特集 PR

松江哲明監督と楽しむ、ハイクオリティーなNetflix作品3選

松江哲明監督と楽しむ、ハイクオリティーなNetflix作品3選

Netflix
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:豊島望 編集:野村由芽

2015年の秋より日本でもサービスが本格的にスタートしたNetflix。力を入れているのは、他では見ることのできない「オリジナル作品」だ。とはいえあまりにも膨大な数の作品があるだけに、どれから見ればいいかわからないという人たちも、きっと多いことだろう。

そこで今回は、「年末年始こそ一気見したいNetflix作品!」ということで、2016年大きな話題を呼んだNetflixの人気オリジナル作品――『ストレンジャー・シングス 未知の世界』と『ゲットダウン』を、ドキュメンタリー監督であり、年間500本を超す劇映画を鑑賞しているという映画マニアでもある松江哲明に見てもらい、その率直な感想および鑑賞ポイントを語ってもらう企画を慣行。さらに、Netflixでは主に海外のドキュメンタリー作品を見ているという松江がおすすめするドキュメンタリー映画『オードリーとデイジー』も紹介してもらいながら、映像配信サービスが変えた現状、そして未来への展望まで、その思うところを自由に語ってもらった。

映画の作り手や演じ手の中にモヤモヤがあるからこそ、配信ドラマが盛り上がっている。

―近年はNetflixをはじめとした、映像配信サービスというものが、世界はもちろん、ここ日本でも普及しつつあります。その流れについて、松江監督はどのように感じていますか?

松江:そもそも、海外ドラマが1、2作品とかではなく、こんなに見られている状況って、僕が生きてきた中で、多分なかったと思うんですよね。その理由のひとつに、みんな映画にちょっと飽きてきているんだなって。

松江哲明
松江哲明

―映画に飽きている?

松江:そう。それは作り手もそうだし、見るほうもそう。今って、かつてあったミニシアターが、どんどんなくなっているじゃないですか。『トレインスポッティング』(1996年)とか『アメリ』(2001年)とか、そういうミニシアターでやっていたような作品を見たい人たちのための映画が、今はほとんどないんですよ。そういう人たちが、配信サービスのオリジナル海外ドラマを見ているんじゃないかと思っていて。

―自分のまわりを見ても、確かにその傾向はあると思います。

松江:ハリウッドの俳優も、みんながみんなアメコミのヒーローをやりたいわけじゃない。力のある映画に出たい人たちや、そういう映画が作りたい人たち――しかも、力があるにもかかわらずできない人たちの中でモヤモヤしているものがあるからこそ、どんどん配信ドラマに流れているんじゃないですかね。

―なるほど。

松江:それは日本の俳優さんや作り手たちも同じですよね。最近、単館系の映画に出るメジャーの俳優さんって、すごく増えたじゃないですか。『山田孝之の東京都北区赤羽』の山田孝之とかと一緒に仕事をすると、そのへんの感じがよくわかるんです。

彼がなぜ僕のような人間とテレ東の深夜をやっているのかというと、やっぱりモヤモヤしているものがあるからだと思うんですよね。漫画原作や恋愛ものだけをやりたいわけじゃない。たとえ規模が小さくても、やっぱりとんがったものをやりたいっていうのは、演じる人たちにとっても、作り手にとっても当たり前じゃないですか。

―テレビも映画も、昨今は物語上の規制がいろいろと厳しくなっているようですからね。

松江:僕のまわりの作り手たちも、オリジナルの企画を持っていくときは、まず配信系サービスに持っていくって言っていますから。映画やテレビでできないことが、配信ならできるかもしれない。あと、予算がいいのも魅力ですよね(笑)。予算が良くて、自由なところに企画を出すのは当たり前だし、観客としてもそういうものが見たいですよね。

