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te'が語る、「死」や「解散」の言葉がよぎっても歩み続けた11年

te'が語る、「死」や「解散」の言葉がよぎっても歩み続けた11年

インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:田中一人
2015/08/17

残響レコードの代表である河野章宏がメンバーとして所属するte'は、結成時から同レーベルの軸であり顔として活動してきた。活動歴は今年で11年目を迎え、国内のポストロックシーンを代表する存在としても知られている。その一方で、未だ「謎多きバンド」としてte'を捉えているリスナーも少なくないと思う。何を隠そう、筆者もその1人だった。バンド名は認識していたし、音に触れたこともあったが、どういったアイデンティティーを持っているバンドなのかははっきりとつかめていなかった。

8月5日にリリースされたニューアルバム『其れは、繙かれた『結晶』の断片。或いは赫奕たる日輪の残照。』は、彼らにとって初のコンセプトアルバムであり、またこのタイミングでドラムのtachibanaが一身上の都合によりバンドを一時脱退するという。バンドにとって転機とも言えるタイミングだからこそ、あらためてte'というバンドの実像を伝えるインタビューができたらと思い、今回の取材を引き受けさせてもらった次第である。さまざまな質問にギターのhiroが真摯に答えてくれた。

人の声が入ってくるとどうしてもそっちに耳がいってしまうけど、te'では楽曲の細かいニュアンスや弦が震える音を大事にしたかったんです。

―te'は、時流に左右されない独立した音楽性と存在感をもって活動しているバンドという認識なんですけど、hiroさんはメンバーとしてどのようにte'を捉えていますか?

hiro:僕自身としては、あくまでロックバンドをやっているという認識で。te'は、インストやポストロックシーンの中で語られることが多いですけど、ぶっちゃけて言うと、僕としてはあまりそういうふうに意識してないんですよね。ただロックバンドとしての理想を追求したら、こういうスタイルになったというか。

―理想を追求する中で、バンドにボーカルを求めなかったのはなぜでしょう?

hiro:もともとこのバンドは、メンバー全員が「とにかくデカい音をバーッと出したい」という思いから始まっていて。その結果、歌の入る余地がなくて、インストバンドになったというふうに捉えてます。それに、人の声が入ってくるとどうしてもそっちに耳がいってしまうけど、te'では楽曲の細かいニュアンスや弦が震える音を大事にしたかったんです。

―理想のロックを突き詰めていったら「インスト」や「ポストロック」と呼ばれるようになったと。

hiro:僕はそう思ってます。僕がこのバンドに入ったのは11年前なんですね。そのときは、今サポートをやってくれているドラムのyokoと初代ベースのmasaがまだ正式メンバーとして在籍していて。

―hiroさんは厳密に言うとオリジナルメンバーではないんですね。

hiro:そうなんです。加入前にたまたまオリジナルメンバーでやっていたライブを観る機会があって。でも、そのライブが僕にとっては全然おもしろくなかったんですよ(笑)。音はかっこいいし、ボーカルがいないのはいいとしても、曲にメロディーがなくて、グッとはこないなって。それで、メンバーとは友達だったので、「混ぜて」って言ってバンドに入れてもらったんです。

―自分だったらこのバンドをおもしろくできるという自信があったから、一緒にやりたいと思ったんですか?

hiro:そう、変な自信があったんです。

hiro
hiro

―バンドを立ち上げたkonoさん(残響レコードの河野章宏がte'で活動する際の名義)は、メロディーだったり旋律的な部分に興味がなかったんでしょうか?

hiro:どうなんですかね?(笑) 多分、当時のkonoとmasaとyokoは、ディープなポストロックバンドを目指していたと思うんですね。でも、僕はいろんなジャンルを幅広く聴いてきたし、歌モノも大好きだったから、あんまりしっくりこなかったんだと思います。僕の思いとしては、「純粋にかっこいいロックバンドをやりたい」というところに集約されるんです。

―そのうえで楽曲のメロディーを自分が補えるし、補いたいと思った。

hiro:そう。僕は、te'の前に組んでいたバンドではボーカルとギターをやっていて、曲の歌メロも作ってたんです。他のミュージシャンがどういうふうに曲を作ってるのかわからないですけど、僕はメロディーから曲を作るんですね。だから、te'の曲の中でギターが弾いてるメロディーって、意外と歌えるんですよ。

―hiroさん自身はどんなことに作曲のインスピレーションを受けることが多いんですか?

hiro:アニメからインスピレーションを受けることがかなり多いですね。これ、インタビューで初めて言うんですけど(笑)。僕は普段アニメばかり見てるんです。特にストーリーがしっかりしていて感動できるものが好きなんですけど、アニメの印象的なシーンが頭に残ってると、曲にもアウトプットしやすいんですよね。

