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Young Juvenile Youth、音楽の道を決断するまでの迷い

Young Juvenile Youth、音楽の道を決断するまでの迷い

インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望

シンガーのYukiと、電子音楽家のJEMAPURによって結成されたエレクトロニックミュージックデュオ、Young Juvenile Youth(以下YJY)。デビューミニアルバム『Animation』を一聴してまず耳を惹くのが、倍音をたっぷりと含んだYukiの歌声だ。感情的に歌い上げることなく、常に一定の温度を保ったまま囁きかけるようなボーカルスタイルが、その声の魅力をさらに際立たせる。そして、JEMAPURが作るトラックは、シンプルだがよく聴くと様々な音が散りばめられており、抜群なセンスが溢れ出ている。オーガニックなYukiの歌とメロディーを活かしつつ、ミニマムなエレクトロミュージックへと落とし込んだそのサウンドプロダクションは、例えばHerbertの名盤『Bodily Functions』あたりにも通じるものがある。すでにテレビなどでは、Yukiが松田優作の娘であり、松田龍平と松田翔太を兄に持つサラブレッドであることが取り沙汰されているが、本作を聴けば、そうした「七光り的な話題性」は全く必要なく、作品性だけで聴いた人の心を射抜くことがすぐに理解できるだろう。

初めて組んだバンドで挫折を味わい、進むべき道を見失いかけたこともあったというYuki。本インタビューでは、そんな彼女がモラトリアムな時期を経て、JEMAPURと運命的な出会いを果たすまでを語ってもらった。

みんな「どこの大学に行きたい」とか「どういう職業に就きたい」とか、自分で明確に決めて、どんどん進んでいくわけじゃないですか。それが当時は不思議でならなかったし、羨ましく思ってました。

―Yukiさんは、どんなお子さんだったんですか? 小さい頃から人前に立つのが好きなタイプでした?

Yuki:目立ちたがり屋なんですけど、恥ずかしがり屋で、寂しがり屋(笑)。気が強そうで、弱い。両面がある感じは、今も変わってないと思います。小さい頃は絵を描くのが好きで、一人でいるときは大抵絵を描いていましたね。運動も、勉強も、何でも楽しむ方でした。

Yuki
Yuki

―音楽も。

Yuki:音楽は、実はあんまり好きじゃなくて。とにかく音楽の授業が憂鬱だったのは憶えています。歌うことは小さい頃からすごく好きだったんですけど、「勉強」として音楽に取り組むのが嫌いだったんです。リコーダーとかピアニカとかを演奏するのも本当に嫌で、クラスで演奏会とかがあるときも、どうにかしてやらずに済む方法ばかり考えてました(笑)。何かひとつのことをみんなでやることが嫌だったのか、単純に音符を読むのが嫌いだったのか……。

―団体行動もあまり得意ではなかった?

Yuki:そうですね、個人行動が何かと好きですね。団体行動は苦手だったかも。

―音楽に夢中になったのは、もう少し大きくなってからですか?

Yuki:高3になって、自分で音楽を作るようになってからだと思います。当時、カナダに留学してたんですけど、現地の友達と詞を書いて遊んでたりしてました。「せっかく詞が出来たんだから、曲をのせてみようよ」って言って、簡単なギターコードを付けてみたのがきっかけです。生まれて初めての曲作りだったんですけど、「あ、自分にも出来るんだ」って気づいたことが、音楽にはまっていくポイントだったかもしれない。

―なぜカナダに行こうと?

Yuki:中学生のときに、学校のプログラムで3週間くらいカナダに居たんですけど、それが楽しくて。だから海外というのがそんなに遠い存在とは思ってなかったし、その前から英語も好きでしたね。違う言葉で、違う国の人と会話するのがすごく楽しかったんです。

―YJYでは英語と日本語を混ぜながら歌詞を書かれてますが、Yukiさんが生まれて初めて書いた曲は英詞だったんですね。その頃憧れていたアーティストとかはいました?

Yuki:音楽はいろいろ聴いてたし、「この曲かっこいい」と思うことはあったんですけど、「この人みたいになりたい」とか、「こういう曲が作りたい」というのが昔からなくて。私がかっこいいと思う音楽は、その人が放つエネルギーがあってこそだと思うので、それを自分で模倣することには興味がないんです。

―ご自身で作りたい音楽のイメージみたいなものはありました?

