特集 PR

GRAPEVINEが語るデビューからの20年。ヒット、転機、そして今

GRAPEVINEが語るデビューからの20年。ヒット、転機、そして今

GRAPEVINE『ROADSIDE PROPHET』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:森山将人 編集:矢島由佳子
2017/09/06

当時はボーカリゼーションに関して、いろんなことに揺らいでいたような気がします。(田中)

―着実な歩みが実を結んだのがメジャーデビューから3年目で、“スロウ”(1999年1月)と“光について”(1999年4月)が話題を呼び、アルバム『Lifetime』(1999年5月)が大ヒットを記録しました。当時は「これが勝負作」のような気持ちがあったのでしょうか?

亀井:僕ら自身は、そこまで肩肘張ってる感じではなかったですけど、周りにはあったんでしょうね。「力を入れてくれている」というのは感じてました。この時期に初めてプロデューサーをつけてもらいまして、根岸(孝旨)さんと一緒に作業をするようになって、結構ガラッとバンドのいろんなことが変わりだしたんですよね。

田中:亀井くんのメロディーが爆発してきた頃なんじゃないかと思いますね。それが根岸さんの入ってくれた時期と上手く重なって、楽曲に結実したのが“スロウ”だったり、“光について”だったりしたのかなって。

西川:(リストを見ながら)18年前の曲ですか……懐メロですよね(笑)。

田中:実際懐メロよ、ホンマ。

亀井亨

西川:今でも僕らに対してこの頃の印象を持ってる人が結構いると思うんです。重くて、ちょっとダークな感じ。僕らのカラーって、これになってるんじゃないですかね?

―“スロウ”はミュージックビデオも印象的だったので、少なくとも当時はそのイメージが強かったように思います。

西川:そのあとは、これとは違う方向のものを作ろうとしたり、いろいろやりだすんですよね。でも、相変わらずこのイメージを「GRAPEVINE」という名前に持ってる人は多いのかなって。

田中:実際『Lifetime』がセールス的にも一番売れたしね。このアルバムだけを持ってるという人も多いだろうから、当然そのイメージになりますよね。

―田中さんはもともとギター志望だったけど、西原(誠)さんの推薦があり、結果的にボーカルをやるようになったんですよね。この頃にはボーカリストとしての自覚が固まっていたと言えますか?

田中:もちろん、最初から自覚がなければやってなかったとは思うんですけど、今から思えば、当時はボーカリゼーションに関してまだまだ暗中模索でしたね。いろんなものに影響されて、いろんなことに揺らいでいたような気がします。

田中和将

―デビュー後の数年間というのは、どのバンドも「~っぽい」というようなラベリングがされがちで、そのなかでの試行錯誤があった?

田中:すごくあったと思います。でも、メンバー(西原誠)が一人脱退して、サポートの二人(金戸覚、高野勲)に入ってもらった頃から、バンド全体に若干の開き直りにも似た強さみたいなものが生まれ始めて、自分の意識もすごく変わったんですよね。

でも、結構苦労はしましたよ。いろんなことがガラッと変わって、当時はすごく大変だった。(西川)

―2002年に西原さんの脱退があり、高野勲さんと金戸覚さんを含めた5人体制が徐々に確立されて行きました。

亀井:シングルで言うと“BLUE BACK”(2002年10月)が、西原さんが在籍していた最後のシングルで、『イデアの水槽』(2003年12月)から今のサポートメンバーの二人とレコーディングしだしたのかな? その辺が転機かもしれないですね。シングルで言うと、“会いにいく”(2003年9月)とか。

亀井亨

―ここからセルフプロデュースになったんですよね。

田中:そうですね。その前の『another sky』(2002年11月)が西原誠在籍最後のアルバムになるんですけど、腕の状態を騙しながらやっていたというか、レコーディングはかなり大変だったんです(西原はジストニアを発症していた)。そこに金戸さんがときどき遊びに来てくれて、高野さんにも入ってもらっていたから、すでにそのときから、その後につながる雰囲気があって。

