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向井太一と、10人のアーティスト。ひとりに寄り添う音楽を語る

向井太一と、10人のアーティスト。ひとりに寄り添う音楽を語る

「Park BGM」
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:井崎竜太朗 編集:石澤萌(CINRA.NET編集部)

ひとりの時間はいいものだ。やらなきゃいけないこと、会わなきゃいけない人、聞かなきゃいけない話、話さなきゃいけない話……そんなものを全部取っ払った、空っぽで豊かなひとりぼっちの時間。忙しい日々のなかで、そんな時間をどれだけ意識的に持つことができるかで、私たちの日常の形はほんの少しだけでも、その姿を変える。この社会で生きていくために抱え込んだ大切な荷物を、少しの間家に置いておいて、空っぽなあなたのままで、ひとりで公園にでも出かけてみませんか?――この記事ではそんな提案を、あなたにしてみたいと思う。

Ginza Sony Parkのプログラム「Park BGM」では、国内外のアーティストやクリエイターが「今、Ginza Sony Parkで聴きたい音楽」をテーマにセレクトした10枚のアルバムを、園内BGMとして楽しむことができる。今回、CINRA.NETとコラボした特別編として、5月13日~5月26日の2週間セレクターを務めるのが、シンガーの向井太一だ。

制作に煮詰まるとひとりで公園に行くこともあるという彼がセレクトした10枚の作品は、まさに、自分に優しさを向けたいときに胸に響くであろう、孤独で美しい作品たち。是非、この記事のアルバムリストを参考にしながら、あなたも音楽を傍らに沿えて、ひとりの時間を堪能してみてほしい。もちろん音楽を聴くのに疲れたら、途中で止めても構わない。ひとりぼっちのときにしか出会えない宝物が、どんな人にもきっとある。

向井太一にとって公園はどんな場所? 「実は、すごく暗い曲の歌詞を公園で書いたりするんですよね(笑)」

—今日は、Ginza Sony Parkのプログラム「Park BGM」のために向井さんに選曲していただいた10枚のアルバムについての話を伺おうと思います。選んでいただいたアルバムはどれも、とても向井さんらしく上品でした。

向井:本当ですか? すごく独りよがりの選曲をした気がするんですけど(笑)。

向井太一(むかい たいち)<br>1992年3月13日、福岡生まれ、A型。シンガーソングライター。幼少期より家族の影響でブラックミュージックを聴き育つ。その後、地元の音楽高校を卒業後、2010年に上京。ジャズとファンクをベースとしたバンドにボーカルとして加入し、東京都内を中心にライブ活動を経て、2013年より柔軟に音楽の幅を広げるためソロ活動をスタート。ファッション誌のウェブサイトでのコラム執筆やモデルなど、音楽以外でも活動の場を広げる。
向井太一(むかい たいち)
1992年3月13日、福岡生まれ、A型。シンガーソングライター。幼少期より家族の影響でブラックミュージックを聴き育つ。その後、地元の音楽高校を卒業後、2010年に上京。ジャズとファンクをベースとしたバンドにボーカルとして加入し、東京都内を中心にライブ活動を経て、2013年より柔軟に音楽の幅を広げるためソロ活動をスタート。ファッション誌のウェブサイトでのコラム執筆やモデルなど、音楽以外でも活動の場を広げる。

—そんなことないですよ(笑)。「今、Parkで聴きたい音楽」というお題をもとに選んでいただいたと思うんですけど、全体を通してどんなことを意識されましたか?

向井:公園には行くほうなんです。Ginza Sony Parkのイメージも、みんなで行くというよりは、ひとりでもふらっと行ける場所かなって思って。なので、ひとりでいることを想定して選びました。聴いていて疲れない、気分を上げるというよりは落ち着いてBGMとして聴ける曲がいいなと思ったんですよね。溶かしてくれるような音楽を選んだつもりです。

—公園にはよく行かれるんですか?

向井:行きますね……落ち込んでいるときとか(笑)。僕は煮詰まりやすいんですよね。家で歌詞を書いていて、上手く出てこなくなるとすぐに場所を変えて、公園に行ったりします。実は、すごく暗い曲の歌詞を公園で書いたりするんですよね(笑)。散歩が好きなので、晴れている日に「今日、公園寄って帰ろう」って、ふらっと寄るときもあるし。皇居で、パンを買って座って食べていたりもしますよ。

Ginza Sony Parkで、エンタテインメントロボットのaiboとたわむれる向井
Ginza Sony Parkで、エンタテインメントロボットのaiboとたわむれる向井

「着うた」登場前の味わい深さが詰まった1枚。Bonnie Pink『Heaven's Kitchen』(1997年)

—ここからは個々のアーティストや作品に対する向井さんの思い入れを語っていただこうと思うんですけど、まず、この10組のなかで唯一の日本人であり、最も古い作品がBonnie Pink『Heaven's Kitchen』(1997年)ですね。

向井:『Heaven's Kitchen』は、ジャケットも含めて大好きなアルバムですね。このジャケット、すごくよくないですか? 自分の作品のジャケを作るときにも思っていることなんですけど、ジャケットって情報量は少ないほうがいいと思うんですよ。その上で、携帯やiPodに表示されても絶対に恥ずかしくならないジャケが理想的だなって思っていて。電車で音楽を聴いているときに、「周りにジャケを見られるの嫌だな」って思いたくないじゃないですか。そういう意味でも、『Heaven's Kitchen』のジャケは完璧だと思います。本当にいい写真だなって思う。

Bonnie Pink『Heaven's Kitchen』を聴く(Apple Musicはこちら

—音楽的にはどうですか?

向井:Bonnie Pinkさんは、メロディを作る天才だなって思いますね。ポップだけどニッチで、素人も玄人も聴くことができる。特に『Heaven's Kitchen』にはアニメ『るろうに剣心』のアニメ主題歌“It's gonna rain!”も入っていて、ポップな作品であるんだけど、目線を変えれば味わい深く聴くことができる作品で。僕が一番好きな“Lie Lie Lie”っていう曲は、特にこのアルバムのなかでも暗くて、だけど聴いていると落ち着く曲なんです。

Bonnie Pinkさんって1990年代後半、「着うた」(2002年から2016年にかけて提供された、携帯電話の着信音を特定の楽曲にできるサービス)世代の前に出てきた人だと思うんです。僕は着うた世代ど真ん中で、その頃はアッパーな音楽が多かったし、R&Bといえばダンス、みたいな感じだったんですよ。だからこそ、Bonnie Pinkさんのような落ち着く音楽に惹かれるものがあったのかもしれないです。

向井太一
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プログラム情報

「Park BGM × CINRA.NET」

2019年5月13日(月)~5月26日(日)
会場:Ginza Sony Park 地下4階

「今、Ginza Sony Parkで聴きたい音楽」をテーマに、向井太一がセレクトした10枚のアルバムがGinza Sony Park園内でBGMとして流れます。

プロフィール

向井太一(むかい たいち)

1992年3月13日、福岡生まれ、A型。シンガーソングライター。幼少期より家族の影響でブラックミュージックを聴き育つ。その後、地元の音楽高校へ進み、卒業後、2010年に上京。東京都内を中心にバンド活動を経て、2013年より柔軟に音楽の幅を広げる為、ソロ活動をスタート。ファッション誌のウェブサイトでのコラム執筆やモデルなど、音楽以外でも活動の場を広げる。今年7月には東阪福で自身企画の対バンツアーが決定している。

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