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BRAHMAN・TOSHI-LOWが語る、寺山修司に学んだ言葉と生き方

BRAHMAN・TOSHI-LOWが語る、寺山修司に学んだ言葉と生き方

BRAHMAN『今夜 / ナミノウタゲ』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:中村ナリコ 編集:矢島由佳子

俺たちは整った生活をしているように見えて、横から見たら狂ってるのかもしれない。

—映画に対してはどんな感想を持たれましたか?

TOSHI-LOW:愛の形はハッピーエンドだけじゃないっていうかさ。嫉妬で殺人を犯してしまうのも愛なら、親のいない子がお母さんに会いたいって思うのも愛じゃん? そういうものがすべて包括されていて、エグイ部分をいっぱい並べてるのに、でもやっぱり最後に愛を感じるっていうのが、寺山修司のすごいところなんだなって改めて思った。みんな偏ってて、狂ってる人たちの集まりみたいなパラレルワールドが一個に集まるわけで。

TOSHI-LOW

—そのなかでの出会いと別れが描かれていて……。

TOSHI-LOW:最終的には「さよならだけが人生だ」って言葉に集約されるわけだよね。でもそれは決してただの悲観ではないし、「それでいいんだ」って、ニヒリズムでもない。そこには愛情があるんだけど、単純にヒューマニズムということでもないと思ってて、もっとこの人の「野性」を感じるっていうか。

—野性?

TOSHI-LOW:俺たちは整った生活をしているように見えて、横から見たら狂ってるのかもしれない。「反対側から見たら、暗黒舞踏の白塗りと同じじゃん」っていう、そこが寺山には見えてるんだと思う。

満員電車とかそう思わない? 駅に向かって整然と流れていく人を上から見たら、「うわ」って思うと思うんだよね。それと白塗りで性器出して踊ってるのって、実は反対側じゃないっていうか。

TOSHI-LOW

—平日にライブやって、打ち上げして、朝帰りするバンドマンと、スーツを着て出勤するサラリーマンの構図っていうのも、一見真逆のようで、でも本質的にはそうじゃない。

TOSHI-LOW:そう。そこに正しさなんてなくて、どっちも狂気なんじゃないかと思うわけ。会社に行けばいいと思ってる人たちも狂気だし、朝まで飲んでるのも狂気。人間はそれを持ち合わせてるのが普通で、その狂気性みたいなところが寺山修司の作品には表れている。まあ、「狂気」って一言でも片づけられない……それが「野性」ってことかなって。

—なるほど。

TOSHI-LOW:人間がもともと持っていて、今みんなが隠してるもの。集団生活のなかでは隠さないと生きていけないのかもしれないけど、でも本当はみんな持ってるもの。それがずっと背中に映ってるような男が好きなのかもしれない。

TOSHI-LOW

どうせ死ぬってわかってるんだけど、鬼ごっこの鬼みたいに、なにかを求めて、やるべきことを探してる。それは寺山の言葉があったからなんじゃないかな。

—最後に改めて、表現をする人間としてTOSHI-LOWさんが寺山修司から受け取ったものについて、話していただけますか?

TOSHI-LOW:自分がこんな歪な人間に育ったひとつのきっかけなわけだよね。でも、今になれば、歪でよかったなって思う。周りと同じ形にされなくてよかった。

まあ、とにかくこの人は難しい人なんだよね。さっき言ったみたいに、ヒューマニズムだけじゃないし、ニヒリズムを感じることもあるけど、最終的には希望なのかなって思うし、でもそれって絶望でもあるし。そういう言葉の面白さを教えてもらったということでもあるんだけど。

—めちゃくちゃ複雑だし、答えはないけど、でもそれが人間というもので、言葉を通じてそこに迫ろうとした人なんでしょうね。

TOSHI-LOW:「あしたは きっとなにかある あしたは どっちだ」ってさ、あれに勝てる言葉書けたことないよ。でも、「じゃあ、幸せってなんだろう?」って考えたときに、決して一元的なものじゃなくて、「希望と絶望が一緒に向かってくる」みたいな感覚を持てたのはよかったなって思う。

『ポケットに名言を』を、これからもずっとポケットに入れて生きていくんだろうなっていうのは感じるかな。で、10年に1回くらいペラペラめくっては、そのときの自分に合った言葉が必ず見つかって、それに助けられたりしながら生きていくんだろうなって。でも、今回これで交わったから、次寺山にお会いするときは、もう寺山の歳を越えてしまうのかも。(亡くなったのは)50歳の手前でしょ?

