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仏在住ミシェル・ミチナが語る「日本にはユルさが必要だと思う」

仏在住ミシェル・ミチナが語る「日本にはユルさが必要だと思う」

『ミシェル・ミチナ・トリオ ツアー2016「息吹」』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:西田香織

違う、ということは、悲しむべきことなのだろうか? それとも祝福すべきことなのだろうか? 生まれた場所、言葉、肌の色、宗教、好きな音楽……人と人は、違う。その違いが常に悲しみを生んできたという事実を、私たちは知っている。でも、違う者同士が対話し、抱きしめ合うことで生まれる何にも代えがたい喜びだって、私たちは知っている。

本記事の主人公、ミシェル・ミチナはきっと、違う、ということを祝福したいのだ。そしてその「違い」の奥底には、いつだって「同じ」何かがあることを知っている。日本人の父とフランス人の母のもとに千葉で生まれ、母親の死後、13歳で単身渡仏。人と人の違いを幼い頃からその身に感じ、今もフランスで音楽活動を続ける彼女が、歌や演奏を通して有機的に他者と繋がることのできるジャズやゴスペル、R&Bといったアメリカのブラックミュージックに心惹かれるのは、とても必然的なことだったのだろう。

ミシェルの音楽には、余計なものを剥ぎ取り、あるがままの自分を音楽に託すことで他者と対峙する凛とした強さがある。「自分」という存在の輪郭をそっとなぞるような穏やかなバラードにも、悪戯っ子のような不敵な笑みをたたえた躍動感あふれるファンクチューンにも、そこには一人の女性の混り気のない心象が透けて見える。フランスと日本、まったく違った文化土壌を持つ2か国の間から、この「正直な音楽」はいかにして生まれたのか。去年11月にリリースしたアルバム『息吹 LE SOUFFLE』を携えて来日した彼女に話を聞いた。

日本だと、どうしてもステップにとらわれがちですよね。私も日本にいた頃は、「作詞作曲なんて私には絶対無理だ」と思い込んでいました。

―ミシェルさんはお父さんが日本人で、お母さんがフランス人なんですよね。去年リリースされたアルバム『息吹 LE SOUFFLE』は、日本語の曲とフランス語の曲、両方が収められていて、しかも音楽性の土台になっているのはアメリカ発祥のジャズやR&Bで、すごく多様な文化が交錯している作品という印象を受けました。

ミシェル:自分としては、「多様な文化を混ぜたい」みたいなことはあまり意識して作っていないんです。フランス語と日本語が混ざるのは、もともとそういう環境で育ってきたから自然なことですし、音楽性も、たまたま私が一番好きな音楽のジャンルがアメリカのブラックミュージックだったというだけで。

ミシェル・ミチナ
ミシェル・ミチナ

―自分自身に正直に作ったらこの形になった、という感じですか?

ミシェル:そうですね。「日本語かフランス語のどちらかに統一した方がいい」という意見をもらったこともあるんですけど、せっかく自分が作る作品なら、わざわざ枠を作って曲作りをしたくないなと思ったんです。何をきっかけにしてその曲を書き始めたのかによって、フランス語でしか歌えなかったり、日本語でしか歌えなかったりしますから。

―ミシェルさんは、中学生の頃までは東京で生活されていて、それ以降は、今に至るまでフランスで生活されているんですよね。「歌いたい」という欲求を持ったのは、いつ頃でしたか?

