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いい曲を書きたい×ウケたいのせめぎ合い 4×4=16インタビュー

いい曲を書きたい×ウケたいのせめぎ合い 4×4=16インタビュー

Eggs
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:伊藤惇 編集:山元翔一
2017/12/18

「4×4=16」というその名の通り、二人の人間のかけ合いによって、とんでもない相乗効果を生んでいるユニットの登場である。OK?NO!!というインディーポップバンドの中心人物である上野翔と菅野明男が、バンド解散とともに本格始動させたこの宅録ユニット。本人たちの影響源から名前を借りるとすれば、このユニットは「沖井礼二といとうせいこうが、もしも一緒にユニットを組んだら」という、「もしもボックス」的な発想のもとに成り立っている。

Cymbalsに憧れ、端正なポップス職人の気質を持ったソングライター兼ギタリストの上野。片や口を開けばシティボーイズやバナナマンの名前を影響源に挙げる芸人気質のリリシスト、菅野。この二人が産み落とす音楽は、一聴すると、耳馴染みのいい良質なポップスのようだが、その奥にはとてもドロッとしたサブカルチャーの「念」のようなものが詰まっている。音楽でもお笑いでも、沼にハマるがごとくカルチャーに魅了された人間の「自己表現」とは、こうなるのだ。

「かっこいいもの」と「面白いもの」の中間が理想。(菅野)

—11月15日にリリースされた4×4=16としてのデビュー作『Short Show』は、ギターポップもあれば、ヒップホップソウルもあって、1曲1曲がめちゃくちゃキャラ立ちした作品ですよね。そして、体感としてはすぐ終わる作品だなって(笑)。

菅野:そう、すぐ終わるんですよね(笑)。だからタイトルは『Short Show』なんです。

上野:僕らは以前、OK?NO!!っていうバンドをやっていたんですけど、その頃からだいたい1曲3分くらいなんですよね。アルバム全体としても30分を越えないくらいが、ポップスとしてはちょうどいいなっていう感覚があって。僕はCymbalsがすごく好きで、彼らのように速くて、爽快感があって、何度でも聴きたくなるくらいサクッと終わるのが理想なんです。

4×4=16(左から:上野翔、菅野明男)
4×4=16(左から:上野翔、菅野明男) / 『Short Show』のトレイラーをEggsで聴く(Eggsを開く

—今回の収録曲のなかでは、僕は入江陽さんをフィーチャリングに迎えた“I'm still in Love”が大好きで。

菅野:ありがとうございます!

—この曲は、歌詞がまたいいですよね。<Number Girl アジカン ACIDMANとか 片耳 Earphoneで一緒に聴いた><ナンバガ教えてあげたGIRLは BIGMAMAハマってどっか消えた>っていう歌詞が、なんとも言えずリアルで(笑)。

菅野:この部分は……実話です(笑)。

—やっぱり(笑)。

菅野:この曲は、2000年代のリバイバルみたいなことがやりたかったんですよ。トラックはマサヒコ☆スーパーノヴァさん(ステキス)が僕らのために書いてくれたものなんですけど、聴いた瞬間にTERIYAKI BOYZの“I still love H.E.R. feat. Kanye West”(2007年)が思い浮かんで。

菅野:あの曲の、アメリカンスクールの男の子がフラれて「君はどこに行っちゃったの?」って言っている感じがやりたかったんですよね。女子の友達も全然いない、地味な高校生活を送ってきた僕らなりのTERIYAKI BOYZをやろうと。

—4×4=16のリリックには、“I'm still in Love”に対するTERIYAKI BOYZのような、引用やオマージュが結構あるんですか?

菅野:引用とかオマージュ、大好きです。2曲目のラップ曲“Fantastic Show!!”は、いとうせいこうさんの“マイク1本”(1995年)あたりを意識しています。僕の理想は、いとうせいこうさんとか、スチャダラパーなんですよ。『5th WHEEL 2 the Coach』(1995年)とか『偶然のアルバム』(1996年)あたりのスチャダラパーのような感じのことをやれたらいいなって思う。

—その「感じ」って言葉にできますか?

菅野:「かっこいいもの」と「面白いもの」の中間というか。曲は「いい曲だな」って思えるものでも、歌詞の内容をよく読んだら、ラップのなかにフリとボケが入っているような感じが理想なんです。

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リリース情報

4×4=16『Short Show』
4×4=16
『Short Show』

2017年11月15日(水)発売
価格:1,620円(税込)
EGGS-024

1. Goodbye Girl(feat. 清水裕美)
2. Fantastic Show!!
3. Boo-Wee do be down...(feat. セルラ伊藤、志賀Lummy)
4. I’m still in Love(feat. 入江陽)
5. Paperdriver(feat. 深澤希実)

プロフィール

4×4=16(ししじゅうろく)

2010年頃結成、2016年から断続的に活動開始。神奈川県出身の上野翔(ラップとギターと作曲)と菅野明男(ラップと作詞)の2人組。前身バンド「OK?NO!!」解散後はSoundCloudへの音源公開を中心に活動。上野は静岡朝日テレビのインターネットTV番組『Aマッソのゲラニチョビ』の音楽担当や、別バンド「毛玉」、「箱庭の室内楽」のメンバーとしても活動中。ゆるめるモ!などのバックバンドも務める。Cymbalsや□□□に憧れながら、4畳半の自室で日々Macに向かい楽曲制作中。

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