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全て曝け出したBLUE ENCOUNT 成功を超えたバンドの葛藤と本音

全て曝け出したBLUE ENCOUNT 成功を超えたバンドの葛藤と本音

BLUE ENCOUNT『SICK(S)』
インタビュー・テキスト・編集
矢島大地(CINRA.NET編集部)
撮影:ヤマダマサヒロ
2019/06/06

パブリックイメージを壊したいと思ったことで、本当の自分が求められてるのか? っていう不安もあった。

田邊駿一

―自分達とは、っていう根っこに向き合ったはずなのに、それも結局は自分達に対するカウンターでしかなかったのがキツかったということですか。

田邊:そうだと思う。そもそもBLUE ENCOUNTがイメージを固定せずいろんな曲をやってきたのはなぜかって考えたら、俺らがバンドを始めた高校時代――2000年代アタマって、いろんな音楽がフィーチャーされて、マイナーな人やアンダーグラウンドな音楽がテレビ番組でも紹介されるカッコよさを目にした時期だったのね。

それを見て音楽の面白さを知ってきたからこそ、いろんな音楽性を持って、イメージを定めないバンドでいいじゃないかって思ってきたところはあるんですよ。だけど、アーティストでなくちゃいけないし、このままじゃイメージに消費されるし、っていう気持ちで焦って、なんとなく生き急いでた感じがして。そこでバンドの答えを全部出して、なんなら完結させようとしてた。で、眠れなくなって……思ったのは、このモヤモヤした状態の自分をなぜ外に出せないんだろうなって。

BLUE ENCOUNT“幻聴”を聴く(Apple Musicはこちら

―そうですよね。眠れない中での葛藤はまさに“幻聴”でも歌われている。

田邊:パブリックイメージを壊したいと思ったことで、本当の自分が求められてるのか? っていう不安もあったし……だから『VECTOR』を発売する頃って、俺もバンドもピリピリしてたんだよね。しかもなにをやっても結果が出てこないから、どんどん意気消沈していって。

バンドのリーダーは江口。でも、結局は俺なのよ。俺がやると言えば決まることもあるし、実際に曲を書いているのも俺で。一度自分の答えを出したと思ったからこそ、その後の羅針盤を俺がなくしちゃった感覚は相当あった。誰かのせいにしたかったけど、みんな頑張ってるのもわかってるじゃない? だから、結局は俺なんだなって思うしかない辛さだった気はする。

田邊駿一

―そこは、どうやって打破していったんですか。

田邊:去年の10月かな。山口県の大学の学祭でライブをやらせてもらった時に、MCでも演奏でもベースの辻村と俺が上手く疎通できない場面があって。で、楽屋に戻った瞬間に俺がいきなりキレちゃったの。で、その時に、「これはいよいよヤバいぞ」と。最近はメンバーともライブの反省みたいな話をしてなかったなって気づいて。そんな様子を見て、スタッフさんも「これは終わるな」って思ってたみたい。

でも、そんな時でも曲は謎に作りまくってて。2019年の1月は、リリースの予定がないにもかかわらず謎に曲作りの期間があったの。なんなら「どんな曲作ればいいんですか?」なんて聞いちゃうくらいのモチベーションでさ。でも、1ヵ月で100曲くらい作ったんだよ(笑)。

自分が舵をとると言いながら、3人に寄りかかってたのは俺なんだって思った。

―モチベーションとは別に、メロディと曲が一切涸れない人ですよね。そこが面白いし凄まじいところだと思います。作曲エンジンだけが独立しているというか。

田邊:曲がとにかく多いから、ブルエンってデビューの時から毎回、チーム全員で「この曲の中でどれをレコーディングしようか」って話し合う会議があるの。そこで各々が曲への想いを述べていくんだけど……それをまた1月にやろうって時に、俺は何を思ったか「その会議、要ります?」って言っちゃったの。

