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東郷清丸のもの作り精神。型にはまらず、子どものように自由に

東郷清丸のもの作り精神。型にはまらず、子どものように自由に

東郷清丸『Q曲』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:今井駿介 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

東郷清丸の活動を追いかけると、本来なくてもいい「枠組み」や「肩書き」から解放されて、フッと体が軽くなるような感覚を覚える。グラフィックデザインと印刷を軸とする株式会社Allrightに所属し、活版印刷職人として働きながら、2017年に社内レーベル「Allright Music」を設立。1stアルバム『2兆円』がASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文らに評価され、以前より交流のあったスカートとの2マンライブを実現させるに至ったのは、ちょっとしたサクセスストーリーを見るようであり、希望を感じさせる出来事だった。

1年半ぶりとなる2ndアルバム『Q曲』は、洒脱かつストレンジなソウル風味はそのままに、リズム隊の厚海義朗と河合宏知、エンジニアの葛西敏彦らの尽力もあって、より強烈なグルーヴを手に入れた1枚。彼の音楽そのものもまた、体と頭を様々なしがらみから解き放ってくれるものだ。そして、“201Q”からスタートするSF的な世界観は、村上春樹の『1Q84』がそうであったように、イマジネーションによって現代社会を再定義するようでもある。東郷清丸からのクエスチョン、あなたはどう受け止めるだろうか?

「周りと違うのが好き」っていうのは、昔からずっと変わらないです。

―東郷さんは初対面の人に自分の仕事や職業を説明するとき、どう答えていますか?

東郷:「活版印刷と音楽」ですね。もちろん、相手によっても言い方が変わるんですけど、肩書きって言われると……いつも考えちゃいます。ミュージシャンがやりたくて音楽をやってるわけでも、活版印刷職人がやりたくて活版印刷をやってるわけでもないというか、好きなことをやってたらこうなったという感じなので、説明は難しいんですよね。自分のやり方でやっていたら、一般的な枠組みから自然とはみ出していきました。

東郷清丸(とうごう きよまる)<br>1991年、横浜生まれ。幼少期からバスケットボールで培った身体感覚と合唱コンクールの指揮者で養ったカンのようなものをベースに16歳頃から作曲を始める。童謡からポップス / ロック / ブラックミュージック / ラップなどの音楽のみに留まらず、人の会話や虫の鳴き声や車のエンジンや換気扇の回る音にいたるまで、耳に入るもの全てに感銘を受けながら音楽表現に取り組むソングライター。2019年5月29日、2ndアルバム『Q曲』をリリース。
東郷清丸(とうごう きよまる)
1991年、横浜生まれ。幼少期からバスケットボールで培った身体感覚と合唱コンクールの指揮者で養ったカンのようなものをベースに16歳頃から作曲を始める。童謡からポップス / ロック / ブラックミュージック / ラップなどの音楽のみに留まらず、人の会話や虫の鳴き声や車のエンジンや換気扇の回る音にいたるまで、耳に入るもの全てに感銘を受けながら音楽表現に取り組むソングライター。2019年5月29日、2ndアルバム『Q曲』をリリース。

―学生時代からずっとバンドをやりつつ、大学卒業後はAllrightとは別の印刷会社で営業の仕事をしていたそうですね。

東郷:デザインは勉強したことなかったんですけど、バンドのフライヤーとかを作っているなかで、印刷方法を変えるだけで仕上がりがかなり変わることに気づいて、だんだん印刷への興味が湧いてきたんです。もともと学級新聞を作ったりしていたし、人に何かを広めることが好きだったので、バンドもやりつつ、印刷会社に就職して、スーツを着て営業していました。

―Allrightのことはどのように知ったんですか?