『イデアの水槽』から正式にサポートのお二人にレコーディングから入ってもらって、一緒に曲作りもやって、根岸さんとは離れてセルフプロデュースでやりだしたんですよね。だから、『イデアの水槽』のときはみんなたぎってたんじゃないかと思います。

西川:でも、結構苦労はしましたよ。ベーシスト、プロデューサー、あとディレクターも、みんないなくなっちゃったので。ホントにいろんなことがガラッと変わって、当時はすごく大変だった記憶がありますね。

田中:ちょうどいろんな転機が訪れた時期だったんですよね。会社的にも大規模な人事異動があって、長年一緒にやってくれてたディレクターが離れて。

―だからこそ、メンバーとしては「たぎった」状態で、その局面をなんとか乗り越えようとした?

西川:いやあ、実際は「えー!?」って感じでしたよ(笑)。「全員いなくならなくてもいいのに」って。幸い、エンジニアの宮島(哲博)さんだけはずっと一緒にやってくれたので、まだ助かったんですよね。あれでエンジニアまで変わってたら……泣いてたかもしれない(笑)。

左から:亀井亨、西川弘剛

田中:宮島さんはわりとプロデューサー気質というか、一歩引いて見てくれる人なので、宮島さんがいたからこそ「セルフプロデュースでもやれるんじゃないか」と思えたところはありましたね。

曲作りに関しては、誰かが持ってきたデモテープをバンドでジャムっていく方法を未だに僕らは続けてるんですけど、その方法論に最初からサポートのお二人が入って、アレンジを一緒にやっていくっていうのは、新バンドを結成したような気持ちにもなりました。

Page 2
前へ 次へ

リリース情報

GRAPEVINE『ROADSIDE PROPHET』20th Anniversary Limited Edition
GRAPEVINE
『ROADSIDE PROPHET』20th Anniversary Limited Edition(CD+DVD)

2017年9月6日(水)発売
価格:4,320円(税込)
VIZL-1216

[CD]
1. Arma
2. ソープオペラ
3. Shame
4. これは水です
5. Chain
6. レアリスム婦人
7. 楽園で遅い朝食
8. The milk(of human kindness)
9. 世界が変わるにつれて
10. こめかみ
11. 聖ルチア
[DVD]
・「GRAPEVINE STUDIO LIVE 2017」
1. 覚醒
2. EAST OF THE SUN
3. KOL(キックアウト ラヴァー)
4. Arma
5. スロウ
6. CORE
7. 吹曝しのシェヴィ
8. 放浪フリーク
・“Arma”PV
・「RECORDING DOCUMENT 2017」

GRAPEVINE『ROADSIDE PROPHET』通常盤
GRAPEVINE
『ROADSIDE PROPHET』通常盤(CD)

2017年9月6日(水)発売
価格:3,240円(税込)
VICL-64820

1. Arma
2. ソープオペラ
3. Shame
4. これは水です
5. Chain
6. レアリスム婦人
7. 楽園で遅い朝食
8. The milk(of human kindness)
9. 世界が変わるにつれて
10. こめかみ
11. 聖ルチア

