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ハナレグミとnever young beachが歌で伝える、日常の愛し方

ハナレグミとnever young beachが歌で伝える、日常の愛し方

never young beach『STORY』
インタビュー・テキスト
小野田雄
撮影:山川哲矢(Showcase) 編集:矢島大地(CINRA.NET編集部)

2017年のアルバム『SHINJITERU』以降、新たなフェーズに突入したハナレグミこと永積 崇と、5月8日リリースの新作アルバム『STORY』で新境地を切り開いたnever young beachの安部勇磨。はっぴいえんどのフォーキーな遺伝子を継承しながら、永積はソウルやファンク、安部は2000年以降のUSインディーを経由して、それぞれが独自の音楽世界を紡ぎ出しているシンガーにしてソングライターだ。

しかし、世代や音楽性、その熟成度といった違いを超えたところで、2人が響かせる歌にはどこか共通するものがあるように感じる。それは一体何なのか? 3月31日神戸・ワールド記念ホールと4月14日東京・両国国技館にて開催される新たなインドアフェス『Q(キュー)』への出演が共に予定されている両者が相まみえた今回の対談では、2人の歌に対する眼差しが交わるクロスポイントを探った。

“家族の風景”でハナレグミの存在を知って。当時聴いていた音楽にはない、あたたかくて優しい空気に衝撃を受けた。(安部)

—お二方が会うのは今回が初めてではないんですよね?

永積:そうですね。SUPER BUTTER DOGのかつてのメンバーで、コーラスを担当していたMegが安部ちゃんのボイストレーナーを務めていて。僕自身は以前からnever young beach(以下、ネバヤン)を聴いていたんですけど、Megに会った時に初めて安部ちゃんの話を聞かされたので、その後、どちらも出演していた『フジロック』の時に連絡を取り合って、そこで初めて会いました。

—Megさんが安部くんのボイストレーナーとは、すごい繋がりですね。

安部:Megさんとは冨田ラボさんのライブでご一緒して。Megさんはコーラスで参加されていて、僕も1曲歌わせてもらったんですけど、Megさんから「アンタ、体が曲がってるね。こんなんじゃ歌えなくなるよ」って。

永積:はははは。言われちゃった?

安部:はい。それでボイストレーニングを受けるようになり、そこで永積さんのお話を色々うかがいました。「アイツは自転車乗ってて、体が強いよ。アンタも体を鍛えなさい」って言われたり(笑)。永積さんが僕たちのことも知ってくださっているということだったので、Megさんに繋いでいただき、『フジロック』で初めてお会いしました。

左から:永積 崇(ハナレグミ)、安部勇磨(never young beach)
左から:永積 崇(ハナレグミ)、安部勇磨(never young beach)

—永積さんは作品を聴かれて、ネバヤンにどんな印象をお持ちですか?

永積:パッと聴いて、楽しかった。僕は音楽を聴く時、その音楽の脈絡より音の根幹部分に興味があって、ネバヤンは、頭で考えず、すっと体に入ってくるところが自分にとって珍しい体験だなと思いました。

ただ、彼らに対して、よく言われている「懐かしさ」はよく分からなくて。むしろ、自分と同じようなことを考えているような気がしたし、安部くんは毎日どんなことを考えているんだろう? と興味をそそられましたね。

Spotifyで“なんかさ”を聴く

—かたや、安部くんが永積さんの音楽を初めて聴いたのは?