―アニメの要素が、te'のドラマチックさの一部になっているんですね。とにかく、hiroさんが加入したことでバンドの音楽性は劇的に変化したと。

hiro:よりわけのわからない音楽になったと思います。ディープなポストロックをやろうとしていバンドの中に、「メロディーが超大事」みたいなやつが入ってきたから(笑)。最終的にはkonoがサウンドのトータル的な微調整をしてくれているおかげで、楽曲としていいバランスで成り立ってるんですよね。

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リリース情報

te' 『其れは、繙かれた『結晶』の断片。或いは赫奕たる日輪の残照。』初回限定盤(CD+DVD)
te'
『其れは、繙かれた『結晶』の断片。或いは赫奕たる日輪の残照。』初回限定盤(CD+DVD)

2015年8月5日(水)発売
価格:3,600円(税込)
CRCP-40423

[CD]
1. 『緒』                          。
2. 夜は光を掩蔽し、幾多の秘密を酌み、さかしまな『夢想』を育む。
3. 意味を喪失した時、虚無は私を冒し、享楽だけが『慰』みとなる。
4. 離散的な欠片の集合が混沌から『秩序』に変わる時、美は発現す。
5.           『鍵』                。
6. 自由と孤独は秤の上の矛盾であり、その均衡にこそ『檻』がある。
7. 終焉から振り返る我夢は、陰影の濃淡に浮かぶ『光』の残り香。
8.                  『有』         。
9. 道徳はうつろう教義であり、その『閾』は昼と夜でさえ変容する。
10.                       『盈』    。
11. 思想も共感もいらず、ただ幻聴を誘発する『起因』としての音楽。
12. 私は舞う枯葉。風任せな躍動を自律と『錯誤』する縹渺たる虚体。
[DVD]
・2015年3月6日渋谷CLUB QUATTROでのライブを全曲収録
・2014年6月15日代官山UNITライブのダイジェストを収録

te'『其れは、繙かれた『結晶』の断片。或いは赫奕たる日輪の残照。』通常盤(CD)
te'
『其れは、繙かれた『結晶』の断片。或いは赫奕たる日輪の残照。』通常盤(CD)

2015年8月5日(水)発売
価格:2,700円(税込)
CRCP-40424

1. 『緒』                          。
2. 夜は光を掩蔽し、幾多の秘密を酌み、さかしまな『夢想』を育む。
3. 意味を喪失した時、虚無は私を冒し、享楽だけが『慰』みとなる。
4. 離散的な欠片の集合が混沌から『秩序』に変わる時、美は発現す。
5.           『鍵』                。
6. 自由と孤独は秤の上の矛盾であり、その均衡にこそ『檻』がある。
7. 終焉から振り返る我夢は、陰影の濃淡に浮かぶ『光』の残り香。
8.                  『有』         。
9. 道徳はうつろう教義であり、その『閾』は昼と夜でさえ変容する。
10.                       『盈』    。
11. 思想も共感もいらず、ただ幻聴を誘発する『起因』としての音楽。
12. 私は舞う枯葉。風任せな躍動を自律と『錯誤』する縹渺たる虚体。

CINRA.STOREで取扱中の商品

te' iPhone6ケース「其れは、繙かれた『結晶』の断片。或いは赫奕たる日輪の残照。」
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iPhone6ケース「其れは、繙かれた『結晶』の断片。或いは赫奕たる日輪の残照。」

価格:3,780円(税込)
ファッションブランドも立ち上げた「te'」のメンバーによる色彩鮮やかなケース

プロフィール

te'(て)

2004年1月、エモ、ポストコア、ポストロックに影響を受けたkono(Gt)を中心に東京で結成。アートな響きを放つメロウギター、独特なフレーズで攻めてくるリズムギター、繊細な中にもビート感が迫ってくるドラム、現代系エフェクトを駆使したベースが1つになるその音の世界は、果てしなく奥深い感性が揺さぶられるのを気付かせてくれる。9月、1stシングルを「残響レコード」よりリリース。2005年9月、1st album『ならば、意味から解放された響きは『音』の世界の深淵を語る。』をリリース。2015年3月より、tachibana(Dr)が一時的にバンドを脱退。現在は、kono、hiro(Gt)、matsuda(Ba)、そして初代ドラマーであるyokoをサポートメンバーに迎えて活動中。2015年8月5日、約3年ぶりとなる6thアルバム『其れは、繙かれた『結晶』の断片。或いは赫奕たる日輪の残照。』をリリース。

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