特集 PR

謎多きイラストレーター・キナコが明かす私生活と仕事への思い

謎多きイラストレーター・キナコが明かす私生活と仕事への思い

アースダンボール
インタビュー・テキスト
杉原環樹
編集:久野剛士、宮原朋之

キャラクターのしなやかで独創的な動きや、ポップな色彩感覚で、多くの支持を集める人気イラストレーター・キナコ。もともとは二次創作の描き手だが、趣味でネットに投稿していたイラストが世のクリエイターの目に留まり、テレビアニメ『ガッチャマン クラウズ』のキャラクターデザインに突如抜擢された、驚きの経歴の持ち主でもある。

その後も、西尾維新の小説やゲーム『刀剣乱舞』など、人気作品に立て続けに参加。そんな彼女が今回、ダンボール会社「アースダンボール」とイラストレーターのコラボレーション企画「UNBOX」において、オリジナルのキャットハウスを制作した。

ファンの間では熱烈な「猫好き」として知られる彼女。そこでこのインタビューでは、普段はあまり垣間見られない、その生活と制作、そして人となりに迫った。大切な存在だと語る猫、絵に刺激を与えてくれる映画やゲーム、活動しながら実感した仕事に対する心構えまで。とても淡々と、等身大の視点で答えてくれた。

ゲームは自分の制作にとって、大事な要素になっている気がします。

—キナコさんは顔を出さず、その正体は謎に包まれていますが、Twitterを拝見していると、映画をよくご覧になっているようですね。ビジュアルに惹かれる映画などはありますか?

キナコ:映画を見始めたのは最近なんですけど、『ダークナイト』(2008年、クリストファー・ノーラン監督)をはじめて見たときに「なんて面白いんや!」と思って。何回か映画館に見に行って、そこからよく映画を見るようになりました。最初はCMで悪役のジョーカーの見た目に惹かれたんですけど、演出も曲もぜんぶ良かった。すごく好きな映画です。

キナコが描いた『ILLUSTRATION 2017』表紙
キナコが描いた『ILLUSTRATION 2017』表紙

—ジョーカーは悪役の姿としてとてもインパクトがありましたよね。キナコさん自身の絵にも感じるのですが、少し影のある世界観がお好きなのかもしれないですね。

キナコ:ああ、そうかもしれないです。すこし暗かったり妖艶だったりするものが好きで。映画のほかにもゲームが好きでよくやるんですが、ホラー作品が多いんです。『SIREN』や『サイレントヒル』『バイオハザード』とか。ゲームは自分の制作にとって、大事な要素になっている気がします。

—ゲームと創作が結びつく点とは何でしょう?

キナコ:ゲームのキャラクターって、見た目が魅力的なことが多くて。見ていると自分でも描きたくなることが多いんです。たとえば『サイレントヒル』の敵で「三角頭」というキャラクターがいるのですが、デザインがすごく好きです。頭がなくて、三角の被り物をしているんですけど、顔が三角なのにカッコ良く思えるというのはすごいなと。

私自身、人間を描いていても、つい爪を尖らせたくなったり、牙を生やしたくなったりするんです。先端が尖っているものが好きなのかもしれないです(笑)。

—キナコさんのイラストは、既存のキャラクターの二次創作も多いですね?

キナコ:『ポップンミュージック』というリズムゲームがあるんですけど、学生の頃、そこに登場するウサギのキャラクターの二次創作をよくしていました。

それまで自分の絵でキャラクターを描いたことがなくて、そのときはじめて「自分の絵ってこういう絵なんやな」と思って。その経験がとても面白かったんです。

キナコによるイラスト
キナコによるイラスト

—元の絵があることで、むしろ自分の個性が見えたんですね。

キナコ:そうです。でも、そのときは絵を仕事にするとも思っていなくて。ただいろいろ描くのが楽しくて、1日1枚くらいは描いて、お絵かき掲示板に投稿していました。

ただ好きに描いているだけじゃダメなんだと気づきました。

—初めて仕事として絵を描いたのは?

キナコ:『季刊エス』という雑誌です。Pixivにも絵を載せていたのですが、そこに編集部の方からメールをいただいて。このときは「戦うキャラクター」というお題で、小さな女の子と彼女を守る執事2人を描きました。それが最初ですね。そのあと『嘘月』(2011年、杉山幌著、講談社)という小説の表紙でもキャラクターデザインをさせていただきました。

—そこでもう、イラストで生きようと決めたんですか?

