特集 PR

ドミコが語る、「理由」や「仕組み」を知ることのつまらなさ

ドミコが語る、「理由」や「仕組み」を知ることのつまらなさ

ドミコ『Nice Body?』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:馬込将充 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
2019/02/06

作品を追うごとに、捉えどころがなくなる。作品を追うごとに、それを語ることの難しさを感じさせられる。しかし、作品を追うごとに、「音楽ってこういうものだよな」とか、「人ってこういうものだよな」と改めて痛感させられる……そんな変化と進化を遂げているドミコが、2月6日に3rdアルバム『Nice Body?』をリリースする。

これまでのドミコの作品を振り返ると、そこに出てくる言葉の端々には共通するものがあって、「このバンドは、ただひとつのことを、形を変えながら、深く掘り下げながら表現し続けているのではないか?」と思わせられることがある。では、「その『ただひとつのこと』とはなにか?」と問われると、僕の低俗な言葉で言わせてもらえば「自分が生きていることのかけがえのなさ」のようなものだと思うのだが、それをぼんやりと、しかし醒めた(と思われる)目線で描き続けるさかしたひかるという作家の誠実さとロマンの深さには、いつだって感嘆させられる。

『Nice Body?』で、彼らはこれまで以上にラウドに音を奏でながら、しかし捨て去ることのできないメロウネスも抱えながら、再び「ただひとつのこと」へと到達しようとしている。インタビューを嫌がっている(らしい)さかしたひかるに、それでも話を聞いた。

歳をとると、「自分って、こういうふうに物事を考えて生きているんだなぁ」とか、わかってくるじゃないですか。

—新作『Nice Body?』ですが、今回も前作『hey hey , my my?』、前々作『soo coo?』に引き続き、タイトルの最後には「?」が付いていますね。

さかした:これはもう、トレードマークみたいな感じですね。今回のアルバムは自分の「体」のことや「自分自身」について歌った感じなので、結構、生々しいと思うんですよね。だからタイトルは『Nice Body?』にしました。

自分の体って、自分のものでしかないじゃないですか。それって、すごく運命的なことだなと思って。体や思考って、それが良くても悪くても、自分が持ったものだから。「それはそれで、いいでしょ?」っていう。

さかしたひかる
さかしたひかる
さかしたひかる

—そもそも、「自分について歌う」「自分の体について歌う」という方向に向かったのはなぜだったのでしょう?

さかした:う~ん……あんまり思い出せないっすね。

さかしたひかる

—(笑)。

さかした:まぁ(笑)、特別に意識したわけではないんですけどね。このアルバムの曲を作っていた時期に、自分の体についてとか、自分の思考について見つめ直していたので、自然にそういう作品集になったんだと思います。

僕は今29歳なんですけど、歳をとると、「自分って、こういうふうに物事を考えて生きているんだなぁ」とか、「自分の体ってこうなんだなぁ」とか、わかってくるじゃないですか。

—そうですね。体力に下り坂が見え始めて体のことを気遣ったり、社会に出て培ってきたものが形になり始めて視野が広がってきたり……20代の終わりというのは、そういう年齢ですよね。

さかした:それに、それまでは謎のままだったからこそ楽しかったのに、歳をとるにつれて、知りたくなかったことも知ってしまったりする。そうすると、「こんなもんだったのか」って、冷めたりもするし。

さかしたひかる

—さかしたさんは、どんなことに冷めていったのだと思いますか?

さかした:それはもう、あらゆることですね。自分がずっと「好きだ」と思っていたものがあっても、それを好きだった理由が意外とシンプルなところにあったと気づいて冷めてしまったり。わかりやすいところでいうと、すごく嫌いな肉親に、いつの間にか自分自身が似てしまっていることに気がついたり……。そういうのって、あるじゃないですか。

—ありますね。

さかした:それに気づくとガッカリしますよね。でも、良くも悪くも、それが俺だし。「まぁ、いいか。それも、いい自分だな」って思えたりもする……。そう考えると、許容範囲は広がっているんですよね。

もっと若かったら、足掻いてでも自分を矯正しようしていたと思うんですけど、今は大体のことを笑って過ごせるようになった気もする。若い頃に比べると、酔っぱらって喧嘩する回数も減ったし。

Page 1
次へ

リリース情報

ドミコ
『Nice Body?』
ドミコ
『Nice Body?』

2019年2月6日(水)発売
価格:2,500円(税込)
RED-0012

1. ペーパーロールスター
2. さらわれたい
3. My Body is Dead
4. 裸の王様
5. 服をかして
6. わからない
7. アーノルド・フランク&ブラウニー
8. あたしぐらいは
9. マイダーリン
10. ベッドルーム・シェイク・サマー

