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RHYMESTERの26年目の挑戦、日本の音楽はまだまだ面白くなる

RHYMESTERの26年目の挑戦、日本の音楽はまだまだ面白くなる

インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:中村ナリコ
2015/04/28

俺らとしては、ラップやヒップホップにアレルギーがある人にも刺さるものにしようと思ってるから。(宇多丸)

―RHYMESTERは2007年に一度活動休止し、2009年に再開します。その後、スタンスの変化はありましたか?

Mummy-D:休止以降は、もう全然違います。「別グループか?」っていうくらい、自分たちの意識も、曲を作る時の発想も違う。

―一番大きな違いは何でしょう?

Mummy-D:ヒップホップのシーンに守ってもらってないことですね。後ろ盾に甘えてない。ポップミュージック全体の中でいちミュージシャンとして戦わなきゃいけないと思うようになりました。だから歌詞を書く時に選ぶ言葉も全然違います。ヒップホップをわかってる奴らに刺さるようにという発想でリリックを書いていない。シーンの外側の人たちとも対等に戦っていく意識でヒップホップをやらないとダメだと思うようになったことが、一番の違いですね。

宇多丸:もちろんそれ以前も言葉のあり方を心がけてはいたけど、特にシングル曲ではヒップホップ的な言い回しを使わないようにしましたね。もちろんそれを使うかっこよさもあるんだけど、俺らとしてはそもそもラップやヒップホップにアレルギーがある人にも刺さるものにしようと思ってるから。だから、内容にしても構成にしても、OKラインをものすごく厳しいところに設定するようになりました。

左から:Mummy-D、DJ JIN、宇多丸

―1曲を完成させるために、何度も作り直したり?

宇多丸:1回録ったものがそのまま形になることは絶対にない。「どうかな? 俺が何言おうとしてるかわかる?」って何度も確認しあって、もし「わかりにくい」ということだったら、構成を変えたり、まるごと中身を書き直したりする。日本語のイントネーションがおかしくなってたら、それをちゃんと直したりもするし。そうやって何度もブラッシュアップして研ぎ澄ましていく、というのが今のやり方ですね。

―新曲の“Still Changing”はどのように作っていったのでしょうか?

Mummy-D:移籍第一弾のリードシングルとしてパワーがある曲がなきゃいけないなと思って、まずはトラックメーカーのBACH LOGICに「アッパーでハッピーな感じの曲を作りたい」というオファーをしてたんです。あがってきたトラックを一聴した印象は、俺らにしてはポップで饒舌なもので、ヘタするとイヤなポップ感が出ちゃうかもしれないぞ……と思ったんですけど、みんなに聴かせたらすごく好評で。そして、宇多さんから「活動休止から復活した時は“ONCE AGAIN”って曲を出したけど、今回は再出発でもあるし、“Still Changing”というテーマで歌うのはどうかな」という提案があって、そこから作り始めました。


宇多丸:最初は「難しいかもしれないけど、ちょっと作ってみようか」ってD(Mummy-D)が言ったところからスタートしたよね。そこからいろんな紆余曲折があった。

Mummy-D:今まで作った全ての曲の中で、サビを作るにの一番時間かかったかな。

宇多丸:何種類も作ったしね。あんまりトライしたことがない曲調だったし、テンポも難しい速さだったから。

―この曲はYouTubeですでに公開されていますが、どういう反響が集まってきてますか?

宇多丸:「意外と好評じゃねえか!」って思ってます。ライブでやってもウケるし。最初に自分たちが感じていた危惧はほとんどなかった。

Mummy-D:作っている間は悩み過ぎちゃって、全然自信がなかったし、いまだにいい評判を聞いても「本当~?」って思ってしまう(笑)。でも、これまでも「これ、大丈夫かな?」って最初に思ってた曲の方が結果よかったりするから、これはいい兆しだと思うことにしたんですよね。

今の時代、フェスが乱立してますからね。俺らはいろんなフェスに呼ばれる方だからわかるんだけど、どういう理念でやってるかがハッキリしてないと、出演者もついてこない。(Mummy-D)

―もう1曲の“人間交差点”は、RHYMESTERが主催するフェスのテーマ曲ということですが、この曲はJINさんがトラックを作ったんですよね。どういうイメージで作ったのでしょう?

DJ JIN:今、アルバム制作をしていて、その中で作ったトラックの1つですね。Mummy-Dから「ミュージシャンの演奏と親和性があって、アガる曲がいいな」という話があって。そこからファンククラシックをモチーフにして、仲のいいファンクバンドのMOUNTAIN MOCHA KILIMANJAROに演奏してもらって、再構築して作っていきました。最近はバンドのプロデュースをすることも多いので、そこで積み重ねてきたノウハウを役に立てることができたと思いますね。

―『人間交差点』というフェスも、いろんなジャンルのアーティストが混ざってますよね。

Mummy-D:今の時代、フェスが乱立してますからね。だから、やるからには理念が大切だと思いました。俺らは逆にいろんなフェスに呼ばれる方だからわかるんだけど、どういう理念でやってるかがハッキリしてないと、出演者もついてこない。だから自分たちがフェスを作るなら、やっぱり自分たちにしか呼べないメンツで、1日全体のグルーヴ感を作らないとダメだと。ジャンルはごちゃ混ぜでカオスだけど、みんなライブが上手い人たちだから、お客さんにもちゃんと楽しんでもらえるだろうと思ってます。

Mummy-D

―スガシカオや10-FEET、Mighty Crownのようなそれぞれのシーンの第一人者がいる一方で、若手のヒップホップアクトもいる。そういうジャンルも年代も混成的なフェスにしようというイメージは最初からあったのでしょうか?

