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bohemianvoodooが語る、マイペースだからこそ守れた大事なもの

bohemianvoodooが語る、マイペースだからこそ守れた大事なもの

bohemianvoodoo『MOMENTS』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:垂水佳菜 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)

歌心のあるメロディーと多彩な音楽性を持ち味とする4人組インストバンド・bohemianvoodooが、3月20日に新作『MOMENTS』をリリースした。間にライブベスト盤&DVD『echoes』を挟んでいるものの、フルアルバムとしては4年ぶり。同じPlaywrightレーベルから作品を発表しているfox capture planやTRI4THらと比較すると、結成11年目にしてフルアルバム4枚というのは、マイペースな活動だと映るかもしれない。

しかし、「必ず一度ライブでやって、それから録音する」という有機的な曲作りなどを経て、彼らは着実にリスナーとの信頼関係を築いてきた。2012年に公開された初期の代表曲“Adria Blue”が今もジワジワと聴かれ続け、YouTubeで320万再生を記録しているのは、そんなスタンスを象徴する一例であり、サイクルの速い音楽ビジネスのなかにあって、もう一度それぞれの活動ペースを再考するきっかけを与えてくれる。木村イオリとbashiryという2人のコンポーザーを擁するバンドの個性を改めて紐解きながら、瞬間瞬間を積み重ねてきた10年の歩みを追った。

僕らは曲を作ったあと、一回ライブでやらないとレコーディングはしない。そこは他のバンドと違うところ。(bashiry)

—昨年の3月で結成10周年を迎え、ひさびさのオリジナルアルバム『MOMENTS』が完成しました。周年を大きく打ち出すバンドも多いなか、bohemianvoodoo(以下、ボヘ)は「10周年」をそこまで大きくは打ち出していなかったですよね?

bashiry(Gt):でも、3月20日ならギリギリ10周年期間中なので、すべり込みでリリースできました(笑)。

木村(Pf,Key):9周年ライブはやったんですけど……記念日とかにあんまり興味がないのかな(笑)。僕らはわりとマイペースなバンドだと思っていて。「毎年必ずリリースしよう」ということもなく、曲ができたらリリースする感じなので、今回もフルアルバムとしては4年も空いちゃいましたしね。

Nassy(Ba):『echoes』(2017年6月リリース、ライブベスト盤&DVD)が集大成でもあったので、そこで一区切りというか。今回の『MOMENTS』はその次に向けて作った感じです。

左から:木村イオリ、bashiry、山本拓矢、Nassy
左から:木村イオリ、bashiry、山本拓矢、Nassy

—確かに、2017年はひとつの節目の年だった印象があります。『echoes』のリリースもそうですし、12月に開催されたBLUE NOTE TOKYO(以下、ブルーノート)での初ワンマンも大きかったのかなと。

bashiry:ブルーノートにはカバー企画で一回出たことがあったんですけど、いつかオリジナルで出ることを目標にしていたので、めちゃくちゃ弾けた記憶がありますね。ライブ自体も1年弱ぶりくらいだったから、いろいろと思うところはありました。

木村:しばらくライブをしてなかったから、そもそもお客さんが集まってくれるのかなって心配が強かったんですけど、蓋を開けてみれば、早い段階でチケットが売れて。実際ステージに立ったら、ずっとバンドを応援してくれた人も、初めましての人も、いろんな人がステージを見上げていて、勇ましい感覚になったし、とにかく楽しく演奏することができました。

山本(Dr):当日よりも、あとからあの日得たものの大きさに気づいたかもしれない。プレイヤーとしては、どのステージでも変わらない気持ちでやってはいるんですけど。

Nassy:僕もどこでやってもそこまで差はない気がするんですけど、ただ、やっぱりブルーノートって聖地じゃないですか? そこに自分たちがワンマンで出るなんて、若い頃には想像もしてなかったので、「夢が一個叶っちゃった」とは思いましたね。

bohemianvoodoo、BLUE NOTE TOKYOにて(撮影 : 古賀恒雄)
bohemianvoodoo、BLUE NOTE TOKYOにて(撮影 : 古賀恒雄)
bohemianvoodoo、BLUE NOTE TOKYOにて(撮影 : 古賀恒雄)
bohemianvoodoo、BLUE NOTE TOKYOにて(撮影 : 古賀恒雄)

—木村さんから「マイペースなバンドだと思ってる」というお話がありましたが、Playwrightから作品を発表しているfox capture planや、今はメジャーに進んだTRI4THなどがいろんな施策を打ち出しているのに比べると、確かにマイペースというか、「自分たちの歩幅で歩んでいる」という印象があります。活動スタンスに関してはどんなことを大事にしていますか?