―……。

田邊:もう、サイコパス過ぎる発言をしちゃったんだよ。そこが唯一、みんなの熱意を繫ぎ止める場所だったのに。曲が出ることは出る。だけど、何に対して曲を生むのかっていうのは一切なくなってて、モチベーションが底をついてたんだよね。

で、その発言にマネージャーさんが珍しく本気で怒って、その時に初めて「このままじゃ本当に終わる」って実感して。それで俺が誘って、100年ぶりかと思うくらい久々に4人だけで飲みにいったの。で、まずは「最近どう」みたいな話から始まってさ(笑)。

―でも田邊くんが珍しく4人で飲もうと言い出した時点で、きっとみんなわかってますよね。

田邊:そう。だから結構早めに本題にまでいって。なぜこんなにギクシャクしているのか――結局は、4人とも「答えも正攻法もわからない」っていうのが大きくて、混乱してて。終わりを予感してたのも一緒だったんだよね。それに学生の時以来かな、江口が弱音を吐いたの。「俺はパフォーマンスについてもどうしたらいいかわからない」って。あいつはいい意味で自分に徹するタイプの人間だから、人に弱音を吐くなんて思わなくて。

そしたら辻村が江口に「じゃあ俺が支える」って言い出して。そうやって、飲み屋で話している時にそれぞれのいいところを改めて見返せてさ。よっちゃん(高村)は、他のメンバーを一番大事にしてるお母さんみたいなヤツ。辻村は辻村で、嫌なことは嫌だって言いつつ、ベースがむちゃくちゃ上手いから、そこに徹する。江口は、バンドのことも落ち着いて俯瞰してまとめてくれる。……自分が舵をとるって言いながらも3人に寄っかかってたのは俺なんだと思って。それで気づいたら、4人とも自分の弱みを吐き出せていて。だからこそ、お互いに助け合おう、このままじゃ死ねないって話になったんだよね。

田邊駿一
本インタビューの現場の様子は動画で公開中
本インタビューの現場の様子は動画で公開中(オフィシャルページで見る

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リリース情報

BLUE ENCOUNT『SICK(S)』完全生産限定盤
BLUE ENCOUNT
『SICK(S)』完全生産限定盤(CD+Tシャツ、ピックキーホルダー&ステッカー)

2019年6月5日(水)発売
価格:4,500円(税込)
KSCL-3168

1. PREDATOR
2. ワンダーラスト
3. ハウリングダイバー
4. #YOLO
5. 幻聴
6. アンコール

『SICK(S)』通常盤(CD)

2019年6月5日(水)発売
価格:1,800円(税込)
KSCL-3170

1. PREDATOR
2. ワンダーラスト
3. ハウリングダイバー
4. #YOLO
5. 幻聴
6. アンコール

イベント情報

『HALL TOUR 2019 apartment of SICK(S)』

2019年6月9日(日)
会場:熊本県 市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)

2019年6月21日(金)
会場:東京都 中野サンプラザホール

2019年6月28日(金)
会場:大阪府 大阪オリックス劇場

2019年7月15日(月・祝)
会場:愛知県 名古屋市公会堂 

プロフィール

BLUE ENCOUNT(ぶるー えんかうんと)

田邊駿一(Vo,Gt)、辻村勇太(Ba)、高村佳秀(Dr)、江口雄也(Gt)よる4ピースロックバンド。2004年に活動開始。2014年9月にEP『TIMELESS ROOKIE』でメジャーデビュー。2015年7月に1stフルアルバム『≒』(ニアリーイコール)をリリースし、2016年10月には日本武道館公演を開催。2017年1月には2ndフルアルバム『THE END』を、2018年3月に3rdフルアルバム『VECTOR』をリリース。結成15周年となる2019年は、バンド史上初のホールツアーを開催する。

関連チケット情報

2020年9月21日(月)
BLUE ENCOUNT
会場:オリックス劇場(大阪府)

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