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Sawagiに訊く、インストミュージックをより楽しむ簡単な方法

Sawagiに訊く、インストミュージックをより楽しむ簡単な方法

インタビュー・テキスト
タナカヒロシ
撮影:矢島由佳子
2015/01/13

音楽の聴き方は自由だが、Sawagiの最新作『Starts to think?』は、できれば曲名から自分なりの情景を想像しながら聴いてほしい作品だ。歌のないインストバンドであるにもかかわらず「人間味を出したかった」という同作には、バンド名通りのアッパーなロックチューン、やさしいメロディーが染み入るセンチメンタルな楽曲、さらにはエジプトの海底遺跡やCIAの暗号が曲名となったものまで、彼らが思い描くさまざまな感情や情景を音にした全11曲を収録。言葉を使わないからこそ、無限に想像が広がる作品となっている。1月25日からは南アフリカ13公演を皮切りにした異例のツアーも控えている彼らに、インストバンドならではの制作の裏側を語ってもらった。

一つひとつの演奏、1音1音でお客さんを感動させたいというメンタルの変化もあったのかもしれない。それがインストの強みでもあるし。(観音)

―『hi hop』(2009年)はダンスミュージックに寄った作品で、『Punch Games』(2012年)はじっくり聴かせて感動させることに重きを置いた作品でしたけど、今作は前半はロック色が強い派手な曲が多くて、後半はじっくりメロディーを聴かせる曲が多いですよね。どういうことを前提に制作したんですか?

nico(Dr):Sawagiは、1曲1曲に口ずさめるようなメロディーやフレーズがある曲作りをやってきたんですけど、それは今回も崩さず、いちばんは人間味と空気感を出したいなと。いままでのアルバムを自分たちで聴いたら、演奏している場を想像できるような空気感が足りないと思ったんです。やっぱり自分たちが聴いてきた音楽でも、ライブに行きたくなったり、印象に残ったりするものって、音源から人間性が伝わってくるものだと思うんですよね。

nico
nico

―でも、インストで人間性を出すって難しいですよね。

nico:そうなんですよね。やっぱり声が入ってないし、歌詞もないので。それにエレクトリックな音楽って、あんまり人間味がなかったりするじゃないですか。だから、ギターとかも歌い上げるような感情が入った弾き方を意識して、あたたかみのあるサウンドになるようにこだわりました。たとえば「プーン」って弾くのと「プ~ン」って弾くのでは、同じ音でも違うわけですし。

―「ここはもうちょっと感情込めて弾けない?」とか、そんなやりとりをしながらレコーディングを?

nico:それもあったし、逆に「感情こもりすぎて嫌です」って言ったりとか(笑)。

観音(Gt):「ここはそういうシーンじゃないねん」みたいな。

コイチ(Key):今回は楽器もいろいろ試したんです。レコーディングのときだけ、普段は使わない生のフェンダーローズ(エレクトリックピアノの名機)を使ったりとか。やっぱり生楽器にしか出ない中低域のふくよかさの上にギターが乗ると、それだけでも全然聴こえ方が変わるので。

コイチ
コイチ

―今回のアルバムって、たとえば1曲目の“fuss uppers”と10曲目の“How's your day”だけを聴いたら、派手な曲とやさしい曲で、「違うバンドの曲です」と言われても納得するくらいの振り幅があるじゃないですか。僕は人間性という意味では、「かっこつけたいときもあるけど、本当はセンチメンタルな人たちなのかな?」とか想像したんですよ(笑)。合ってるかどうかわからないですけど。

雲丹亀(Ba):いや、でもそうだと思います(笑)。

nico:でも、四人それぞれが曲を作るので、同じようなものが出てくるほうがおかしいと思うんですよね。

―この何年かのロックフェスシーンではわかりやすいエレクトロなサウンドや、BPMの速いギターサウンドが受けているじゃないですか。Sawagiも5年前に『hi hop』を出した頃は、ダンスミュージック+エレクトロのサウンドで、ライブでは映像やレーザービーム使ったりという印象が強かったんですけど、そこからすごく幅を広げましたよね。そこに対しては、どういうふうに考えてこの5年間やってこられたんですか?

雲丹亀:当時は歌モノのロックバンドと対バンすることも多くて、そっちに寄せるようなライブもしていたんですけど、ちょうどいい時期にバンドとしてハンドルを切って抜け出した感覚があるんですよね。それはブレたとかじゃなくて、イチ抜けたというか。

『hi hop』のリード曲“ibiza”のMV(2009年)

―何が違うと思ってハンドルを切ったんですか?

雲丹亀:お客さんやシーンに寄せた楽曲作りを長いことやり続けるのは無理やなって思ったのかもしれないです。5年前の作品も、曲自体は全然好きなんですけど……。

―それが「10年後20年後も聴かれる音楽なのか?」っていう疑問を感じた?

