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藍坊主が15年を語る。イラつきや葛藤を抱えた時期を乗り越えて

藍坊主が15年を語る。イラつきや葛藤を抱えた時期を乗り越えて

Eggs
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:伊藤惇 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
2019/01/07

2019年にデビュー15周年を迎える藍坊主。メジャーデビューも、事務所・レーベルからの独立も経験するなど紆余曲折を経ながら、音楽制作においては徹底したこだわりと実験精神、そしてロマンを捨てることのなかった藍坊主の15年の歴史は、この国のバンドシーンにおいて他に類を見ない特別な輝きを放っていると言っていいだろう。最近は若いバンドマンたちが影響源として藍坊主の名を挙げることもあり、今こそ、その歴史と功績を改めて語るべきタイミングなのかもしれないと思わされる。そこで今回は、4人全員インタビューを実施。15年のキャリアを振り返りながら、その果てに辿りついたバンドの「今」を語ってもらった。

当時はメンバー同士でワチャワチャと会話をすることもなかったんですよね。(藤森)

—1月12日からはデビュー15周年ツアー『「ルノと月の音楽祭」 ~嘘みたいな15年編~』がスタートしますが、2018年の藍坊主の活動を振り返ると、ミニアルバム『木造の瞬間』のリリースがあり、『フォレストーン』(2008年リリース、4thアルバム)のリバイバルツアーがあり、12月にはパンクスタイルでのツアーもあって。今の藍坊主って、もはや「なんでもあり」の、すごく面白い状態なんじゃないかと思うんです。

田中(Gt):うん、たしかに。

—そこでまず伺いたいのは、『フォレストーン』リバイバルツアーの手応えです。あのアルバムは、藍坊主のディスコグラフィの中でもターニングポイント的な作品だと思うんですけど、それ故に、今、当人たちはどのように受け止めているのだろう? と。

藤森(Ba):去年リバイバルライブをやってみて、『フォレストーン』は、本当にストイックなアルバムだったなと改めて思いました。「当時の俺たち、どんな感じだったっけ?」って、ツアー中に楽屋で話していたんですけど、そもそも、当時はメンバー同士でワチャワチャと会話をすることもなかったんですよね。仲が悪かったわけではないんですけど、本当になにをしていてもピリピリしているような状態で。

例えば僕だったら、当時はhozzyに対して、同じ作曲者としてライバル意識が強くて。hozzyが作った“不滅の太陽”(『フォレストーン』収録曲)なんて、当時は悔しくてちゃんと聴けていなかったんですよね。

hozzy(Vo):当時はみんな尖りまくってたもんね。俺、スタジオで(渡辺)拓郎に頭突きしたことあった気がする(笑)。

渡辺(Dr):まあ、割と手が出やすい時期だったよね(笑)。

hozzy:別に喧嘩とかじゃないんですけど、すぐに頭に血が上ってしまっていて(笑)。

左から:田中ユウイチ、hozzy、渡辺拓郎、藤森真一
左から:田中ユウイチ、hozzy、渡辺拓郎、藤森真一

hozzy:当時は、3か月間くらい、ライブ以外ではほとんど家から出なかった時期もありました。朝起きたらパソコンを開いて、想像して、その想像を具現化するために曲を作って……それでもう、いっぱいいっぱいで。本当に切羽詰まっていました。

当時は、音楽を作ることが苦行だったし、でも、そのぐらいやらないとすごい作品は作れないんじゃないか? とも思っていたし。あれから10年経って、自分たちのできることが増えて、去年のリバイバルツアーでは「やっと演奏できたな」って思いましたね。

藤森:そうだね。「『フォレストーン』の曲って、こんなにいい曲たちだったんだな」って、再確認できた感じがします。

作詞・作曲:hozzy、『フォレストーン』収録曲

作詞・作曲:藤森真一、『フォレストーン』収録曲

東日本大震災が起こるまで、「今日と同じように、明日も来るだろう」という思考がずっとあったんです。(hozzy)

