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鹿野淳が語る、ロックフェスの信念と『VIVA LA ROCK』の真実

鹿野淳が語る、ロックフェスの信念と『VIVA LA ROCK』の真実

『VIVA LA ROCK 2019』
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:関信行 編集:矢島大地(CINRA.NET編集部)

ゴールデンウィーク、そしてロックシーンの名物として完全に定着したと言っていいだろう。埼玉県最大のロックフェスとして2014年にスタートした『VIVA LA ROCK』が、今年で6回目の開催を迎える。すでにアナウンスされている中でも目を惹くのは、毎年の課題だった、さいたまスーパーアリーナの導線問題を抜本的に解消すべく「スタジアムモード」(アリーナの仕切りをすべて取り払い、最大サイズにすること)で開催されること。これにより、これまで別空間にあった2ステージが巨大な一空間内に配置されるようになり、フェスのシステム自体が根底から変わる。そして、4日間開催に拡大されること。全97組となった「ロックにこだわりながらもカラフルなラインナップ」が示すのは、未知の音楽体験を浴びるための可能性そのものだ。今年も、熟慮を重ねた上での大胆な進化と挑戦が『VIVA LA ROCK』にはある。

本フェスを主催する鹿野淳へのインタビューは、2017年にも似た趣旨で行った。しかし、この2年でロックの位置付けも、ロックへの批評も、フェスの在り方も、大きく変わった。特に、2020年を境にエンターテイメントの本質が変わったり、その勢いに付いていけないものが淘汰されたりしていくのは間違いない。その時を目前に『VIVA LA ROCK』と鹿野淳が灯し続けるものとはなんなのか? シビアな時代に『ビバラ』が貫く魂とはなんなのか?

フェスが生き抜くための方法以上に、音楽を愛し、ロックを信じ、人に向き合って動き続ける信念が、ここにはある。

『ビバラ』が6年目を迎えることには達成感はない。フェスが過当競争で飽和状態という状況はずっと続いているし、1年1年が勝負なんだよね。

—いきなりですけど、僕は未だに鹿野淳という人は『VIVA LA ROCK』(以下、『ビバラ』)のオーガーナイザーである前に『MUSICA』を立ち上げた編集者であり書き手としての存在感が大きいと思っていて。株式会社FACTの社長でもあるご自身にとっては『ビバラ』ってどういう位置づけなんですか?

鹿野:まずそのご意見はね、嬉しいんです。何故ならばフェスをやることも、自分にとってはメディアワークなんですよ。つまり、プロダクションやエンターテイメントの企画屋でもないし、ましてやフェス屋・イベント屋みたいな会社にはなりたくないという距離感があって。だから実際、うちの会社の半分以上の人は、開催当日以外はほぼビバラにタッチしていないんです。もはやパブリックイメージとしてはSNSでも「『MUSICA』の鹿野」よりも「『ビバラ』の鹿野」というイメージの方が多いんだけどさ。でも、自分の中ではメディア人としての最低限の礼儀と距離感は持ってるよ。

—礼儀というのは? 編集者であり書き手であるということですか?

鹿野:自分の生業は音楽ジャーナリストであるということ。これは言い訳でもなんでもなく、生理のようなもので。だから、そこに対する時間のかけ方は今すごく悩んでるところでもあるんだけど。『ビバラ』は開催する度に変更を含めて準備にかかる時間とストレスが多くなっているから。

—でも、『ビバラ』のチームも年々増えてるわけですよね?

鹿野:ん? あんまり増えてないよ。

—なんで増やさないんですか?

鹿野:だって、フェスの濃度が薄くなるじゃん。まあ、自分が担っている部分が多過ぎるという問題が明確にあるのはわかってます。だけど、自分以外にそれこそこのフェスの80%以上を仕切れる人が現れて、バトンを渡さないかぎりは『ビバラ』はこのやり方しかなくて。もしくはこのやり方で僕の神通力が効かなくなってこのフェスがまったく違うやり方を選択するのか。その二択しかないわけ。

そうなってくると新しいシステムでやるのか、もしくは自分より若くて、でも自分と同じくらいのキャリアや力を持ってる人に渡すのか──今、何歳か知ってる?

