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Absolute areaは人生愛を歌う 『未確認』ファイナリストの19歳

Absolute areaは人生愛を歌う 『未確認』ファイナリストの19歳

Eggs
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:伊藤惇 編集:山元翔一

去年、10代アーティスト限定のフェスティバル『未確認フェスティバル2017』でファイナリストに選出された3ピースバンド、Absolute area。彼らが、初の全国流通盤となるミニアルバム『あの夏の僕へ』を8月8日にリリースした。

山口諒也(Vo,Gt)の発声で幕を開けるオープニングトラック“ドラマチックサマー”から、アグレッシブなバンドサウンドが唐突に幕を下ろすクロージングトラック“reborn”まで、『あの夏の僕へ』は全6曲を通して、1つの物語を描いているような作品に仕上がっている。個々の楽曲のクオリティーには未熟な部分もあるとはいえ、喋って伝わる類のものではない、「表現」でしか伝えることのできない「なにか」を描こうとする、その音楽家としての野心には、非常に心動かされるものがある。

今回、メンバー3人全員へのインタビューを行った。初々しい佇まいから発される言葉の端々に「音楽が音楽であること」への喜びが溢れるような、そんな若きバンドマンたちとの対話となった。

Mr.Childrenの音楽の、人間の悪い部分とか、憎悪のような感情も包み隠さずに曝け出しているところに、すごく救われた。(山口)

—初の全国流通盤となる『あの夏の僕へ』は、なにかが終わって、再生していく……そんな物語を描いたコンセプチュアルな作品に感じました。ご自身のなかでは、どのような意識があったのでしょうか?

山口(Vo,Gt):1作目だし、自分のなかにある「音楽をはじめよう」と思った初期衝動のようなものが詰まったアルバムにしたい、と考えていました。音楽だけじゃなくても、映画とか、芸術を見たときに湧き上がってくるものってあるじゃないですか。その湧き上がってきたものを「形にしたい」と思う衝動、それを「誰かに見てほしい」「自分の存在を見つけてほしい」って思う気持ち……そういうものが詰まったアルバムにしたかったんです。

左から:萩原知也、山口諒也、高橋響
左から:萩原知也、山口諒也、高橋響

—山口さんがその衝動を最初に感じたのは、いつでしたか?

山口:僕が音楽をはじめたきっかけは、中学生の頃の失恋で。

—山口さんって、今おいくつでしたっけ?

山口:今年の9月で20歳になります。

—正直、中学時代の失恋って、子どもの頃の思い出として簡単に忘れてしまえそうなものにも感じるんですけど……そういうものではなかった?

山口:そうなんですよね……(苦笑)。相当、根深いんですよ。

—そっか……。高橋さんは、中学から山口さんと一緒なんですよね?

高橋(Dr):はい。なので、失恋の話はばっちり知っています(笑)。「まだ抱えているのか……」って感じですけどね。

山口:(苦笑)。……その失恋のときに、Mr.Childrenを聴いていたんですよ。特に“CANDY”という曲が好きで、その曲にすごく救われて。

Mr.Children“CANDY”を聴く(Apple Musicはこちら

山口:Mr.Childrenの音楽って、人間味がすごく溢れているなって思うんです。人間の悪い部分とか、憎悪のような感情も包み隠さずに曝け出しているところに、すごく救われました。それが、自分が音楽をやろうと思った一番のきっかけだったんです。

—山口さんを救ったのは、「大丈夫だよ」みたいな額面的なメッセージではなかったわけですね。Mr.Childrenが曝け出して表現した人間の闇、あるいは、闇を曝け出すMr.Childrenの姿そのものに救われた、というか。

山口:そうですね。映画とかでもそうなんですけど、見たあとにどっと疲れるようなものが好きなんです。最後には「後味悪いな」って思うようなものでも、自分を見つめるきっかけになったりするもの。そういうものを、音楽や映画は作ることができるじゃないですか。それって、単純にすごいことだと思うんですよ。

ちょっと話はズレるかもしれないですけど、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年公開、監督はラース・フォン・トリアー)っていう、ビョークが出ていた映画を少し前に見たんです。見終わったあとに、すごく重たいものが自分にのしかかってきた気がして……。

本作でビョークは、視力を失いつつあるシングルマザーの役を演じ、『第53回カンヌ国際映画祭』で主演女優賞を受賞した

—確かに、ヘビーな映画ですよね。

山口:あの「重たさ」が、自分にとってはすごく大事なものなんですよね。あの映画では最後、大事なものを守って主人公は死んでいく。でも、見終わったあと、「生きている自分には、なにができるんだろう?」と自然に考えさせられる……そういう感動って、人を動かす力になると思っていて。自分もそんな作品を作りたいなと思うんです。今回のアルバムの最後に、“reborn”という曲が入っているんですけど。

—“reborn”はすごく疾走感のある曲ですよね。それまでの5曲を通して描いてきた想いを抱えて、今この瞬間を全力疾走するような曲だと、僕は感じました。

山口:この曲には、<君に教えたくなる空だ>っていう歌詞があるんです。自分が見た景色、感動したもの……そういうものを人に伝えなくちゃいけないっていう気持ちが、僕のなかでは強くて。ここでいう「空」とか「景色」って、自分の心を動かしてくれた音楽や芸術のことだと思って歌っているんです。その気持ちを軸に、今回のアルバムは作っていきました。

山口諒也 / Absolute area“reborn”をEggsで聴く
山口諒也 / Absolute area“reborn”をEggsで聴く(Eggsを開く

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アプリ情報

『Eggs』
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アーティストが自身の楽曲やプロフィール、活動情報、ライブ映像などを自由に登録・公開し、また、リスナーも登録された楽曲を聴き、プレビューや「いいね」等を行うことができる、アーティストとリスナーをつなぐ新しい音楽の無料プラットフォーム。登録アーティストの楽曲視聴や情報は、「Eggsアプリ」(無料)をダウンロードすると、いつでもお手もとでお楽しみいただけます。

料金:無料

リリース情報

Absolute area『あの夏の僕へ』
Absolute area
『あの夏の僕へ』(CD)

2018年8月8日(水)発売
価格:1,728円(税込)
EGGS-033

1. ドラマチックサマー
2. 失恋歌
3. がらくた
4. ひと夏の君へ
5. My home town
6. reborn

イベント情報

『Absolute area one man live 2018 「ドラマチックサマー」』

2018年9月7日(金)
会場:東京都 下北沢MOSAiC

『Absolute area one man live 2018 「ドラマチックサマー」追加公演』

2018年10月5日(金)
会場:東京都 下北沢MOSAiC

プロフィール

Absolute area
Absolute area(あぶそりゅーと えりあ)

2014年、高校の同級生で結成。平均年齢19歳。メンバー脱退を経て、2017年10月に現メンバーに今までに「YHMF」「MusicRevolution」など、高校生大会にて数々の受賞歴を持ち、2017年3月にはバンド初のワンマンライブを下北沢GARAGEにて開催。チケットはソールドアウト。7月からは、自主企画3ヶ月連続2マンシリーズ『ふたりのり』を開催。10代限定フェス『未確認フェスティバル2017』ファイナリストとして新木場STUDIO COASTに出演。年齢離れした高い技術に加え、ボーカル・山口諒也のソングライティング、歌声が魅力で、同世代からの絶大なる支持を得ている。2018年8月に『あの夏の僕へ』をリリース。今後大注目の若手3ピースギターロックバンド。

関連チケット情報

2019年10月22日(火)
WALTZMORE
会場:TSUTAYA O-Crest(東京都)

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