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THE NOVEMBERS×The Horrors 日英のバンド事情を教え合う

THE NOVEMBERS×The Horrors 日英のバンド事情を教え合う

THE NOVEMBERS『Before Today』、The Horrors『V』
インタビュー
田中宗一郎
テキスト・構成:花木洸 撮影:馬込将充 テキスト・編集:山元翔一

約3年ぶりとなるアルバム『V』のリリースを控えるThe Horrorsと、彼らから影響を受け、先日キャリア初となるベストアルバム『Before Today』をリリースしたTHE NOVEMBERSの小林祐介の対談が実現した。

歴史的・文化的背景から見ても、日本とイギリスのバンド事情が異なるというのは多くの人が知るところだろう。では、実際どれくらい違うのか? 2組の対談では、そのことが浮き彫りになったように思う。ソーシャルメディアの発達、サブスクリプションサービスの普及など、音楽を取り巻く環境が劇的に変化するなか、状況は違えど、同じようにロックバンドとして生き残ってきた両者。彼らは今、何を思うのか。音楽評論家の田中宗一郎を案内役に、驚きとギャップに満ちた対話をお届けしたい。

自分たちが飽きてしまったらバンドをやっている意味はない。だから他の人がやっていることはあんまり気にならないんだ。(ファリス)

田中:まず、The Horrorsの新譜の話をさせてほしいんですけど、小林くんは2枚のシングル(“Machine”と“Something To Remember Me By”)、そしてアルバム『V』にどんな感想を持ちましたか?

小林:最初に“Machine”を聴いたときに、僕らもふくめて周りの人はみんな驚いていました。それで「どういうモードのアルバムが出るんだろう?」って話をしたりしましたね。「初期のThe Horrorsと最近のThe Horrorsのどっちのいいところもある」って言う人もいたんですけど、僕は更新されているように感じて。

田中:それはアルバム全体として?

小林:というよりもバンドとしてですね。30代になって、いい意味で落ち着いていったり、スタイリッシュになっていくバンドってたくさんいると思うんですけど、The Horrorsが尖ったものをダイレクトな形で表現してくれたのは、すごくエキサイティングでした。

小林祐介(THE NOVEMBERS)
小林祐介(THE NOVEMBERS)

リース(Ba):ありがとう。この作品は僕らにとっても大事なアルバムだったんだ。最初のアルバムから10年、作品としては5作目だから何か変化がほしくてね。雰囲気的にもそうだし、エネルギー的にもちょっと違ったものを提示したかった。だから「デンジャー」な要素をあえて注入したんだ。

小林:アルバム自体はすごくバリエーションに富んでいますよね。リースが「デンジャー」って表現したような尖ったこともやっている。トレンドを意識したところはあるんですか?

ファリス(Vo):その質問に答えるには、まず「トレンドとは何か?」ってところが難しいな。僕らの話でいうと、自分たちが楽しければいいっていう意識でやっている。大事なのはそこだけだからね。自分たちが飽きてしまったらバンドをやっている意味もないし。だから他の人がやっていることはあんまり気にならないんだ。

ファリス・バドワン(The Horrors)
ファリス・バドワン(The Horrors)

田中:The HorrorsもTHE NOVEMBERSも、作品を作るときに過去の作品やカルチャーを引用してきて、それを現代的に再定義しているじゃないですか。歴史とかカルチャーに対する理解の上で、「今」を捉えている。この2組にはそういう共通点があると思うんですよね。

つまり、デヴィッド・ボウイ辺りがずっとやってきたことの系譜というか。ただ、そういったアングルっていうのは自分たちのアイデンティティーにおいてどのぐらい重要だと思いますか?

リース:僕らの場合は、音楽の好みの幅がすごく広くて、特定のサウンドやムーブメントだけじゃなく好きなものすべてがインスピレーション源になっているから、君が言ったように感じるんだろうな。実際は、歴史や文化の再定義みたいなことに関して、そこまで意識的なわけじゃないよ。

僕らはThe CrampsとかThe Sonicsのようなガレージロックから、Kraftwerkをはじめとするエレクトロニックミュージックまで、好きなものすべてからインスピレーションを受けているんだ。ただ影響を受けつつも、自分で音楽を作る以上は、将来に向けて新しいものを作りたいっていう気持ちが第一にある。それが、僕らのアティチュードなんだ。

リース・ウェッブ(The Horrors)
リース・ウェッブ(The Horrors)

田中:小林くんはどうですか?