Yuki:なんとなくの方向性、指向性は常に持っていると思います。昔から、ミニマムなもの、シンプルなものが好きでした。と言いつつ、サイケデリックフォークみたいなものも好きだし、ポップスや歌モノも好きだから一概には言えないんですけど(笑)。でもサイケでもポップでも、ミニマムな性質を持っている音楽が好きなのかもしれないです。

Yuki

―ひとつのジャンルにカテゴライズされてしまう音楽ではなく、いろんな要素を持っていて境界線が曖昧な方が好き?

Yuki:そうそう、そうかもしれない。

―カナダから帰国してからバンドを組んだそうですけど、それはどんな音楽だったんですか?

Yuki:そのときは、オルタナロックみたいな。曲のアウトラインを作るのはボーカルの私で、アレンジをバンドのメンバーと広げようと思ったんですけど、それが全然上手くいかなくて。どうしても普通になってしまうというか、そこに別のエッセンスを加えられる人がいなかった。

―同じような傾向の人と一緒にやるよりも、全く別の引き出しを持った人と化学反応を起こすことを、Yukiさんは期待していたんですね。

Yuki:そうだったんだと思います。

―バンドが上手くいかなかったことが、かなり精神的に堪えたそうですね。

Yuki:自分の軸の部分を疑い始めてしまって。自分自身の可能性も、何がやりたいのかも、わからなくなっちゃったんです。

―人と何か作るときには、自分が何をやりたいのかを明確に伝えなきゃならないし、そこが上手くコミュニケーションできなかったことで、「あれ、自分は何がしたいんだろう」って思ってしまったんでしょうか。

Yuki:そうだと思います。それで、いろいろ考えてしまって……周りの人たちは、「どこの大学に行きたい」とか「どういう職業に就きたい」とか、そういうことを自分で明確に決めて、どんどん進んでいくわけじゃないですか。それが当時は不思議でならなかった。みんな、どのタイミングで自分の進路を決めてるんだろう、自分の好きなことをどうやって見つけたんだろう、誰に教えてもらったんだろうって。羨ましく思ってました。

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リリース情報

Young Juvenile Youth<br>
『Animation』(CD)
Young Juvenile Youth
『Animation』(CD)

2015年6月3日(水)発売
価格:1,620円(税込)
BRC-466

1. Animation
2. More For Me, More For You
3. Fahrenheit
4. Daydream
5. Optique
6. Seed

Young Juvenile Youth 『Animation』
Young Juvenile Youth
『Animation』

2015年4月27日(月)からiTunes Storeで配信リリース
価格:900円(税込)

1. Animation
2. More For Me, More For You
3. Fahrenheit
4. Daydream
5. Optique
6. Seed

イベント情報

『Young Juvenile Youth デビュー・ミニ・アルバム「Animation」レコ発スペシャル・ミニ・ライブ&特典お渡し会』

2015年6月24日(水)START 20:00
会場:東京都 渋谷 タワーレコード渋谷店 1F特設イベントスペース

『波にユラレテ2015’』

2015年8月3日(月)OPEN 13:00 / START 14:00
会場:神奈川県 音霊 OTODAMA SEA STUDIO
出演:
CTS
水曜日のカンパネラ
DE DE MOUSE
HINTO
Young Juvenile Youth
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プロフィール

Young Juvenile Youth(やんぐ じゅゔぃないる ゆーす)

バンドスタイルで活動した経験を踏まえ、より自身にフィットする表現の自由度・拡張性の高さを模索し始めたシンガー・Yuki(ユウキ)が、偶然耳にした電子音楽家・JEMAPUR(ジェマパー)の作品に衝撃を受け、2012年より活動をスタートしたエレクトロニックミュージックデュオ。Yukiによるマットでグロスが絶妙に入り交じる天性のボイスと、JEMAPURの過度な抑揚を削ぎ落したメロディーと緻密な美しさを備えたトラックメイキングが、これまでのポップミュージックでは見ることのなかった均衡点で結実。シンガーソングライター然としたトラッドな普遍性と、緻密なノイズにまでこだわり抜くサウンドへの熱情とエクスペリメンタルな精神。相反するマテリアルが奇跡的とも言うべき癒合を果たした彼らの音楽には、電子音楽家・Numb(Revirth / ekounesound)、俳優・浅野忠信、メディアアーティスト・真鍋大度(Rhizomatiks)といった先鋭的な面々が賛辞を贈っている。2015年には、iTunesが世界中のニューカマーの中から厳選する『NEW ARTISTスポットライト』の第1弾アーティストに選出された。

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