ミシェル:小さい頃から歌うことが好きで、小学校の音楽の授業もすごく好きでした。日本の学校って、校歌もあるし、すごく歌う機会が多いですよね。フランスの学校は全然歌わないんです。フランスでは、音楽の授業って、サボるための時間という感じで(笑)。だから、音楽に興味のある子は学校の外で学んだり独学したりするケースが多いんですけど、それに対して日本の子どもは、すごく充実した環境で音楽を学んでいるなと思います。

―歌うことが好きなミシェルさんにとっては、日本の音楽の授業がぴったりだったのかもしれないですね。でも小学校から授業でしっかりと教えられるぶん、日本だと最初から音楽が「勉強」として植え付けられてしまって、子どもが離れてしまう側面もあるのかなって思うんですよ。実際、僕は歌が下手だから、小学校の頃、人前で歌わされるのも嫌だったし、校歌も口パクでした(笑)。

ミシェル:なるほど(笑)。日本だと「この歌を歌えるようにならなければいけない」とか「何年生でこの楽器が弾けるようにならなければならない」とか、どうしてもステップが決められてしまいがちですよね。そういうことにとらわれないという点では、フランスの方がいろんなことを自由に学べるのかもしれないです。私も日本にいた頃は、「作詞作曲なんてある一定の才能がある人にしかできないもの」と教えられていたので、「私には絶対無理だ」と思い込んでいました。

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イベント情報

『ミシェル・ミチナ・トリオ ツアー2016「息吹」』

2016年3月4日(金)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:京都府 UrBANGUILD
出演:
Michelle Michina Trio
nouon
料金:前売4,000円 当日4,500円(共にドリンク別)

2016年3月5日(土)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:兵庫県 神戸 CASHBOX
出演:Michelle Michina Trio
料金:前売4,000円 当日4,500円(共にドリンク別)

2016年3月6日(日)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:香川県 高松 グレースマーケット(Cafe Style HAZUKI)
出演:Michelle Michina Trio
料金:前売4,500円 当日5,000円(共にドリンク付)

2016年3月8日(火)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO
出演:Michelle Michina Trio
料金:前売4,000円 当日4,500円(共にドリンク別)

2016年3月10日(木)OPEN 18:30 / START 19:30
会場:熊本県 ぺいあのPLUS'
出演:Michelle Michina Trio
料金:前売4,000円 当日4,500円(共にドリンク別)

2016年3月11日(金)OPEN 18:30 / START 19:30
会場:大分県 ブリックブロック
出演:Michelle Michina Trio
料金:前売3,000円 当日3,500円(共にドリンク別)

2016年3月14日(月)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:福岡県 博多 Gate's7
出演:Michelle Michina Trio
料金:前売4,000円 当日4,500円(共にドリンク別)

2016年3月17日(木)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:東京都 代官山 晴れたら空に豆まいて
出演:Michelle Michina Trio
料金:前売4,000円 当日4,500円(共にドリンク別)

リリース情報

ミシェル・ミチナ『息吹 Le Souffle』日本盤
ミシェル・ミチナ
『息吹 Le Souffle』日本盤(CD)

2015年11月25日(水)発売
価格:2,700円(税込)
DDCZ-2058

1. 君の場所
2. ミスター フィッシュ
3. もうひとりの自分
4. 連れて行って
5. 盗まれたキス
6. 祈り
7. シスタ
8. とり憑かれた心
9. 操
10. 私
11. 君の息吹
12. モナムール
13. Mr.Fish - Live in Paris -
14. Inori Remix
※歌詞、対訳、解説付き

プロフィール

{Michelle Michina}
ミシェル・ミチナ

千葉県で日本人の父とフランス人の母のもとに生まれる。中学校まで東京で過ごし、13歳のときにパリへ。19歳でBlack Music SchoolにてLaurence Apithyに師事し、ピアノと歌を学ぶ。そして、2007年にギタリスト前田智洋と出会い、Michina&Tomo(ミチナ・エ・トモ)を結成。2011年よりソロ活動をスタートさせ、2013年にマイア・バルーのバンドにバックボーカリストとして参加。2015年10月1日に都内で行われた、トヨタ新型クラウンの報道発表会にシンガー・ソングライターとして出席。2015年11月にフランスの自動車メーカー、プジョーの新CMに歌手として起用される。2015年11月25日にJabup Records(日本)より、日本盤『息吹 Le Souffle』を全国発売。2016年3月4日から全国8会場を回る、『ミシェル・ミチナ・トリオ ツアー2016「息吹」』を開催。

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