イベント情報

『GRAPEVINE tour 2017』

2017年10月5日(木)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

2017年10月7日(土)
会場:新潟県 LOTS

2017年10月8日(日)
会場:長野県 CLUB JUNK BOX

2017年10月14日(土)
会場:兵庫県 Kobe SLOPE

2017年10月15日(日)
会場:静岡県 浜松 窓枠

2017年10月21日(土)
会場:熊本県 B.9 V1

2017年10月22日(日)
会場:鹿児島県 CAPARVO HALL

2017年10月27日(金)
会場:岡山県 YEBISU YA PRO

2017年10月28日(土)
会場:香川県 松山 サロンキティ

2017年11月5日(日)
会場:北海道 札幌 PENNYLANE24

2017年11月11日(土)
会場:岩手県 盛岡 CLUB CHANGE WAVE

2017年11月12日(日)
会場:宮城県 仙台 Rensa

2017年11月18日(土)
会場:福岡県 BEAT STATION

2017年11月19日(日)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO

2017年11月23日(木・祝)
会場:愛知県 名古屋 ダイアモンドホール

2017年11月24日(金)
会場:大阪府 NHK大阪ホール

2017年11月26日(日)
会場:石川県 金沢 EIGHT HALL

2017年12月1日(金)
会場:東京都 有楽町 国際フォーラム ホールA

プロフィール

GRAPEVINE
GRAPEVINE(ぐれいぷばいん)

ブルースやソウルに耽溺していた早熟なボーカリストと、ビートルズやニール・ヤング、XTCに影響をうけたプレイヤーたちが大阪で出会う。彼らはマーヴィン・ゲイの曲から名前を借用し、ロックバンド「GRAPEVINE」を結成する。結成メンバーは田中和将(Vo,Gt)、西川弘剛(Gt)、亀井亨(Dr)、西原誠(Ba)。セルフリリースのカセットテープが注目をあび、1997年にポニー・キャニオンと契約。1997年9月、ミニアルバム『覚醒』でデビュー。2002年に西原誠が脱退し、金戸覚(Ba)、高野勲(Key)がメンバーに加わった2014年、ビクター / スピードスターレコーズに移籍。2017年9月6日、最新アルバム『ROADSIDE PROPHET』をリリース。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

BIM“Wink”

BIMの新作『NOT BUSY』より“Wink”の映像が公開。ゆるめに結んだネクタイは軽妙洒脱でも、背伸びはしない。どこか冴えない繰り返しのなかで<だって俺らの本番はきっとこれから>と、吹っ切れなさもそのままラップして次へ。BIMの現在進行形のかっこよさと人懐っこさがトレースされたようなGIFアニメが最高にチャーミング。(山元)

  1. BiSHから届いた胸が詰まるような手紙。全員で語る空白の数か月間 1

    BiSHから届いた胸が詰まるような手紙。全員で語る空白の数か月間

  2. VTuber集結『NHKバーチャル文化祭』にキズナアイ、シロ、さだまさしら 2

    VTuber集結『NHKバーチャル文化祭』にキズナアイ、シロ、さだまさしら

  3. YOASOBI楽曲の原作小説集『夜に駆ける YOASOBI小説集』9月刊行 3

    YOASOBI楽曲の原作小説集『夜に駆ける YOASOBI小説集』9月刊行

  4. 著名人が選ぶ『ゲーム・オブ・スローンズ』ベストエピソード一挙放送 4

    著名人が選ぶ『ゲーム・オブ・スローンズ』ベストエピソード一挙放送

  5. 芦田愛菜『星の子』永瀬正敏と原田知世が「あやしい宗教」信じる両親役 5

    芦田愛菜『星の子』永瀬正敏と原田知世が「あやしい宗教」信じる両親役

  6. 星野源、去年11月のニューヨークライブの模様をNHK総合で地上波初オンエア 6

    星野源、去年11月のニューヨークライブの模様をNHK総合で地上波初オンエア

  7. 森七菜が歌う“スマイル”カバー配信リリース ホフディランがプロデュース 7

    森七菜が歌う“スマイル”カバー配信リリース ホフディランがプロデュース

  8. 田丸雅智×曽我部恵一が登壇『真夏のショートショート食堂』オンライン開催 8

    田丸雅智×曽我部恵一が登壇『真夏のショートショート食堂』オンライン開催

  9. のん×林遣都が共演 大九明子監督、綿矢りさ原作の映画『私をくいとめて』 9

    のん×林遣都が共演 大九明子監督、綿矢りさ原作の映画『私をくいとめて』

  10. もう、人間と自然は共生できない 環境学者・五箇公一インタビュー 10

    もう、人間と自然は共生できない 環境学者・五箇公一インタビュー