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Suchmos・YONCEが語る、急激な状況変化が起きた2年間のすべて

Suchmos・YONCEが語る、急激な状況変化が起きた2年間のすべて

Suchmos
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:小見山峻 ヘアメイク:及川恒亮(darlin.) 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
2019/07/24

Suchmosがデビュー当初から目標として掲げていた横浜スタジアムでのワンマンライブがいよいよ目前に迫ってきた。“STAY TUNE”や“MINT”を収録した『THE KIDS』が大ヒットを記録し、バンドを取り巻く状況が急激に変化する中、昨年は「2018 NHKサッカーテーマ」として『FIFAワールドカップ』を彩った“VOLT-AGE”を発表し、年末には『紅白歌合戦』に初出場。2010年代の日本の音楽シーンにおけるエポックメイキングな瞬間だった。

しかし、そんな荒波の中にあって、メンバーが心身ともに疲弊していたのは想像に難くない。3月に発表されたアルバム『THE ANYMAL』は、ブルージーでプログレッシブな大作であり、初期とサウンドがガラッと変わったことでリスナーを驚かせもしたが、自らの芸術性を貫くSuchmosにとっての真骨頂のような作品だったことは確か。ただ、その一方で、どこか重苦しい雰囲気が感じられたのも事実である。同月からスタートしたツアーはHSUの体調不良により2本が延期となり、6月のアジアツアーは中止となるなど、苦難の時期となった。

今回CINRA.NETでは、ボーカルYONCEの単独インタビューを敢行。場所は4年前の『THE BAY』リリース時に取材を行ったのと同じ(インタビュー記事:Suchmos、男としての生き様をブラックミュージックに込める)、YONCEの地元・茅ヶ崎のダイニングバーで、取材当日に長かった髪をバッサリ切ったYONCEは、「初心に戻って」と笑顔を見せた。困難を極めたアルバム制作の舞台裏から、横浜スタジアムでのライブを前にした現在の晴れやかな心境までを包み隠さず語った、貴重なテキストである。

このまま進んでいくこともできるけど、「俺らはそれで果たして満足できるのか?」と反芻する時間が長かった。

YONCE

―この場所で取材をするのは4年ぶりですね。当時は『THE BAY』(2015年7月)のリリース前で、少しずつSuchmosの存在が音楽ファンの間で話題になってきたくらいのタイミングでした。

YONCE:あっという間でしたね。これは自分の性質だと思うんですけど、なにかとクヨクヨ考えちゃうというか、振り返っちゃうというか、「これは正しかったのか? 悪かったのか?」「こういうことを歌うべきなのか? そうでないのか?」とか、そういう見立てを持っちゃう癖があって。それが追っつかないうちに4年経っちゃったなと思ったりもして。

―YONCEさんのそういう側面は、世間的にはあまり知られてないかもしれないですね。

YONCE:まあ、本当は追っつかせる必要はないのかもしれないですけどね。瞬間瞬間の方が大事だなと思いつつ、それもないがしろにしてしまっていたことが多くて。

2016年から3年間のバックステージの様子とライブで歌われた“MINT”がつなげられた映像作品

YONCE、茅ヶ崎・Queにて。<br>Suchmosのボーカル。Suchmosは、YONCE(Vo)、HSU(Ba)、OK(Dr)、TAIKING(Gt)、KCEE(Dj)、TAIHEI(Key)の6人グループ。2013年1月結成。メンバー全員神奈川育ち。YONCEは湘南・茅ヶ崎生まれ。2019年3月27日にニューアルバム『THE ANYMAL』をリリースし、9月8日には、結成当初から公言しつづけてきた横浜スタジアムでのワンマンライブ『Suchmos THE LIVE YOKOHAMA STADIUM』を開催する。
YONCE、茅ヶ崎・Queにて。
Suchmosのボーカル。Suchmosは、YONCE(Vo)、HSU(Ba)、OK(Dr)、TAIKING(Gt)、KCEE(Dj)、TAIHEI(Key)の6人グループ。2013年1月結成。メンバー全員神奈川育ち。YONCEは湘南・茅ヶ崎生まれ。2019年3月27日にニューアルバム『THE ANYMAL』をリリースし、9月8日には、結成当初から公言しつづけてきた横浜スタジアムでのワンマンライブ『Suchmos THE LIVE YOKOHAMA STADIUM』を開催する。

―CINRA.NETの取材としては、『THE KIDS』(2017年1月)のリリースタイミング以来だから約2年半ぶりなんですけど(インタビュー記事:Suchmosが夢見る成功は、まだ先にある。次世代への意識を語る)、その手前で“STAY TUNE”が盛り上がって、かなり急速にバンドを取り巻く状況が変わっていきましたからね。

YONCE:『THE KIDS』から『THE ANYMAL』までの時間は特にモヤモヤしてました。ありがたいことに、富と名声みたいなものを手に入れて……このまま進んでいくこともできるけど、「俺らはそれを受け取るだけで、果たして満足できるのか?」っていうのを反芻してしまう時間が長くて。

なので、『THE ANYMAL』は良くも悪くも暗い作品になったと思う。「没入感がある」とも言えると思うんですけど。今となっては「なにをウジウジと」とも思うけど、すごく大事な気持ちを吐き出すことができたなとは思っています。

『THE ANYMAL』収録曲

―それこそ4年前の取材のときはまだ生活に余裕がなくて、そこから生まれるハングリー精神が創作のモチベーションになっていると話してくれていましたよね。それで結果が出たことによって、「じゃあ、その先でどんな表現をしていくのか?」という模索が始まったのが、作品単位で言えば『THE ASHTRAY』(2018年6月)からだった?