—最近、若い世代のバンドマンから影響源として藍坊主の名前が上がることも多いんですよね。川谷絵音さんが“不滅の太陽”を好きな曲として挙げていたり(参考記事:川谷絵音インタビュー)、以前CINRA.NETで取材したJYOCHOも『フォレストーン』や『ミズカネ』(2010年リリース、5thアルバム)をきっかけに哲学にハマったと言っていたりして(参考記事:JYOCHOインタビュー)。自分の内面にとことん向き合いながら作品を作り込んでいく……この藍坊主の姿勢そのものが、若い音楽家たちに与えてきたものも大きいんじゃないかと思います。

hozzy:たしかに、その辺のアルバムの頃、哲学にハマっていましたね。本もめちゃくちゃ読んでいたし。

でも、面白いですよね、若い世代が今そうやって哲学的な表現に向かうというのは。俺の個人的な感覚を言うと、東日本大震災が起こるまで、俺にとって日常はすごく平坦で、「今日と同じように、明日も来るだろう」という思考がずっとあったんです。だから哲学にのめり込むことができていた部分もあったと思うんですよね。社会や生活が安定しているという前提があったから、その逆にあるものを知りたくなった。

でも、震災という出来事が起こったときに、「本当に人って死ぬんだ」とか「こんなに簡単に街は壊れるんだ」ということを知った。それから、もっと日常的な世界が、俺の音楽の中心になっていったんです。

—それでいうと、なぜ今の若い人たちが哲学に興味を持つのか、その背景を考えたくなりますね。

hozzy:若い世代の人たちが哲学的なものを求めているというのは、彼らなりの理由が深いところにあると思うので興味深いです。「なにを考えてんだ?」って訊いてみたいですね。

hozzy
hozzy

—藤森さんはどうですか?

藤森:『フォレストーン』や『ミズカネ』の頃、僕はどちらかというと、hozzyのように哲学にハマりきることができなかったんですよ。まぁ、高校の頃からhozzyと「なんで人は生きているんだろう?」みたいな話をずっとしていたんですけど、最終的に「そこまで難しい話は、わかんないなぁ」って、どこか思っていた部分もあって。なので、そういう話ができること自体が、ちょっと羨ましかったんですよね(笑)。

hozzy:そうか? 藤森もノリノリで話していた気がするけど(笑)。

左から:渡辺拓郎、藤森真一、hozzy、田中ユウイチ
左から:渡辺拓郎、藤森真一、hozzy、田中ユウイチ
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イベント情報

『aobozu DEBUT 15th ANNIVERSARY TOUR「ルノと月の音楽祭」 ~嘘みたいな15年編~』

2019年1月12日(土)
会場:宮城県 仙台LIVE HOUSE enn2nd

2019年1月13日(日)
会場:北海道 DUCE SAPPORO

2019年1月19日(土)
会場:広島県 Cave- Be

2019年1月20日(日)
会場:福岡県 INSA

2019年1月26日(土)
会場:長野県 松本ALECX

2019年1月27日(日)
会場:新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE

2019年2月2日(土)
会場:香川県 高松 TOONICE

2019年2月3日(日)
会場:大阪府 umeda TRAD

2019年2月9日(土)
会場:愛知県 APOLLO BASE

2019年2月11日(月・祝)
会場:神奈川県 小田原市民会館

アプリ情報

『Eggs』
『Eggs』

アーティストが自身の楽曲やプロフィール、活動情報、ライブ映像などを自由に登録・公開し、また、リスナーも登録された楽曲を聴き、プレビューや「いいね」等を行うことができる、アーティストとリスナーをつなぐ新しい音楽の無料プラットフォーム。登録アーティストの楽曲視聴や情報は、「Eggsアプリ」(無料)をダウンロードすると、いつでもお手もとでお楽しみいただけます。

料金:無料

プロフィール

藍坊主
藍坊主(あおぼうず)

神奈川県小田原市出身の藤森真一(Ba)、hozzy(Vo)、田中ユウイチ(G)、渡辺拓郎(Dr)からなる4人組ロックバンド。2004年5月にアルバム『ヒロシゲブルー』でメジャーデビュー。2011年4月にTVアニメ『TIGER & BUNNY』エンディングテーマ“星のすみか”を発表し、翌月にはバンド自身初となる日本武道館公演を成功させた。2015年、自主レーべルLuno Recordsを設立。藤森真一(Ba)はこれまでに関ジャニ∞“宇宙に行ったライオン”や水樹奈々“エデン”等、楽曲提供も手掛ける。hozzy(Vo)はジャケットデザインの描き下ろしや楽曲のトラックダウンを自身で行う等、アーティストとして様々な魅力を発揮しており、よりパーソナルでコアな表現活動のためのプロジェクト、Normの活動をスタート!

関連チケット情報

2019年10月5日(土)〜11月4日(月)
KOKI
会場:八王子Match Vox(東京都)
2019年12月29日(日)
藍坊主
会場:横浜ベイホール(神奈川県)

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