Mummy-D:純粋なヒップホップのイベントというのも考えたんだけど、それよりはむしろヒップホップシーンにいる若い子たちに、フェスの場を体験させたいという気持ちが大きくて。それによって、表現がもっと開けたものになってくるはずだと思うんですよね。才能がある子はたくさんいるけど、やっぱりネットとクラブしか表現の場がない子も多いから、フェスの空間に慣れさせたい。バックステージでミュージシャン同士の交流が生まれたら、また新しい音楽の化学反応が起こるはずだし。僕たちもフェスのバックステージでいろんな人とビール飲みながら仲よくなって友達が増えたんですよ(笑)。あの非常に居心地のいい空間を味わせたい。

宇多丸:才能がある若い子たちに、ヒップホップのオーディエンス以外もいるオープンな場所に立ってほしいんですよね。フラットなお客さんに訴えかけるチャンネルになってほしい。

―RHYMESTERと他ジャンルの人気者だけじゃなく、そこに次世代のヒップホップのシーンを担う才能がいることが大事であると。

Mummy-D:まさしくそう。だから、ビッグネームの人には申し訳ないですけど、力を貸してもらうくらいの気持ちでいるというか。

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リリース情報

RHYMESTER『人間交差点 / Still Changing』 初回限定盤A(CD+Blu-ray)
RHYMESTER
『人間交差点 / Still Changing』 初回限定盤A(CD+Blu-ray)

2015年4月29日(水)発売
価格:4,500円(税込)
VIZL-837

[CD]
1. 人間交差点
2. Stil Changing
3. 人間交差点(Instrumental)
4. Still Changing(Instrumental)
5. 人間交差点(Acapella)
6. Still Changing(Acapella)
[Blu-ray]
・『KING OF STAGE VOL.11 The R Release Tour 2014』

RHYMESTER
『人間交差点 / Still Changing』 初回限定盤B(CD+DVD)
RHYMESTER
『人間交差点 / Still Changing』 初回限定盤B(CD+DVD)

2015年4月29日(水)発売
価格:3,700円(税込)
VIZL-828

[CD]
1. 人間交差点
2. Stil Changing
3. 人間交差点(Instrumental)
4. Still Changing(Instrumental)
5. 人間交差点(Acapella)
6. Still Changing(Acapella)
[DVD]
・『KING OF STAGE VOL.11 The R Release Tour 2014』

RHYMESTER
『人間交差点 / Still Changing』 通常盤(CD)
RHYMESTER
『人間交差点 / Still Changing』 通常盤(CD)

2015年4月29日(水)発売
価格:1,188円(税込)
VICL-37050

1. 人間交差点
2. Stil Changing
3. 人間交差点(Instrumental)
4. Still Changing(Instrumental)
5. 人間交差点(Acapella)
6. Still Changing(Acapella)

イベント情報

『人間交差点 2015』

2015年5月10日(日)OPEN 9:30 / CLOSE 20:00(予定)
会場:東京都 お台場野外特設会場
出演:
RHYMESTER
KGDR
SUMMIT(PUNPEE、GAPPER、SIMI LAB、THE OTOGIBANASHI'S)
スガシカオ
スチャダラパー
SUPER SONICS
SOIL&"PIMP"SESSIONS
10-FEET
Mighty Crown
レキシ
料金:7,500円
※小学生未満は保護者同伴のもと無料

プロフィール

RHYMESTER(ライムスター)

宇多丸(Rap)、Mummy-D(Mr. Drunk、マボロシ:Rap / Total Direction / Produce)、DJ JIN(breakthrough:DJ / Produce)からなるヒップホップグループ。別名「キング・オブ・ステージ」。1989年グループ結成。1993年アルバム『俺に言わせりゃ』でインディーズデビュー。ライブ活動を中心に支持を集め、 1999年リリースの3rdアルバム『リスペクト』のヒットで日本のヒップホップシーンを代表する存在に。 2001年活動の場をメジャーに移し、2007年には日本武道館でのワンマン公演を成功させた。 その後グループとしての活動を休止したが、2009年シングル『ONCE AGAIN』で再始動。 以降3枚のオリジナルアルバムは全てTOP10ヒットを記録している。また、宇多丸のラジオパーソナリティとしてのブレイクなど、ソロでの活動とボーダレスな活躍も特筆に価する。2015年、ビクターエンタテインメントへの移籍と主催レーベル「starplayers Records」の設立を発表。5月10日は初となる野外音楽フェス『人間交差点』の開催を予定している。

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