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Young Juvenile Youthに時代は味方する。5年の集大成を語る

Young Juvenile Youthに時代は味方する。5年の集大成を語る

Young Juvenile Youth『mirror』
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:小境勝巳 編集:山元翔一

コンプレックスの塊みたいな感じです。家族が家族だからというのもあるし。(ゆう姫)

—自信を感じられるというのは人として?

ゆう姫:そう、人として。

—むしろコンプレックスのほうが多いですか?

ゆう姫:そうですね。コンプレックスの塊みたいな感じです。家族が家族だからというのもあるし、自分のいる環境自体がコンプレックスみたいなところもありますね。

—自分と家族を比べられたり?

ゆう姫:やっぱり自分でも比べちゃいますからね(ゆう姫は松田優作の娘であり、松田龍平と松田翔太を兄に持つ)。

ゆう姫

—そこはこちらの想像が及ばないところもありますけど、ゆう姫さんにはきっと、表現をしながら自分のアイデンティティーが何なのかを知ろうとしているところがありますよね。

ゆう姫:まさにそれは私の人生の課題だなと思うんですよ。

—このアルバムのリリックにおいても、往々にしてご自身のアイデンティティーについて自問自答してますよね。それがラブソングであっても、ご自身のアイデンティティーについて歌っていると感じる。

ゆう姫:ほんとにそうですね。

—だから、サウンドもボーカルも歌詞の筆致も静謐なんだけど、青い炎が燃えているような熱量があって。それは、ゆう姫さんがアイデンティティーを自問自答している強度なのかなと思います。

ゆう姫:インタビュアーさんもしかして心理学者?(笑) その指摘はバッチリ合ってます。

ラストの3か月、血の滲むような作業をして。「人間ってこんなに作業を続けられるんだ」と思いました。(JEMAPUR)

—トラックを作っているJEMAPURさんから見た今作はいかがですか?

JEMAPUR:ちょっと時間をかけすぎたところもありますど、結果的に時間をかけたことによって到達できた完成度があると思います。自分のなかで、どこが制作の終わりかわからないというか、終われないんです(笑)。

ソロ活動のほうでも、もう4~5年くらい作品を出してなくて、未完成の曲が100曲くらい溜まっている。なぜかというと、作っている途中で、「技術的に未熟だな」と思って止まっちゃうんです。

2015年10月に行われたライブの模様

JEMAPUR:今回、僕自身にとって初めてのプロデュース作品ということもあって、本当の意味でもう一度ちゃんとエンジニアリングを学び直したんです。ゆう姫の声の魅力がしっかり伝わるようにというのと、音楽における「音の顔」と言えるようなところを突き詰めるために、ラストの3か月くらいで血の滲むような作業をして。「人間ってこんなに作業を続けられるんだ」と自分でも思いました。

ゆう姫:作業変態(笑)。

JEMAPUR:曲を作りながら、自分でも深淵さを把握できないくらい広がりを持っているものもあって。たとえば“A Way Out”とか。

—まさに。さっきブルースって言いましたけど、この曲はものすごく深淵なサウンドスケープが広がっていますね。

ゆう姫:そう、この曲ヤバいんですよ。

JEMAPUR:鳴っているのは全部電子音なんですけど、手を入れれば入れるほどどんどん有機的になって生モノっぽくなっていく行程がすごく面白かったです。触れば触るほど、グリッド的なコンピューターっぽいところから離れて人間味が出るので。このアルバムに特殊な響きがあるのは、それが理由だと思いますね。

「まだ違う、まだ強度がない、まだできる」って思って、リリースに踏み切れなかった。(JEMAPUR)

—4年前に生まれた曲と最新の曲を、一枚のアルバムに編めた意義も大きいと思います。要は、時差を感じさせない音楽的な説得力に富んでいる。

JEMAPUR:そうですね。何と言うべきなのかな……ソロだと特にそうなんですけど、基本的に僕は常に変態的なリサーチをしてるんですね。

—たとえば?