東郷:Allrightのこと自体は就活中に知りました。そのときから、センスのいい人たちがやってる会社だなという印象でしたね。そうしたら、前からやっていたバンド(テンテイグループ)のメンバーがAllrightと仕事をするようになって、そのつながりで僕たちのライブを観に来てくれたことがあったんです。

東郷:そういう出会いがあって、しばらくバンドと仕事を両立して続けていたんですけど、そのうち営業職に疲れてきて……仕事について考え直さなきゃと思うようになったときに、この会社で働けたらと「僕に何かできることはありませんか?」ってAllrightの人たちに相談をしたんです。Allrightが風通しのいい場所だっていうのはわかっていたから。そこからいろいろ経てAllrightに活版印刷職人として入社することになりました。

―もともと印刷に興味を持っていたし、Allrightの社風も魅力的だったと。それでも活版印刷職人っていうのはなかなか特殊な仕事ですよね。

東郷:僕は活版印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、箔押しとか、印刷加工なら何でも好きなんですよ。なので、どれでもよかったと言うと語弊がありますけど、まずは風通しのいい場所であるAllrightに惹かれて、そこが活版印刷をやっていたっていう順番で。あとは、ポピュラーなものよりちょっとニッチなものが好きなので。

―それは音楽も含めて、昔からそういう嗜好があった?

東郷:そうですね。僕、小学生の頃、ランドセル買うのを拒否して、リュックで学校に通っていたんです。先生は親に「悪目立ちしちゃうから、ランドセルのほうがいいと思う」って言っていて、親もそのつもりだったらしいんですけど、僕はとにかくリュックのほうがかっこいいと思っていて。「周りと違うのが好き」っていうのは、昔からずっと変わらないですね。

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リリース情報

東郷清丸『Q曲』
東郷清丸
『Q曲』

2019年5月29日(水)発売
価格:2,700円(税込)
ALRM-006

1. 201Q
2. 龍子てんつく
3. アノ世ノ
4. L&V
5. 秋ちゃん
6. シャトー
7. Nepenthes
8. YAKE party No Dance
9. 多摩・リバーサイド・多摩

イベント情報

東郷清丸
『超ドQ』

2019年6月29日日(土)
会場:奈良県 奈良 NAOT NARA

2019年6月30日(日)
会場:三重県 珈琲Jenico

2019年7月13日(土)
会場:東京都 タワーレコード新宿店インストアライブ7Fイベントスペース
※入場無料、CD購入者サイン会有

2019年8月23日(金)
会場:大阪府 NOON

2019年9月14日(土)
会場:愛知県 名古屋 Live & Lounge Vio

2019年9月15日(日)
会場:京都府 京都 METRO

2019年10月5日(土)
会場:東京都 渋谷 WWW

プロフィール

東郷清丸
東郷清丸(とうごう きよまる)

1991年横浜生まれ。幼少期からバスケットボールで培った身体感覚と合唱コンクールの指揮者で養ったカンのようなものをベースに16歳頃から作曲を始める。童謡からポップス/ロック/ブラックミュージック/ラップなどの音楽のみに留まらず、人の会話や虫の鳴き声や車のエンジンや換気扇の回る音にいたるまで、耳に入るもの全てに感銘を受けながら音楽表現に取り組むソングライター。演奏時は弾き語り、エレキ+リズムマシンを用いたソロ、他プレーヤーを迎えてのバンド編成など、場所にあわせて自由な形をとる。2017年1月、自宅にて制作した「ロードムービー」をsoundcloudに公開し活動をスタート。同年3月に「TOKYO BIG UP!オーディション」最終選考出場。ライブ審査にて特別審査員の中尾憲太郎/ 松田“CHABE”岳二/MC.sirafu各氏に絶賛され審査員特別賞を獲得。2017年9月、自らの勤めるデザイン/活版印刷を軸とした会社Allright内に新たにレーベル“Allright Music”を立ち上げ、11月に1st Album「2兆円」リリース。“APPLE VINEGAR AWARD”ノミネート10作品にも選出される。2018年7月、FUJI ROCK FESTIVALにてROOKIE A GO-GOに出演し、翌年のメインステージ出演をかけた選考の会場投票で1位を獲得した。2019年3月27日、劇場版ぷちアニメ“恋するシロクマ”タイアップに起用され、メインテーマ曲“L&V”をリリースする。

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