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「MV焼き直し時代になっている」Czecho No Republic×夏目現

「MV焼き直し時代になっている」Czecho No Republic×夏目現

Czecho No Republic『DREAMS』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:矢島由佳子

Czecho No Republic(以下、チェコ)というバンドは、オシャレで、センスがよく、ポップで、夏がよく似合う。シングル『Forever Dreaming』の取材において、ボーカルの武井優心はこうした自分たちに対するイメージを受け入れたことを話してくれたが、もちろん、彼らの特徴はこれだけではない。チェコというバンドは、やはりどこまでも「クリエイティブ」なバンドなのだ。主に海外インディーから影響を受けたサウンドプロダクションや一癖も二癖もある展開を持つ楽曲自体はもちろん、彼らはミュージックビデオに対しても相当のこだわりを持っている。

「夏」をテーマにした新作『DREAMS』より、“Electric Girl”と“Dream Beach Sunset”のミュージックビデオの監督を務めたのは、映像制作集団「I was a Ballerina」所属の夏目現。インディーズ時代のラストシングル“Festival”からチェコのMVを担当し、タカハシマイがMCを務める『音流』の総合演出も手掛けている。バンドと同じく、海外のインディーズミュージックを愛する夏目は、メンバーにとってのいい兄貴分であり、日本にアートの土壌を根付かせようとする同志だと言ってもいいだろう。それでは、硬軟織り交ぜたチェコと夏目の対談をどうぞ。

俺はあんまり日本のMVで好きなものがないんですよね。入り組んだ仕掛けとか、優しいユーモアみたいなものが全然ない。(武井)

―夏目さんはミュージックビデオ(以下、MV)の存在意義をどのようにお考えでしょうか? YouTubeの普及以前と以後では、果たす役割も変わったように感じるのですが、いかがでしょう?

夏目:僕はマイケル・ジャクソンに代表される「MTV世代」で、音楽とMVを一体に体験した世代なんです。「MTV時代」の後に、音楽と映像が分離した時代が一度ありましたけど、YouTubeの登場でまたそのときに近い時代になったと思います。

昔よりもMVの数はたくさんあるし、YouTubeだと見る側がなにを見るかチョイスできるようになったという変化はありますが、MVの役割自体はMTVが始まった頃とそんなに変わってないんじゃないですかね。

夏目現
夏目現

―確かに、「音と映像が不可分である」という意味で、1980年代のMTV世代と今のYouTube世代はリンクするものがあると言えそうですね。チェコのメンバーは、MVの存在をどう捉えていますか?

砂川(Gt):YouTubeで公開したMVが、お客さんに一番最初に新しい曲を聴いてもらう場となることが多いんですよね。一番のプロモーションの場だから、中途半端なものは作りたくないなと思います。

MVと曲の連鎖反応は絶対にあって、MVが中途半端だと、曲も悪く聴こえちゃったりすると思うし、逆にMVがかっこいいと、曲もかっこよく聴こえたりしますよね。

夏目が初めて手掛けたチェコのMV(2013年発表)

―武井くんはMVに対してどんなこだわりがありますか?

武井(Vo,Ba,Syn):俺はあんまり日本のMVで好きなものがないんですよね。大体バンドの演奏シーンとドラマシーンの組み合わせみたいな感じで、一辺倒というか、入り組んだ仕掛けとか優しいユーモアみたいなものが全然ない。音と映像が100対100の関係じゃない感じがして、納得がいかない気持ちになるんです。俺が好きな海外インディーのものとかは変な仕掛けがあったりするんですけど、日本のMVは歯痒いと思うことが多いんですよね。

―そういう状況の中で、夏目さんの存在は大きい?

武井:夏目さんに撮ってもらうようになるまで、MVに関しては若干諦めがあったんです。曲のテンポと画が合ってなかったり、「画が足りなくて無理やり繋げたんだろうな」みたいなになってしまうことがあったりして、腹立つことが多くて。実際、昔は監督に意見を言いまくって、「これもう俺の名前出さなくていい」って言われたこともありました。夏目さんとやるようになってからは、そういうことはなくなりましたね。

武井優心
武井優心

最近は「焼き直しの時代」になっているんじゃないかと思うんですよね。昔のMVを見て、いかにもMVっぽいのを作っちゃったりしてる。(夏目)

―夏目さんは日本と海外のMVに対する考え方の違いについて、どうお考えでしょうか?

夏目:市場の規模の差が大きいと思うんですよね。アメリカのインディーは、「アートロック」といわれるような人たちの市場がちゃんとあるので、そこのお客さんに対してよりアーティスティックなアプローチができるけど、今の日本の市場はまたちょっと違うので、その差異をどう埋めるかが悩ましいというか。そういう意味では、やっぱり日本の作品はアート性が欠けるんじゃないですかね。視聴者から求められるものが、日本とアメリカでは違うということはすごく感じます。

グラフィックの使い方も、海外のアートからヒントを得ている

―YouTubeの時代になって、そこになにか変化を感じたりはしますか?

