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THE NOVEMBERS小林×ENDON那倉が誘う、深遠なるBorisの世界

THE NOVEMBERS小林×ENDON那倉が誘う、深遠なるBorisの世界

Boris『DEAR』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:永峰拓也 編集:山元翔一

今年結成25周年を迎えるBorisが、ニューアルバム『DEAR』を7月12日に日本先行リリースした。北米ドゥームメタルの代表格Sunn O)))との共作や、ジム・ジャームッシュ監督作への楽曲提供など、海外での活動を積極的に行う一方で、松たか子主演映画『告白』に新曲を書き下ろしたり、灰野敬二やMerzbow(秋田昌美)と共同名義の作品をリリースしたりと、日本でもメインストリームからアンダーグラウンドまで縦横無尽に行き来しながら表現の幅を広げてきた彼ら。

本作は、黄泉の淵から湧き上がってくるようなドローンサウンドの上で、極限まで削ぎ落とした鋼のようなギター、ベース、ドラムが重々しく打ち鳴らされるたび、時空がゆっくりと歪む――そんな前人未到の世界が眼前に立ち現れるような体験が味わえる作品に仕上がっている。

Borisというと、どこかアクセスへのハードルが高いと感じている人も多いかもしれない。そこで今回、彼らと馴染みの深いTHE NOVEMBERSの小林祐介と、ENDONの那倉太一に集まってもらい、新作を紐解きながら深遠なるBorisワールドへの道案内をしてもらった。

Borisのサウンドチェックを観たとき、あまりのかっこよさに爆笑しちゃったんですよ。そんな経験、初めてでした。(小林)

―今回、お二人は初対面だそうですが、お互いの存在を知ったのはどんなきっかけだったのですか?

那倉:それこそBorisのAtsuoさん(Vo,Dr,Perc,Electronics)からTHE NOVEMBERSのことを「いいバンドだぞ」と聞かされて、当時リリースされたばかりの『Rhapsody in beauty』(2014年)を聴いたのがきっかけですね。あのアルバムは、まるで不失者(灰野敬二が率いるバンド)のようなノイズミュージックから始まるじゃないですか。僕らENDONは、エクストリーム・ミュージックというフォーマットにノイズを融合させているのですが、THE NOVEMBERSはよりマスに訴える音楽性ではあるとはいえ、「関係のない音楽じゃないな」と。

思えば、2014年はBorisの『NOISE』、ENDONの『MAMA』、そしてTHE NOVEMBERSの『Rhapsody in beauty』がリリースされているんですよね。その事実にすごく意義深いものを感じます。

小林:僕もENDONの音楽を知るきっかけはAtsuoさんでした。「すごく面白いグループがいるから聴いてみて」と言われて聴いたとき、率直に言って、食らうものがありました。その頃、Borisはもちろん灰野敬二さんやMerzbowのようなノイズミュージックにも触れてはいたのですが、自分たちと同世代で、音そのものに説得力を感じさせて、バンドとしての立ち振る舞いが「かっこいいな」「ちょっと怖いな」と思える存在ってそんなにいなかったんです。ENDONとの出会いには、衝撃がありました。

左から:那倉太一(ENDON)、小林祐介(THE NOVEMBERS)
左から:那倉太一(ENDON)、小林祐介(THE NOVEMBERS)

ENDON『THROUGH THE MIRROR』(2017年)収録曲 THE NOVEMBERS『Hallelujah』(2016年)収録曲

―お二人ともAtsuoさんの紹介だったのですね。そもそもBorisを聴き始めたきっかけというか、馴れ初めはどのようなものでしたか?

那倉:僕は『PINK』(2005年)か、もしくは「Boris with Merzbow」名義で出した音源のどちらかだったと思います。それで当時出版された『ユリイカ(ポスト・ノイズ特集)』(2005年3月号)に掲載されていた、秋田昌美さんとAtsuoさんの対談を読んだんですよ。

そこには今まで自分がノイズミュージックに対して思っていたことや、ノイズとロックの関係を概観する流れになっていて、「おお、俺は間違ってなかったんだ」「Atsuoさん、いい人だな」と(笑)。

小林:僕が最初にBorisを聴いたのは、「PEACE MUSIC」の中村宗一郎さん(坂本慎太郎やOGRE YOU ASSHOLEなど手がけるレコーディングエンジニア)にマスタリングをお願いしたときでした。スタジオでゆらゆら帝国やMASONNAの話などいろいろ聞かせてもらうなかで、「小林くん、Borisは聴いたことある?」って。その場で聴かせてもらいつつ、Borisの音作りに関する話もしていただいたんですよね。

左から:小林祐介(THE NOVEMBERS)、那倉太一(ENDON)

―近年、THE NOVEMBERSは共演の機会も多いですが、最初に対バンをしたのはいつですか?

