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SCREEN modeが話す、極端に近親交配が進むアニソン業界の危機

SCREEN modeが話す、極端に近親交配が進むアニソン業界の危機

SCREEN mode『ROUGH DIAMONDS』
インタビュー・テキスト
天野史彬
編集:矢島由佳子
2016/07/27

無意味な歌詞も、影山ヒロノブさんが歌うとものすごく説得力がある。意味がないものに意味を持たせるのは、100%シンガーの力。(雅友)

―勇さんは、SCREEN modeのシンガーとして、今のアニソンに対してどのような距離感を持っていますか?

勇(Vo):「アニソンの再定義」ということでいうと、まだ雅友さんと同じくらいは突き詰められてはいないと思うんです。でも、ひとつ大事なアニソンの在り方として意識していることはあって。

たとえば“ROUGH DIAMONDS”は、すごく振り切っていて、強烈な熱量を感じられる楽曲だと思うんですよ。こういう熱量のあるアニソンのすごく大きな存在として、うちのレーベルの大先輩である影山ヒロノブさんの“CHA-LA HEAD-CHA-LA”(『ドラゴンボールZ』主題歌)があると思うんです。あの曲は、ものすごい熱量ですよね。あの熱量にどう立ち向かっていくのか……それはすごく考えた部分です。

―雅友さんのおっしゃる「アニソンの再定義」が、「今」のアニソンの在り方に対する差異化なら、勇さんが見つめているのは、アニソンの「歴史」なんですね。

:影山さんの歌声って、誰が聴いても声だけで「この歌は影山さんだ」ってわかるんですよね。僕もSCREEN modeのフロントマンとして、そのぐらいの個性を出せるように歌い方を磨いていきたいと思うんです。

特に、今回の“ROUGH DIAMONDS”は今まで以上に、それを強く感じながら歌えて。きっと、雅友さんが「アニソンの再定義をしたい」と思って曲を書いたことに対して、本能的に感じられる部分があったからだろうと思うんですけど。

―雅友さんは、アニソンの歴史性についてはどう見ていますか?

雅友:やっぱり、近親交配する前のアニソンは純粋で力強いですよね。確実に、失われてしまったものはあるんだろうなって思います。影山ヒロノブさんが歌う“WE GOTTA POWER”(『ドラゴンボールZ』の二代目主題歌)の<NO-TEN P-KAN 空は晴れて / IPPAI OPPAI ボク元気>という歌詞とか……全然意味ないじゃないですか。よくあれで関係者たちからのOKが出ましたよね(笑)。

―確かに(笑)。

雅友:もちろん、作詞をされた森雪之丞さんは意図的に書いていることだと思うんですけどね(笑)。でも、当時はあれをOKにできるくらい、クリエイティブに対してみんなが純粋だったということだと思うんですよ。

それに、あの無意味な歌詞も、影山さんが歌うとものすごく説得力があるんです。シンガーにとっての一番の強さですよね。要は、歌詞に意味があって、それを表現するだけなら、歌わなくても読むだけで成立するから。でも、意味がないものに意味を持たせるのは、100%シンガーの力。そういう意味で影山さんはすごいし、勇もそこに近づきつつあると思います。もちろん今後、もっと深めていくと思うし。

:うん、深めていきたいですね。

SCREEN mode

―今、雅友さんがおっしゃった「クリエイティブに対する純粋さ」って、今はアニソンだけでなく、多くの現場で失われつつあるのかなっていう気もしますね。先ほど、2000年代のJ-POPの話も出ましたけど、近親交配が進んでいるのは、他のジャンルにも言えるのかもしれないですよね。

雅友:そうかもしれないですね。僕、中学生の頃はBARBEE BOYSが大好きだったんですよ。他にも、TM NETWORKとか、岡村靖幸さんとか、当時のエピックレコードにいた人たちはみんな好きで。あの頃の人たちって、みんなバラバラで、他に代わりがいない人たちばかりなんですよね。よく、ひとつのレーベルにあれだけ統一性のない人たちが揃ったなって思う。それに、やっぱり今聴くとメチャクチャなんですよね(笑)。

