
努力してできないことはない。高校生R&BシンガーKAHOHの夢
LINE RECORDS- インタビュー・テキスト
- 沖さやこ
- 撮影:垂水佳菜 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)
「歌はやめたほうがいい。いちからやり直したほうがいい」ってボロボロに言われたこともあった。
—オーディション合格時に「たくさん悩んだ時期があった」とコメントしていらっしゃった時期もそうでしたか?
KAHOH:そうですね。中学3年の時期、めっちゃたくさんオーディションを受けて、全部いいところまでいって落ちてたんです(笑)。「歌はやめたほうがいい。いちからやり直したほうがいい」ってボロボロに言われたこともあって……それがいちばん悔しかったかも。たくさん泣きました。
「自分は人の心に届く歌を歌うことができない」「自分なんかの歌、誰も聴かない」と思った時期もあって。でも歌うことをやめることはできなかった。
—その理由は?
KAHOH:歌うことが好きだし、なにより歌は自分そのものなんですよ。だから歌うことをやめたら自分がいなくなっちゃう。ちゃんと歌を歌う人でありたいんですよね。
—KAHOHさんが好きな宇多田ヒカルさん、安室奈美恵さん、MISIAさんなどの女性シンガーは、2001年生まれのKAHOHさんが生まれる前から活躍している方々ですよね。上の世代の音楽を好む若い人たちはよく「お母さんがカーステで聴いていたから好きになった」とおっしゃることが多いですが、KAHOHさんは?
KAHOH:私の趣味です(笑)。ダンスの先生がMISIAさんを教えてくれて。それから、自分でYouTubeとかでめっちゃ調べて。関連動画でいろんなアーティストがたくさん出てくるから、2000年頃の曲をたくさん聴きました。その時代の音楽のリズム感がすごくかっこよくて好きなんです。
—KAHOHさんに限らず、今の10代、20代の方々は、昔の音楽をよく知っているなと思いますが、それにはインターネットの発達も大きく関係していると。
KAHOH:YouTubeとかストリーミングで音楽を聴いてきてるので、好きなアーティストという単位というか、曲単位で「これが好き」ってパターンがすごく多いんです。おまけに、昔の音楽に触れやすいんです。でもCDしかない時代だとそうはいかないですよね。
—その結果2000年頃の音楽に辿り着いて、興味が出てきたんですね。
KAHOH:今の音楽を否定するわけじゃないんです。でもこの時代は歌詞やグルーヴも「音楽」って感じがすごくするし、濃いように感じました。
今はSNSがあるから、アーティストと一般人の距離もすごく近いじゃないですか。宇多田ヒカルさんもMISIAさんも安室さんも、存在としてはすごく遠いですよね。でも音楽はすごく近くにいてくれる。音楽が本物で、リアルな感じがして、すごく好きなんです。こういう音楽をやっているからこそ、遠い存在になれたんだなとも思うんですよ。だからいろんな人が憧れる存在になるんだろうなって。
—KAHOHさんの言う「本物感」や「リアル」とは、どういうものでしょう?
KAHOH:超個人的な意見なんですけど、プライベートが一切見えなくて「その人のことを歌でしか知れない」って感じ。それがすごくかっこいいなと思うんです。
わからないから想像するじゃないですか。想像させる音楽をやっているのがかっこいい。SNSでその人のことを知るのは親近感が湧くけど、音楽=その人って感じるのが、すごくリアルだなと思うんです。その人の感情が音楽に乗っていて、すごく正直。……なんて言ったらいいんだろう、難しい(笑)。遠い存在なのに、音楽はリアルで近いのがかっこいい。
—お話を伺っていると、宇多田ヒカルさんやMISIAさんや安室奈美恵さんに憧れているというよりは、彼女たちが成し遂げていることをできるようになりたい、ということ?
KAHOH:そうです! 音楽としても存在としても、そういう唯一無二なところがかっこいい。カリスマですよね。そういうことができる人ってかっこいい! 私もかっこいいと思ってもらいたいんです(笑)。
リリース情報

- KAHOH
『HERE WE ARE』 -
2019年2月6日(水)配信
プロフィール

- KAHOH(かほ)
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現役高校生R&Bシンガー。2001年生まれの17歳。地元和歌山で4歳からダンスを始め、中学生から本格的に歌うことに目覚める。2018年に開催されたオーディションで才能を見出され、MACOらが所属するSTARBASEとマネージメント契約をする。透明さと力強さを兼ね備えた歌声で、大阪など関西でライブを中心に勢力的に活動中。2019年、LINEの音楽レーベル「LINE RECORDS」からのデビューが決定。2月6日にデビュー曲「HERE WE ARE」を配信リリースする。