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関和亮のコエが採用オーディションを開催。どんな作家を求める?

関和亮のコエが採用オーディションを開催。どんな作家を求める?

コエ
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:森山将人 編集:矢島由佳子

世界では、MV出身でビジュアル思考の強い映画監督が第一線で活躍している。(関)

—お2人はMV制作をたくさんやられてきたうえで、他の種類の映像作品も手がけられていますが、MVの経験が他の現場でも生かされることはありますか?

:むしろ、クライアントさんによってはそこを求められることが多いです。コマーシャルや映画、ドラマの現場で、「MV出身の人だからきっと面白く、かっこよくしてくれるだろう」というふうに思われがちで(笑)。実際、ずっとそれを専門でやってきた人と、僕らはちょっと違うんでしょうね。そこを「売り」にできたのは、MVの制作を経験したからこそというか。

一番わかりやすいのはビジュアルの作り方なんです。明らかにドラマの人とは違うやり方をしていると思う。画作りやロケーションのチョイス、アートディレクション……。MV監督って、アートディレクションもクリエイティブディレクションも、企画も、演出も、すべてやらなきゃいけないので、それらを生かしたうえでの作り込んだ世界観を求められることが多いですね。

関和亮

—逆にいえば、MVの制作を通して総合的なセンスが身につくのかもしれないですね。

:そうかもしれないですね。世界では、MV出身でビジュアル思考の強い映画監督が第一線で活躍していると思います。

—デヴィッド・フィンチャーやミシェル・ゴンドリー、マイケル・ベイ、マーク・ウェブ等々。

:そういう流れはあるのかなと思いますね。ただ、最近MVをあまり撮ってないので、「もう関はMVを撮らない」って思ってる人もいるみたいで(笑)。それはちょっと嫌なんですよ。「いつでもMV撮りますよ」とは言っておきたいですね。

関和亮監督ミュージックビデオ

山岸聖太監督ミュージックビデオ

僕自身が「向いている」と思ってやっているわけじゃないですからね。勘違いしてでもやれるほうが、幸せなのかも知れない。(関)

—映像クリエイターに向いている人って、どんな人だと思いますか?

:結局、映像クリエイターは1人じゃなにもできないんですよね。そういう意味では、「言葉」を持っている人がいいなと思います。人と話すときに黙っちゃったり、なにかを伝えたいと思ったときになにを言えばいいのかわからなかったりするよりは、わからなくても自分の思いを吐き出す必要のある仕事だなって思いますね。それは映像作家に限らない話なのかもしれないですけどね。別に「コミュ力はあったほうがいい」とかそういう話ではないのですが、言葉は大事だなってすごく思います。

—画力も必要ですか?

:絵コンテを描いて、みんなにイメージを共有する必要はありますが……聖太さんはどうか知らないけど、僕は絵が描けないんですよ。描けないなりに頑張って描くんですけど、全然上手くない(笑)。なので、上手くなくても監督にはなれます。まあ、描いていればちょっとずつ上手くもなってきますしね。

山岸:いや、僕も描けないです。本当に絵コンテが苦手で(笑)。さすがにコマーシャルとかでは「提出物」として必要なので描くんですけど、MVの絵コンテは描いたことがない。「字コンテ」なんです。

:へえ! じゃあ、やっぱり、絵コンテが描けなくても監督にはなれます(笑)。僕も、美大も行ってなければ小中高の美術の成績は常に「2」でしたからね。聖太さんも、もともとゲーム畑の人ですし。

山岸:そうですね。もともとはゲーム雑誌の出版社に入って、そうしたらたまたま「映像部」という部署が立ち上がってそこに配置され、そこから映像に触れていったという感じなんです。

山岸聖太

—よく、絵を始めたけど映像にいく人とか、ファインアートをやっていたのにイラストレーターへ転向する人とか、途中でコースが変わる人っているじゃないですか。そういう人はきっと、自分の表現したいことがあって、その手段を探しているうちに求めるものを見つけていると思うんです。となると、やはり「映像に向いているタイプ」というのはあるのかなと。

山岸:なるほど。僕はもともと人前に出て表現することに興味はなかったんですけど、どこかで人に見てもらったり、「面白い」と思ってもらったりしたいという気持ちがあったんですよね、きっと。

それは、高校生の頃からなにかしらあって。高校時代、学級日誌をすげえ書いてたんですよ。毎日デタラメばっかりだけど、とにかくなにかを書いてた。それは別に、誰かに向けたいわけではないんだけど、書いて教卓に置いておくと誰かが読むんじゃないか? って、期待してたんですよね。特に評価されたことはなかったんですけど(笑)。

:なかったんかい!(笑)

山岸:それって、たとえばちょっと前だったらブログとか、今ならSNSに吐き出している行為に近いのかなと。なんとなくモヤモヤしていたことを「吐き出すツール」として、いつの間にか映像を選んでいたのかもしれないです。

:そうか。そうやって考えてみると、向き不向きなんて正直わからないところもありますよね。僕自身が「向いている」と思ってやっているわけじゃないし、向いているのかどうか未だにわかってないですから。勘違いしてでもやれるほうが、幸せなのかも知れない。

—確かに。夢中になってやっているうちに、いつの間にか向いてる分野になっていることもありますしね。

:そうですね。そういう意味でも、固定観念が強すぎると壁が多くて大変かも知れない。「状況としてやれない」ということも、すごく多く出てくる仕事ではあって、それで挫折し辞めてしまうケースもあるけど、すごくもったいないと思うんです。こんなに楽しい仕事はないですから。

左から:関和亮、山岸聖太
『コエ オーディション』(サイトを見る

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プロジェクト情報

『コエ オーディション』
『コエ オーディション』

株式会社コエではこの度、関和亮、山岸聖太、ユキマユコと共に、今後コエのメンバーになってくれる方を発掘したくオーディションを開催致します。オーディション受賞者には株式会社コエが制作費を全額負担して作品制作バックアップします。応募は2018年7月31日(火)23:59まで。

プロフィール

関和亮(せき かずあき)

1976年生まれ、長野県小布施町出身。音楽CDなどのアートディレクション、ミュージックビデオ、TVCM、TVドラマのディレクションを数多く手がける一方でフォトグラファーとしても活動。サカナクション『アルクアラウンド』、OK Go『I Won't Let You Down』、星野源やPerfumeのミュージックビデオなどを手がける。『第14回文化庁メディア芸術祭』エンターテインメント部門優秀賞、『2015 55th ACC CM FESTIVAL』総務大臣賞/ACCグランプリ、『MTV VMAJ』や『SPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDS』等、受賞多数。

山岸聖太(やまぎし さんた)

1978年生まれ。映像ディレクターとしてミュージックビデオ、テレビドラマ、CMなどを手がける。これまでにKANA-BOON、乃木坂46、ユニコーンなど多数のMVを制作し、他には星野源の映像作品にも数多く携わっている。『ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2015』では短編作品『生きてゆく完全版』がシネマチックアワードを受賞。その後、映画『あさはんのゆげ(2016)』『傷だらけの悪魔(2017)』を監督。

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