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『ミスiD』は女の子の居場所を作る 兎遊&ろるらりが首謀者と語る

『ミスiD』は女の子の居場所を作る 兎遊&ろるらりが首謀者と語る

『ミスiD2019』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:矢島由佳子

中学生のときは日本語がしゃべれなくて、友達もまったくいなかったから、「ぼっちが、世界を変える」というテーマに惹かれたんです。(兎遊)

—2017年3月、小林さんが「禁断の多数決」というユニットのライブを渋谷に観に来ていて、「“GOGO!! カンフーダンス feat.テンテンコ”でチャイナ服でステージに上がった女の子、ミスiDにエントリーしませんか。特にお団子ヘアの方」とツイートをしたんですよね(チャイナ服を着ているお客さんはステージに上がってOKとライブ前から告知されていた)。そのお団子ヘアの女の子、というのがろるらりさんだったと。

小林:一番後ろで観てたので、顔は全然見えなかったんですよね。僕、かわいさって顔じゃなく、シルエットだと思っているんです。顔も、作りよりも頭蓋骨の美しさとか、全体の骨格、そして動作や仕草、声やしゃべり方、あとはなんだろう…….空気感みたいな、そういうものの総合力。

ろるらりは、手足が長くてまずそのシルエットが圧倒的にグッときたんです。お団子ヘアの頭も最高で、仕草がかなりいびつ。なんか突出してたんですよね。顔の細かい造作は全然見えないけど間違いなくかわいいでしょと。ただ、ろるらりがそのときのチャイナ服の子だってわかったのは、かなりあとになってからで。顔もわからないので、カメラテストで会っても当然わからず(笑)。

—では、兎遊さんが応募しようと思ったきっかけは?

兎遊:もともと『ミスiD』を好きな親友のクラスメイトがいて、柳ゆうかっていうんですけど(『ミスiD2018』にて「死んだふりして生きるのはもう飽きた」賞を受賞)。2017年の秋頃、一緒にLADYBABYの2人になって初めてのインストアライブを横浜のタワーレコードへ観に行ったときに、小林さんから「『ミスiD』受けてみませんか?」って話しかけられて。

最初はまったく受けるつもりなかったんですけど、キャッチコピー(「ぼっちが、世界を変える」)に惹かれたんです。私、中学生のときは日本語がしゃべれなくて(中国とインドネシアのクオーターで、中学生のときに来日)、友達も最初まったくいなくて学校に行くのも本当に嫌だったから、「これ、中学生のときの私だ」って思ったんですよね。

兎遊
兎遊

小林:僕、外で「『ミスiD』どうですか?」と直接声をかけたのって、今まで3人くらいしかいないんですよ。そういう勇気を1ミリも持ち合わせてなくて、どうすれば知らない人に外で話しかけられるのかわからないんです。スカウトの人とかって本当に尊敬します(笑)。でも、そのときは、LADYBABYのイベントだから「『ミスiD』を知ってる」という前提があったんですよね。

制服の女子4人くらいでわちゃわちゃしてたんですけど、そのなかでもパッと目を引きました。単純に「二次元かな?」と思うかわいさもあったし、説明がつかない奥行きがあるというか、目に暗さがあった(笑)。あとは今の日本の女の子にほとんど感じない、作為のないピュアさ。かわいい以上のブラックホール的な魅力があったんだと思います。

—じゃあ、実際にその子が応募してくれて「やった!」という感じでした?

小林:いえ、最初はまったく気づかなかったんです。エントリーシートがとにかく適当で。エントリーネームが「あいう」で、写真は全部自撮り。スリーサイズも書いてない。写真もあまりにかわいすぎて「これ多分拾い写真っぽいし、この子は架空っぽいですね」って、選考委員の岸田メルさんと話してたくらいです。

エントリーシートに書いてあるのも「イラストを書くのとゲームがすき」くらいで、ほとんどが空欄。「人生でこれだけは経験しておきたいこと」が「ユウフォウキャッチャー上手くなりたい」って、もうなんじゃそりゃと。

ろるらり:それ、一番好き(笑)。

小林:空想を掻き立ててくれたというのはありました。こんなアンリアルな子が現実世界にいたら絶対面白いだろうなって。ろるらりは、エントリーシート、逆にすごく書いてたよね?

