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80KIDZから学ぶ、世界の一歩先のトレンドと最新のかっこよさ

80KIDZから学ぶ、世界の一歩先のトレンドと最新のかっこよさ

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:豊島望, 取材協力:YAKUMO111
2014/09/24

今思い返してみても、80KIDZの登場は日本の音楽シーンのドラスティックな変化を感じさせるものであった。エレクトロブーム真っ盛りの2000年代半ば、顔すらもわからない3人組(当時)はMyspaceを通じて海外から高く評価され、逆輸入に近い形で日本でもその名前が徐々に知れ渡ると、ライブハウスとクラブの垣根が消えた中で、誰もが蛍光のファッションを身に着け、歪んだシンセベースと泣きのアルペジオに合わせて朝まで踊り続けた。それは日本において久々にストリートカルチャーとしての音楽が誕生した瞬間であり、80KIDZは紛れもなくそんな時代の申し子であった。

あれから10年近い時間が経過し、クラブシーンのトレンドはエレクトロからEDMへと移った中、80KIDZが約2年半ぶりのオリジナルアルバム『FACE』を完成させた。これまでずっと顔を隠してきた彼らにとって、このタイトルはある意味セルフタイトルでもあり、それだけの手応えを感じさせる素晴らしい作品となっている。中でも印象的なのは、この作品が世界のトレンドの一歩先を提示しているだけでなく、今再びこの国で起こりつつある新たなカルチャーの胎動をも含んでいるということだ。なぜ80KIDZが愛され続けるのか? それはまさに、この「ここから何かが始まる、しかも僕らの手で」という感覚があるからに他ならない。今回のインタビューでは、改めてデビュー時からのキャリアを振り返ることで、変わることのない彼らのストリート感に迫った。

SoundCloudは、「このアーティストがどういうバックボーンでこれを作ってるか?」っていう部分が見えないのが、あんまり好きじゃないんですよね。(ALI&)

―今日はこれまでの80KIDZの歩みを改めて振り返っていただいた上で、新作のことも訊かせていただければと思います。まず、お二人の出会いから話していただけますか?

JUN:当時(2007年)は、僕がまだ京都にいて、ALI&は東京にいたんですけど、mixiで知り合いました。

ALI&:いろんな地域に住んでいる人たちがSNSで知り合って何かを始めるっていう動きの先駆けだったんだろうなと思います。ちょうどエレクトロのムーブメントが起きていた頃で、ロックとクラブミュージックの融合というか、いろんなジャンルを取り入れて、新しいクラブミュージックを作ろうという流れの中で一緒にやり始めました。

右:ALI&
右:ALI&

―結成後の動きも、80KIDZにとってネットの活用は大きかったわけですよね。

ALI&:そうですね。その頃既存曲をクラブで流すDJユニットはいっぱいいたので、差別化を図るためにも、自分たちはオリジナル曲を作り出して、それを海外のブログやレーベルに送ってみたら、いいリアクションが返ってきたんです。当時自分たちと同じような音楽好きの日本人が、日本のメディアからではなく、海外のメディアから僕たちのことを知って、「こいつら日本にいるらしいぞ」って、だんだんザワザワしていった感じでしたね。

JUN:Myspaceが盛り上がってた時期だったので、海外のアーティストにMyspaceから「リミックスさせてください」ってメッセージを送ると、「全然いいよ」って感じで返事が返ってきて、「あの僕たちの好きなアーティストがリミックスやらせてくれるって!」っていう、そういう面白い広がりもありましたね。

左:JUN
左:JUN

―顔を隠してデビューしたのは、何か意図があったのでしょうか?

ALI&:いや、かっこいいじゃないですか?(笑)

JUN:「日本人がやってる」っていう先入観を捨ててほしかったのもあります。

ALI&:でもホント単純に、かっこいいと思ったからなんですよ。CDとかレコードのジャケットでも、アーティストの顔が出てるよりも、靴だけ転がってたりとか、手だけ写ってるものの方がかっこいいなって、二人とも共通して思ってました。

―匿名性を強くすることで、ネット上での拡散を狙ったとかではないと。

ALI&:狙いとか戦略とかないですね(笑)。

―今はSoundCloudだったり、新たなメディアも出てきてますが、お二人は現在のSNSをどう見てますか?