—いくつなんですか?(笑)

鹿野:54なんだよ、もう(苦笑)。

鹿野淳(しかの あつし)<br>音楽ジャーナリスト。1989年に扶桑社入社、翌1990年に株式会社ロッキング・オンに入社。98年より音楽専門誌『BUZZ』、邦楽月刊誌『ROCKIN’ON JAPAN』の編集長を歴任。『ROCK IN JAPAN FES』は構想から関わり、企画 / オーガナイズ / ブッキングに尽力。2003 年には『COUNTDOWN JAPAN 03/04』を立ち上げ、国内初のカウントダウン・ロック・フェスティバルを成功させた。2004に年ロッキング・オンを退社後、有限会社FACTを設立(現在は株式会社)。2006年に月刊『STARsoccer』を(現在は休刊中)、2007年3月には『MUSICA』を創刊させた。そして2014年には、埼玉県最大のロックフェス『VIVA LA ROCK』を立ち上げ、2019年に6回目の開催を迎える。
鹿野淳(しかの あつし)
音楽ジャーナリスト。1989年に扶桑社入社、翌1990年に株式会社ロッキング・オンに入社。98年より音楽専門誌『BUZZ』、邦楽月刊誌『ROCKIN’ON JAPAN』の編集長を歴任。『ROCK IN JAPAN FES』は構想から関わり、企画 / オーガナイズ / ブッキングに尽力。2003 年には『COUNTDOWN JAPAN 03/04』を立ち上げ、国内初のカウントダウン・ロック・フェスティバルを成功させた。2004に年ロッキング・オンを退社後、有限会社FACTを設立(現在は株式会社)。2006年に月刊『STARsoccer』を(現在は休刊中)、2007年3月には『MUSICA』を創刊させた。そして2014年には、埼玉県最大のロックフェス『VIVA LA ROCK』を立ち上げ、2019年に6回目の開催を迎える。

—鹿野さん、50になったら引退してロンドンかどっかでコロッケ屋を開くとか言ってませんでしたっけ?

鹿野:いや、50歳のときにロンドンでコロッケ屋をやりたかった理由は、50歳がそれをやれるギリギリのボーダーラインだと思ってたからで。だって、俺がコロッケ屋をやるってそれは経営願望じゃないからね。自分でコロッケを1日に何百個揚げるってことだからね。

—いや、それはどうでもいいんですけど(笑)。

鹿野:だから僕を踏み台にして『ビバラ』を受け継ぐという人がいたら、このフェスにとって一番いいなと思ってるけどね。

鹿野淳

—『ビバラ』は今年で6年目なんですよね。

鹿野:そのうちの2、3年は遊びに来てくれてるんだっけ?

—いや、4年くらい遊びに行かせていただいてますね。

鹿野:そっか。今日は僕からCINRA.NETさんに「インタビュアーとして『ビバラ』をちゃんと体感してくれているうえで口が悪い人間をご用意いただけませんか?」ってお願いをしていて。

—(笑)。

鹿野:『ビバラ』の取材をたくさん受けさせてもらっている中で、フェスの内容を褒められたりフェスについて客観的に訊いていただいたりするものはありがたいことにあって。でも、読み手にとって有意義で、しかもハラハラするようなインタビューをしてもたえたらなと思って。

—いや、でも、まずは普通のことを訊いていいですか? 6年これくらい大きな規模のフェスを続けるって、精神的にも会社の体力的にもかなりタフなことだと思うんですけど。そのリアルな実感ってどんなものなんですか?