ろるらり:はい、すごく長文書いちゃった。多分兎遊ちゃんとは、情報量の差がすごい(笑)。

ろるらり
ろるらり

小林:印象に残ってるのは「自己顕示欲や承認欲求のそこそこの強さのため自分を安売りしてしまい、自爆してました。女の子であることを浪費することをやめ、計画的に消費したい」みたいな一文で。「なんのことだ?(笑)」って。とにかく妙に気になるエントリーシートで。

なので、今年受ける人にアドバイスをすると、エントリーシートは特に法則があるわけではないです。書けばいいってわけでもないし、書かなかったら落ちるわけでもない。とにかく気にならせてくれれば。

ろるらり:あ、今、なんで文章が長かったのかを思い出したんですけど、私、そのとき就活をしていて、現実逃避のために『ミスiD』を受けたところもあって。就活のエントリーシートは枠が埋まるくらい書いたほうが印象がいいって言われてたから、『ミスiD』のほうも無意識にそうなってて……でも、長さは関係ないっていう情報が今出ましたね(笑)。

小林:でも、個人的にはなるべくいろんなこと書いてほしいです。これ、やっぱり出版社主催のオーディションで、僕もそうですが、吉田豪さんや大森靖子さん、テレビ東京の佐久間宣行さん、岸田メルさん、家入一真さん、山戸結希さん、東佳苗さんなど、選考委員が本当にきちんと読んでくれる稀有なオーディションなので(笑)。

去年から選考委員に入ってくれてるSKY-HIこと日高くんも、あんなに忙しいのに本当に全部のエントリーシート読んでくれるし、菅野結以ちゃんからも「移動時間ずっと見すぎて通信制限かかりました」ってLINEが来ました。なので、もしあなたが広瀬すずみたいな100点のルックスじゃなかったら、とにかく「会ってみたい」と思わせる要素をひとつでも多く書き込んでほしい。本当に読みますから。

兎遊、ろるらり
兎遊、ろるらり

予想のつく範囲じゃない人が出てきてほしいですね。ポカンとするくらいの。(小林)

—みなさんは、『ミスiD2019』でどんな女の子と出会いたいですか?

小林:そう聞かれて誰かが答えそうな解答を超えてる人……ですかね。「なんじゃそりゃ?」っていう。「ちょっと暗めの美少女」とか「文系」とか「再起を期すアイドル」とか、いわゆる「『ミスiD』っぽい」と言われるタイプの女の子ももちろんウェルカムなんですが、正反対の底抜けに明るい人、ルックスなんてどうでもいいと思えてしまうくらいのパワーのある人、日本という範疇に留まらない人、ふざけたビジネスプランを持ってる人、不遜な人、「あなたはどこでなにをして生きてきたのでしょうか?」って思うくらいUMAみたいな人。多少わけがわからなくてもいい。

あと、もし一次選考の書類を通ったら二次がカメラテストなんですが、そこでは絶対にこれまでの受賞者を意識しないでほしい。水野しずがグランプリの翌年に、カメラテストでフリップ芸をやる子が増えたんです。だけど、しずのクオリティーを上回るなんてまず無理で。あれは狂気ギリギリの領域なので。正解なんてないので、自分のやり方で大丈夫です。

小林:兎遊は、受ける前に誰かの自己PR動画見たりした?

兎遊:女装っていうんですか? ピアノを弾いてる、あの動画、好きです。すごく楽しかった。最初本当に女の子かと思って、びっくりしました。

小林:アーバンギャルドのおおくぼ(けい)さん!(笑) 兎遊はジェンダーのボーダーに、いつも興味を示すんです。

小林:ろるらりは、二次のカメラテストでなぜアオザイを着たの?

ろるらり:アオザイは、高校時代の世界史の先生が「世界で一番そそる」と絶賛していたのでもともと気になっていて、一回着てみたいなと思ってました。「なんでもあり」と要項に書いてあるとはいえ、やっぱりミスコンだから、一応ビジュアルはそそる感じでいこうかなと思って。『ミスiD』のカメラテストを受けるにあたって「コスプレ可」と記載されていたので、これはチャンスだと確信し着てしまいましたね。アオザイを着る理由づけのためにダイワハウスのCM(「ベトナムにも」編)のモノマネをしようとしたんですけど、スタジオでとんじゃって、めちゃダサい動画になっちゃったから、絶対に落ちたと思ってました。

—でも、それが他の人とは違って面白かったわけですよね。

小林:そうですね。しかも「もう一回やります」って言って、それもとんじゃうっていう、Wでダサかった。でも、今見てもそこまで込みで作品になっているんですよね。今となっては、すごくろるらりっぽいという。

—個性がちゃんと魅力として表れていたと。

小林:やっぱり、自分らしくないこと、無理なことはしないほうがいいです。できないことに挑戦するとかじゃなくて、できることを工夫して大きくするようなプレゼンをしてほしい。

『ミスiD』の選考委員って、一見怖く見えるかもしれませんが、異常に優しいと思うんですよ。吉田豪さんが、自分の選考委員のプロフィールに「以前、寺嶋由芙さんが『ミスiDはシェルターみたいなもの』と言ってたんですけど、ボクも、ミスiDは、放っておいても成功しそうな人より、いろいろと鬱屈したものを抱えていたり(中略)、ここでしか評価されなさそうな人のほうが有利なオーディションであって欲しい」と書いているのですが、本当にそんなシェルター、駆け込み寺ではありたいと思ってるし、失敗や挫折や孤独から生まれるもののほうが世界を変えるって、わりと本気で思ってるところがあるんです。

