インタビュー

総合芸術の「創造集団」を名乗るバンド、雨のパレードって何者?

総合芸術の「創造集団」を名乗るバンド、雨のパレードって何者?

インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:豊島望

客観視してシニカルに物事を捉えている歌が多いと思います。ただ、今作は比較的主観が強くなって、自分のことをさらけ出している。(福永)

―歌に関しては、1曲のなかで主観と客観をスイッチングするように物語を描いているなと。映像作家的な筆致だなと思いました。

福永:うん、客観視してシニカルに物事を捉えている歌が多いと思います。ただ、今作は比較的主観が強くなって、自分のことをさらけ出している自覚があって。

―それもわかります。たとえば1曲目“new place”はダンスフロアが舞台になっていて、そこに<だらしない煌めくふざけたパーティ 回るシティポップ>という、ちょっと揶揄するようなフレーズを置いていて。フロアで踊っている人たちをシニカルな視線で捉えている。

福永:はい、すみません(笑)。シティポップと呼ばれるような音楽は好きなんですけどね。

―でも、後半になるにつれてダンスフロアやそこで踊っている人たちを肯定しようとする主観が強まっていく。それが福永くん音楽愛を示すメッセージにもなっていて。

福永:はい。かなり的確な捉え方だと思います。人と人って自分の生い立ちを話したりすると、距離感が縮まったように感じるじゃないですか。雨のパレードもリスナーの人たちともっと近い関係性になりたいと思って。だから、主観を強めようと思ったんです。周りの人に「客観視してる歌詞ばかりで、自分に向けて歌を作ってるよね」って言われたことがあって。そこで僕はハッとして、「これはいかん!」と思ったんですね。だからこそ、もっと歌に主観を強めていこうって。

雨のパレード

幕張メッセでサカナクションのライブを観て、展示場をぶち抜いた会場に大勢のお客さんが集まっている光景に衝撃を受けたんです。(福永)

―アルバムタイトルの『new place』はバンドに指しているのか、リスナーに向けてのものなのか、どちらですか?

福永:いろんな意味が含まれているんですけど、いちばんはリスナーの人たちにとっての新しい場所ですね。僕らが新しい場所を作るので、そこに来てほしいという。

―では、新しい場所を作ってそれをどこまで大きくしたいと思いますか?

福永:大きな目標としては、幕張メッセを埋めることです。

―なぜ幕張メッセなんでしょう?

福永:上京してから幕張メッセでサカナクションのライブを観て、展示場をぶち抜いた会場に大勢のお客さんが集まっている光景に衝撃を受けたんです。音楽でこんなに人を集めることができるんだって。

―確かにサカナクションの山口一郎くんが音楽で具現化しようとしていることと、雨のパレードのビジョンは近いものがあるかもしれない。幕張メッセで大勢のお客さんを集められたらどんなライブをしたいですか?

福永:理想ではファッションショーとかもやりたいですね。だから、まさに総合芸術ですよね。さまざまなカルチャーを混ぜて1回のライブイベントで何ができるのか。それをどんどん見つけていきたいです。

―さまざまなカルチャーが交錯する場所であり、磁場であり、ハブになりたいと。

福永:そうです、そうなりたい! ただ、真ん中にある音楽がショボかったら、誰も興味を示さないと思うから。だから中心にある音楽は絶対にブレちゃいけないと思ってます。

―他ジャンルのメンバーもこれから増やしていきたいんですか?

福永:出会い次第ですね。今のところ僕のなかで増やす発想はないです。前にパティシエの人が手を挙げてくれたんですけど(笑)。

―え、とてもいいじゃないですか! 食はありだと思うなあ。

福永:ホントですか?

―食だってものすごくクリエイティビティーが問われるじゃないですか。しかも生活と直結してるから、広がりが生まれると思う。手を挙げたパティシエの人も、雨のパレードの中で自分ができると思うことがあったということでしょう。その発想自体がいいと思う。

福永:ああ、なるほど。そう考えると確かにありかもしれないですね。1年前はそう思えなかったけど、これからいろんな可能性を探っていきたいと思います。

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リリース情報

雨のパレード 『new place』(CD)
雨のパレード
『new place』(CD)

2015年7月1日(水)発売
価格:2,160円(税込)
ZNR-139

1. new place
2. encore
3. bam
4. inst / □
5. 僕 ≠ 僕
6. 夜の匂い
7. YES
8. AM4:29

イベント情報

『肥大する夜』

2015年7月7日(火)
会場:大阪府 心斎橋 FanJ
出演:
雨のパレード
空中メトロ
tayuta
lical
The Sound's Pierrer

2015年7月9日(木)
会場:福岡県 graf
出演:
雨のパレード
brown bems
徒然なりにし天雲
IRIKO

2015年7月10日(金)
会場:鹿児島県 SR Hall
出演:
雨のパレード
Leaves on Tuesday
ArtgraffitifromFATpaints

2015年7月12日(日)
会場:広島県 4.14
出演:
雨のパレード
セプテンバーミー
phonon
PURPLE HUMPTY
and more

2015年7月14日(火)
会場:愛知県 名古屋 APOLLO BASE
出演:
雨のパレード
蒼い芝生
Bob is Sick
muuka
mol-74

2015年7月17日(金)
会場:北海道 札幌 Sound Lab mole
出演:
雨のパレード
Ao
The Floor
mol-74

2015年7月22日(水)
会場:宮城県 仙台 enn 3rd
出演:
雨のパレード
LILI LIMIT
and more

2015年7月24日(金)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
雨のパレード
TOKYOGUM

プロフィール

雨のパレード(あめのぱれーど)

九州出身、「テン年代のアートロックバンド」雨のパレード。2013年結成。都内のライブハウスを中心に活動しつつ、自主制作盤をライブ会場、残響ショップで発売。2014年には残響河野のプロデュースにてmini Albumをリリースし、口コミだけで耳の早いファンの間で広まり話題となる。唯一無二であるVo.福永の声や歌詞を武器とした独創的な世界観は、一度聞いたら何度も聞きたくなる中毒性を持ち、アレンジやサウンド面に関しては、音楽を聴く耳だけではおさまらない「五感で感じさせるサウンドメイキング」となっている。ファッションデザイナーやペインターといった音楽以外の活動を担うメンバーも他に3人おり、彼らの活動範囲は音楽だけにとどまらない。

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(山元)

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