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Absolute areaは人生愛を歌う 『未確認』ファイナリストの19歳

Absolute areaは人生愛を歌う 『未確認』ファイナリストの19歳

Eggs
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:伊藤惇 編集:山元翔一

なにかを否定するわけでもなく、肯定するわけでもなく、ただ側にいてくれる存在……それほど救いになるものってないじゃないですか。(山口)

—今、Absolute areaの活動のメインの場所は、やはりライブハウスだと思うんですけど。ライブハウスは、みなさんにとってどんな場所ですか?

山口:ライブハウスは、夢を与えるべき場所だと思っています。でも、最近は「悲しみ」を共有するだけの場所になりつつあるような気もするんですよね。

萩原:うん、わかる。

山口:すごく悲しがっているアーティストと、すごく悲しがっているお客さんが、「悲しいよ!」っていうことだけを共感し合っている……ライブハウスはそんな空間になってしまっているように感じることが、たまにあるんです。それが悪いとは思わないけど、僕としては、ちょっと寂しいんですよね。僕らは、マイナスを共有するんじゃなくて、プラスを共有したい。

山口諒也
山口諒也

—その意識は、今作を聴いても感じます。Absolute areaは、1曲1曲をミクロに見ていくと、もちろん悲しみや痛みのような感情は描かれているんだけど、それが連なることで、すごく大きな喜びを描いていますよね。それはさっきも言った「人生」を描いている、とも言えるし。

山口:そうですね。もちろん僕らも、悲しいことを「悲しい!」と歌うような曲は作っているんです。でも、1曲単位ではなくて、1本のライブとか、1枚の作品とか、その全体を通してプラスを描きたい、とは常に思っています。

だからこそ、『あの夏の僕へ』は“reborn”で終わらせることが重要だったんですよね。自分の夢や理想について語る曲で終わらせたかった、というか。音楽で、悲しいこともプラスにしたいんです。起死回生の瞬間、心が入れ変わっていく瞬間をちゃんと描きたいなって思う。

Absolute area『あの夏の僕へ』ジャケット
Absolute area『あの夏の僕へ』ジャケット(タワーレコードオンラインで見る

—山口さんが思い描く「表現」の在り方は、非常にスケールが大きいですよね。それに深い。

山口:人間の強さや弱さをちゃんと描いていきたいなって思います。だって、なにかを否定するわけでもなく、肯定するわけでもなく、ただ側にいてくれる存在……それほど救いになるものってないじゃないですか。音楽や芸術は、そういうものだと思います。

「生きる」ことに大きな喜びを感じているからこそ、余計に「死」を強く意識してしまう。(山口)

—僕、1曲目“ドラマチックサマー”の<きっと僕等は 誰のものにもなれないけど キスして>というラインがすごく好きなんですよ。<キスして>という着地点はすごくロマンチックに響くけど、その前にある<きっと僕等は 誰のものにもなれない>というフレーズは、すごく複雑な人間の在り様を表していると思う。

山口:……結局、人って自分だけのものなんですよね。たとえ結婚したとしても、それはそれぞれにとっての違う答えかもしれないし。絶対に、人と人が1つになることってないじゃないですか。

—うん、そうですね。

山口:“ドラマチックサマー”は、さっき話していたような、時が人を変えていくことの後ろめたさのようなものを曲にしようと思ったんです。人は変わっていくことも受け入れたうえで、人を愛していかないといけないと思うんですけど…………う~ん……。

—言葉にしづらいですか?

山口:いや……この曲も、スケールが小さいようで、すごく大きなものになったなっていう感覚があるんです。“ドラマチックサマー”は僕にとって、自分が常に抱えている「死」に対する恐怖心、焦り、予感……そういうものを詰め込んだ曲でもあるんです。「死」だけじゃなくても、「老い」もそうだし、気持ちが変わっていってしまうこと……そういうものですね。

なんというか、僕のなかで日々、「死」がチラついている感覚があるんです。さっき言ったように、「生きる」ことに大きな喜びを感じているからこそ、余計に「死」を強く意識してしまう、というか。