—確かに、選考委員として名を連ねている方々は、挫折や孤独を知ってる人にしか生み出せないものがある、という考えを持っている方が多い印象です。

小林:実際、なんにもしゃべらない子をこんなに見守るオーディションはないと思います。下手したら、最初の2分しゃべらなくても、それはその人の空気だと思って全員でちゃんと見てます(笑)。普通は10秒で「はい、次!」ですよ。

『ミスiD』の選考の最大の特徴は、とにかくこの選考委員選考だということ。あらゆるジャンルの個性的な選考委員たちが、書類を読み、期間中はTwitterや配信まで見てくれ、最終面接を経て、印象に残れば選評までもらえる。そこでもらえる言葉が、その後の人生を左右することもあると思うんです。そのためだけに受けたっていいと思います。自分を誰かに丁寧に評価してもらうことなんて、人生、なくないですか?

ただ、そもそも、たとえば人を巻き込む力がとても優れてる人もいる。そういう人はちゃんとある「投票枠」、つまり毎日の応援を呼びかける「CHEERZ」や写真を買うことで応援する「アー写.com」を上手く使えばいいと思うんです。そこではやる気に応じて課金の呼びかけも必要になる。そこはそこで大事なサバイバル戦略なので見ています。つまり、自分はどこで勝負するのか、なんとなくでも戦略だけは立てておいたほうがいいかもしれません。

小林司
小林司

小林:2人はどんな人にエントリーしてほしいですか?

兎遊:かわいい子。純粋な、世の中の悪いことを知らなそうな顔の子。

小林:なるほど。兎遊がまさにそんな気がするけどね。

兎遊

兎遊
兎遊

小林:ろるらりは?

ろるらり:いい意味で期待を裏切るような人が出てくると、楽しくなるなって。

ろるらり

ろるらり
ろるらり

小林:本当に、予想のつく範囲じゃない人が出てきてほしいですね。ポカンとするくらいの。逆に向いてないかもしれないのは、ジャンルに限らず、正統派すぎる人かもしれません。純粋に女優だけをやりたい人、アイドルにしかなりたくない人、専属モデルになりたい人、なにかにしか興味がなく「他のことはやりません」という頑なな人。

受賞後に「大きな事務所に入りたいので紹介してください」と言ってくる人もいるんですが、それなら最初から大手事務所のオーディション受ければいい話で。『ミスiD』はまだ進化形態の途上です。最終的には、いわゆる「既成の事務所に入って、あとは芸能界で頑張って」ということではなく、そこにゆるく所属して、あらゆるジャンルの仕事をしたり、様々な場所や人や媒体、企業や文化的なものと、緩やかに常時接続してるような場所になりたいと思っています。『ミスiD』に残った人はなるべく自立した存在であってほしいし、自分で考えられる人、ケモノ道を往く覚悟がある人たちのホームグラウンドであればいいなと思うんです。そこから時々とんでもない新しい女の子、次の天才が育っていくような。

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プロジェクト情報

『ミスiD2019』
『ミスiD2019』

応募受付期間:2018年4月2日(月)〜5月13日(日)

応募方法:ミスiD2019オフィシャルサイト 専用応募フォームから応募
選考委員:
家入一真(株式会社CAMPFIRE 代表取締役)
大郷剛(プロデューサー)
大森靖子(超歌手)
菅野結似(モデル)
岸田メル(イラストレーター)
小林司(ミスiD実行委員長)
佐久間宣行(テレビ東京プロデューサー)
SKY-HI(Rapper/Singer/Producer)
中郡暖菜(bis編集長)
東佳苗(縷縷夢兎デザイナー)
山戸結希(映画監督)
吉田豪(プロインタビューアー)
ほか

プロフィール

兎遊(うゆ)

1999年10月7日生まれ。中華人民共和国出身(インドネシアとのハーフ)。イラストを描くこと、漫画を読むこと、ゲームをすること、ロリータファッションが好き。Aimer“Ref:rain”、どついたるねん“アイスクリーム”MVに主演。ミスiD2018グランプリ。

ろるらり

1996年4月24日生まれ。岩手県一関市出身。イラストレーターを軸に、モデル、女優、グラビアなどできることはなんでもやる系をしている。飽き性で目新しいものや珍しいものに触れないと死ぬ。ミスiD2018グランプリ。

小林司(こばやし つかさ)

講談社第一編集局企画部所属。ミスiD実行委員長。『FRaU』『VoCE』『KING』『FRIDAY』といった雑誌編集や、水原希子や二階堂ふみの本などの書籍編集を経て、2012年オーディション「ミスiD」をスタート。玉城ティナ、金子理江、黒宮れい、水野しず、菅本裕子ら新しいタイプの女子を輩出。4月2日より「ミスiD2019」エントリー中。5月13日まで。

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