インタビュー

総合芸術の「創造集団」を名乗るバンド、雨のパレードって何者?

総合芸術の「創造集団」を名乗るバンド、雨のパレードって何者?

インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:豊島望
2015/07/03
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ソングライティングとサウンドプロダクション、演奏を担う四人以外に、コスチュームデザイナー、ジュエリーデザイナー、ペインターといった音楽外のクリエイターもメンバーに擁するアートロックバンド、雨のパレード。ポストロックを基軸にした静謐な音像をキープしたまま昂揚感を増幅させていくサウンドは、フェティッシュな構築美が貫かれていて、そこに乗る歌もまた繊細で気高い美感が通底している。そして、新作『new place』ではこれまで以上に能動的にリスナーと向き合おうとするマインドを強め、独立したバンド像の輪郭を浮き彫りにしている。自ら「創造集団」と名乗り、総合芸術の中心に位置するものとしてのバンドミュージックを提唱する彼らのビジョンはどのようにして描かれたのか。メンバー四人に話を訊いた。

もともと僕はいろんなカルチャーに興味があって、絵も描きたいし、服も作ってみたい。その中心に音楽があるという感覚なんですね。(福永)

―三人(福永、山崎、大澤)が鹿児島から上京してきたのは、東京でバンド活動をするためだったんですか?

福永(Vo):そうですね。前に組んでいたバンドを解散して、一緒についてきてくれるメンバーと、3年前に上京しました。

―前のバンドというのは、雨のパレードの前身バンドになるのでしょうか?

福永:いや、音楽性がまったく違うので前身バンドとは言えないですね。ちょっとブラックミュージック寄りの音楽をやっていました。16ビートの跳ね系の曲も多かったです。

―その音楽性は福永くんの意向ではなかったんですか?

福永:そうですね。前のバンドでは自分のやりたいことが明確に見えてなかったんですよね。作詞作曲は僕がしていたんですけど、当時は僕のアレンジ能力も低かったし、メンバーも年上の人ばかりで。5人編成だったんですけど、彼女(大澤)以外は全員年上で、自分の意見もあまり言えなくて。やりたいことが明確になったのは、上京して今のバンドを組んでからです。

福永浩平
福永浩平

―自ら「創造集団」と名乗って、メンバーにペインター、ジュエリーデザイナー、コスチュームデザイナーを擁し、総合芸術としてのアートミュージックを指向しようとした源泉は何だったんでしょう。

福永:もともと僕はいろんなことをやりたいんです。いろんなカルチャーに興味があって、絵も描きたいし、服も作ってみたい。その中心に音楽があるという感覚なんですね。音楽をほかのカルチャーと柔軟に交差させたいとずっと思っていたんですよ。上京したときにどうやったら新しいバンドで東京でやっていけるかな、どうやったらCDを普段買わない人たちを振り向かせられるかなってひとりで考えていたときに、今のバンドのあり方を思いついて。

―3月の自主企画『漂白する都市』でも、相当凝ったことをされていましたよね。

福永:そうですね。イベントのCMを作ったんですけど、その映像にはペインターとジュエリーデザイナーとコスチュームデザイナーも登場して。それで、イベント当日にはその三人にCMの映像と同じ格好で会場にいてもらって、映像から飛び出てきたような感覚を作ったんですけど、すごく手応えを覚えました。ただ、日本にはこういうことをやっているバンドはなかなかいないから、対バンのブッキングとか困るんです(苦笑)。楽曲に関しても、イベントのブッキングをする人たちに、ほかのバンドとなかなか交わりづらいと思われてるみたいだし。


2015年3月27日、自主企画『漂白する都市』の様子

2015年3月27日、自主企画『漂白する都市』の様子
2015年3月27日、自主企画『漂白する都市』の様子

―そうかな?

福永:あまり感じませんか?

―どうなんだろう? 表層的に見れば、雨のパレードのようにポストロックをベースにしたアプローチは、確かに今の東京のインディーシーンの潮流と違うとは思うけど。

福永:そうなんですよね。

―でも、交わりづらいとも思わないですけどね。そもそも、雨のパレードがほかのバンドと交わりたいと思ってないんじゃないですか?

