててくれ」ぐらいの感じだったけど、1回「一緒に楽しむ」っていうライブに触れると、それに病みつきになってしまって。もちろん、今も「聴かせたい」っていう想いは根底にあるんですけど。お客さんの反応によって、僕らも成長させられてるなって思いますね。

―「かっこいいものを聴かせたい」っていうのと、「わかりやすく踊らせたい」っていう両方の気持ちがあって、今回に関しては「わかりやすさ」を重視した。そのふり幅の中で、作品を重ねて行くことによって、どんどんjizueのオリジナリティーが磨かれていってるように思います。

井上:確かに、昔はjizueとしてのオリジナリティーが薄かった気がするんですけど、今出してる音楽って、「jizueの音楽だ」って言いきれる気がするんですよね。僕らみたいなことをしてるバンドが他にいてほしくないし、突き抜けたオリジナリティーのあるものをやっていきたいと思ってます。昔やってきたことと今やってることが、もっと上手く混ざったら、さらにjizueっていうジャンルが確立していくのかなって、今はそう思いますね。

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イベント情報

『jizue new album 「shiori」 release tour』

2014年8月24日(日)
会場:京都府 METRO

2014年8月30日(土)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO

2014年9月4日(木)
会場:神奈川県 横浜 GrassRoots

2014年9月5日(金)
会場:東京都 タワーレコード渋谷店

『GOOUT CAMP』
2014年9月6日(土)
会場:京都府 スチール®の森

2014年9月7日(日)
会場:大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店

2014年9月12日(金)
会場:大阪府 チェルシーマーケット

『りんご音楽祭』
2014年9月13日(土)14日(日)
会場:長野県 アルプス公園

2014年9月15日(月・祝)
会場:鳥取県 米子Hasta Latina

2014年9月19日(金)
会場:愛知県 名古屋 UPSET

2014年9月20日(土)
会場:京都府 タワーレコード京都店

『ZETTAI-MU 19TH Anniversary 2014』
2014年9月20日(土)
会場:京都府 METRO

2014年9月27日(土)
会場:静岡県 Freakyshow

2014年10月3日(金)
会場:東京都 渋谷 WWW

2014年10月5日(日)
会場:富山県 New Port

2014年10月8日(水)
会場:兵庫県 神戸 cafe Fish!

2014年10月13日(月・祝)
会場:長野県 伊那 GRAMHOUSE

『ボロフェスタ2014』
2014年10月26日(日)
会場:京都府 KBSホール

2014年11月8日(土)
会場:愛知県 豊橋 grand space Quark

2014年11月16日(日)
会場:和歌山県 FAVORITE TRUNK

2014年11月22日(土)
会場:大阪府 CONPASS

リリース情報

jizue<br>
『shiori』(CD)
jizue
『shiori』(CD)

2014年8月6日(水)発売
価格:2,500円(税込)
DQC-1329

1. intro
2. bullet bull
3. photograph feat. 中嶋イッキュウ
4. shiori
5. rainy days and mondays
6. march of monkey
7. 真黒 feat. Shing02
8. fauve
9. wind
10. blessing

プロフィール

jizue(じずー)

2006年、井上典政、山田剛、粉川心を中心に結成、翌年より片木希依が加入。 ロックやハードコアに影響を受けた魂を揺さぶるような力強さ、ジャズの持つスウィング感、叙情的な旋律が絶妙なバランスで混ざり合ったサウンド で、地元京都を中心に人気を高め、『FUJI ROCKFESTIVAL 2012』、『GREENROOMFESTIVAL’14』といった大型フェスにも出演するなど、全国各地でその圧倒的な演奏力で高い評価を得ている。これまでに『Bookshelf』、『novel』、『journal』の3枚のフルアルバムを発表し、そのどれもがロングセラーを記録。2014年5月に行ったカナダツアーも各地で大成功をおさめ、8月6日には4枚目となるフルアルバム『shiori』をリリースする。

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