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奥華子×藤田麻衣子 姉妹、親友、師弟のような2人が互いを語る

奥華子×藤田麻衣子 姉妹、親友、師弟のような2人が互いを語る

『duo 15th Anniversary live「奥華子と藤田麻衣子」』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:鈴木渉 編集:木村直大

2018年10月3日、渋谷のライブハウス「duo MUSIC EXCHANGE」の15周年記念企画の一環として、奥華子と藤田麻衣子がツーマンライブを実施する。第一線で活躍する女性シンガーソングライターとして、プライベートでも親交の深いこのふたり。10年以上のお互いのキャリアの中で、イベントなどでの共演はあったものの、ふたりきりのライブはこれが初めてだという。

なお、duo MUSIC EXCHANGEの15周年企画は、6月の真心ブラザースとフレンズのツーマンから始まり、これまでにおおはた雄一、カサリンチュと関取花のツーマン、レイ・バービーの公演が開催されてきた。9月にはさかいゆうと向井太一のツーマンも控えている。

奥華子と藤田麻衣子によるメモリアルなツーマンを前に、ふたりの対談が実現した。このふたりは、ピアノ弾き語りを中心とした演奏スタイルや、精力的なライブ活動スタイルなど、端から見れば共通点は多々あるが、表現の奥底を除けば、それぞれが全く異なった個性を持っていることがわかる。そして、彼女たち自身が、そんなお互いの違いを敏感に感じとり、敬意と愛情を注ぎ合ってきたからこそ、とても幸福な関係性が築かれてきたことが、この対談を読んでいただければわかるだろう。ふたりの対話は、ときに姉妹のように、ときに親友のように、ときに師弟のように、コロコロと表情を変えながら朗らかに進んでいった。

「弾き語りでホールを埋めることができる人がいるんだ!」って、すごく衝撃で。(藤田)

—奥さんと藤田さんは、プライベートでも交流があるんですよね?

:そうですね。一緒に呑みに行ったり、麻衣子ちゃんが私のうちに遊びに来たりもしますよ。

奥華子
奥華子

藤田:最初に挨拶したのは、たしか渋谷O-EASTの楽屋なんですよね。対バンイベントだったんですけど、「やっと華ちゃんに会える!」って思ったのをすごく覚えています。

私、2004年に東京に出てきて、2006年にCDデビューするんですけど、その間の2年間、アマチュアでピアノ弾き語りの活動をしていたんです。そのときにファンの方が、「ピアノの弾き語りをするなら、奥華子ちゃんを観るべきだよ」って、ライブのチケットをくださったんですよ。それが、2006年の九段会館でのライブで。

藤田麻衣子
藤田麻衣子

:それ、私の初めてのホールコンサートだよ! それまで路上でやっていて、初めてのホールコンサートが、そのときの九段会館だったの。震えながらやったなぁ……。それを観に来てくれていたんだ。

藤田:そうなんですよ。私が100人入るか入らないかのライブハウスで活動していたときに、「弾き語りでホールを埋めることができる人がいるんだ!」って、客席にいるだけですごく衝撃で。

いざ演奏が始まって、華ちゃんの声が聴こえてきた瞬間に泣けてきて、ライブの半分くらい泣いていましたね。歌にも共感したし、シンガーソングライターとして活動していくうえで、自分の追いかけるべき人に出会った瞬間でもあった。その数年後、O-EASTで対バンできることになって、楽屋でなにを話すか、すごく考えたなぁ……。

—そのとき、なにを話したのか覚えていますか?

藤田:初対面で遠慮したとはいえ、自分の「好きだ!」っていう気持ちはひと通り伝えた気がします。それからしばらく時間が経ったあと、ふたりで、ファミレスで5時間くらい喋ったんですよ。

:そうね(笑)。藤田麻衣子という存在は、かなり衝撃的だったんですよね。麻衣子ちゃんって、見た目もおしとやかな感じじゃないですか? 歌詞の世界観やピアノを弾く指先にも、どこか儚さを感じさせるし。でも、喋り出すともうガンガンと……。

藤田:あはは!(笑)

:だって、そのファミレスで喋ったとき、初めてふたりきりで会ったんだよ? それで5時間以上、人生相談してくるっていう(笑)。

私が通る道は、大体、華ちゃんが通ってきた道だったんですよ。だから、華ちゃんの言葉には説得力があって。(藤田)