JEMAPUR:たとえば、「BOOMKAT」(クラブミュージックから実験的な音楽まで幅広く扱うレコードストア / オンラインショップ)にある音源を全部聴いたりってことなんですけど、それって僕のなかでは基本で。そこからじゃないと始められないというか、前提として、今の時代の最先端をちゃんと把握したいんです。誰がどこまで行き着いているのかをまず知りたい。

そういう人たちに対抗し、超えるものを打ち出すにはどうすればよいかを常に考えているんです。ただ、そういう意識だけでYJYをやろうとすると、人に伝わりにくいものになるところもあるんです。

ゆう姫

—それはYJYが歌モノのプロジェクトである影響も大きいですか?

JEMAPUR:歌モノだと特に難しいですね。というのは、先鋭的な音が向かっている方向って、質感やテクスチャーとか、インフラに対するハッキングの方法論みたいなところで。そうすると歌じゃなくて、現代美術みたいになってくるというか。

—サウンドアート然としてくると。

JEMAPUR:そう、サウンドアートになっていくので、リズムやテンポという概念のない領域に入っていっちゃうんです。そういう感性と、YJYのような歌モノの音楽をどう結び合わせられるかという領域をずっと探っていた時期もありました。「まだ違う、まだ強度がない、まだできる」って思って、リリースに踏み切れなくて結果的に時間がかかっちゃいましたね。

ゆう姫:私は、「もうやめて! 今の時点で最高だから!」って言ってね(笑)。まあ、「じゃあこれでOK」とも言いはしないんだけど、ストッパーをかけないと無限に作業を続けますから。私が意見を言うことで、お互いの軸を確認しているんです。

ゆう姫

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リリース情報

Young Juvenile Youth
『mirror』初回生産限定盤
Young Juvenile Youth
『mirror』初回生産限定盤(CD+DVD)

2017年11月22日(水)発売
価格:3,888円(税込)
UMA-9100/1

[CD]
1. Her
2. Keys
3. In Blue
4. When feat. Campanella
5. R.E.M.
6. Girlfriend
7. Gossip
8. Slapback
9. Youth
10. Hive
11. Anti Everything
12. A Way Out
13. Roman
[DVD]
1. Slapback
2. Her
3. Youth
4. Animation
※7インチサイズ紙ジャケット仕様、16Pブックレット付き

Young Juvenile Youth
『mirror』通常盤
Young Juvenile Youth
『mirror』通常盤(CD)

2017年11月22日(水)発売
価格:2,700円(税込)
UMA-1100

1. Her
2. Keys
3. In Blue
4. When feat. Campanella
5. R.E.M.
6. Girlfriend
7. Gossip
8. Slapback
9. Youth
10. Hive
11. Anti Everything
12. A Way Out
13. Roman

イベント情報

『birth of mirror』

2017年11月30日(木)
会場:東京都 六本木SuperDeluxe
ライブ:Young Juvenile Youth
DJ:
Daito Manabe (Rhizomatiks)
Licaxxx
Lighting:
HGRN
光線クラブ
Photo Exhibition:ティム・ギャロ

プロフィール

Young Juvenile Youth(やんぐ じゅゔぃないる ゆーす)

ヴォーカルゆう姫と電子音楽家JEMAPURによるエレクトロニック・ミュージック・ユニット。2012年より活動を開始。2015年、iTunesが世界中のニューカマーの中から選ぶ「NEW ARTIST スポットライト」に選出される。同年Beat Recordsよりミニ・アルバム「Animation」をリリース。iTunesエレクトロニック・チャートにおいて最高7週連続1位を獲得。映像作家・関根光才監督が手がけたMV「Animation」が海外を中心に話題を呼ぶ。U/M/A/Aに移籍後、2016年5月、「Hive / In Blue」を配信限定でリリース。同年、ショウダユキヒロ監督による新感覚体感型アート・フィルム『KAMUY』で村上虹郎と共にゆう姫が主演を務め話題を呼ぶ。この映画の中で重要な役割を担った楽曲「A Way Out」を「Youth」と共に配信と数量限定カセット・テープにてリリース。2017年11月、デビュー・アルバム『mirror』をリリースする。Taicoclub、朝霧JAM、EMAF TOKYO、Boiler Room、MUTEK.JPといった音楽イベントのみならず、YSL、sacai / UNDERCOVER PARTY、ERDEM x H&Mなどファッション界からも大きな注目を集める。

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