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SOIL&“PIMP”SESSIONSの求心力 多くの音楽家から信頼される志

SOIL&“PIMP”SESSIONSの求心力 多くの音楽家から信頼される志

SOIL&"PIMP"SESSIONS『OUTSIDE』
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:木村篤史 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)

「危ないよ」と言われてた時代のブルックリンは、僕らの大好物な空気感。(社長)

―そして今回リリースされる新作『OUTSIDE』は、テレビアニメ『BEM』のサウンドトラックです。テレビドラマ『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系)のサウンドトラックを手がけてから短いタームで劇伴が続くわけですが、今のSOILにとって劇伴はどういう位置づけなんですか?

社長:その前の『ハロー張りネズミ』(2017年7月から9月までTBS系で放送。主演は瑛太、演出・脚本は大根仁)のときもそうだったんですけど、オリジナルアルバムの前にサウンドトラックのお話をいただけたのはラッキーとしか言えなくて。

オリジナルアルバムは自分たちを主役としてどう見せられるかという主眼がある一方で、サウンドトラックは自分たちが作品の背景の一部になって演者やセリフ、画が引き立つ曲をいかに作れるかが重要なので。客観的に音を作っていく作業ができるおかげで、それがまたオリジナルアルバムの制作にフィードバックできるんですよ。

社長

タブゾンビ:もともと映画音楽のサウンドトラックとか、メンバーみんな大好きですしね。

タブゾンビ

―『BEM』のサウンドトラックは、全体を通してSOILのルーツであるクラブジャズ的な感覚がアップデートされていると思ったんですね。それプラス、現行のヒップホップのフィーリングも加味されているというか。

社長:そう。今回オファーをいただいたときに、「『妖怪人間ベム』のリメイクだけど、舞台はブルックリンをイメージしている」というパンチラインがまずあって。しかも現代のブルックリンではなく、1980年代後半から1990年代にかけての、いわゆる「観光客が行っちゃうと危ないよ」と言われてた時代のブルックリンのイメージだったんですよ。

―危険な匂い、いわばサグいムードが充満しているころのブルックリン。

社長:そうそう。アニメの本編ではあの時代のブルックリンをイメージしていることは明言されてないんだけど、元ネタとしてそれがあると。それは僕らとしては大好物な空気感なので。『BEM』の音楽プロデューサーである福田正夫さんも、「これはSOILにお願いするしかない!」と思って提案してくれたみたいです。

左から:タブゾンビ、社長

社長:あと、『DAPPER』でメロウなヒップホップビートをいろいろ研究してたから、それを経てヒップホップよりのビートをこのサウンドトラックにも反映できました。なので今の我々のモードにもジャストなお題だったんですよね。

タブゾンビ:そこも本当に幸運としか言いようがなくて。あとはフェスの話にも繋がるけど、やっぱり人との縁ですよね。『ハロー張りネズミ』のサウンドトラックも、社長が大根仁監督と飲み屋の席で偶然隣り合わせになったことがきっかけでオファーをもらったんだよね?

社長:そう。飲み屋で一緒になったのは何年か前だったんだけど、そのときに「いつか一緒になにかできたらいいですね」という話をしたら、本当に実現したという。

―バンドにとってジャストなサウンドプロダクションのテーマ性といい、収録楽曲のボリュームという意味でもオリジナルアルバムに匹敵する内容だと思います。ライブでも聴きたいですけどね。

タブゾンビ:そうですね。ライブやるのかな? やろうか。

社長:やろうよ。構成上、ライブアレンジしなきゃいけない曲もあるけど。

タブゾンビ:このサントラを披露するためだけのライブをやりたいね。

左から:社長、タブゾンビ

―この劇伴を経て、次のオリジナルアルバムに向けたビジョンはどうですか?