安部:中高生の頃ですね。友達がハナレグミの“家族の風景”を弾き語りで歌っていて、その存在を初めて知って。アルバムを聴いてみたら、当時、僕が聴いていた音楽にはない独自の言葉、サウンドで、あたたかくて優しい空気感を表現していて、かなりの衝撃を受けたんです。しかも、ライブでは作品とはまた違った永積さんのパワーが感じられて、これは一体どういうことなんだ!? って。

永積:それで『フジロック』で会ってすぐ、溜まりに溜まってた機材の話を爆発的にしてきたもんね(笑)。

安部:ははは。Megさんにも「なんで永積さんの声はあんなに倍音があって、伸びるんですか? マイクは何を使っているんですかね?」って質問したんですけど、「安部ちゃん、それはマイクの違いでも何でもなくて、アイツ自体が鳴ってるのよ」って言われて、そこから歌に対する意識もさらに変わりましたし、永積さんに対しても色んなことを訊いてみたくなってしまって(笑)。

架空の話を書くのも、目の前の現実を書くのも苦手。さっきまでそこにいた人たちの気配とか、白昼夢みたいな瞬間から広がる物語を書いている。(ハナレグミ)

—では、安部くんが今永積さんに対して、一番訊きたい質問は?

安部:最近、歌詞の書き方について色々と考えていて、書き方を変えるというか、自分なりにチャレンジしていかなきゃなと思っているんですけど、永積さんは歌詞を想像で書かれているのか、それとも実体験を何らかの形で反映させているのか。どういう書き方をされているんですか?

永積:空想みたいなこと、例えば、架空の人の話や行ったことがない場所の話とか、そういうものは書けないな。一方で、僕の場合は目の前で今まさに起こっている現実を書くのも苦手だったりして、例えば、さっきまでそこにいた人たちの気配とか、日々生活していると白昼夢みたいな瞬間があるじゃない? そういうところから広がる物語を書いているというか。

安部:白昼夢というと、ちょっと時間が経ったり、距離があるものとか?

永積:そう、自分との距離ができるまで時間が欲しいということなのかも。

左から:永積 崇(ハナレグミ)、安部勇磨(never young beach)
左から:永積 崇(ハナレグミ)、安部勇磨(never young beach)

安部:こんなこと訊くのは野暮なんですけど、曲と歌詞どちらが先に思い付きますか?

永積:もともと、SUPER BUTTER DOGは、曲、アレンジが先だったんだけど、そこに歌詞のアイデアをぶつけていくのがだんだん大変になっていったので、ハナレグミをやる時は先に歌詞を書こうと思った。でも、最近はまた曲が先にできることが多くなってきてるかな。

安部:先に上がった曲に歌詞を付けるのは大変じゃないですか?

永積:大変だね(笑)。そもそも歌詞はめちゃくちゃ時間がかかるし、先にできた曲に言葉を付ける場合、メロディが持つ世界と思っていることを言葉でどう繋げるか。僕の場合は歌詞を書いているうちに、その言葉に合わせてメロディが変わっていっちゃうことも多かったりするんだけどね。安部ちゃんの場合はどうなの?

安部:僕は曲が先にできると何を歌えばいいのか悩んでしまうんですよ。だから、日々思い付いたことをメモにいっぱい書き留めておいて、それを改めてノートに書き出しておくんです。そして、できた曲にどの言葉が当てはまるのか、そのノートを見ながら色んなパターンを試して、歌詞ができたら、弾き語って試して、また手を加える。その繰り返しなんですけど、曲はぱっとできるのに、作詞はとにかく悩むんですよ。

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リリース情報

never young beach『STORY』初回限定盤 A
never young beach
『STORY』初回限定盤 A(CD+Blu-ray)

2019年5月8日(水)発売
価格:4,860円(税込)
VIZL-1581

[CD]
1. Let's do fun
2. STORY
3. 春を待って
4. うつらない
5. 春らんまん
6. いつも雨
7. 歩いてみたら
8. 思うまま
9. 魂のむかうさき
10. Opening

[Blu-ray]
・『Documentary of“STORY”』
・『10inch Vinyl <うつらない/歩いてみたら>Release TOUR-NAGOYA- 2018.12.1』
1. うつらない
2. なんかさ
3. どうでもいいけど
4. あまり行かない喫茶店で
5. CITY LIGHTS
6. 夢で逢えたら
7. SURELY
8. お別れの歌
9. Pink Jungle House
10. いつも雨

never young beach
『STORY』初回限定盤 B(CD+DVD)