小林:それは僕らも本当に同じですね。

リース:インスピレーションを受けたものを「そのまま作り変える」「再生産する」じゃなくて、更新していかなくちゃいけないと思う。ポップもロックも50年以上新しいものを生み出し続けてきたわけだよね? その上で「さらにこれから何が楽しめるのか?」ってことを僕らは提供していかなきゃいけないんだよ。

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リリース情報

THE NOVEMBERS『Before Today』完全生産限定盤
THE NOVEMBERS
『Before Today』完全生産限定盤(2CD)

2017年10月14日(土)発売
価格:8,640円(税込)
HSE-8028/9

[CD1]
1. Romancé
2. 美しい火
3. Blood Music.1985
4. 鉄の夢
5. human flow(dip cover)
6. Flower of life
7. きれいな海へ
8. mer
9. Misstopia
10. はじまりの教会
11. こわれる
12. 最近あなたの暮らしはどう(Before Today ver.)
[CD2]
1. 黒い虹
2. Xeno
3. dogma
4. Sky Crawlers
5. keep me keep me keep me
6. GIFT
7. 再生の朝
8. 永遠の複製
9. dysphoria(Before Today ver.)
10. アマレット
11. バースデイ
12. 今日も生きたね
※オリジナルボックス仕様、非売品Tシャツ、ブックレット、小物が付属予定

THE NOVEMBERS『Before Today』通常盤
THE NOVEMBERS
『Before Today』通常盤(2CD)

2017年9月13日(水)発売
価格:2,500円(税込)
HSE-8026/7

[CD1]
1. Romancé
2. 美しい火
3. Blood Music.1985
4. 鉄の夢
5. human flow(dip cover)
6. Flower of life
7. きれいな海へ
8. mer
9. Misstopia
10. はじまりの教会
11. こわれる
12. 最近あなたの暮らしはどう(Before Today ver.)
[CD2]
1. 黒い虹
2. Xeno
3. dogma
4. Sky Crawlers
5. keep me keep me keep me
6. GIFT
7. 再生の朝
8. 永遠の複製
9. dysphoria(Before Today ver.)
10. アマレット
11. バースデイ
12. 今日も生きたね

THE NOVEMBERS
『美しい日』(2DVD)

2017年9月13日(水)発売
価格:5,940円(税込)

[DVD1]
1. Hallelujah
2. 風
3. 1000年
4. !!!!!!!!!!!
5. Xeno
6. 愛はなけなし
7. ただ遠くへ
8. 時間さえも年老いて
9. 236745981
10. GIFT
11. ブルックリン最終出口
12. きれいな海へ
13. 鉄の夢
14. dysphoria
15. Blood Music.1985
16. こわれる
17. 黒い虹
18. 美しい火
19. あなたを愛したい(Encore)
20. いこうよ(Encore)
21. 今日も生きたね(Encore)
[DVD2]
1. 11th Anniversary Documentary

The Horrors『V』日本盤
The Horrors
『V』日本盤(CD)

2017年9月22日(金)発売
価格:2,592円(税込)
HSU-10162

1. Hologram
2. Press Enter To Exit
3. Machine
4. Ghost
5. Point Of No Reply
6. Weighed Down
7. Gathering
8. World Below
9. It’s A Good Life
10. Something To Remember Me By
11. Fire Escape(日本盤ボーナストラック)
12. Water Drop(日本盤ボーナストラック)

プロフィール

THE NOVEMBERS
THE NOVEMBERS(ざ のーべんばーず)

2005年結成のオルタナティブロックバンド。2007年にUK PROJECTより1st EP『THE NOVEMBERS』でデビュー。2013年10月からは自主レーベル「MERZ」を立ち上げ、2014年には『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演。小林祐介(Vo,Gt)は、CHARA、yukihiro(L'Arc~en~Ciel)、Die(DIR EN GREY)のサポート、浅井健一と有松益男(Back Drop Bomb)とのROMEO's bloodでも活動。ケンゴマツモト(Gt)は、園子温のポエトリーリーディングセッションや映画『ラブ&ピース』にも出演。高松浩史(Ba)はLillies and Remainsのサポート、吉木諒祐(Dr)はYEN TOWN BANDやトクマルシューゴ率いるGellersのサポートなども行う。2017年9月13日にキャリア初のベストアルバム『Before Today』をリリース。

THE NOVEMBERS
The Horrors(ざ ほらーず)

2006年、デビュー前にも関わらずNME誌の表紙を飾るなど超ド級の注目新人UKバンドとしてシーンに登場。2009年発表の2作目『Primary Colours』が全英25位を獲得。NME誌1位他、国内外の年間ベストを総なめにした。2011年の3作目『Skying』が全英5位を獲得し、モジョ誌2位を獲得。12年2月に開催した第1回『Hostess Club Weekender』でヘッドライナーを務める程ここ日本でも人気バンドへと成長。14年4月、4thアルバム『Luminous』をリリースするとサマーソニック出演の為に来日。そして2017年9月22日、5thアルバム『V』をリリースする。

田中宗一郎(たなか そういちろう)

編集者、音楽評論家、DJ。1963年、大阪府出身。雑誌『rockin’on』副編集長を務めたのち、1997年に音楽雑誌『snoozer』を創刊。同誌は2011年6月をもって終刊。2013年、小林祥晴らとともに『The Sign Magazine』を開設し、クリエイティブディレクターを務める。自らが主催するオールジャンルクラブイベント、『club snoozer』を全国各地で開催している。

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