夏目:ミュージシャンが自分で撮って、編集して、MVを作れる時代になってきたじゃないですか? そうなると、小さい頃に見た自分の好きなアーティストのMVみたいなものを自分でも作りたいと思うせいか、最近は「焼き直しの時代」になっているんじゃないかと思うんですよね。もちろん、それだけではないんだけど、そういう流れもあるというか。「MVっぽいものを作ってるな」って感じることは多いです。

―映像の専門家ではない人も作れるというのはプラスの側面もあると思うけど、マイナスの側面として、焼き直しっぽくなってしまいがちだと。

夏目:日本のいろんなミュージシャンと話をすると、もっとアート側に寄って来て欲しいと思うことはあります。海外のミュージシャンのインタビューを読むと、アートに対する知識もすごく深くて、自分がアートの歴史の中にもいるんだということをちゃんと理解してるように思うんです。そこを理解してない人が、昔のMVを見て、いかにもMVっぽいのを作っちゃったりしてると思う。そういうことに対して、自分としてはどうアプローチするのかも考えなきゃいけないと思っていますね。

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リリース情報

Czecho No Republic『DREAMS』初回限定盤
Czecho No Republic
『DREAMS』初回限定盤(CD+DVD)

2016年7月20日(水)発売
価格:3,780円(税込)
COZP-1220/1

1. Dream Beach Sunset
2. Forever Dreaming
3. Electric Girl
4. Dreamer
5. BB
6. ゴッホとジョン
7. ヘンリー・ジョーと海の城
8. Blue Holiday
9. Shiny Girl
10. パニック
11. Born Again
12. エンドロール

Czecho No Republic
『DREAMS』通常盤(CD)

2016年7月20日(水)発売
価格:3,024円(税込)
COCP-39654

1. Dream Beach Sunset
2. Forever Dreaming
3. Electric Girl
4. Dreamer
5. BB
6. ゴッホとジョン
7. ヘンリー・ジョーと海の城
8. Blue Holiday
9. Shiny Girl
10. パニック
11. Born Again
12. エンドロール

イベント情報

『Welcome to the Hotel Flamingo Tour』

2016年9月10日(土)
会場:東京都 渋谷 Eggman
※女性限定ライブ

2016年9月11日(日)
会場:東京都 渋谷 Eggman
※男性限定ライブ

2016年9月16日(金)
会場:北海道 札幌 cube garden

2016年9月20日(火)
会場:京都府 磔磔

2016年9月23日(金)
会場:宮城県 CLUB JUNKBOX SENDAI

2016年9月24日(土)
会場:新潟県 NEXS NIIGATA

2016年10月1日(土)
会場:香川県 高松DIME

2016年10月2日(日)
会場:広島県 HIROSHIMA CLUB QUATTRO

2016年10月14日(金)
会場:石川県 金沢 AZ

2016年10月15日(土)
会場:愛知県 名古屋 BOTTOM LINE

2016年10月16日(日)
会場:岡山県 YEBISU YA PRO

2016年10月28日(金)
会場:福岡県 福岡 DRUM Be-1

2016年10月29日(土)
会場:鹿児島県 SRホール

2016年11月6日(日)
会場:大阪府 心斎橋 BIGCAT

2016年11月12日(土)
会場:東京都 Zepp DiverCity Tokyo

プロフィール

Czecho No Republic
Czecho No Republic(ちぇこ のー りぱぶりっく)

2010年結成。メンバーは、武井優心(Vo,B)、山崎正太郎(Dr)、八木類(Gt)、タカハシマイ(Cho,Syn,Gt,Per)、砂川一黄(Gt)。端正なルックスと唯一無二のドリーミー&キャッチーな音楽性により、各地大型フェス出演や『第4回CDショップ大賞』にノミネートされるなど、各方面から注目を集める。2013年10月に、會田茂一、いしわたり淳治、片寄明人(50音順)という敏腕ミュージシャンらをプロデューサーに迎えて制作した1stアルバム『NEVERLAND』でメジャーデビュー。2014年7月に、2ndアルバム『MANTLE』、2015年9月に3rdアルバム『Santa Fe』を発表。2016年7月20日に4thアルバム『DREAMS』をリリースし、9月からは全国15か所でのワンマンツアー『Welcome to the Hotel Flamingo Tour』を開催するなど、積極的に活動を続けている。

夏目現(なつめ げん)

愛知県豊川市出身。名古屋市立工芸高等学校デザイン科、多摩美術大学二部芸術学科を卒業後、フリーランスとして活動。2004年、I was a Ballerinaを結成。ミュージックビデオの演出や、テレビ番組やWEBページの企画、アートディレクションなどマルチな活動を行っている。近年ではEテレ『ロンリのちから』が評判を呼ぶ。

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