―そうですね。率直に見たいと思います。

松江:ただ、そうは言っても、やっぱり配信で見るものは、映画館で見る映画とは別の体験だと考えています。僕の場合、Netflixを使い始めたら映画館に行く回数が減ったかというと、全然変わらないんですよね。映画館に行く合間に、Netflixを見ている(笑)。配信のほうが、より生活に密着しやすい映像体験というか。それを踏まえた上で、自分が好きな映画や表現が配信のほうにちゃんと生き残っているという状況を、すごくポジティブに考えているんです。

Page 1
次へ

作品情報

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』

Netflixで全8話ストリーミング中

『ゲットダウン』

Netflixで全12話のうち6話までストリーミング中

『オードリーとデイジー』

Netflixで好評ストリーミング中

プロフィール

松江哲明(まつえ てつあき)

1977年、東京都生まれ。99年、日本映画学校(現・日本映画大学)卒業制作として監督した『あんにょんキムチ』が、99年山形国際ドキュメンタリー映画祭「アジア千波万波特別賞」「NETPAC特別賞」、平成12年度「文化庁優秀映画賞」などを受賞。その後、『カレーライスの女たち』『童貞。をプロデュース』など刺激的な作品をコンスタントに発表。前野健太が吉祥寺を歌い歩く74分ワンシーンワンカットの『ライブテープ』で第22回東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」作品賞、第10回ニッポン・コネクション「ニッポンデジタルアワード」を受賞。テレビ東京『山田孝之の東京都北区赤羽』を山下敦弘とともに監督。2017年1月6日(金)から「『カンヌ映画祭』で賞が穫りたい」という山田孝之の映画制作の過程を記録したドキュメンタリードラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』をテレビ東京・テレビ大阪で放送予定(毎週金曜0:52~)。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

シャムキャッツ“逃亡前夜”

楽曲のビートにのせて流れる色鮮やかな、ばっちりキマった画。その中で、重力まかせに寝転んだり、うなだれたりするメンバーの身体や、しなやかな演奏シーンが美しい。どの瞬間を切り取っても雑誌の表紙のようで、約5分間、全く飽きがこない。(井戸沼)

  1. アジカン後藤と関和亮が語り合う、ゆとりなき今の社会に思うこと 1

    アジカン後藤と関和亮が語り合う、ゆとりなき今の社会に思うこと

  2. 『おっさんずラブ』映画化決定、2019年夏公開 田中圭が喜びのコメント 2

    『おっさんずラブ』映画化決定、2019年夏公開 田中圭が喜びのコメント

  3. ねごと×chelmicoが語る、「ガールズ」の肩書きはいらない 3

    ねごと×chelmicoが語る、「ガールズ」の肩書きはいらない

  4. SEKAI NO OWARIの新アルバム『Eye』『Lip』同時発売、ツアー&海外盤も 4

    SEKAI NO OWARIの新アルバム『Eye』『Lip』同時発売、ツアー&海外盤も

  5. 『アベンジャーズ/エンドゲーム(原題)』は4月に日米同時公開、予告編も 5

    『アベンジャーズ/エンドゲーム(原題)』は4月に日米同時公開、予告編も

  6. 斎藤工主演『麻雀放浪記2020』がマカオ国際映画祭出品中止、過激な内容で 6

    斎藤工主演『麻雀放浪記2020』がマカオ国際映画祭出品中止、過激な内容で

  7. 「マニアック女子」の部屋と部屋主を撮影、川本史織の写真展『堕楽部屋』 7

    「マニアック女子」の部屋と部屋主を撮影、川本史織の写真展『堕楽部屋』

  8. 入場料のある本屋「文喫 六本木」オープン間近、ABC六本木店の跡地に 8

    入場料のある本屋「文喫 六本木」オープン間近、ABC六本木店の跡地に

  9. 上白石萌歌がHY“366日”歌う、井之脇海との恋物語「午後の紅茶」CM完結編 9

    上白石萌歌がHY“366日”歌う、井之脇海との恋物語「午後の紅茶」CM完結編

  10. 大英博物館で日本国外最大規模の「漫画展」。葛飾北斎から東村アキコまで 10

    大英博物館で日本国外最大規模の「漫画展」。葛飾北斎から東村アキコまで