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BRAHMAN×箭内道彦 震災以降、飾ることをやめた孤高の存在

BRAHMAN×箭内道彦 震災以降、飾ることをやめた孤高の存在

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:中村ナリコ
2015/07/03
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今年結成20周年を迎えたBRAHMANのドキュメンタリー映画『ブラフマン』が7月4日より全国公開される。本作の監督を務めたのは、近年震災の復興活動でバンドと行動を共にすることが多かったクリエイティブディレクターの箭内道彦。本作は彼にとって初めての監督映画作品であり、公開に先立って箭内は「僕はこれまで、映画を監督するオファーを、すべてお断りしてきました。たぶんこれからもそうです。ただ、僕が知っている、ブラフマンの、愛すべきあの四人を、ただスクリーンに映すことであればできると、今回の受諾は、あくまでイレギュラーなものになりました」とのコメントを発表している。実際に完成した映画は、箭内自身がメンバーや関係者に独自に取材を行い、それをまとめたもので、一般的なドキュメンタリー作品に比べ、かなり異質な仕上がりだと言っていいだろう。しかし、ここにはこれまであまり触れられることのなかったBRAHMANというバンドの真実が、「同志」というキーワードと共に確かに映し出されている。主題歌になっている“其限~sorekiri~”の歌詞を味わいながら、ぜひ繰り返し鑑賞してみてほしい。

今回の映画で映っているのは、普通は売らない部分だよね。肉屋が捨てる食べられない部分みたいな(笑)。(TOSHI-LOW)

―BRAHMANのドキュメンタリーを撮るにあたって、箭内さんは最初どんなプランをお考えになったのでしょう?

箭内:BRAHMANのことを知ってる人は、みんなBRAHMANをカリスマだと思ってるし、かっこいいと思ってるでしょ? 震災後はライブでMCをやるようになって、それぞれのキャラも出てきたけど、みんなが思ってるかっこよさとはまたちょっと違う部分があると思ってたので、ひとまず「それを撮ればいいか」って思ったところから始まりました。

箭内道彦
箭内道彦

―震災以降の活動を追ったドキュメンタリーにすることは考えなかったですか?

箭内:自分も福島出身だし、それはもちろん考えたけど、幡ヶ谷再生大学(BRAHMANが中心となって運営している、震災の復興支援を主な目的としたNPO法人)が今年の3月に作った『鼎の問』といういいDVDがあって、そういう内容はそれで撮られちゃってるわけ。で、ライブのMCとか、名場面を集めて構成しようとも考えたんだけど、そういうのも他の作品として出るから、もう「人間BRAHMAN」しか隙間が残ってなくて。

TOSHI-LOW:だから、今回の映画で映っているのは、普通は売らない部分だよね。肉屋が捨てる食べられない部分みたいな(笑)。

箭内:そう。映画の中でTOSHI-LOWが「正解を決めないで正解を探していくのが曲作りだ」って話をしてるんだけど、このあいだ試写を見た人に「映画もそれと同じやり方で作ったんですか?」って言われて。そんなつもりはなかったんだけど、「何が正解かわからない中で正解を探していく」っていうのは僕のもの作りの方法でもあるから、こういう映画になったのかと思いましたね。撮り始める前も、撮ってる最中も、こんな映画になるなんて自分でも予想してなかった。

―最初はメンバーにインタビューをするところから始めたんですか?

箭内:いや、話を聞いたのは後です。最初はとにかくここ(RE:BIRTH STUDIO。BRAHMANが普段使用しているスタジオ)に来て、勝手に部屋の中まで入って、ずっとカメラを回していただけだったんです。途中で、自分が得意なことをやった方がこの映画はよくなるんじゃないかと思って、「『トップランナー』(NHKで放映されていたトーク番組)の司会もやってたし、俺の売りはインタビューかも」と思い始めたから、撮影スタジオでインタビューをやったっていう……ホントに行き当たりばったり。寿のビデオってあるでしょ? 友達が結婚するから、いろんな人からコメントをもらってきて、その友達のよさを列席者に見せてあげる。あの感じに近いんですよね。

RE:BIRTH STUDIO

―じゃあ、もちろんTOSHI-LOWさんはこういう形の映画になるとは思っても見なかったわけですよね。

TOSHI-LOW:こういう形も何も、俺、まだ完成版を見てないから。

―え! そうなんですか!

TOSHI-LOW:昨日の夜にフランスから帰ってきて、試写会始まったときは東京にいなかったから、何にも見てない。

箭内:今「フランスに行ってて忙しかった」みたいに話してるけど、その前から「見たくない」って言ってたからね。

TOSHI-LOW:「TOSHI-LOWが見たらちょっと嫌な気持ちになるから、見ない方がいいよ」って金髪に言われたから、そんなの見たくないじゃん? だから、一生見なくていいんじゃないかと思ってて。

TOSHI-LOW
TOSHI-LOW

―そうなんですね。ちなみに、映画の中には横山健さんも出てきますが……。

箭内:TOSHI-LOWにはあんまり教えないでよ! ネタバレやめて!