小林:2014年の4月に、新代田FEVERの5周年記念イベントで2マンをやったときです。直接お会いしたのはそれが最初で、その後はツアーに呼んでいただいたり、我々の企画イベントに出てもらったり、いろんな形で共演させてもらっています。

そうそう、そのBorisとの2マンは、黒田さんとMy Bloody Valentineについてお話した対談企画の直後にあったんですよ。2013年9月に国際フォーラムで、My Bloody Valentineのライブを初めて観て、自分が普段、「爆音」とか「轟音」と呼んでいたものなんて、「それに似た何か」でしかなかったと気づいたんです。目の前で何か「現象」が起こっているような、そんな音を浴びたのはMy Bloody Valentineが最初だった。

―そんな話をしましたね。

小林:Borisと共演することになったのは、自分たちもその場で「現象」を起こすような音を鳴らしたいと思って試行錯誤をし始めた矢先だったんです。まず彼らのサウンドチェックを観たのですが、あまりのかっこよさに爆笑しちゃったんですよ。そんな経験、初めてでした。

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リリース情報

Boris『DEAR』日本盤
Boris
『DEAR』日本盤(2CD)

2017年7月12日(水)発売
価格:3,456円(税込)
DYMC-300

[CD1]
1. D.O.W.N -Domination of Waiting Noise-
2. DEADSONG -詩-
3. Absolutego -絶対自我-
4. Beyond -かのひと-
5. Kagero -蜉蝣-
6. Biotope -ビオトープ-
7. The Power
8. Memento Mori
9. Dystopia -Vanishing Point / 何処へ-
10. Dear
[CD2]
1. More
2. Evil Perspective
3. D.O.W.N -Domination of Waiting Noise- (Full Version)

Boris『DEAR』
Boris
『DEAR』(3LP)

2017年7月12日(水)発売
価格:7,560円(税込)
DYMV-300

[SIDE-A]
1. D.O.W.N -Domination of Waiting Noise-
2. DEADSONG -詩-
3. Absolutego -絶対自我-
[SIDE-B]
4. Beyond -かのひと-
5. Kagero -蜉蝣-
6. Biotope -ビオトープ-
[SIDE-C]
7. The Power
8. Memento Mori
[SIDE-D]
9. Dystopia -Vanishing Point / 何処へ-
10. Dear
[SIDE-E]
1. More
2. Evil Perspective -イビルパースペクティブ-
[SIDE-F]
3. D.O.W.N -Domination of Waiting Noise- (Full Version)

イベント情報

『DEAR Release Party』

2017年7月15日(土)
会場:東京都 代官山 UNIT

プロフィール

THE NOVEMBERS
THE NOVEMBERS(ざ のーべんばーず)

2005年結成のオルタナティブロックバンド。2007年にUK PROJECTより1st EP『THE NOVEMBERS』でデビュー。2013年10月からは自主レーベル「MERZ」を立ち上げ、2014年には『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演。小林祐介(Vo,Gt)は、CHARA,yukihiro(L'Arc~en~Ciel)、Die(DIR EN GREY)のサポート、浅井健一と有松益男(Back Drop Bomb)とのROMEO's bloodでも活動。ケンゴマツモト(Gt)は、園子温のポエトリーリーディングセッションや映画『ラブ&ピース』にも出演。高松浩史(Ba)はLillies and Remainsのサポート、吉木諒祐(Dr)はYEN TOWN BANDやトクマルシューゴ率いるGellersのサポートなども行う。2016年9月21日に6枚目のアルバム『Hallelujah』をMAGNIPH/Hostessからリリース。

ENDON
ENDON(えんどん)

エクストリーム・ミュージックの決定的な更新を目論み結成、2007年現行のヴォーカル / ギター / ドラム / ノイズ×2体制に。ギター / ドラムのソリッドな演奏を機軸に、ハードコアやブラック・メタル的意匠をまといノイズで空間を埋め尽くすサウンドは、シーンの最先鋭として知られる。1stアルバム『MAMA』(2014年、BorisのAtsuoプロデュース)発表以降、バンド / ノイズ界は勿論、クラブ・カルチャーからストリート・シーンまで横断して活動。海外でのライブ活動も積極的に行い、2016年には2度の北米ツアーを実施した。2017年春にKurt Ballou(CONVERGE)によるUS録音の2ndアルバム『THROUGH THE MIRROR』を発表。秋にはBorisの北米ツアー全行程に帯同する。

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