JUN:SoundCloudは、面白いとは思いますけどね。ちょっとブーティー(戦利品、もうけ物)なものがあがってたりするから、若い音楽好きな子がどっぷりハマる理由はわかります。

ALI&:でも、「このアーティストがどういうバックボーンでこれを作ってるか?」っていう部分が見えないのが、あんまり好きじゃないんですよね。Myspaceに何でハマったかっていうと、それぞれ自分のレイアウトをカスタムできて、「自分たちはこんなにイケてるんだぞ」という表現を、音楽だけじゃなくてアート的な部分でも出せたからで。

JUN:「音はいいけど、グラフィックはダサいな」とか、トータルで評価できたよね。

ALI&:「この人たちミニマル系だから、グラフィックがダサいのはしょうがねえな」とかね(笑)。

―背景にあるカルチャーが見えるかどうかが重要で、SoundCloudは便利だけど、確かにその一部が切り取られてる感じはあるかもしれないですね。

ALI&:僕らが出てきた頃に、MAARさん(DEXPISTOLS)とか大沢(伸一)さんとか、先輩方からすごく言われたのが、「アートワークが素晴らしい」っていうことだったんですよ。自分たちでセルフプロデュースして、キチッとアートワークもイケてるものを出そうという姿勢が、それまで日本にはそんなになかったから、「君たちそこも考えてやってるんだね」って、興味を持ってもらえたんですよね。そこは、JUNくんの力が大きかったんですけど。

2008年発売、初期作品集『DISDRIVE EP』ジャケット写真
2008年発売、初期作品集『DISDRIVE EP』ジャケット写真

JUN:アートワークは、僕が仕事でデザイナーをやってたので、好きでこだわってました。でも、Myspaceのカスタムは(ALI&が)すごい凝ってくれてたじゃん?

ALI&:それはひたすらやりました。あそこが看板だと思ってたんで。

JUN:でも、「Message」がずっと「Massage」になってたけどね(笑)。

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イベント情報

『80KIDZ new album 『FACE』 RELEASE LIVE』

2014年10月1日(水)OEPN 19:00 / START 20:00
会場:東京都 代官山 UNIT
料金:前売3,000円(ドリンク別)

リリース情報

80KIDZ<br>
『FACE』(CD)
80KIDZ
『FACE』(CD)

2014年9月24日(水)
価格:2,600円(税込)
AWDR/LR2 / DDCB-12072

1. Intro
2. Egyptian Raver
3. I Got a Feeling (feat. Benjamin Diamond)
4. Don't Wait Up (feat. Ronika)
5. Can't Sleep (feat. Jhameel)
6. Venge
7. Sting
8. Dusk
9. Gen X (feat. Ann Saunderson)
10. Into The Sun
11. Something In The Way (feat. Kazuki Sato)
12. Face

プロフィール

80KIDZ(えいてぃーきっず)

ALI&とJUNによるユニット。2007年1月に結成。オリジナル楽曲やリミックスがSNSを通じて瞬く間に世界中で話題となり、初期作品集の12インチシングル『DISDRIVE EP』(2008/04)は即完売、続く初のオリジナルCD作品『Life Begins at Eighty』(2008/08)はEPとしては異例のビッグセールスを記録した。年間ベストアルバムの1つとして高い評価を獲得した1stフルアルバム『This Is My Shit』(2009/04)、CSSのLovefoxxxをフィーチャーした表題曲を含むミニアルバム『SPOILED BOY』(2010/06)、iTunesの総合ランキングで1位を獲得した2ndアルバム『WEEKEND WARRIOR』(2010/10)、ロックとダンスの垣根を越え幅広い層に受け入れられた3rdアルバム『TURBO TOWN』(2012/04)と、順調にリリースを重ね、FUJI ROCK FESTIVAL、SUMMER SONICをはじめとするビッグフェスに出演。2013年にはダンストラックEPシリーズ『80(ハチ・マル)シリーズ』を始動。2014年9月24日に4thアルバム『FACE』をリリース。

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