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一ノ瀬雄太×シンボパン店主対談。イマドキの仕事・消費・交友

一ノ瀬雄太×シンボパン店主対談。イマドキの仕事・消費・交友

LUMINE ZERO MARKET
インタビュー・テキスト
田中宏
撮影:鈴木渉 編集:久野剛士

対岸から見たら超ダサいと思われるようなもののほうが面白い。(一ノ瀬)

―お二人はどんな人やモノを「好き」と感じられますか?

一ノ瀬:その人じゃなきゃできないことをやっている人が好きなんですけど、いま、デザイナーはみんな自分を見つめ直している時期だと思うんです。「自分にしかできないことなんて、果たして本当にあるのか」という自問自答を繰り返している。でも、その話も既に不毛な時代に突入していると思っていて。

―どう「不毛」なのでしょう?

一ノ瀬:たとえば、1000人のクリエイターを集めて、いちばんイケてるのはこの人、みたいな話じゃなくて、1000人全員に魅力があると思います。これは多くのジャンルに当てはまると思いますが、みんなが楽しいコンテンツって、最終的にはイマイチになるケースもあって、対岸から見たら超ダサいと思われるようなもののほうが面白いことが多い。

それはカルチャーのジャンル同士の小競り合いだったりするんだと思うんですけど、反対側から見たらまったく同じ感情なんだろうなと思うから、そこは自分たちの感性を信じるしかない。どっちが上か下かの話じゃなくて、「僕たちはこれがいいと思っています」と表明するべきだと思うんです。

一ノ瀬雄太(快速東京)

―まわりの意見は気にせず、好きなものを好きと宣言するということですね。

一ノ瀬:結局、どんなに売れたものでも、全員がバンザイすることなんてないですよね? それはコンテンツに関わる仕事をしている者としては、常に思います。いまは昔みたいに「アイドルのあの子が一番かわいい」みたいな価値観をメディアが生み出さなくなっていて、それぞれの価値観があっていいよねっていう時代だと思うんです。

―誰かから見てダサいものでも、別の誰かから見たらかっこいいっていう発想は素敵だと思います。

一ノ瀬:そうだと思います。僕も「あれは寒いな」と思うものもあるけど、向こうからしたらロックバンドやっているデザイナーとか本当に寒いだろうと思うし(笑)。そういう時代なんでしょう。「かっこいい」の価値観もぐちゃぐちゃじゃないですか。筋肉ムキムキが好きな人もいれば、メガネをかけた文化系が好きな人もいるわけだから。

僕がいちばん危険だと思うのは、世間一般に対して「こういうちっちゃいコミュニティーでやってるイケてる作家がいるんですよ」っていう言い方。そこは単純に「こういうことをやってる人がいるので、ぜひ見てください」という正々堂々としたスタンスでいるべきなんじゃないかなと。

シンボ:自分が好きっていうのは変わらないからね。

一ノ瀬:そこは胸を張って言えばいいと思います。

―では最後に、そうしたお二人が胸を張って「好き」と呼べる方々が集まった『LUMINE ZERO MARKET』を、お客さんにはどう楽しんでいただきたいですか?

シンボ:本当にいろんな人を呼んでいるから、逆に楽しみ方を教えてほしいくらい(笑)。これだけの広さにこれだけの人が集まって空間を作るから、自由に歩きながら楽しんで、新しいものを知ったり、発見してもらったり。出会ったことないものに出会ってほしい。

左から:一ノ瀬雄太(快速東京)、シンボユカ

一ノ瀬:けっこうな種類の店に参加してもらうんですよ。洋服屋さんも古着で有名な渋谷のBOYも出てくれたり、『走るひと』というランカルチャーの本を作っているチームが、ランウェアに特化した古着市をやってくれたり。

1980~1990年代とかの古着でも、ランウェアとして機能がちゃんとしているものはあるんですよ。多くのメディアは新製品の紹介がメインだと思うけれど、彼らはそうじゃない。「古着でもいいランウェアあるよ」みたいな、こういうときにしかできないことをアイデアとして出してくれて。

あとはUltra Inazumatic DJsというDJユニットに、レコードの中古市をやってもらえることになりました。

シンボ:あと、スタイリストの高山エリさんがスナックをやるんです。スタイリングのお悩み相談をしながら、ファッションで自分が変わる方法などをアドバイスしてもらって、そのまま買い物も楽しんでもらう。単なる買い物だけでは終わらない空間になると思います。

シンボユカ

―確かにネットで買い物するのとは、かなり違う体験ができそうですね。

シンボ:それに、magmaのキーホルダーも絶対に見て触らないと魅力がわからないと思います。

一ノ瀬:全部本人たちが手作りして、一個一個作ってるから、形とかちょっとずつ違うんですよ。

シンボ:「選ぶ」とか「出会う」っていう行為を楽しんでほしい。買い物って、それが楽しいと思うんです。私が買ったものも、たまたま出会ったものばっかりだし。

一ノ瀬:きっと宝物になるようなものに出会えると思います。

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イベント情報

『LUMINE ZERO MARKET』

2017年10月21日(土)、10月22日(日)
会場:東京都 新宿 LUMINE 0(NEWoMan新宿・5F)
入場無料

プロフィール

一ノ瀬雄太(いちのせ ゆうた)

ロックなグラフィックデザイナーとしてクリエイティブチーム「CEKAI」に所属。またロックバンド快速東京のギターでもある。雑誌『走るひと』、雑誌『STUDY』のアートディレクションを始め、さまざまな媒体のデザインに携わりながら、『シティボーイ縁日』などといったイベントのオーガナイズも手がける。快速東京は現在ニューアルバムを製作中。

シンボユカ

2010年12月、立川にてパンと喫茶の店、シンボパンを始める。毎日食べたくなってしまう素朴でおいしいものがとてもすき。お店のコンセプトは「あなたの街のふれあいの店」。また、店内では音楽や展示などのイベントを開催したり、さまざまなアーティストのケータリングにも参加し活動の幅を広げている。

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