キナコ:いや、そのあとしばらく仕事では描いていなかったんです。普通の事務の仕事もしていたので、趣味で描いていました。そしたらいきなり「『ガッチャマン クラウズ』(2013年、中村健治監督)というアニメのキャラクターデザインをやりませんか?」というメールが来て。

—すごい急展開(笑)。大きな仕事なので、人によっては躊躇してしまうと思うのですが。

キナコ:「好きに描いてくれていい」と言われて、とりあえず描くだけ描いてみようと。でも、プレッシャーはありましたね。ガッチャマンにはあまり馴染みはなかったんですけど、もちろん知ってはいたので、まさか自分が描くことになるとは、という感じでした。

キナコが描いた『美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星』(西尾維新 / 講談社 / 2015年)表紙用のイラスト
キナコが描いた『美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星』(西尾維新 / 講談社 / 2015年)表紙用のイラスト

—実際にやってみていかがでしたか?

キナコ:それまでは好きに描いていたけど、仕事になったら丁寧さも求められるし、期限もある。ただ好きに描いているだけじゃダメなんだと気づきました。

—多くの人が関わる作品では、押さえるべき設定も多そうですよね。

キナコ:そうですね。でも、それが自分の作品を広げるきっかけにもなるなと。たとえば『ガッチャマン クラウズ』では、これまで自分が描いてこなかったような幅広い年齢のキャラクターを描いたので、描ける顔のタイプを広げることができたと思います。

そして、このお仕事をきっかけにだんだんイラストの依頼が増えて、事務の仕事と並行することが難しくなってきました。ちょうど事務をやめようかなと思っていた時期でもあったので、とにかくいまはイラストだけで頑張ってみようと思ったんです。

Page 1
次へ

リリース情報

「UNBOX」
What is「UNBOX」?

「箱から出す」という意味を持つこの言葉。「UNBOX(アンボックス)」は、箱職人集団であるアースダンボールが新たにスタートした取り組みです。「UNBOX」では、アースダンボールが箱職人として大事にしているこだわりや思いを、クリエイターとのコラボレートを通して発信していきます。

プロフィール

キナコ

『ガッチャマンクラウズ』(タツノコプロ/ガッチャマンクラウズ製作委員会)、『鏡界の白雪』(アイディアファクトリー)、『刀剣乱舞』(DMM ゲームズ・ニトロプラス)、『栽培少年』(15COMBO. & OWLOGUE Co.,Ltd.)などのキャラクター原案やデザインを手がけ、西尾維新著『美少年シリーズ』(講談社タイガ)の装画等でも活動中。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

yahyel“TAO”

音楽と映像、そしてその相互作用によって完成するyahyelの芸術表現が完全に別次元に突入したことを証明するミュージックビデオ。クライムムービーとそのサントラのような緊迫感に終始ゾクゾクする。一体いつ寝てるんですかと聞きたくなるが、監督はもちろん山田健人。「崇高」という言葉を使いたくなるほどの表現としての気高さに痺れる。(山元)

  1. 漫画家・鳥飼茜が浅野いにおとの結婚を報告、日記公開 1

    漫画家・鳥飼茜が浅野いにおとの結婚を報告、日記公開

  2. 『このマンガがすごい!』OP曲はアンジュルム、蒼井優がOP映像で振付披露 2

    『このマンガがすごい!』OP曲はアンジュルム、蒼井優がOP映像で振付披露

  3. 後藤正文主宰only in dreamsのイベント『Gifted』11月開催、第1弾で10組 3

    後藤正文主宰only in dreamsのイベント『Gifted』11月開催、第1弾で10組

  4. 高畑充希主演ドラマ『忘却のサチコ』に温水洋一がゲスト出演&ED曲はedda 4

    高畑充希主演ドラマ『忘却のサチコ』に温水洋一がゲスト出演&ED曲はedda

  5. 勝地涼×澤部佑 深夜の大人向けNHK教育番組『ジミーとふしぎな雑誌たち』 5

    勝地涼×澤部佑 深夜の大人向けNHK教育番組『ジミーとふしぎな雑誌たち』

  6. Corneliusが世界で認められるまで。海外進出のカギは何だった? 6

    Corneliusが世界で認められるまで。海外進出のカギは何だった?

  7. 『新潮45』が休刊、「十分な編集体制を整備しないまま刊行」 7

    『新潮45』が休刊、「十分な編集体制を整備しないまま刊行」

  8. 『フェルメール展』に日本初公開含む9点が来日 『牛乳を注ぐ女』も 8

    『フェルメール展』に日本初公開含む9点が来日 『牛乳を注ぐ女』も

  9. 堀未央奈×清水尋也×板垣瑞生×間宮祥太朗 山戸結希監督『ホットギミック』 9

    堀未央奈×清水尋也×板垣瑞生×間宮祥太朗 山戸結希監督『ホットギミック』

  10. 「女の子は皆めんどくさい」コレサワが伝える、女子の本性と本音 10

    「女の子は皆めんどくさい」コレサワが伝える、女子の本性と本音