TOSHI-LOW

—47歳ですね。その歳を越えたら、また感じ方が変わるのかもしれない。

TOSHI-LOW:そうだろうね。そう考えると、47歳までは生きてみたいと思うなあ。そのときにわかる言葉に出会ってみたいし、そこで生きていく言葉が見つかればその先も生きていくし、運命がそうじゃないと言えば、そこで終わるんだろうし。

これまでもずっとそうなんだけど、自分が短絡的な生き方をしてないのは、寺山の言葉があったからなんじゃないかな。「どうせ死ぬんだから、好きなことやろうぜ」って言っちゃえば、人生なんて簡単じゃん? どうせ死ぬってわかってるんだけど、鬼ごっこの鬼みたいに、なにかを求めて、やるべきことを探してる。そういうのって、きっと誰かの後押しがあるはずで。

—そのなかの大きなひとつが、寺山修司の言葉だと。

TOSHI-LOW:うん、間違いなくそうだろうね。

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リリース情報

BRAHMAN『今夜 / ナミノウタゲ』初回限定盤
BRAHMAN
『今夜 / ナミノウタゲ』初回限定盤(CD+DVD)

2017年10月4日(水)発売
価格:2,160円(税込)
TFCC-89633

[CD]
1.今夜
2.ナミノウタゲ
[DVD]
Tour「戴天」 LIVE & DOCUMENTARY
1. 守破離 GUEST:KO (SLANG)
2. GOIN' DOWN
3. 賽の河原
4. SEE OFF
5. SPECULATION
6. EPIGRAM
7. ONENESS
8. 終夜
9. FOR ONE'S LIFE
10. 怒涛の彼方
11. NEW SENTIMENT
12. 警醒
13. 不倶戴天
14. ラストダンス GUEST:ILL-BOSSTINO (THA BLUE HERB)
15. 不倶戴天

BRAHMAN
『今夜 / ナミノウタゲ』通常盤(CD)

2017年10月4日(水)発売
価格:1,080円(税込)
TFCC-89634

1.今夜
2.ナミノウタゲ

BRAHMAN
『今夜 / ナミノウタゲ』(7inch)

2017年10月4日(水)発売
価格:1,080円(税込)
TFKC-38029

[side A]
今夜
[side B]
ナミノウタゲ

イベント情報

BRAHMAN
『八面玲瓏』

2018年2月9日(金)
会場:東京都 九段下 日本武道館
料金:6,000円(記念メダル付)

リリース情報

『あゝ、荒野』特装版(Blu-ray)
『あゝ、荒野』特装版(Blu-ray)

2017年11月1日(水)発売
価格:10,584円(税込)
VPXT-71558

監督:岸善幸
脚本:港岳彦
原作:寺山修司『あゝ、荒野』(角川文庫)
主題歌:BRAHMAN“今夜”
出演:
菅田将暉
ヤン・イクチュン
木下あかり
モロ師岡
高橋和也
今野杏南
山田裕貴
河井青葉
前原滉
萩原利久
小林且弥
川口覚
山本浩司
鈴木卓爾
山中崇
でんでん
木村多江
ユースケ・サンタマリア

『あゝ、荒野』特装版(DVD)

2017年11月1日(水)発売
価格:9,612円(税込)
VPBT-14650

監督:岸善幸
脚本:港岳彦
原作:寺山修司『あゝ、荒野』(角川文庫)
主題歌:BRAHMAN“今夜”
出演:
菅田将暉
ヤン・イクチュン
木下あかり
モロ師岡
高橋和也
今野杏南
山田裕貴
河井青葉
前原滉
萩原利久
小林且弥
川口覚
山本浩司
鈴木卓爾
山中崇
でんでん
木村多江
ユースケ・サンタマリア

プロフィール

BRAHMAN(ぶらふまん)
BRAHMAN(ぶらふまん)

1995年、東京にて結成。メンバーは、TOSHI-LOW(Vo)、KOHKI(G)、MAKOTO(Ba)、RONZI(Dr)。ハードコアと民族音楽をベースにしたサウンドで、パンク/ハードコアに留まらず、ロックシーンの先頭を走り続ける。国内だけでなくアジアやヨーロッパでもライブを行う。2011年3月11日の東日本大震災以降よりライブ中にMCを行うようになり、震災の復興支援を目的とした活動を積極的に展開。2015年7月4日に箭内道彦が監督を務めるドキュメンタリー映画『ブラフマン』が公開。8月12日に20th Anniversary Album『尽未来際』を発表した。2018年2月には、武道館公演が決定。

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