タブゾンビ:ちょうど明日、そのミーティングをするんですよ。

社長:頭の中で音は鳴ってるんだけど、まだ言語化できてない段階ではあります。『DAPPER』では僕が作曲した曲が多めに収録されましたけど、今回自分はみんなが書いた曲を仕上げる側に回ろうかなと個人的には思っていて。マニピュレーター的な立ち位置というか。

タブゾンビ:客演に関しても前作であれだけのメンツを迎えたので、そうするとまた次も期待されるところがあるじゃないですか。特にインストバンドは余計にそうだと思うんですけど。

でも次は、一旦五人で表現できることを追求してもいいのかなと現時点では思ってますね。ここ2枚のアルバムはフロアでゆったり踊れる曲が多かったけど、ちょっとハードに踊れる曲があってもいいんじゃないか、とか。

社長:そう、ガツガツした感じね。

タブゾンビ:でも、ただのお祭り騒ぎじゃないぞという。ハードでもちゃんとダシの利いた曲を聴かせたいと思いますね。今、バンドがすごくいい状態なので。

左から:社長、タブゾンビ

―今日話してもそれはすごく伝わってきます。

タブゾンビ:自然な感じで曲がカタチになっていくので制作していても非常に気持ちがいいし、楽しいです。だから次のオリジナルアルバムはすごく楽しみだし、まだ世界のどこにもないような、新しいSOILの音楽が作れるんじゃないかと思ってます。……とか言って、超普通のジャズだったりしてね(笑)。

―オーセンティックな(笑)。

社長:アルバムタイトルが『AUTHENTIC』とか(笑)。でも、本当に自分たちも次のアルバムを作るのが楽しみだし、その前にこの『BEM』のサウンドトラックを作れてよかったです。

SOIL&“PIMP”SESSIONS『OUTSIDE』ジャケット
SOIL&"PIMP"SESSIONS『OUTSIDE』ジャケット(Amazonで見る

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リリース情報

SOIL&“PIMP”SESSIONS『OUTSIDE』
SOIL&"PIMP"SESSIONS
『TVアニメ「BEM」オリジナルサウンドトラック OUTSIDE』(CD)

2019年8月28日(水)発売
価格:2,700円(税込)
VTCL-60505

1. Phantom of Franklin Avenue
2. Blue Eyed Monster
3. Tracking
4. The Light and The Shadowland
5. Shapeshifter
6. Before The Dawn
7. Wanna Be A Man
8. Out of Control
9. Thinking of you
10. In The Gloom of The Forest
11. Inside
12. A Sence of...

プロフィール

SOIL&“PIMP”SESSIONS
SOIL&"PIMP"SESSIONS(そいる あんど ぴんぷ せっしょんず)

メンバーは、タブゾンビ(Tp)、丈青(Pf)、秋田ゴールドマン(Ba)、みどりん(Dr)、社長(Agitator)。2001年、東京のクラブイベントで知り合ったミュージシャンが集まり結成。ライブを中心とした活動を身上とし、確かな演奏力とクールな雰囲気を漂わせながらも、ライブでエンターテイメント、バースト寸前の爆音ジャズを展開。2005年には英BBC RADIO1主催の『WORLDWIDE AWARDS 2005』で「John Peel Play More Jazz Award」を受賞。以降、海外での作品リリースや世界最大級のフェスティバル『グラストンベリー』『モントルージャズフェスティバル』『ノースシージャズフェスティバル』など、数々のビッグフェスに出演、これまでに31か国で公演を行うなど、ワールドワイドに活動を続けている。また、国内外の数々のアーティストとコラボレーションを行い、映画やドラマの劇判を担当。2017年にはドラマ『ハロー張りネズミ』の劇判を手がけ、主題歌“ユメマカセ”ではゲストボーカリストにRADWIMPS・野田洋次郎を迎え話題となった。野田洋次郎、三浦大知をはじめ豪華アーティストが参加した最新作『DAPPER』が発売中。2019年8月28日には、『妖怪人間ベム』50周年記念新作アニメ『BEM』のオリジナルサウンドトラックを発売。

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