―それこそ、「よくこれが通ったな」と思うような(笑)。

雅友:BARBEE BOYSのKONTAさんなんて、ほとんど絶叫していますからね(笑)。それに岡村靖幸さんも、音程がすごくズレている。でも、それが味になっているし、いくら外してもグルーヴしているから、ちゃんとかっこよく成り立っているんです。80年代の終わり~90年代の初めくらいって、岡村さんはまだ20歳くらいだったと思うんですよ。その若さで、よく、あんなに尖ったことができたなぁと思いますよね。

SCREEN modeが売っているのって、音楽ではなくて「体験」だと思っているんです。(雅友)

―先ほどの“WE GOTTA POWER”の歌詞の話もそうなんですけど、たとえ外していたり、無意味なものであっても、強烈な個性があるものって、ちゃんと「みんなのもの」になりますよね。エグ味があるがゆえに、みんな覚えられるし、会話のネタにもなるし。

雅友:そうですね。そういう意味でも、SCREEN modeが売っているのって、音楽ではなくて「体験」だと思っているんです。“ROUGH DIAMONDS”のMVでは、勇がボクサー役をしているんだけど、あのMVを見て、何回やられても立ち上がる不屈の精神を多くの人に感じてもらったり……哲学とか、感情とか、いろんなものを「共有」できる存在になっていきたいんですよね。

そもそも、アニメソングであること自体が「アニメを見る」っていう体験をよりいいものにするためにあるわけじゃないですか。せっかく、アニメの頭にSCREEN modeの曲が流れるわけだから、それなら「『食戟のソーマ』のオープニング、ワクワクしたよね」って、みんなで話せるような体験を作り出していきたい。体験を共有することって、今すごく大切なことだと思うんですよ。

―体験を共有することは、インターネットの発達によって次第に失われていきつつある価値観ですよね。

雅友:そうですよね。だからこそ、SCREEN modeの活動の中では、ライブもすごく大切にしていて。今はネットで何でも買えるけど、「ライブ」という体験はダウンロードできないですよね。

SCREEN modeのライブに来ることによって、終った後も興奮や感動が消えないで、「SCREEN modeのライブ、よかったね」って言い合いながら、そのときの興奮とか、心があたたかくなった感じを思い出してほしいと思う。そして、次の日に会社や学校に行くときに音源を聴いたら、その感動がまた蘇ってくるようなライブができたらいいですよね。

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リリース情報

SCREEN mode『ROUGH DIAMONDS』DVD付盤
SCREEN mode
『ROUGH DIAMONDS』DVD付盤(CD+DVD)

2016年7月27日(水)発売
価格:1,944円(税込)
LACM-14524

[CD]
1. ROUGH DIAMONDS
2. 雨のち晴れ
3. IMPACT
4. ROUGH DIAMONDS(off vocal)
[DVD]
ROUGH DIAMONDS -Music Video-(Full size)

SCREEN mode『ROUGH DIAMONDS』アニメジャケット盤
SCREEN mode
『ROUGH DIAMONDS』アニメジャケット盤(CD)

2016年7月27日(水)発売
価格:1,296円(税込)
LACM-14525

1. ROUGH DIAMONDS
2. IMPACT

イベント情報

『SCREEN mode LIVE TOUR 2016 Autumn』

2016年11月19日(土)
会場:大阪府 umeda AKASO

2016年12月3日(土)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST

プロフィール

SCREEN mode
SCREEN mode(すくりーん もーど)

勇-YOU-(声優「林勇」)と、雅友(サウンドプロデューサー「太田雅友」)によるユニット「SCREEN mode」。2013年結成。ユニット名の「SCREEN mode」には、勇-YOU-のボーカルと雅友の楽曲が混ざり合うことによって生まれた音の「SCREEN」を、様々な「mode」に変化させながらリスナーの心に焼き付けていきたいという想いが込められている。勇-YOU-の圧倒的な歌唱力、そして雅友の確かなプロデュースワークから生み出されるサウンドは、時に感情的に、時に色彩的に、聴き手の心情とリンクして真っ白なスクリーンに情景を描く。

関連チケット情報

2019年1月19日(土)
ANIMAX MUSIX 2019 OSAKA
会場:大阪城ホール(大阪府)

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