木村:メンバー全員が楽しく、それぞれのやりたいことをこのバンドでできる形がいいなっていう、それしか思ってないですね。

ビジネスライクな考え方もそんなにしてないですし、それよりも、ライブに来てくれるお客さんを大事にして、「来てよかった」と思って帰ってもらうためにはどうするかっていう、そこがバンドをやってる目的だったりします。

bashiry:確かに、「年に1枚リリースしよう」みたいなバンドも多いと思うんですけど、僕らは曲を作ったあと、一回ライブでやらないとレコーディングはしないから、そこは他のバンドと違うところなのかな。「このライブに向けて新曲2曲作ろう」ということを繰り返して、「アルバム1枚分くらいたまったかな? じゃあ、録ろうか」みたいな感じです。

Nassy:発表前の新曲だけをやるっていう、お客さんにとっては苦行みたいなライブをやってるんですけど、それをやるとなんとなくアルバムの形が見えてくるんですよね。

Nassy

木村:楽曲のクオリティを求めていったら、自然とそういうやり方になったんですよね。

山本:お客さんのことは常に気にかけつつ、ただ、全員無理はしないっていうのも決めていて、そこはPlaywrightがそういう活動スタンスを許容してくれているのも大きいですね。

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リリース情報

bohemianvoodoo
『MOMENTS』
bohemianvoodoo
『MOMENTS』(CD)

2019年3月20日(水)発売
価格:2,700円(税込)
PWT-053

1. 石の教会
2. Gypsy Funk
3. Once upon amoon
4. Theme of the “Strollin”
5. Casa Batllo
6. A Seaside Hut
7. Anise
8. Painagama
9. Montage
10. Morning Glow
11. The Moments

  • Apple Musicで聴く
  • イベント情報

    『bohemianvoodoo “MOMENTS” RELEASE TOUR 2019』

    2019年5月2日(木・祝)
    会場:福岡 大名 ROOMS

    2019年5月3日(金・祝)
    会場:岡山県 倉敷 108 ONE O EIGHT

    2019年5月4日(土)
    会場:大阪府 梅田 バナナホール

    2019年6月1日(土)
    会場:広島県 広島 LIFEMARKET HARBOR CLUB

    2019年6月22日(土)
    会場:香川県 高松 KITAHAMA PORT黒船屋

    2019年6月29日(土)
    会場:愛知県 名古屋 ブルーノート

    2019年10月13日(日)
    会場:東京都 品川 インターシティホール

    『bohemianvoodoo「MOMENTS」発売記念&タワーレコード錦糸町パルコ店オープン記念イベント』

    2019年4月21日(日)
    会場:東京都 タワーレコード錦糸町パルコ店 店内イベントスペース

    プロフィール

    bohemianvoodoo
    bohemianvoodoo(ぼへみあんゔ—どぅー)

    bashiry(Gt)/木村イオリ(Pf,Key)/Nassy(Ba)/山本拓矢(Dr)。2008年結成。東京・神奈川を中心にライブ活動を開始する。2012年12月、新鋭レーベルPlaywrightより、2ndアルバム『SCENES』をリリース。2013年、ドラムスが井上孝利から山本拓矢に交代。新たなメンバーで活動を続ける。2014年1月、ブルーノート東京初出演11月、待望の3rdアルバム『Aromatic』をリリース。2015年9月、『東京JAZZフェスティバル』出演。2017年6月、ライブベスト&DVD『echoes』リリース。12月、ブルーノート東京でのワンマンライブは初開催にして、即ソールドアウト。2018年2月、JAZZ JAPAN誌が主催する『JAZZJAPAN AWARD 2017』において、『echoes』が「アルバム・オブ・ザ・イヤー〜ニュー・ジャズ部門」を受賞。4月、初の海外公演となる、『Singapore International Festival of Arts 2018』に出演。代表曲”Adria Blue”のMVは視聴回数300万回を超え(2019年1月現在)、今もなお伸び続けている。ポップでメロディアス、ドラマチックな展開と爽快なドライブ感。楽曲から様々な風景がイメージされる、メロディアスインストバンドは、2018年に結成10周年をむかえ、音楽シーンにおいて、さらに勢いを増して活動中。

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