:たしか、麻衣子ちゃんが初めて、渋谷公会堂でライブをするタイミングだったんだよね。

藤田:そう、たしか2010年だったんですけど、初めて渋谷公会堂(当時の名称はC.C.Lemonホール)でワンマンをすることになって。それまで、7th FLOOR、duo MUSIC EXCHANGE、SHIBUYA-AX、九段会館……って、順番に会場が大きくなっていたんですよ。それぞれの場所をソールドアウトさせて、ちょっとずつ階段を上がっていたんですけど、渋公が全然ソールドアウトしなかったんです。

今思い返すと、渋公でやらせていただけるだけでありがたいのに、「ちゃんとソールドアウトさせて次に行かなきゃ!」って思いながら活動してたから、渋公が埋まらなかったことで、自分の心が保てなくなっちゃったんですよね。周りにも申し訳なかったし、どうやってステージに立てばいいのかわからなくなって、心が壊れそうになった。

藤田麻衣子

:本当に、「人生が終わる」っていうくらい深刻に悩んでいたよね。

藤田:うん。客席が埋まっていない大会場で歌うなんて、どうしたらいいんだろう? って……。だから、経験者の言葉がほしかったんですよね。私が通る道は、大体、華ちゃんが通ってきた道なんです。だから、華ちゃんは私の悩みを「わかるよ」って聞いてくれたし、華ちゃんの言葉には説得力があって。だから華ちゃんに会うと、ここぞとばかりに、そのときの悩みをぶつけちゃう。

—ちなみに、その初めての渋谷公会堂ライブの前、奥さんからはどんな言葉を投げかけられたんですか?

藤田:「お客さんはステージを観ているから、後ろの客席が埋まっているかどうかなんて誰も気にしないと思うよ」って。今思うと当たり前のことなんだけど、それですごく救われたんですよね。「私も埋まっていない会場で歌ったこと何度もあるよ」って平気そうに話す華ちゃんを見て、「あ、大丈夫なんだ」って思えたんです。

結局、その渋公はソールドアウトしなかったんですけど、お客さんに「後ろを見てください」って、埋まっていない客席を見てもらって、「次は埋めたいです!」と宣言して、清々しく終われました。結局、渋公は次の年も埋まらなくて、3年かけてやってソールドアウトできたんですけど、3回頑張れたのは、華ちゃんのおかげですね。

:いやいや。あの頃もそうだし、今もそうだけど、麻衣子ちゃんは1回のライブに対する思い入れや気合がすごいんですよね。エネルギーが半端じゃないなって思う。だからこそ、麻衣子ちゃんと話す度に、「私も頑張らないとな」って思うんです。

左から:奥華子、藤田麻衣子
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イベント情報

『duo 15th Anniversary live「奥華子と藤田麻衣子」』

2018年10月3日(水)
会場:東京都 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE

出演:
奥華子
藤田麻衣子
料金:指定席4,800円 立ち見4,000円(共にドリンク別)

『duo 15th Anniversary live「さかいゆうと向井太一」』

2018年9月5日(火)
会場:東京都 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE

出演:
さかいゆう
向井太一

プロフィール

奥華子(おく はなこ)

聴いた瞬間から心に染み入るメロディと歌詞、まっすぐな歌声は老若男女問わず幅広い世代の人々から支持を集めている。“声だけで泣ける”と称される彼女の歌声は、まさに初めて聴く人の耳を捉えて離さない。キーボード弾き語りによる駅前路上ライブを04年に渋谷でスタート、柏・津田沼など関東を中心に、1年間で2万枚の自主制作CDを手売りする等、驚異的な集客力の路上ライブが話題となり、05年にメジャーデビュー。劇場版アニメーション「時をかける少女」の主題歌となった『ガーネット』で注目を集める。これまでにシングル16枚、オリジナルアルバム9枚をリリース。2012年は初のベストアルバム「奥華子BEST-My Letters-」がオリコン9位を記録。

藤田麻衣子(ふじた まいこ)

2006年9月、シングル「恋に落ちて」でCDデビュー。すべての楽曲で自らが作詞作曲を手掛け、多数の恋愛ソング・応援ソングがTVCMをはじめとした多くのタイアップに起用されている。またアーティストへの楽曲提供も数々行っている。最近では日本テレビ系「はじめてのおつかい」に楽曲が多数使用されている。透き通った歌声、歌詞への共感、ドラマティックなメロディーで、ライブ会場では涙する人も多い。ライブに訪れる約7割が女性ファンと、特に同性から高い支持を得ている。

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