雲丹亀:そうですね。そのへんを考え始めた時期があって。

観音:それと、一つひとつの演奏、1音1音でお客さんを感動させたいとか、そういうメンタルの変化もあったのかもしれない。それがインストの強みでもあるし。

―Sawagiは流行りって意識しますか?

nico:してないですね。

―むしろ流行りと違うところにいこうという意識もあるんじゃないかと思ったんですけど。

nico:いや、そんな感じでもないですね。新しい音楽を聴いて、かっこいいと思ったら取り入れようって思いますし。日本のフェスによく出るバンドと一緒にやることも多いですけど、そこにいるお客さんが楽しそうな状況になっている現実があって、自分らにできないことをやっているのに、簡単にダサいと言うのは違うと思うんで。ぶっちゃけた話、音楽が全然好きじゃないと思ってたバンドでも、仲よくなったらライブがよく見えてしまうこともありますしね。年取ったからかもしれないですけど。僕らがハタチくらいのときにかっこいいって言ってたバンドも、当時30代だった人はダサいとか、パクりとか言うてたのかもしれないですし。

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リリース情報

Sawagi『Starts to think?』(CD)
Sawagi
『Starts to think?』(CD)

2015年1月14日(水)発売
価格:2,500円(税込)
SOPHORI FIELD COMPANY / SPFC-0006

1. fuss uppers
2. Jag Jag
3. Thonis
4. imbalance
5. rush around in circles
6. Kryptos
7. horoscope
8. colors.
9. atride
10. How's your day
11. Trophy

イベント情報

『Starts to think Tour』

2015年1月24日(土)
会場:南アフリカ共和国 ダーバン Live The Venue

2015年1月25日(日)
会場:南アフリカ共和国 プレトリア Park Acoustics

2015年1月27日(火)
会場:南アフリカ共和国 ケープタウン Fiction

2015年1月28日(水)
会場:南アフリカ共和国 ケープタウン The Assembly

2015年1月30日(金)
会場:南アフリカ共和国 ステレンボッシュ Klein Lib

2015年1月31日(土)
会場:南アフリカ共和国 スウェレンダム

2015年2月1日(日)
会場:南アフリカ共和国 ケープタウン The Assembly

2015年2月4日(水)
会場:南アフリカ共和国 ブルームフォンテーン Mystic Boer

2015年2月5日(木)
会場:南アフリカ共和国 ポチェフストルーム The Tap

2015年2月6日(金)
会場:南アフリカ共和国 プレトリア Arcade Empire

2015年2月7日(土)
会場:南アフリカ共和国 ヨハネスブルグ Kitcheners

2015年2月13日(金)
会場:南アフリカ共和国 ヨハネスブルグ Bassline

2015年2月14日(土)
会場:南アフリカ共和国 ヨハネスブルグ Marks Park

2015年3月6日(金)
会場:鹿児島県 SR HALL

2015年3月7日(土)
会場:宮崎県 FLOOR

2015年3月26日(木)
会場:茨城県 club SONIC mito

2015年3月27日(金)
会場:宮城県 enn 2nd

2015年3月29日(日)
会場:長野県 ALECX

2015年4月2日(木)
会場:島根県 松江 AZTiC canova

2015年4月3日(金)
会場:福岡県 Kieth Flack

2015年4月4日(土)
会場:広島県 福山Cable

2015年4月5日(日)
会場:兵庫県 神戸108

2015年4月17日(金)
会場:埼玉県 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1

2015年4月18日(土)
会場:神奈川県 club Lizard YOKOHAMA

2015年4月23日(木)
会場:広島県 HIROSHIMA 4.14

2015年4月24日(金)
会場:高知県 X-pt.

2015年4月25日(土)
会場:香川県 KITOKURAS

2015年5月10日(日)
会場:愛知県 池下CLUB UPSET
※ワンマンライブ

2015年5月17日(日)
会場:大阪府 Shangri-La
※ワンマンライブ

2015年5月23日(土)
会場:東京都 WWW
※ワンマンライブ

2015年6月28日(日)
会場:沖縄県 Output
※アフターショー

プロフィール

Sawagi(さわぎ)

ダンスミュージックをコンセプトにロック、ジャズ、ファンク、エレクトロなどのエッセンスを取り入れたボキャブラリー豊富なアレンジを凝らす4人組インストゥルメンタルバンド。2009年に発売された1stアルバム『hi hop』はタワーレコードのレコメンド「タワレコメン」にも選ばれ、同時に洗練されたライブパフォーマンスも噂となり『SUMMER SONIC ’09 大阪』にも出演を果たす。2012年8月に1stフルアルバム『Punch Games』をリリース。そのサウンドやライブスタイルは各方面から注目を浴び、数々のアーティストのツアーサポート、来日アーティストLotus、Shortstraw、Maya Vi、Proviant Audio等と共演。Aira Mitsukiのプロデュースや、CASIO KIDA、Low Frequency Club、藤井リナのリミックスも行っている。

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