―えー、ダメなんですか!

箭内:俺はTOSHI-LOWとりょうちゃん(TOSHI-LOWの妻)が何も考えないで見るのを楽しみに作ったの。で、りょうちゃんは絶賛してくれたから、それでこの映画の半分は成功なんです。残りはTOSHI-LOWが嫌な気持ちになったら勝ち(笑)。

TOSHI-LOW:ってことは、横山健や井浦新は俺の敵なんだな……。

箭内:ちょっとヒント出すと、そこでりょうちゃんがね、TOSHI-LOW防衛軍として出てくるの。

TOSHI-LOW:俺の知らないあいだにアクション映画になってるわけ? マジかよ!

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作品情報

『ブラフマン』

2015年7月4日(土)から新宿バルト9ほか全国で公開
監督:箭内道彦
主題歌:BRAHMAN“其限”
出演:BRAHMAN
語り:
Ken Yokoyama
りょう
井浦新
配給:プレシディオ

リリース情報

BRAHMAN 『其限~sorekiri~』初回盤(CD+DVD)
BRAHMAN
『其限~sorekiri~』初回盤(CD+DVD)

2015年7月1日(水)発売
価格:1,800円(税込)
TFCC-89549

[CD]
1. 其限 ~sorekiri~
2. 終夜 ~yomosugara~
3. 汀に咲く ~migiwanisaku~
[DVD]BRAHMAN「Tour 1080°」
1. FOR ONE'S LIFE
2. 賽の河原
3. SPECULATION
4. 時の鐘
5. 汀に咲く
6. 終夜
7. CAUSATION
8. 警醒
9. ANSWER FOR...
10. 霹靂
11. 虚空ヲ掴ム
12. 初期衝動

BRAHMAN 『其限~sorekiri~』通常盤(CD)
BRAHMAN
『其限~sorekiri~』通常盤(CD)

2015年7月1日(水)発売
価格:1,200円(税込)
TFCC-89550

1. 其限 ~sorekiri~
2. 終夜 ~yomosugara~
3. 汀に咲く ~migiwanisaku~

イベント情報

BRAHMAN
『尽未来際 ~開闢~』

2015年8月9日(日)
会場:東京都 下北沢 SHELTER

2015年8月11日(火)
会場:東京都 下北沢 Club 251

2015年8月12日(水)
会場:東京都 新宿 ANTIKNOCK

BRAHMAN
『尽未来際 ~畏友~』

2015年9月29日(火)
会場:愛知県 名古屋 DIAMOND HALL

2015年10月1日(木)
会場:大阪府 なんばHATCH

2015年10月4日(日)
会場:福岡県 DRUM LOGOS

2015年10月6日(火)
会場:大阪府 心斎橋 BIG CAT

2015年10月8日(木)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2015年10月21日(水)
会場:宮城県 仙台 Rensa

2015年10月23日(金)
会場:新潟県 NIIGATA LOTS

2015年10月30日(金)
会場:北海道 札幌 FACTORY HALL

BRAHMAN
『尽未来際 ~尽未来祭~』

2015年11月14日(土)、11月15日(日)
会場:千葉県 幕張メッセ国際展示場

プロフィール

BRAHMAN(ぶらふまん)

1995年、東京にて結成。メンバーは、TOSHI-LOW(Vo)、KOHKI(G)、MAKOTO(Ba)、RONZI(Dr)。ハードコアと民族音楽をベースにしたサウンドで、パンク / ハードコアに留まらず、ロックシーンの先頭を走り続ける。国内だけでなくアジアやヨーロッパでもライブを行う。2011年3月11日の東日本大震災以降よりライブ中にMCを行うようになり、震災の復興支援を目的とした活動を積極的に展開。2015年7月4日に箭内道彦が監督を務めるドキュメンタリー映画『ブラフマン』が公開。BRAHMANにとって2年10か月ぶりとなるシングル『其限』が、映画公開直前の7月1日にリリース。

箭内道彦(やない みちひこ)

1964年福島県生まれ。1990年東京藝術大学美術学部デザイン科卒。博報堂を経て、2003年に「風とロック」を設立。2005年『月刊 風とロック』を創刊し、発行人に。主な仕事に、タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.キャンペーン」、資生堂「uno お笑い芸人52人CM」、フジテレビジョン「きっかけは、フジテレビ」、リクルート 「ゼクシィ」、サントリー「ほろよい」、グリコ「ビスコ」、福島復興のチャリティーソング「I love you & I need you ふくしま」など。著書に『クリエイティブ合気道』『8715692』などがある。

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