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大橋トリオも唸る才能。姉妹連弾ユニット・Kitriが大橋Pと語る

大橋トリオも唸る才能。姉妹連弾ユニット・Kitriが大橋Pと語る

Kitri『Primo』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望 編集:中田光貴、山元翔一(CINRA.NET編集部)

モナ&ヒナの姉妹によるピアノ連弾ユニット、Kitriの1st EP『Primo』が1月23日にリリースされる。

本作は、彼女たちが敬愛する大橋トリオのプロデュースによるもので、作品の基軸となっているのは、姉妹ならではの一糸乱れぬピアノ連弾と、美しいハーモニー。目を閉じて聴いていると、深い森の奥に迷い込んでしまったような、期待と不安が入り混じった高揚感が、胸の奥で静かに湧き上がってくる。

インタビューのなかでモナは、「誰もやったことのないこと」を追求した結果「ピアノ連弾ユニット」へと行き着いたと、自らのオルタナティブ精神について語ってくれた。彼女にとって曲作りは、つらい状況からの「逃避」でしかなかったという。だからこそKitriは、まるで絵本のページを切り抜いたような、ファンタジックなサウンドスケープを確立することができたのかもしれない。

今回、CINRA.NETではKitriと大橋の鼎談を敢行。大橋は、「彼女たちの世界観の中の住人になりたいです」とまで絶賛していたが、その魅力をどのように引き出したのだろうか。

聴いた瞬間まず声のよさに驚いて。聴けば聴くほど惹き込まれて、そのときにはもう「何か一緒にやりたい」って思っていました。(大橋)

—大橋さんは、もともとどんな経緯で彼女たちのことを知ったのですか?

大橋:彼女たちのご両親が、僕のファンクラブに入会してくださっていて。2016年だったと思うんですが、京都のファンクラブ主催ライブを観に来られたんですね。そのときにおふたりが「私たちの娘が作った作品です」と言ってCDをくださったんです。もちろん、僕に直接ではなくて、まずは事務所の社長の手に渡って。そこで大抵は弾かれるんだけど、彼女たちの音源は珍しく僕のところまで届いたんです。

実際にそれを聴いたのは別の日のライブ本番前の待ち時間で、そのときは、それほど期待せず「何となく流した」という感じだったんですけど、聴いた瞬間まず声のよさに驚いて。楽曲に関しては、慣れるのに時間がかかったかもしれないですけど、クセがあるというか。でも、聴けば聴くほど惹き込まれていくんです。「え? いいぞこれ」って。そのときにはもう「何か一緒にやりたい」って思っていました。

左から:モナ(姉)、ヒナ(妹)、大橋トリオ
左から:モナ(姉)、ヒナ(妹)、大橋トリオ

—それはすごいことですよね。

大橋:そうなんです。ただ、すでに世界観が確立されているから、もし自分にできることがあるとしたら、ちゃんと録音してあげることくらいかなって。あのデモはどうやって録ったんだっけ?

モナ:父が持っていたMTRを借りて、ふたりで録りました。マイクが1本しかなかったので、まずピアノを録って、その上に歌を重ねてというふうに。

大橋:そのシンプルな感じもまたよくて。これ、スタジオでマイクをたくさん立てる必要あるかなあとかいろいろ考えたんですよ。どう関わったらいいのだろうって。

(浪人中の苦しいときに)大橋さんの“Happy Trail”を聴いて、すがるような気持ちで“リズム”という曲を作ったんです。(モナ)

—そもそもは、おふたりのご両親がデモ音源を渡したのがきっかけだったんですね。なんだか不思議なお話だなと思いました。

大橋:モナちゃん、お母さんのあのエピソード聞かせてあげてよ。

モナ:(笑)。最初に「姉妹の連弾ユニットをやろう」と思いついたときには、妹が声楽を習っていたり、私も音大の受験があったりして具体的な活動ができなかったんです。なのでユニット用の楽曲は、受験の合間に書いて温めておこうと思ったんですけど、だんだんそっちのほうが楽しくなってきてしまって。

当時、音大を目指して浪人していたから、本当はめちゃくちゃ練習しなきゃいけなかったんですけど、同じ曲ばかり何度も何度も弾いているのがだんだん苦しくなってきて。そんなときに大橋さんの“Happy Trail”を聴いて、すがるような気持ちで“リズム”という曲を作ったんです。

Kitri『Opus 0』(2017年)収録曲

—Kitriの夢見心地な世界観は、つらい状況から「逃避」するために生まれた部分もあったのですね。

モナ:もう、逃避でしかなかったですね(笑)。で、その曲を、パソコンのゴミ箱に捨てておいたんです。「こんなことしている場合じゃない!」という焦りと、「こんな曲を作ってしまった」という恥ずかしさもあったのかもしれない。でも、それをたまたま母親に発見されてしまって(笑)、電話がかかってきたんです。「今聴いたけど、何あれ?」って。

てっきり叱られると思ったから、「こんなことしている場合じゃないのにごめんなさい」って泣きながら謝ったんですよ。そしたら母が、「こんなにいい曲作れるなんてすごいやん!」って。そこからはKitriのこと、両親も全力で応援してくれるようになったんです。

左からモナ、ヒナ
左からモナ、ヒナ

大橋:もうね、その話を聞くたび泣いちゃいそうになる(笑)。

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リリース情報

Kitri『Primo』
Kitri
『Primo』

2019年1月23日(水)発売
価格:1,944円(税込)
COCB-54280

1. 羅針鳥
2. 細胞のダンス
3. sion
4. 一新
5. 羅針鳥 –naked-(pianoバージョン)

イベント情報

『キトリの音楽会 #1』

2019年1月25日(金)
会場:大阪府 Soap opera classics-Umeda-

2019年2月1日(金)
会場:東京都 JZ Brat SOUND OF TOKYO

2019年2月2日(土)
会場:福岡県 ROOMS

2019年2月3日(日)
会場:熊本県 tsukimi

プロフィール

Awesome City Club
Kitri(きとり)

幼い頃よりクラシックピアノを習い始め大学では作曲を専攻。2015年~京都を拠点に、姉妹ユニット「キトリイフ」として音楽活動を開始。2016年ライブで京都を訪れていた大橋トリオの手に自主制作盤が渡り、その音源を聴いた大橋が絶賛。大橋が手掛ていた、映画「PとJK」(廣木隆一監督、亀梨和也・土屋太鳳主演)の劇伴音楽に、テーマ曲のボーカルとハミングで参加する。2017年、過去の音源を大橋トリオプロデュースにより再録音して、ユニット名「Kitri」として、パイロット盤「Opus 0」が完成する。試験的にストリーミング配信をしたところ反響を呼び、自主音源にしてラジオのパワープレイや出演スタジオ演奏披露などを行う。

Awesome City Club
大橋トリオ(おおはしとりお)

2007年にデビュー。テレビドラマやCM・映画音楽の作家としても活動。代表作に映画『余命1ヶ月の花嫁』『雷桜』『PとJK』など。最近では、NHK Eテレ子供向け番組『にゃんぼー』の音楽や、TBS番組『世界遺産』のテーマ曲も担当。2017年にデビュー10周年を迎え、2019年2月13日に最新アルバム「THUNDERBIRD」をリリース。2019年全国ホールツアー『ohashiTrio HALL TOUR 2019 ~THUNDERBIRD~』開催決定。

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