  • Apple Musicで聴く
  • イベント情報

    『Nice Body Tour?』

    2019年2月15日(金)
    会場:埼玉県 北浦和 KYARA

    2019年2月23日(土)
    会場:静岡県 浜松 FORCE

    2019年3月2日(土)
    会場:福岡県 the voodoo lounge

    2019年3月3日(日)
    会場:宮崎県 SR BOX

    2019年3月9日(土)
    会場:広島県 BACK BEAT

    2019年3月10日(日)
    会場:愛知県 名古屋 CLUB UPSET

    2019年3月16日(土)
    会場:北海道 札幌 KRAPS HALL

    2019年3月20日(水)
    会場:宮城県 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd

    2019年3月24日(日)
    会場:大阪府 umeda TRAD

    2019年3月29日(金)
    会場:新潟県 CLUB RIVERST

    2019年3月30日(土)
    会場:石川県 金沢 GOLD CREEK

    2019年4月6日(土)
    会場:岡山県 ペパーランド

    2019年4月7日(日)
    会場:香川県 高松 TOONICE

    2019年4月19日(金)
    会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

    2019年5月18日(土)
    会場:沖縄県 那覇 Output

    プロフィール

    ドミコ
    ドミコ

    2011年結成。さかしたひかる(Vo,Gt)と長谷川啓太(Dr)の2人からなる独自性、独創性で他とは一線を画す存在として活動。バンドの音楽性はガレージ、ローファイ、サイケ等多面的に形容される事が多いが、その個性的なサウンドは確実にドミコでしかない。一目で釘づけになる常習性の高いライブに定評がある。2016年11月9日、1stフルアルバム『soo coo?』をリリース。2017年Space Shower TVが年間通して新人アーティストをPUSHする『NEW FORCE 2017』10組に選出される。6月、初の配信限定シングル『くじらの巣』をリリースし、Apple Music『今週のNEW ARTIST』に選ばれる。7月、『FUJI ROCK FESTIVAL'17』に初出演を果たした。10月18日には2ndフルアルバム『hey hey,my my?』をリリース、11月にはバンド初となる中国ツアーを敢行。その前後で全国8か所のワンマンツアー行い各所SOLD OUT。2018年の年明けに日本テレビ系列『バズリズム02』の『これがバズるぞ2018』で5位にランクイン。FM802 DJ、ディレクターによる2018年注目のアーティスト『POP UP!!』に選出。3月JET全国ツアーのゲストアクトを経て、初渡米。『SXSW Japan Nite』出演後、全米6か所を回るツアー無事終了させた。12月には初の台湾公演を開催。2019年2月6日には3rdアルバム『Nice Body?』をリリースし、同作の発売に伴って全国ワンマンツアー『Nice Body Tour?』が開催される。

    SPECIAL PR 特集

    もっと見る

    BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

    もっと見る

    PICKUP VIDEO 動画これだけは

    BIM“Wink”

    BIMの新作『NOT BUSY』より“Wink”の映像が公開。ゆるめに結んだネクタイは軽妙洒脱でも、背伸びはしない。どこか冴えない繰り返しのなかで<だって俺らの本番はきっとこれから>と、吹っ切れなさもそのままラップして次へ。BIMの現在進行形のかっこよさと人懐っこさがトレースされたようなGIFアニメが最高にチャーミング。(山元)

    1. ルパン三世・大野雄二が語る物作りの流儀「マンネリを恐れるな」 1

      ルパン三世・大野雄二が語る物作りの流儀「マンネリを恐れるな」

    2. 実写『浦安鉄筋家族』に水野美紀、岸井ゆきの、本多力、斎藤汰鷹、坂田利夫 2

      実写『浦安鉄筋家族』に水野美紀、岸井ゆきの、本多力、斎藤汰鷹、坂田利夫

    3. 賀来賢人が新川優愛に「バスドン」&岡田准一も修学旅行満喫 SoftBank新CM 3

      賀来賢人が新川優愛に「バスドン」&岡田准一も修学旅行満喫 SoftBank新CM

    4. Eveが『Smile』で果たした変化と独白。クロスレビューで探る 4

      Eveが『Smile』で果たした変化と独白。クロスレビューで探る

    5. 『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』が問いただす我々の歪んだ自意識 5

      『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』が問いただす我々の歪んだ自意識

    6. 妻夫木聡が「クルマ目線」で新型FITの気持ちを語る新CM 曲は奥田民生 6

      妻夫木聡が「クルマ目線」で新型FITの気持ちを語る新CM 曲は奥田民生

    7. モネら印象派の作品世界に「没入」 体験型展『Immersive Museum』4月開催 7

      モネら印象派の作品世界に「没入」 体験型展『Immersive Museum』4月開催

    8. 映画『Red』に岩井俊二、山下敦弘、あがた森魚、宇垣美里らがコメント 8

      映画『Red』に岩井俊二、山下敦弘、あがた森魚、宇垣美里らがコメント

    9. ビリー・アイリッシュ『007』主題歌“No Time To Die”音源公開&新予告編 9

      ビリー・アイリッシュ『007』主題歌“No Time To Die”音源公開&新予告編

    10. 椿昇×松倉早星 反逆のアートフェアが描こうとする京都の未来図 10

      椿昇×松倉早星 反逆のアートフェアが描こうとする京都の未来図