鹿野:自分がオーガナイザーを務めたフェスとしては、『ビバラ』の前に2010年から3年間、新木場若洲海浜公園で開催した『ROCKS TOKYO』というフェスがあって。あのフェスを開催した時点ですでに沢山言われていたけど、『ビバラ』は2014年に初開催したから、フェスとしてはかなり後進フェスなわけ。だから「いまさらなんでやるんですか?」「フェスが過当競争で飽和状態を迎えている中で、そこであえて新しいフェスをやるのはなぜですか?」という話から始まっていて。そういう意見を全部浴びて「ナニクソ!」って思いながらやってきたんです。

だから、そういう意味でも『ビバラ』が6年目を迎えるということに達成感はないんです。フェスが過当競争で飽和状態という状況は依然として続いているし、1年1年がほんとに勝負なんだよね。だから気持ちもそうだし、実質的にこの1年がなかったら来年の1年はないという状況がそれこそ去年くらいまでずっと続いていて。

鹿野淳
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イベント情報

『VIVA LA ROCK 2019』
『VIVA LA ROCK 2019』

2019年5月3日(金・祝)、5月4日(土・祝)、5月5日(日・祝)、5月6日(月・休)
会場:埼玉県 さいたまスーパーアリーナ

5月3日出演:
ACIDMAN
THE ORAL CIGARETTES
KEYTALK
go!go!vanillas
Saucy Dog
崎山蒼志
SUPER BEAVER
DJライブキッズあるある中の人
Tempalay
Nulbarich
ニトロデイ
ネクライトーキー
BURNOUT SYNDROMES 
BIGMAMA
藤井 風
BRADIO
BLUE ENCOUNT
フレデリック
Base Ball Bear
PELICAN FANCLUB
Bentham
ヤバイTシャツ屋さん
ユアネス
LAMP IN TERREN

5月4日出演:
青木慶則
赤い公園
ASIAN KUNG-FU GENERATION
OGRE YOU ASSHOLE
Awesome City Club
Official髭男dism
King Gnu
Creepy Nuts
ゲスの極み乙女。
Ghost like girlfriend
Suchmos
SKY-HI
スガ シカオ
竹原ピストル
田島貴男(ORIGINAL LOVE)
THE CHARM PARK
CHAI
DJピエール中野
TENDRE
TENDOUJI
never young beach
PUNPEE
VIVA LA J-ROCK ANTHEMS
【Ba:亀田誠治/Gt:加藤隆志(東京スカパラダイスオーケストラ)/Gt:津野米咲(赤い公園)/Dr:ピエール中野(凛として時雨)】
FIVE NEW OLD
YAJICO GIRL

5月5日出演:
愛笑む
秋山黄色
UVERworld
大森靖子
折坂悠太(合奏)
KANA-BOON
クリープハイプ
SHISHAMO
神聖かまってちゃん
ズーカラデル
w.o.d.
DJダイノジ
teto
the telephones
Nothing's Carved In Stone
NICO Touches the Walls
パノラマパナマタウン
ハルカミライ
Hump Back
マカロニえんぴつ
マキシマム ザ ホルモン2号店
※フランチャイズ店メンバー
眉村ちあき
UNISON SQUARE GARDEN
yonige

5月6日出演:
打首獄門同好会
ENTH
オメでたい頭でなにより
キュウソネコカミ
Getting Better :片平実
G-FREAK FACTORY
SiM
SHADOWS
四星球
SCOOBIE DO
10-FEET
東京スカパラダイスオーケストラ
TOTALFAT
Track's
Halo at 四畳半
04 Limited Sazabys
FOMARE
HEY-SMITH
The BONEZ
眩暈SIREN
ヤングオオハラ
LUNKHEAD
リーガルリリー
ROTTENGRAFFTY

プロフィール

鹿野淳(しかの あつし)

音楽ジャーナリスト。1989年に扶桑社入社、翌1990年に株式会社ロッキング・オンに入社。98年より音楽専門誌『BUZZ』、邦楽月刊誌『ROCKIN'ON JAPAN』の編集長を歴任。『ROCK IN JAPAN FES』は構想から関わり、企画/オーガナイズ/ブッキングに尽力。2003年には『COUNTDOWN JAPAN 03/04』を立ち上げ、国内初のカウントダウン・ロック・フェスティバルを成功させた。2004に年ロッキング・オンを退社後、有限会社FACTを設立(現在は株式会社)。2006年に月刊『STARsoccer』を(現在は休刊中)、2007年3月には『MUSICA』を創刊させた。そして2014年には、埼玉県最大のロックフェス『VIVA LA ROCK』を立ち上げ、2019年に6回目の開催を迎える。

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