福永:あ、それはあるかもしれないです(笑)。

―そういう話もあとでしたいと思うんですけど。音楽性においては、雨のパレードのバンド像がイメージできたきっかけは何かあったんですか?

福永:いちばんデカいのはベースのりょうちゃん(是永)との出会いですね。りょうちゃんは、GLAYでドラムを叩いているToshi Nagaiさんと繋がりがあって。Toshi Nagaiさんはジャズ界隈でも活躍されてるんですけど、僕もその方面の方たちと仲よくさせてもらっていて。そういうご縁もあって、上京したときに「いいベーシストいないですか?」って相談したところ、りょうちゃんを紹介してもらったんです。

―確かにこのバンドのサウンドにおいてベースの存在はとても大きいですよね。

福永:はい。ベースのフレーズから曲を広げることも多いので。

是永(Ba):(照れ笑いを浮かべて)……。

―え、何か話してもらいたいんですけど(笑)。

福永:りょうちゃんは人見知りなんです(笑)。

是永:すみません(笑)。

是永亮祐
是永亮祐

福永:りょうちゃんとの出会いをきっかけに、みんなで高め合って今の音楽性に行き着いたという感じですね。いろんな音がほしかったからギターのエフェクターもめちゃくちゃ買い替えてもらったし。

山崎(Gt):未だに落ち着いてないもんね(笑)。

福永:りょうちゃんは、最初にスタジオに入ったときから思ったことをガンガン言ってくれたことがよくて。それで、腹を割って思ったことを言ったほうがいいんだなって思ったんです。僕は6歳年上の康介さん(山崎)に、まったく思ったことを言えてなかったから。

山崎:ゴメンなさい(笑)。

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リリース情報

雨のパレード 『new place』(CD)
雨のパレード
『new place』(CD)

2015年7月1日(水)発売
価格:2,160円(税込)
ZNR-139

1. new place
2. encore
3. bam
4. inst / □
5. 僕 ≠ 僕
6. 夜の匂い
7. YES
8. AM4:29

イベント情報

『肥大する夜』

2015年7月7日(火)
会場:大阪府 心斎橋 FanJ
出演:
雨のパレード
空中メトロ
tayuta
lical
The Sound's Pierrer

2015年7月9日(木)
会場:福岡県 graf
出演:
雨のパレード
brown bems
徒然なりにし天雲
IRIKO

2015年7月10日(金)
会場:鹿児島県 SR Hall
出演:
雨のパレード
Leaves on Tuesday
ArtgraffitifromFATpaints

2015年7月12日(日)
会場:広島県 4.14
出演:
雨のパレード
セプテンバーミー
phonon
PURPLE HUMPTY
and more

2015年7月14日(火)
会場:愛知県 名古屋 APOLLO BASE
出演:
雨のパレード
蒼い芝生
Bob is Sick
muuka
mol-74

2015年7月17日(金)
会場:北海道 札幌 Sound Lab mole
出演:
雨のパレード
Ao
The Floor
mol-74

2015年7月22日(水)
会場:宮城県 仙台 enn 3rd
出演:
雨のパレード
LILI LIMIT
and more

2015年7月24日(金)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
雨のパレード
TOKYOGUM

プロフィール

雨のパレード(あめのぱれーど)

九州出身、「テン年代のアートロックバンド」雨のパレード。2013年結成。都内のライブハウスを中心に活動しつつ、自主制作盤をライブ会場、残響ショップで発売。2014年には残響河野のプロデュースにてmini Albumをリリースし、口コミだけで耳の早いファンの間で広まり話題となる。唯一無二であるVo.福永の声や歌詞を武器とした独創的な世界観は、一度聞いたら何度も聞きたくなる中毒性を持ち、アレンジやサウンド面に関しては、音楽を聴く耳だけではおさまらない「五感で感じさせるサウンドメイキング」となっている。ファッションデザイナーやペインターといった音楽以外の活動を担うメンバーも他に3人おり、彼らの活動範囲は音楽だけにとどまらない。

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