2019年5月8日(水)発売
価格:4,320円(税込)
VIZL-1582

1. Let's do fun
2. STORY
3. 春を待って
4. うつらない
5. 春らんまん
6. いつも雨
7. 歩いてみたら
8. 思うまま
9. 魂のむかうさき
10. Opening

[DVD]
・『Documentary of“STORY”』
・『10inch Vinyl <うつらない/歩いてみたら>Release TOUR-NAGOYA- 2018.12.1』
1. うつらない
2. なんかさ
3. どうでもいいけど
4. あまり行かない喫茶店で
5. CITY LIGHTS
6. 夢で逢えたら
7. SURELY
8. お別れの歌
9. Pink Jungle House
10. いつも雨

never young beach『STORY』通常盤
never young beach
『STORY』通常盤(CD)

2019年5月8日(水)発売
価格:3,024円(税込)
VICL-65184

1. Let's do fun
2. STORY
3. 春を待って
4. うつらない
5. 春らんまん
6. いつも雨
7. 歩いてみたら
8. 思うまま
9. 魂のむかうさき
10. Opening

never young beach
『STORY』アナログ盤(LP 12inch 重量盤)

2019年5月8日(水)発売
価格:3,780円(税込)
VIJL-60203

1. Let's do fun
2. STORY
3. 春を待って
4. うつらない
5. 春らんまん
6. いつも雨
7. 歩いてみたら
8. 思うまま
9. 魂のむかうさき
10. Opening

リリース情報

ハナレグミ『SHINJITERU』
ハナレグミ
『SHINJITERU』

2017年10月25日(水)発売
価格:3,240円(税込)
VICL-64847

1. 線画
2. ブルーベリーガム
3. 君に星が降る
4. 深呼吸
5. My California
6. ののちゃん
7. 消磁器
8. 秘密のランデブー
9. Primal Dancer
10. 太陽の月
11. YES YOU YES ME

イベント情報

『never young beach HALL TOUR 2019 “STORY”』

2019年5月10日(金)
会場:北海道 札幌 道新ホール

2019年5月12日(日)
会場:大阪府 グランキューブ大阪

2019年5月15日(水)
会場:新潟県 新潟市音楽文化会館

2019年5月17日(金)
会場:愛知県 名古屋市公会堂

2019年5月24日(金)
会場:福岡県 博多 福岡国際会議場 メインホール

2019年5月29日(水)
会場:東京都 渋谷 NHKホール

イベント情報

『Q』

2019年3月31日(日)
会場:兵庫県 神戸ワールド記念ホール

2019年4月14日(日)
会場:東京都 両国国技館

出演:
GODIEGO
Cornelius
クラムボン
ハナレグミ
ペトロールズ
never young beach

イベント情報

『ハナレグミ with U-zhaan「タカシタブラタカシ」』

2019年5月29日(水)
会場:京都府 金剛能楽堂

2019年5月30日(木)
会場:兵庫県 神戸・旧グッゲンハイム邸

2019年5月31日(金)
会場:大阪府 千日前ユニバース

プロフィール

ハナレグミ
ハナレグミ

永積 崇。1997年にSUPER BUTTER DOGでメジャーデビューし、2002年よりハナレグミ名義での活動をスタートさせる。是枝裕和監督映画『海よりもまだ深く』の主題歌として“深呼吸”を提供。2017年には7枚目のフルアルバム『SHINJITERU』をリリースし、2018年にはフジファブリックとのスペシャルユニット「ハナレフジ」としての活動も展開した。

never young beach
never young beach(ねばー やんぐ びーち)

安部勇磨(Vo,Gt)、阿南智史(Gt)、巽啓伍(Ba)、鈴木健人(Dr)によるロックバンド。2014年春に宅録ユニットとして活動開始。2014年8月に阿南、巽、鈴木が加入、2018年にオリジナルメンバーの松島が脱退し、現在の編成に。5月8日に3rdアルバム『STORY』をリリースする。

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