YONCE:そうですね。暮らしとか周りのものへの不満がなくなるに連れて、自分以外に当たれなくなっちゃったし、自分以外に不満を持てなくなっちゃったから、自分へのハードルがどんどん上がっちゃったのかな。本当は気にしなくていいような至らない部分とか、自分しか思ってないようなことが、すごく大事になっちゃって。

それを音楽にするってすごく難しいことだと思うんです。それって、メンバーとも共有してないことだったりするから。でも、それをメンバー各々察していたからこそ、思いやり合うというか、確信を突かずに作っていくみたいな作業をしていた時間があって……それは苦しいよなって。

YONCE

―つまりは、コミュニケーション面での難しさがあったと。

YONCE:素直になるのが大変だったんですよ(笑)。思ってることを切り出せないもどかしさがあって、「こう言ったらどう思われるだろう?」とか「これは飲み込んどいた方がいいんじゃないか?」とか。それって表現をする上で本当はしちゃいけないことだと思うんですけど、それをジャッジする感覚が鈍っちゃってた。

―YONCEさんはフロントマンだから世間の目も集まるし、そのプレッシャーもあったのでは?

YONCE:そうですね……ポジション的なものが、ものを分からなくさせてたところも多かったと思います。長い浮き沈みの波みたいなものを味わってたというか。「これはこういう時間なんだな」って認識して、「いつ抜けるんだろう?」って、ぼんやりとしか考えられない、みたいな時期がありました。

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イベント情報

『Suchmos THE LIVE YOKOHAMA STADIUM』

日程:2019年9月8日(日)
会場:神奈川県 横浜スタジアム

リリース情報

『Suchmos THE LIVE YOKOHAMA -2018.11.25 YOKOHAMA ARENA-』(Blu-ray)
Suchmos
『Suchmos THE LIVE YOKOHAMA -2018.11.25 YOKOHAMA ARENA-』(Blu-ray)

2019年7月17日(水)発売
価格:5,940円(税込)
KSXL-280

1. A.G.I.T.
2. YMM
3. Alright
4. DUMBO
5. Get Lady
6. Fallin'
7. BURN
8. STAY TUNE
9. In The Zoo
10. Pacific Blues
11. FUNNY GOLD
12. MINT
13. YOU'VE GOT THE WORLD
14. 808
15. GAGA
16. VOLT-AGE
17. Life Easy

『Suchmos THE LIVE YOKOHAMA -2018.11.25 YOKOHAMA ARENA-』(DVD)
Suchmos
『Suchmos THE LIVE YOKOHAMA -2018.11.25 YOKOHAMA ARENA-』(DVD)

2019年7月17日(水)発売
価格:4,860円(税込)
KSBL-6335

1. A.G.I.T.
2. YMM
3. Alright
4. DUMBO
5. Get Lady
6. Fallin'
7. BURN
8. STAY TUNE
9. In The Zoo
10. Pacific Blues
11. FUNNY GOLD
12. MINT
13. YOU'VE GOT THE WORLD
14. 808
15. GAGA
16. VOLT-AGE
17. Life Easy

『THE ANYMAL』(CD)
Suchmos
『THE ANYMAL』(CD)

2019年3月27日(水)発売
価格:2,916円(税込)
KSCL-3152

1. WATER
2. ROLL CALL
3. In The Zoo
4. You Blue I
5. BOUND
6. Indigo Blues
7. PHASE2
8. WHY
9. ROMA
10. Hit Me, Thunder
11. HERE COMES THE SIX-POINTER
12. BUBBLE

プロフィール

Suchmos
Suchmos(さちもす)

YONCE(Vo)、HSU(Ba)、OK(Dr)、TAIKING(Gt)、KCEE(Dj)、TAIHEI(Key)の6人グループ。2013年1月結成。ROCK、JAZZ、HIP HOPなどブラックミュージックにインスパイアされたSuchmos。メンバー全員神奈川育ち。Vo.YONCEは湘南・茅ヶ崎生まれ、レペゼン茅ヶ崎。バンド名の由来は、スキャットのパイオニア、ルイ・アームストロングの愛称サッチモからパイオニアとなるべく引用。2019年3月27日にニューアルバム『THE ANYMAL』をリリース。9月8日には、結成当初から公言しつづけてきた、地元・横浜スタジアムでのワンマンライブ『Suchmos THE LIVE YOKOHAMA STADIUM』を開催する。

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