山口:たとえば、大切な人が突然、病いに侵されてしまうかもしれない、とか。突然、交通事故に遭ってしまうかもしれない、とか……そういう可能性って、ゼロじゃないじゃないですか。そう考えると、すごい恐怖が襲ってくるんです。その恐怖が常に、自分のなかにあって。人の命の儚さのようなものが、何者かにさらわれていってしまう感覚、というか……。

—この曲のサビの歌詞は、<君をさらっていかないで>ですね。

山口:そうなんですよね。でも、どれだけ<さらっていかないで>と言ったところで、人はその人以外の誰のものでもないわけだし……この曲は、自分のなかにある、言葉にならないものを曲にした感覚がすごく強いんです。だから、自分にとっても説明するのが難しい曲ではあって。

—でも、この曲をアルバムの1曲目に持ってきたということは、この曲で描かれた言葉にならない感覚、「死」に対する恐怖心……そういうものが、自分たちの表現においてすごく重要な根底にあるものなんだ、ということですよね。

山口:そう思います。言葉にならない想いって、絶対にあるじゃないですか。そういうものを感じてもらえたらいいな、とは思います。

左から:萩原知也、山口諒也、高橋響
左から:萩原知也、山口諒也、高橋響

—最後に、今、Absolute areaのバンドとしての目標、野心はどういったところに向けられているんですか?

山口:やっぱり、ずっとMr.Childrenに憧れてきたので、アリーナやスタジアム規模でライブができるアーティストになりたいです。そのために説得力のある人になりたいし、説得力のあるバンドになっていきたいと思います。

あと、やっぱり“reborn”で<君に教えたくなる空だ>と歌っている、この「空」のような存在にならないといけないな、と思います。僕が音楽を聴いたり映画を観たりして自分が動き出すきっかけをもらえたから、僕らも、誰かにとってのきっかけを与えるような存在になりたい。そういう景色を見せることができるバンドになりたいです。

左から:萩原知也、山口諒也、高橋響
左から:萩原知也、山口諒也、高橋響

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アプリ情報

『Eggs』
『Eggs』

アーティストが自身の楽曲やプロフィール、活動情報、ライブ映像などを自由に登録・公開し、また、リスナーも登録された楽曲を聴き、プレビューや「いいね」等を行うことができる、アーティストとリスナーをつなぐ新しい音楽の無料プラットフォーム。登録アーティストの楽曲視聴や情報は、「Eggsアプリ」(無料)をダウンロードすると、いつでもお手もとでお楽しみいただけます。

料金:無料

リリース情報

Absolute area『あの夏の僕へ』
Absolute area
『あの夏の僕へ』(CD)

2018年8月8日(水)発売
価格:1,728円(税込)
EGGS-033

1. ドラマチックサマー
2. 失恋歌
3. がらくた
4. ひと夏の君へ
5. My home town
6. reborn

イベント情報

『Absolute area one man live 2018 「ドラマチックサマー」』

2018年9月7日(金)
会場:東京都 下北沢MOSAiC

『Absolute area one man live 2018 「ドラマチックサマー」追加公演』

2018年10月5日(金)
会場:東京都 下北沢MOSAiC

プロフィール

Absolute area
Absolute area(あぶそりゅーと えりあ)

2014年、高校の同級生で結成。平均年齢19歳。メンバー脱退を経て、2017年10月に現メンバーに今までに「YHMF」「MusicRevolution」など、高校生大会にて数々の受賞歴を持ち、2017年3月にはバンド初のワンマンライブを下北沢GARAGEにて開催。チケットはソールドアウト。7月からは、自主企画3ヶ月連続2マンシリーズ『ふたりのり』を開催。10代限定フェス『未確認フェスティバル2017』ファイナリストとして新木場STUDIO COASTに出演。年齢離れした高い技術に加え、ボーカル・山口諒也のソングライティング、歌声が魅力で、同世代からの絶大なる支持を得ている。2018年8月に『あの夏の僕へ』をリリース。今後大注目の若手3ピースギターロックバンド。

関連チケット情報

2018年9月7日(金)
Absolute area 「ドラマチックサマー」
会場:下北沢MOSAiC(東京都)
2018年10月5日(金)
Absolute area oneman「ドラマチックサマー」
会場:下北沢MOSAiC(東京都)

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